■ あんだわ
作者 [ ぼおん さま ] ジャンル [ 地下探索アクション ] 容量・圧縮形式 [ 7.7MB・ZIP ] 製作ツール [ HSP ] 備考 [ HSPプログラムコンテスト2009 総合最優秀・ツェナワークス賞 受賞 ] ダウンロード
レビュワー ハマリ度 グラフィック サウンド 合計 総合判定 ES 8 /10 8 /10 9 /10 76/90 777 8 /10 9 /10 8 /10 赤松弥太郎 8 /10 9 /10 9 /10
潜るより殴る!
今回ご紹介する「あんだわ」は、上の紹介にもある通り、昨年のHSPプログラムコンテスト2009で総合最優秀賞を獲得した作品です。
私が見た印象でも、この評価は妥当だと思います。HSPという環境の中で、本格的な3Dモデルを動かし、しかも、多彩な動作を実現しており、技術的にはトップランクだと感じました。
ただし、問題は他にあります。技術的にはHSPの限界を駆使して作り上げられた労作なのですが、いざ遊ぶ側に立ってみると、アクションとして問題が大積みなのです。
特に、現在のゲームの主流では、システムを本格的に作りこみ過ぎると、難易度だけが上がってしまい、ライトなプレイヤーに敬遠される要因ともなりかねません。
…そう、この「あんだわ」は、作りこみ過ぎてしまったがために、遊ぶ側として、様々な弊害が出ているのです。
「あんだわ」では、2ボタン+方向キーにより、連打からスマッシュ攻撃にいたる多彩な攻撃・コンボパターンから、2段ジャンプ・スライディング・ガードといった動作までサポートします。
第一印象では、「わー、多彩なアクションでたのしーなあー」と感じられるのですが、いざ実際に動かしてみると、これだけの操作をたった2ボタンで行うのは、初心者には辛すぎます。
特に、アクションの中で最も使用し、かつ、最も暴発しやすいダッシュ攻撃とパンチ連打は、それぞれ「電力」と「酸素」と言うパラメータを消費します。この2つのパラメータが0になると、体力が減ったり、スピードが落ちたり、様々なバッドステータスが発生します。
ダッシュ攻撃・連打攻撃ともに、敵キャラをやり過ごすことが難しい「あんだわ」では必要不可欠な技だけに、こういう使用をためらう要素は、大きなマイナスとなります。
このゲームの目的は、最深部にたどり着くこと、ただ一つです。ただし、得点を集めるためには、時に崖を登ったりして、宝石を収集する必要があります。問題は、得点のために崖を登る作業が、何よりやりづらい点です。
「あんだわ」主人公のジャンプ力は小さく、ダッシュジャンプで3歩分の横幅を飛び越えるのが精一杯。登るための垂直ジャンプは、横移動がし辛く、最もジャンプ力が高く、横移動もそれなりにするバク転は、カカト落としに化けて出し辛いと言う有様。今までプレイして1回しか成功したことがありません。
なお、敵キャラも「害獣駆除」ボーナスとして得点に入りますが、狙わない方が得策です。
先述の通り、「あんだわ」主人公の動作は緩慢で、ジャンプ性能も低いです。敵キャラをジャンプでかわしたり、上段に登ってやりすごすことが至難(と言うよりほぼ不可能)なのです。前後を囲まれたのなら、死を覚悟しましょう。 特に、岩人間系は、主人公よりリーチも長く、攻撃の予兆もつかみ辛く、何より背が高く、最もやり過ごし辛いという最強の敵キャラです。一度出会ったら、死ぬまで逃げられない場合が多々あります。稼ぎを考えないのならば、場所を覚えて近寄らないのが、最善の攻略法でしょう。最初に言ったとおり、このゲームは「作る側」から見れば、スクリプト・グラフィック・サウンド・労力、どれも非常に高いスキルを持った作品です。ただ、遊ぶ側として見れば、「もっと快適に操作したい」「覚えることが多すぎる」「酸素・電力などのステータス、宝石の色を揃えるといった、無駄なジレンマを抱えすぎ」など、まだまだ過大が山積みです。
ぼおん さまは、きっとこれ以上の作品が作り出せる方だと思います。次回は、より遊びやすく、軽快な操作感覚、スマートなシステムにした作品をお待ちしております。
《 777 》 ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:8
人は何故穴に入るのか。そこに穴があるからだ。
今回お送りしますは「あんだわ」。このゲームの目的、それは………
- 地底再深部まで到達
- できれば高得点を出して到達
以上!!
うん、実に単純明快。余計なことを考えずに済むというもの。
あ、そうそう。ストーリーなんてのも無い!!
まあ、これといったストーリーがないアクションやシューティングはざらにあるでしょう。 でも名前まで無いのはちょっと困りものかも。なんて呼ぶべきだろうか…。あんだわさん?
