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■ 疾風戦記フォースギア2

疾風戦記フォースギア2
作者 [ Master.typeX さま ]
ジャンル [ 2Dアクション ]
容量・圧縮形式 [ 27.3MB・ZIP ]
製作ツール [ Clickteam Fusion2.5 ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

(補足)
2020.05.10:現在の最新バージョンは、Ver1.0.8.0です。

疾風戦記フォースギア2 疾風戦記フォースギア2 疾風戦記フォースギア2 疾風戦記フォースギア2 疾風戦記フォースギア2

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 8 /10 10/10 53/60 B
赤松弥太郎 9 /10 8 /10 10/10

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:8 サウンド:10

あとは、勇気だけだ!

本作「疾風戦記フォースギア2」は、かなり福利厚生が行き届いたアクションゲームです。
残機は無限、落下死以外の一発死は無し、落ちかけても2段ジャンプで復帰可能、チェックポイントを多数配備、道中の「エナジークリスタル」を支払ってステータス強化と、初心者救済策を多数組み込んでいます。
それでも、本作は「簡単なゲーム」ではありません。むしろ逆。道中の敵は、最初のザコからして「攻撃パターンを読まないとダメージが避けられない」「1発で200以上のダメージが来るため、最初のHPだと5発も耐えられない」と、かなり高い試練を要求されます。
本作のシステムは、生かす面にしろ殺す面にしろ、「死んで覚える」ことを念頭に設計されています。死亡時の戻り量を極限まで抑えるための福利厚生策、「死んで覚える」インセンティブを万遍なく与えるための絶妙な難易度、「2」というナンバリングは伊達ではありません。

本作の「死んで覚えて楽になれる」要素は多数あります。本作をダウンロードした直後の段階では「爆裂弾を転がしてくる大型ザコは、早めに攻撃できる距離に近寄らないとハシゴを爆裂弾で塞がれてしまいます。」と恐れていたオープニングステージの大型ザコですが、その後程なくして「ハシゴから落ちてくる爆裂弾はブレードで切り捨てられる」と気づいてからは、さほど恐ろしい敵ではなくなりました。
恥ずかしながら、私のようなアクション苦手マンはこの程度の基礎知識ですら日単位の経験を重ねないと学べないのです。「遠くの敵だから」と思って、上方向のカバーができないショットばかりに注力していたのです。
「ブレードは意外とリーチが長い」「敵の足先数ドットまで近づいても体当たりダメージとはならない」など、攻略に役立つ「気付き」は多数あります。ぜひ、屍を積んで覚えておきましょう。アクションゲームの知識は、「屍を積む」以外に覚えようがないのですから。
現在の私でも、チェーンソーメイドなど「こちらを発見すると高速で突進してくる近接ザコ」の対処は苦手です。高低差がある場所なら「隙を窺ってチャージショットで速やかに間引く」が使えるのですが、避ける場所が無い場合はどうしてもダメージを受けてしまいます。
そもそも、本作のチャージショットは「WPを使用する」というリスキーな仕様です。WPが切れてしまうと、リロードが完了するまで通常ショットしか使えません。本作のゲーム性からすれば、かなり致命的な数十秒となります。WPは通常ショットでダメージを与えることで少しずつ回復していきますが、「ゲージが切れる前にリロード」はできません。計画的な利用を「死んで覚える」他ないのです。

本作は、システム側だけを考えれば「クリアできるまで徐々に経験値を積んで、少しずつ行ける所を増やせる」ように考えられたものです。プレイヤー側のやる気が続く限り、いつかはクリアできる仕様になっています。
ただし、「そもそものプレイヤー側のやる気が続かない」という問題に対しては対抗策はありません。本作はとにかく「疲れる」アクションです。
主な操作ボタンが4つもあり、しかも、その全てを高速で叩かなくてはいけません。攻撃(ショット・ブレード)は連射力の差で相手の攻撃に先んじられるかが決まりますし、ジャンプ・ダッシュはタイミングを外すと相手の攻撃に当たりに行ってしまう程のスピードです。
私のように、ストレスが溜まると操作が雑になるタイプは、相当なメンタル管理が必要になります。自力ではどうしても攻略の糸口をつかめない場合は、上手い人の攻略動画を参考にした方がいいでしょう。

