■ Arcuz
作者 [ Funnaut ] ジャンル [ アクションRPG ] 容量・圧縮形式 [ DL不要・FLASH ] Play (English Site)
- (補足)
- 2011.10.02:続編「Arcuz2」がプレイできます。
レビュワー ハマリ度 グラフィック サウンド 合計 総合判定 ES 8 /10 8 /10 9 /10 78/90 REN 10/10 10/10 9 /10 赤松弥太郎 8 /10 8 /10 8 /10
そんな装備で大丈夫か? → 大丈夫、問題ない。 → ! CAUTION ! → 即死
どうも、一番いいのはレベル制限で装備できない主人公です。
今回ご紹介する「Arcuz」は、ブラウザ上で遊べる本格アクションRPGです。どのぐらい本格かと言えば、
- ブラウザゲーでありながら、セーブを必要とするほど長いシナリオ
- 装備品の強化は、新製品の購入だけでなく合成による底上げでもできる…と言うか合成の方が重要
- そして、それだけ強化しても、油断すれば一瞬で殺される
…となる程です。「Arcuz」のキモは、最後の「死にやすさ」にあります。油断すれば一瞬で殺される緊張感をバネに、主人公の強化に勤しむこと、それが「Arcuz」の目的であり、醍醐味でもあります。
■ 最初の武器選びから肝心
「Arcuz」の主人公が使用する武器は、以下の3種類。どれも一長一短があるため、自分のプレイスタイルに合った物を選んでください。
- Falchion(刀):攻撃速度が速いのが特徴。スキが少ないので、実は防御主体の武器。
- Sword(剣):攻撃力・速度ともに中ぐらいの武器。Finisherやスキルの無敵時間を上手く利用できるかがカギ。
- Axe(斧):攻撃力とリーチが長所。スキが大きいので、正確に当てる必要がある。
問題は、この3種類のどれを使うかは、一番最初に固定すべき点です。「Arcuz」のスキルは、この刀・剣・斧の3種類に分かれており、どれかを1本伸ばしにすれば有利になる…というか、どれか1本に絞らなければ、とても敵の強さに対処できません。
私の場合は、「やっぱり最初はスタンダードでしょ」と剣を選びましたが、他のレビュワーと話し合った結果では、スキの小さい刀が最も扱いやすいようです。
■ トップビューなのにジャンプ?
「Arcuz」では、主にJ:攻撃, K:ジャンプの2ボタンで操作します。(I,L,Qのスキル攻撃は、序盤では覚えられないので、それまで忘れても構いません。)
「トップビューなのにジャンプをどう使うんだ?」と思われるでしょうが、このジャンプ操作が「Arcuz」では特に重要となるのです。
最初の内でも、Wolfの突進攻撃を避けるのに役立つため、ここでタイミングを練習するのが吉です。
そして、レベルを上げ、「ローズの森」に入れる頃になると、このジャンプの持つ重要性を思い知らされます。空を飛ぶHornetが登場するのです。
こいつは、ジャンプ攻撃を当てないと、まずマトモにダメージが入りません。初撃が遅い「Arcuz」では、Hornetの急降下攻撃に合わせてカウンターを掛けるのは、ジャンプ攻撃以上に難しいです。
とくに、他の地上部隊とかち合うと、地上攻撃で動きを止められないHornetは、乱戦時には非常に厄介な敵になります。地上部隊へのコンボを急降下攻撃で潰され、そのスキを地上部隊に突かれてボコボコ…そのまま死に直結しかねません。■ 1対多の不利性
「Arcuz」では、よほど後半にならないと、周りを囲まれたときの切り返しに使える攻撃(回転斬りなど)を覚えられません。序盤の内は、スキが大きく、向いてる方向にしか当たらない通常攻撃で何とかしなければなりません。
しかし、敵側には全く容赦はありません。序盤のWolfでも、近くのSlimeに対処しているときに射程外から突進…程度の作戦は使ってきます。少しストーリーが進んで、属性付きの敵が出てくるようになると、「後ろに回りこむ」戦法も当たり前のように使ってきます。何より、敵の移動速度が速くなり、一瞬の内に囲まれてしまいます。
