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■ chalk

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作者 [ Mr. Joakim Sandberg (konjak) ]
ジャンル [ 横スクロールアクション+シューティング ]
容量・圧縮形式 [ 4MB・ZIP ]
ダウンロード ダウンロード先 (English Site)

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レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 8 /10 8 /10 71/90 B
ckck 7 /10 8 /10 7 /10
赤松弥太郎 8 /10 9 /10 8 /10

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:8 サウンド:8

描いて作れ。生存への道。

■ 分かりやすいコンセプト

今回取り上げる「chalk」は、はっきり言って異色作です。
ダメージを受けるプレイヤー(女の子)と、攻撃を与える武器(チョーク)が別々の操作系統に分割されているのです。マウスで自由に動かせるチョークで、迫り来る敵キャラをバッタバッタとなぎ倒すことをコンセプトとしたアクションです。
襲い来る敵キャラのコンセプトも非常にシンプル。ザコキャラは大まかに3色の系統に分かれており、ゲーム内のヘルプを参照すれば、対処法に困ることは無いでしょう。

以上の対処法さえ知っていれば、クリアは難しくは無いはずですが、そうは問屋が卸さない点が、本作の難しさであり、問題点でもあるのです。

■ 分かりにくい状況

ヘルプ内でこそ簡単に見える敵キャラの対処法ですが、実際のゲーム内では、これらの敵キャラが画面せましと暴れまわります。人海戦術もいい所です。
しかも、その構成も非常にいやらしい方面で練りこまれた物です。画面いっぱいに緑敵が迫り、素早く消さないとダメージ確定なのは、まだ序の口。緑敵を消そうと思ったら青いクリスタルが邪魔をして、青いクリスタルを跳ね飛ばそうとしたら、今度は女の子の傍に緑敵がぶつかってくるなど、ままならない状況が最初から最後まで続きます。
製作者視点で見れば「よく考えて作ってあるな」と思えるのですが、プレイヤー視点だと、もうウザくてしょうがありません。殺意がゲームキャラを飛び越えそうなぐらいです。

何より、私にとっては、「対処法が全く異なる敵キャラを同時に登場させる」「攻撃と回避を別々の目・別々の手で管理する」=「一つの物事・一つの操作に集中させない」という本作のコンセプトが、非常に辛いです。
私は、本作に実験作的な臭いを感じます。本作で「マウスで攻撃+キーボードでキャラ移動」という操作系統をどのように扱うべきかという経験が、後の「Noitu Love 2」に生かされていると考えます。「Noitu Love 2」では、同じ操作系統も、同じシッチャカメッチャカな状況が頻発するゲーム展開も、ハデに動き回り、敵キャラをなぎ倒す爽快感にまで消化できている作品です。

■ まとめ

「Noitu Love 2」、マジオススメ。体験版だけでもプレイするべき。(えー)

 《 ckck 》  ハマリ度:7 グラフィック:8 サウンド:7

少女のために、身を削れ。

ハマリ度7/10
英語の説明にマウスでの操作と最初は戸惑うかも知れないが、意外なほど直感的にプレイできるため敷居は低い。
しかし、一ステージが長い上に似たようなギミックが続くため、いささかダレやすいのが難点である。
グラフィック8/10
派手さはないものの全体的にシンプルかつシックに統一されていることに加え、敵の対処法が色で分かる点も高評価。
欠点としては、敵の使い回しがやたらと多く、同じことの繰り返しになってしまうことだろうか。
サウンド7/10
BGM・効果音、共に地味であり、どうにもゲームが盛り上がらない。
グラフィックとの調和という観点からすれば悪くないのだが、耳に残る曲がないのはどうにも。

前置き

本作品を大雑把に説明いたしますと、「何の能力もないくせに危険へと突っ込んでゆく少女を、チョークの力を駆使して守ったり逃がしたり、襲い掛かってくる敵を撃退するゲーム」といったところでしょうか。
プレイヤーの役目はそのチョークとなることで、敵に囲まれようが死にかけようが平然としている少女の剣と盾と誘導役となり、共にステージを乗り越えていくことにあります。

寸評

この作品において特徴的なのは「自機少女とプレイヤーが完全に切り離されている点」でしょうか。
私達が操作するのはあくまで少女を守るチョークの側であり、間接的にしか少女を動かすことはできません。

通常、主人公というものはプレイヤーの投影であり、ことアクションゲームにおいてはプレイヤーの操作をダイレクトに反映させる役目を持っています。
が、chalkにおいてはあえてそれを切り離すことで、もどかしさの演出をするとともに、通常とは異なるテクニックを要求しているのです。

このようなシステムは斬新であるものの、入力の回数が増える上にキャラを思い通りに動かしづらくなるため、操作が煩雑になってしまう傾向があります。
問題を補うためには、(某変態スネークの実況によって有名になった某マイクゲームよろしく)面倒を楽しさに変換するギミックが求められるのですが…。
敵の使いまわしなどによる単調さが拭えない本作品においては、その部分が薄いように感じられてなりません。

