■ 夏雲の島の宝船
作者 [ halky さま ] ジャンル [ 探索アクション ] 容量・圧縮形式 [ 17MB・ZIP ] 製作ツール [ WOLF RPGエディター ] 言語 [ 日本語 ] 配布元
- (補足)
- 2017.10.08:現在の最新バージョンは、1.05です。
レビュワー ハマリ度 グラフィック サウンド 合計 総合判定 ES 8 /10 8 /10 8 /10 72/90 シュン 8 /10 9 /10 7 /10 赤松弥太郎 8 /10 9 /10 7 /10
本作「夏雲の島の宝船」は、アクションとしては「簡単」な部類に入ります。
エンディングを見るまで2時間以下
ラスト以外にゲームオーバーになる箇所は無い
ラストのゲームオーバーになる箇所でも、死んだ地点からコンティニューできる
…と、手軽な作品になっています。しかし、重点が置かれているのは、その道中に立ちふさがる謎解き。ジャンプでは届かない崖が、岩壁が、時には何の変哲もない水面でさえ、プレイヤーの行く手を阻んできます。
しかし、それらの行き止まりに対処する術も多数あります。
箱を積んだり、磁石を持ってブロックに吸い付いたり…道中のジャンクを集めれば、大ジャンプ+ひびブロックの破壊ができるバーストボムと、杭の消去+水に沈むことができるグラビ・バッグを購入できます。
特に、バーストボムによる大ジャンプは、非常に強力です。この大ジャンプ、たまに想定以上に高く飛ぶ場合があります。ただ、このバグは消してほしくないですね。
本来なら、各所から箱を持ってきて積み上げたり、遠回りして磁石をキープし続けなければいけない箇所でも、このバグジャンプで飛び越えられる場合があるからです。
ただ、狙って出せないのが最大の欠点です。偶然出たらラッキーぐらいに思っておきましょう。本作、マップ数自体は10にも満たないものの、各マップは広めにとってあります。そのため、謎解きの最大の障壁となるのが「謎解きをしているうちにどこのスイッチを入れたか、どこの扉を開けたか、ゼンマイは何処に入れたかを忘れてしまう」事です。
事実、私は「群青のオーブ」のある「扇風機のある岩場」の謎解きで一時詰まっていました。ここは、磁石を最上部まで持っていくための道筋を、箱を積んで扇風機の方向を変えて作るステージです。ゼンマイを上下どちらのスイッチに入れるかも重要になります。
しかし、そこでさえ、1つずつコツコツと積み重ねていけばクリアできるように考えられてあります。謎解きのレベルも、決して「一つ間違ったら詰まる」事が無いように考えられています。
本作は、プレイ時間も短め、1週クリア後にはタイムアタックという目標がある、なおかつ、第9回 ウディコン 総合グランプリ 第1位という実績まで獲得している…と、割と攻略動画向けの作品です。しかし、Web上を検索しても、本作の攻略動画を挙げている人は、思った以上に見つかりません。
「なるべく詰まる要素を少なくし、道中もホンワカ要素でまとめた」本作の利点が、こと動画となると「緊張感が作り出せない」という短所になってしまうのでしょうか。
触ってみれば、本作が非常に手堅く作られたアクションだと分かるはずです。アクション初心者の方も、ぜひプレイしてください。
《 シュン 》 ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:7
それは一つの宝を巡る冒険・・・で、「船」ってどういうこと?
ジャンルは「アクション謎解きゲー」と言えばよろしいでしょうか。アクション要素は謎解きで使用します。
謎解きは簡単ではありませんがそれでも自力で十分にクリア出来る範囲です。抜け道もありますし・・・。
そして終盤の展開は・・・タイトルもちゃんと回収され、宝の本当の姿ととんでもない展開が待ってますよ!
ここは沖合いの小さな無人島「夏雲の島」。お宝の噂を頼りに4人の若者がやってきました。
そのお宝とは「金のイルカ」。手掛かりを求めて冒険を始める彼らに待ちうける真実とは?
ジャンプやしゃがみ歩きを基本としてぜんまい仕掛けのドアを開けたり、磁石に吸い付いて移動したりします。
各地で見つかる鉄くずを集めるとアイテムを作ってもらえます。それによりアクションが追加されるようになり、これを使わないと突破できない場所も。
謎解きに関しては木箱を使うもの、水位を調節するもの、扇風機の風で移動するもの・・・などがあり、一筋縄ではいきません。
とはいえ難易度は簡単ではありませんが難しくもない絶妙な位置づけで、抜け道もあるので苦労せずに解けるはずです。
余談ですが、鉄くずは全て集めなくてもクリア出来ます。
さて、「金のイルカ」に関する真実とは一体何なのでしょうか?「夏雲の島」にのみ住むと言われる生物と言う噂があるのですが・・・。
途中読むことが出来る日記にも何かヒントがあるかもしれません。
終盤の展開は白熱します。宝の正体が明らかになるのはもちろんですが、それ以上に衝撃的な展開が待っています。
真の目的は一度クリアしてからにあるでしょう。詳しいことは伏せますが、またプレイしたくなるような要素ですよ!