例え無敵のスキルがあっても、発動前に潰されては意味がありません。レベルが10~15になり、丁度スキルが覚えられる頃には、囲まれる前に早めに対処することを覚えなければなりません。■ 試練を超えて強くなれ
このように、「Arcuz」では、敵が強めに設計されており、中々スムーズには進ませてくれません。プレイし始めの頃は、「よーし、クエストを解決して強くなるぞー!」と思っていたのですが、実際は逆。
まず、クエストを解決するために強くならなくてはいけないのです。
それまでは、大人しく即死しない程度の場所で経験値稼ぎをし、少しずつ行動範囲を広げることに勤しむ必要があります。
Webゲーム=サクサク進めると言う先入観のある方には、非常にイライラ来る展開だと思います。しかし、レベルを上げて、装備を整え、Crystalで追加能力を蓄え、行ける所・できることを徐々に増やしていく楽しさは、RPGらしい楽しさに溢れていることも確かです。
なお、適切な合成アイテムや、強力な装備を手に入れるため、アイテムの引きの強さなどの運もあります。ただし、引きが悪くても、しっかりと主人公の強さを上げていれば、十分に対処できます。
プレイし尽くした方向けに、強化した主人公でひたすらバトルする「闘技場」や、討伐数・コンボ数に応じた「達成一覧」など、ヤリコミ要素も十分に揃っています。あなたも、自分なりの最強主人公を、育ててみませんか?
《 REN 》 ハマリ度:10 グラフィック:10 サウンド:9
今日も元気にスライムミキサー
Yes! Slash!
《 赤松弥太郎 》 ハマリ度:8 グラフィック:8 サウンド:8
レベルの違いを思い知るがいい
現在プレイ時間が17:40、Chapter4の4つ目のQuestまで進めてます。
最近洋ゲーが多くなってる激辛イチオシですが、本作は→のとおりの対応言語の多さで、完全にワールドワイドを志向してます。いわゆる「洋ゲー臭さ」がお嫌いな方でも、比較的安心して楽しめるはずです。
……ただ、クセは強いんですけどね。
好き嫌いがかなり分かれるんじゃないかと思われるこの作品について、独断で向いている人のタイプをリストアップしてみました。
- ◎最近、どうにもヒマだ、という方
- 本作はボリュームはそこまで多くないのですが、後述の通り、とにかく時間がかかる作りになっています。時間を持て余し気味の方にはうってつけです。
逆に、フリーゲームをプレイするのに忙しくって、フリーゲームがプレイできないとお嘆きの諸兄には、あまりオススメできません。それ以上睡眠時間を削ることはないんですよ ?
- ◎こまけぇこたぁいいから斬らせろ、という方
- 本作には、小難しい謎解きや煩わしい戦略性なんか、これっぽっちもありません。弱点属性の概念すらないという潔さです。
ともかく武器をブン回して、殺ったら勝ち、殺られたら負け。ね、カンタンでしょ ?
- ◎レベル上げに快感を覚える方
- この大雑把なシステムでどうやってバランスを取っているのか ? 答えがこのレベル制です。
本作においてのレベルは、それ自体が重要なステータスです。レベルが1上がるだけで与ダメージが1.5倍、被ダメージが17%OFFになるのです。
逆に言えば、レベルが4くらい高い相手には、もう何をやってもダメージが通らないわ、一撃でごっそり持って行かれるわといった具合。
幸い、高レベルの敵がいるマップでは警告が出るので、さっさと引き返してレベル上げに励みましょう。
本作はあらゆる意味でセッカチさんには向いてません。
- ◎Dungeon Siegeっぽいゲームを2Dでやりたかった方
- 別にDungeon Siegeじゃなくても良いんですけどね。「Brave Gear」とか「The Ruins Of The Lost Kingdom」とかの灯ゲーでも良いんですが。
武器ブン回して敵から経験値やら金品やらを奪うスタイルのゲームは、どうしてか3Dが多いわけですが、本作はそれを見事に2Dに落とし込んでいます。
……と言っても、2Dに落とし込んだせいでムチャしてる部分もあるのですが。
典型例が→の蜂。こいつらが大量に登場するChapter2終盤は、それだけで1つの山場です。当たらねー !!