まとめ

慣れてしまえば操作は意外と簡単ですし、ゲーム自体の難度もそれほど高くはありません。
チュートリアルの英語も十分読める範囲であり、読めなくとも2~3度プレイすればすぐに慣れることでしょう。

それゆえ、「内容の方にもう一ひねりあれば」と、まことに残念でならない一本です。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:8

white light, white dream

 こんにちは。激辛の萌え担当赤松です。……微妙に誤解を招く表現ですね。
 先月、ckck先輩が「イギリス人に日本の萌え文化はわかるまい」と言ってましたが、半分くらいは納得できる気がします。というのも、萌えって、受け手側の感情だからです。
 100万人を熱狂させる萌えキャラを見て、「キモチワルい」としか思わない人もいることは、周知の事実です。逆に、制作側はまったく萌えを意識しなかった、味も素っ気もないキャラについて、着ている服がスク水かどうかで一悶着起きるようなこともあるわけで。このあたりは、同じ日本人でも理解できない方も大勢いらっしゃるかと思います。
 しかし、「萌え」自体は日本独特の感情だとしても、萌えに対応する感動が外国に存在しないかと言うと、はたしてそうでしょうか。
 本作の自機に萌える私には、海外の方々にも萌えを愛する心があるはずだ、と思えてならないのですよ。

Lineたん  ということで、ご紹介しましょう。本作の主人公、Lineたんです。
 非常にシンプルなデザインのため、実は詳細はよくわかりません。頭に乗せてるのはベレー帽、首からネクタイを垂らしているのは間違いないとは思うのですが、どんな服を着てるのか、髪型がどうなってるのか、パンツはいてるのかこんな可愛い子が女の子のはずがないのかどうか、だとするとLineきゅんと呼ばなきゃいけないな、などと思うも、この絵からは確認できないわけです。
やられ

 やられるとグルグル回りつつ墜ちるんですが、この時もパンチラ一切無しという鉄壁ぶり。ますますパンツはいてない疑惑が真実味を帯びてきます。うっかりなんか見えちゃってるんじゃないの主人公 !!

 本作のミッションは、マウス1つで、彼女(便宜上、そうします)を迫り来る敵から守ること。
 主役が守ってあげたくなる容姿であることは、必要不可欠だったとも言えます。

まともっぽい敵  一方の敵は、なんでもありな感じです。
 点と線だけで構成された障害や、硬派なSTGにありがちな戦闘機も登場します。
 少女が空を飛ぶのは当たり前になって久しいですが、空飛ぶ少女を戦闘機がつけ狙う絵は、やはりシュールです。
ふざけてるっぽい敵  かと思えば、こんなふざけた顔してボインボイン跳ねてくる、(色々な意味で)嫌らしい敵も登場します。
 上と比べると、チョークで描かれているという唯一の共通点を除けば、とても同じステージに登場する敵とは思えないほどですが、これが同時に出てきちゃったりします。
 もう、完全にカオスです。
ボスっぽい敵  ボスのデザインも同路線です。1面中ボス、MAESTRO君に来てもらいました。
 どこがどうマエストロなのか、いったい正体はなんなのか、詳細は例によって不明ですけどカワイイから許す。ヨチヨチ歩く姿がチャームポイントです。
 見ての通り、急所はバンソウコウが張ってあるでベソです。その前に、このバンソウコウを剥がす必要があります。

 こんな調子で、彼らが、まさに黒板のらくがきのようなファンキーな作品世界を演出します。
 「これは萌えじゃない」と言う人もいるでしょう。萌えは受け手の感情の問題なのですから、人それぞれ違っていて当然です。
 しかし、Lineたんや愉快な仲間達に惚れ込んだなら、それはまったく正常な反応です。
 本国でもファンアートが届くくらいの人気ですからね、Lineたんは。

 では、評点。

ハマリ度 : 8 / 10
 腹八分目、もうちょっと遊びたくなるところで終わらせるまとめ方は見事。ルールはシンプルにまとめながら、次々と新しいパターンが出てきて、飽きさせない。
 反面、ヤリコミという観点からは不足を感じる。難度調整もなく、ステージ攻略は完全にパターン化してしまう。初見でも十分クリア可能な難度だったので、もう少し長く楽しめる仕掛けがあると良かった。
グラフィック : 9 / 10
 演出が若干単調。特にラスボスを倒した後のあっさり具合には拍子抜けした。
 チョーク絵がウゴウゴ動く以上の、ちょっとしたスパイスがほしかったところ。
サウンド : 8 / 10
 BGM1曲1曲は短くまとまっており、全体的な方向性がはっきりしている。
 世界観にはマッチしているものの、盛り上がりに若干欠ける嫌いはある。

結論 : やっぱりパンチラは欲しかった、ということで。

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