《 赤松弥太郎 》 ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:7
輝きを今たたえて あしたの夢つらぬきたい
一週目をクリアして、今二週目をプレイし始めたんですが、面白いですねえ。
タイムアタックを始めると、本作はまた新しい顔を見せてくれます。
まず、ジャンプアクションとして。
洞窟物語を思わせる、ゆるやかな操作感が本作の特徴です。
やや慣性が効きすぎるところもよく似てるんですが、本作はゲームオーバーにほとんどならないので、最初のトゲで死体を積み上げるようなことはありません。
トライ & エラーを繰り返しながらじっくりと考えていく、初回はそういうプレイスタイルにおのずとなるでしょう。
ただし。タイムアタックを始めると、そうは言っていられません。
ジャンプもゆっくり、落下速度もゆっくりなので、うっかり滑落などすれば、1つのミスで数秒の遅れが避けられないのです。
操作自体が難しいところは1つもなく、タイミングを計る場面も一切無いのですが、タイムアタックでは、それは差が付けにくい、1度ミスすると挽回できないことを意味します。
パズル要素については、パズルは初見が華という意見は否定できません。
試行錯誤を繰り返しながら、5つの宝と120個のジャンクを回収していく過程はとても楽しいものです。
しかし、2週目以降、タイムアタックを始めると、そこに効率による取捨選択という要素が入ってきます。
本作をクリアするのに必要なジャンクは、70個。
これは強化アイテム「グラビ・バッグ」「バーストボム」のうち、どちらか1つだけでクリアは可能だからです。
どちらか一方だけでは回収できないジャンクも出てきますが、アイテム無しでも、必要数のジャンク70個は確保できます。
初回プレイ、強化アイテムに頼った力任せのやり方も楽しいものですが、それを縛られた時、また別の楽しみがあるのです。
自由度の高さもまた、タイムアタックの難敵として立ちはだかります。
本作はきわめてルートの自由度の高い作品です。ともかく5つの宝が手に入ればよし。宝の取得順序など、人によってまったく異なるのではないでしょうか。
あっちへ行き、こっちへ行き、迷いながらジャンクと宝を回収していく、初回プレイにはそんな楽しみがあります。
一方でタイムアタックの時、この自由度の高さは考えるべきことがものすごくたくさんあることを意味します。
どのルートで、どのジャンクを取得し、どのタイミングで強化アイテムを手に入れ、宝を取得するタイミングはいつか……
縛りが少ない分、やりがいがあるとも言えるでしょう。
……などと言ってきましたが、正直ボクはタイムアタックは素人でして!
ぜひぜひ挑戦者が増えてほしいと思ってます。多分、絶対楽しいはずです。
が、ボクのようにタイムアタックに楽しみを見いだせない人にとっては、本作は繰り返しプレイする作品じゃないんだよなあ……と思いつつ。評点。
- ハマリ度 : 8 / 10
- 基本操作はカーソルキー + Zキーしか使わないシンプル設計。しかしアイテム使用には↓↓ではなく別キーを宛ててほしかった。↓キーの役割が多すぎて、誤操作しやすい。
バグらしい挙動は見当たらなかった。ボムの爆発とジャンプがかち合うと、まれに2倍以上の跳躍をすることがあるが、不都合は多分ないはず。- グラフィック : 9 / 10
- すべて描き下ろし、さすがの統一感。白い岩肌と青い空の対比が、夏の空気をしっかり伝える。
16:9の画面サイズを生かして、右側にメニューを配置した画面構成も、邪魔にならなくてよい。- サウンド : 7 / 10
- 有名どころの素材曲数曲のみ、効果音もメジャーどころだけ。安定感はあるものの、目新しさは無い。
全体の音量もやや小さく、音量調整できないところもマイナスポイント。ボクがもう1つ惜しいなあ、と思うのが、キャラに名前がついてないことですね。
本作にはほとんどストーリーは無いんですが、4人のキャラはちゃんと立ってると思うんですよ。
金髪の隊長さん。バンダナの技師さん。影の薄いメガネさん。そして主人公。
名前さえ付いてれば、「ほら、あのメガネの、あの子!」とか、言わなくても通じるじゃありませんか!