じゃあそろそろゲーム性の検証に行ってみましょうか。さて、アクションの肝とも言える操作性。第一印象としては「融通が効かない」って感じだろうか。
移動にしても攻撃にしてもあまり俊敏な行動はできないし、空中での横移動とかはほとんどできない。
ロッ○マンとかをやり慣れてる自分にはこの辺がなかなか辛かった。
リアル志向って言えば良いんでしょうかね。個人的にこう言うのはちょっと苦手。ステージを彩るモンスター。はっきり言ってすごいタフです。格ゲー並みと言っていい。
簡単に倒せるのはザリガニみたいな奴ぐらい。
他の敵は十数発から数十発殴らないと倒せない奴ばかり。
無視しようと思ってもタフさに見合ったデカさも持ち合わせてるから、通り抜けようと思えばほぼ確実にダメージを食らう。
倒そうと思えば仰け反ったりガードした後のカウンターが結構痛い。
それでも倒せばすごい高得点になる敵もいるから頑張ってみるのもいい。返り討ちにあうことも多々あるけど。それと、やる前に操作方法はある程度頭に入れておいた方がいいです。
一応、初回起動時にはチュートリアルステージもあるんですが、不親切なんですよね…。
Zキー(ジャンプ)でメッセージ送りしちゃってろくに読めなかったのがなぁ…。
最初しかプレイできないのも個人的には残念なところ。チュートリアルだって一つのステージだしね。
うーん、いつもに比べて厳しめになったかもしれません。
もちろん、いいゲームなのは確かですよ。自分の好みにちょっと合わない部分はありましたが…。
自分は同じHSPコンテストの中ではネズミマンの方が良かったなーとか思ってますが、
ロッ○マン好きなのが大きな要因かもしれませんな。
ではこの辺で。
《 赤松弥太郎 》 ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:9
壁をこえた時 前より大きな自分がいるのさ
100回を迎えての抱負 ? そんなものは無い。これからもノリノリで押しまくるぜ !
まずはみなさんお待ちかね、今年最初のこのコーナーから。
◆今月のメガネ萌え
メッガーネ ! メッガーネ !
本作がHSPコンテストで大賞を受賞できたのも、少なく見積もって30%は主人公のメガネのおかげだと見て間違いありません ! (異論は認める)
そんなキュートな主人公・モグラさん(仮名)の魅力を、じっくりとご堪能下さい。
いや、そっちじゃなくて。コレじゃなくてもっと大きいのがあったでしょう !? ほらそっち ! そっちだってば……
……げふん。気を取り直して、もう一度。
Soooooooooo Pretty!いいケツ……!
腰のくびれと言い、内股のくぼみと言い、引き締まったいいカラダしてますねーホントに。見ててほれぼれしますよねー。
しかし、ここは膝裏のくぼみでしょう。実は私、去年の夏お台場の頑駄無如来立像を見て以来膝裏フェチに目覚めてしまいまして。あの巨大な膝裏というのも実に加虐心をそそられるものがありましたが、やはり生の質感にはかないませんなあ。筋肉がタップリ詰まった、むしろ太いくらいの脚ですが、それでいてこれだけ美しい膝裏を確保してるなんて誠に奇跡的で今すぐに鼻先を近づけてクンカクンカ
……はっ !
まま、待ってください怒らせるつもりはなかったんですゴメンナサイ。
私、好物は最後まで取っておくタイプでして。
明度補正を加えた下の画像で、溜飲を下げていただければ……
Yahoooooooooooooooooooo!おっぱいとかヘソとかもいいけど、なんと言ってもメガネですよメガネ。つり目でメガネって、なんちゅうもんを食わせてくれたんや……なんちゅうもんを……。
残念ながら、メガネって絵師さんたちには評判がよろしくないアイテムです。顔の中心にフレームがきて描きにくいとか、グラスの光沢とか屈折とか、気にしなきゃいけないことが多いからですね。お手軽に装着できるアイテムじゃないわけです。
3Dでも事情は変わらなくて、メガネをかけててかつ見栄えのいい顔を作るのはかなり面倒くさいんじゃないかと推察するんですが、事実フリゲで、3Dで、こんなにメガネなキャラって、私は今まで見たことがありません。(他に知ってる方がいたら、ぜひ私に教えなさい。)
年の初めでもありますし、この機会にぜひメガネ絵師さんたちへの敬意を新たにしていきたいと思うのです。
あまり見ないと言えばもう1つ、アクションなのにメガネっ娘という点。
メガネというと、どうしても頭脳派とか、ドジっ娘とか、アクションゲームには不向きな属性がつくことが多いのですが、
飛んだり跳ねたり蹴ったり回ったり、
この娘に関しては、まったく心配いらない模様です。そう言えばこのあいだも、メガネの常識を打ち破るスピードで飛び回るメガネっ娘がいましたっけ。
メガネ付けていようがものともせずハデに動き回る娘が最近の流行……なのかな。「メガネは顔の一部です」ってそういう意味だっけか、と思いつつもボク個人としてはこういう流れは大歓迎ですね。
この調子で、皆さんもどんどん新しい分野にメガネの愛を伝導していただきたいっ !