- ◎レアアイテム狩りや実績解除に情熱をかける方
- 前述の通り、かなり長い時間のレベル上げが必要になるゲームなので、自ずとその間にアイテムも貯まります。
合成のパターンはすでに解析が終わっているので、Wikiを頼るも良し、自力で調べるもまた良し。
(管理人追記:合成画面の左下にある「?」をクリックすれば、ほとんどの合成パターンが載っています。参照してください。)
自分なりの装備を吟味する時間はタップリあります。
まあ、実績の中にはコンボ999Hitとか、「こんなもん作業っすよ」としか言えないようなもの紛れてたりしますが。
- ▲無双ゲーがやりたい方
- 武器振り回して敵をなで切りにするというスタイル、ともすると無双系に見えますが、そちらの期待には応えられません。
ちょっとでもレベルの高い相手に囲まれれば、先述の通り、あっという間にボコられて終了です。
かといってレベルが低い相手ばかりボコボコにしていても、レベル差と反比例して経験値が下がるシステムになっているせいで、全くレベルが上がりません。
また、無双専用モードとして実装されている「闘技場」ですが、ここにも罠が。
適正レベルより高い状態で挑むと、1撃で敵をなぶり殺してしまうため、コンボ数が減ってむしろスコアが下がってしまうという事態になります。
もちろんレベルが低ければ苦戦はするわけで、お手軽なストレス発散にはなりません。
- ×正しい日本語でないと拒絶反応を起こす方
- 制作スタッフの皆さんだって、精一杯努力して多言語化作業に励んでいるわけです。説明が長すぎて最後まで表示できないとか、ちょっと日本語としておかしな部分があったりしても、そこは寛大な心で……
……
…………
………………ぷっ。
といった感じでしょうか。
ボク自身は、上記の項目にかなりの部分当てはまってたので、今日もゆるゆるとプレイを続けていたのです。
そろそろストーリーが急展開を迎えそうなフラグが立ってますけど、ボクはもう、別にどーでもいいんです。
敵をぷちぷちと蹂躙して、地道にステータスを上げていく、その行為自体が幸福に満ちたものじゃありませんか。
ただ……最初の1つ、「ヒマ」ってところにはボクは当てはまらないんですけどね。
うわああまた原稿の〆切過ぎてるぅぅぅ評点 !
- ハマリ度 : 8 / 10
- 言ってしまえば「作業ゲー」。その作業を面白いと感じるかどうかが分かれ道。
ただしゲームとしての作り込みに隙はなく、理不尽さを感じる場面はほとんど無かった。
剣の突撃技で壁にハマったように見える場合でも、ちゃんと潜り込んだ方向にキーを入れておけばやがて脱出できる。
- グラフィック : 8 / 10
- やはり3次元的な高さの表現がネックになる。上下の感覚がどうしても掴みづらい。
ドット絵単品で見ればまさに10点満点の出来。プレイし続けていると「ケンタウロスは象並に大きくて角が生えてる」とすり込まれそうになる。
- サウンド : 8 / 10
- モンハンでも無双でもそうだが、あまり曲に気を取られているヒマがないのが残念なところ。
とはいえ粒ぞろいの良曲揃い。サントラでも作るといいんじゃないかと思う。危機を迎えたこの世界で、ただ武器をぶるんぶるんと振り回す……
その一瞬の命のやりとりに、どうぞ浸ってみてください。