こういう流れは大歓迎……なのですが。
しかし、どうしても1点だけ私、言いたいことがあるのですわ。
それは、あまりにも印象的なこのモーションのこと。
↓
このビタァァァァン ! としか形容のしようのない、これについてですが。
絶対ダメージ受けてるだろとかそういうことはこの際どうでもよろしい。
このコケ方、巨乳メガネっ娘の文法から外れてるじゃないですか。
右図をご覧下さい。巨乳メガネっ娘といえばこの姿勢ですよ。
命よりも大切なメガネをかばおうとアゴを上げた結果、おっぱいがクッションに、アゴがおっぱいに沈み込む感じになって、結果メガネは斜め前方に投げ出される……これがそう、お約束というものです。
いや、わかってますよ、不自然だってことくらい。アゴを上げたせいで飛ばされる、最低限ずれるメガネを描かなきゃいけない手間だってわかってます。
しかし ! どんなに不自然であっても ! どんなに手間であっても ! 願わくば、できることならば、こういうところにこだわったモグラさん(仮名)が見たかった……っ !
いや、だからなんだ、と言うと、なんでもないんですが。
こんなつまらないところで減点したりはしてませんって。同じメガネスキーの同志ではありませんか。
◆まわるまわるまわる~
今回はちゃんとゲーム性についてもレビューしますよ。
3Dバリバリの外観を持ちつつも、本作は根っこでクラシカルなスコアアタックゲーにつながってます。
と言っても、モグラさん(仮名)にはそうそう死なないくらいの打たれ強さはあるので、いきなり殺されるってことはありません。
ただ、螺旋状に折りたたまれたステージは存外広く、一回クリアした程度では全貌が把握できないのです。
たった6ステージしかないゲームなのに、1ヶ月プレイしてる今でも新しい発見があったりしますからね。
目の前に穴が空いているとき、プレイヤーは2つの選択肢を考えないといけません。
穴から下に落ちるか。それとも穴を飛び越えて先に進むか。
これが思うほどカンタンな話じゃありません。落ちる場所がちょっと違うだけで、まったく違う場所に連れていかれることがしょっちゅうあるんです。
しかも天井がわりと高いので、落ちるときは先が見えないし、落ちたらまず後戻りはできません。
一度の判断ミスでスコアに何千という開きができることも珍しくないのです。
そのシビアさがあるからこそ、本作は極めてみたくなる魅力に溢れてるんだと、ボクは思ってます。
初見殺しタップリだったアクション、パターンを覚えていないと攻略不可能だったシューティング……
昔のゲームはやたらシビアでしたが、だからこそ極めてみようと思う人たちも現れたのです。
一方でライトゲーマーにとっては、全然楽しめない苦行になってしまっていたわけですが、本作についてはその心配は無用です。
ほとんどのステージは、クリアするだけなら誰でもできるようになっているんですから。
アクションに関しては全然自信のない私ですが、そんな人でもどっぷりハマり込むことのできる良作と請け合いましょう。
しかし……ステージ4、あれって本当にクリアできんの ?
といった不満も踏まえつつ、評点に入ります。
- ハマリ度 : 8 / 10
- よく言及される操作性について、若干今の流行から外れたクラシカルな感触だが、決して悪くはない。マリオを目指したと言うが、むしろGENOCIDEっぽい感じ。
減点対象としたのは、主に以下の2点。
まずパワーアップシステムの煩雑さ。同色のパワーアップアイテムを取り続けることは極めて難しい割に、効果が見えづらく、イマイチ強くなった気がしない。ゲージくらいはあっても良かったのではないか。
もう1点、スコアアタックにもっと牽引力が欲しい。どこまでスコアが高くなるのか、目安がない。ネットランキング対応はわかりやすいが、クラシカルな本作とは相性が悪そうな気もする。
段位制はどうだろうか。次の段位に進むためのスコアだけ示しておけば、ネタバレの心配なく、プレイヤーに目標を示すことができるだろう。
他、ハイスコアが表示されるまでに時間がかかりすぎたり、細かい点で詰められる余地があるように感じる。- グラフィック : 9 / 10
- ピクセルシェーダーを切れば比較的ロースペックでも動かせる。Readme参照のこと。
スペックに対する配慮なのだろうか、敵の造形はシンプルにまとめられている。
若干シンプルすぎ、判定が大雑把になるきらいもあったが、今年公開された最新版でクモのモデルが修正されたのは好感触。- サウンド : 9 / 10
- DD-HEINサウンドで印象深くまとめられている。音楽からステージを考えた場面もあったというだけあり、音楽との親和性はなかなかのもの。
つくづく、音源がMSGSなのが惜しまれる。「せっかくだからハイスコア出してみようか」と欲を出したが最後、どこまでもスパイラル状に突き進んでいく……
本作と違うのは、酸欠にはならず、睡眠不足になるってところでしょうかね。