そういうストレス源を和らげるためにも、キャラの強化は重要です。本作をプレイしていると、「あそこの攻撃に耐えてくれたらチェックポイント到達/ステージクリアできてたのに!」という場面が多数出てきます。そんな場面を「あそこの攻撃に耐えたおかげでクリアできた」に変えるために、キャラの強化は大きな効果を発揮します。
本作のキャラ強化は強力です。HP, WPなどステータスの上昇に加え、特殊能力を「装備」できる「カスタムチップ」があります。
カスタムチップの効果は、「チート」の領域に片足を踏み込むほど強力です。特に生存力に直結するのが「敵にダメージを与えるとこちらのHP, WPが回復する」チップです。本作の敵キャラの耐久力を考えると、「撃った分だけダメージを回復する」このチップがいかに強力無比か分かるでしょう。
本作は、一見で分かるほどの「ロックマン」リスペクトのアクションですが、細かく見ると最新の「ロックマン」シリーズまで研究していると分かるでしょう。パーツによる強化は、「ロックマン7」で追加され、最新作「ロックマン11」まで、外伝作「ロックマンEXE」「ロックマンZERO」を含めて実装されている、実績のある難易度緩和策なのです。

本作「疾風戦記フォースギア」シリーズはかなりの知識がいるアクションです。敵キャラの攻撃パターン・それを回避するタイミング・トラップの場所・最も楽に越せるルート・優先する強化…それら全てを「死んで覚え」なければいけません。
「死んで覚える」ことを極限まで楽にした作りになっています。あと必要なのは、プレイヤー側の「死んで覚える」覚悟だけなのです。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:9 グラフィック:8 サウンド:10

アイツもコイツも狙ってる 勝負はいつもギリギリハラハラ

 まずは、ざっくりと初心者向け攻略情報を書いてみましょうか。

◆キーボーダーのためのキーボード配置

 デフォルトの配置がとてもつらいので、まず直しましょう。

Bボタン: C
Aボタン: Shift
Yボタン: X
Xボタン: Z

 他はデフォルトのままでOKです。サチの場合に限り、YボタンとXボタンを入れ替えても良いかもしれません。
 なお、version1.0.8.0現在、キー設定には重大なバグがあり、Bボタンの設定でAボタンが、Aボタンの設定でBボタンが設定されてしまいます。
 よって、例えば上のキー配置にする場合は、Bボタン設定の時にShiftキー、Aボタン設定の時にCキーを押して下さい。
 Lボタン・Rボタンの設定も表示がおかしくなりますが、実際に設定されているのは最初に表示されていたボタンです。

◆エンディングを見るための攻略手順

キャラクターはサチを選択
→まずカスタムチップ「エクストーション」を購入・装備
→キャパシティを1ランクアップさせて、カスタムチップ「オートファジー」を購入・装備
エアリアルアクションを最優先で強化、必要だと思ったら他パラメータを上げていく

 この順番で強化すれば、1ステージくらいはクリアはできるようになるハズです。
 ジャンプ回数を増やすまでは市街地(夜)で稼いだ方が無難でしょう。
 ステージの攻略順序ですが、ステージの難易度に極端な差はないので、手に入るスキル、それと属性相性で考えればいいと思います。
 採掘場をクリアすると、鉄ブロックを破壊できるようになるので、まずは最優先でしょうか。
 次点でデータセンター。ブレードから衝撃波が出るようになるので、ショットがほぼ不要になります。

 続いて、本作の評価について。
 「ロックマンクローン」というジャンルは、同人ゲームの中でも長い歴史のあるジャンルで、傑作も多く生まれています。
 それだけロックマンは、フォーマットとしてよく出来ているのです。
 公式シリーズからして、ロックマン2の頃には既にフォーマットが固まったにもかかわらず、以降あれだけの数のナンバリング作品・スピンオフ作品を長年にわたって作り続けていることからも明白です。
 その間マリオシリーズのシステムがどれほどのリニューアルを重ねてきたか、思い起こしてみると良いでしょう。
 ロックマンシリーズにも、リニューアルを試みた時期はあったのですがね。X8とか。

 それは反面、フォーマットが固まりすぎていて、オリジナリティを出しにくいという問題点にも繋がっています。
 ただのクローンゲームに留まる限り、じゃあロックマンプレイすればいいじゃんということになりかねません。
 偉大なるマンネリズムは、公式がやるからこそ意味があるのです。
 同人として作る以上は、そこに+αの何かが当然必要となってきます。

 本作は、言うまでも無く、ロックマンXシリーズから強い影響を受けている作品です。
 特に主人公、青島サチの操作感は、ほぼほぼゼロと言えるほどです。レーザーブレードでスパスパとザコをなぎ倒します。
 もうひとりの主人公・室井セツナがショット専門という点も、とても既視感を覚えますね。
 では、セツナはエックスなのか?
 違うんだなあ、これが。全然違う。
 サチとセツナ、大きな差を生んでいるのはジャンプ性能の違いです。改造によって強化される方向性がまったく異なります。
 サブウェポンの差よりも何よりも、ここで操作感に大きな違いが生まれるのです。

サチ  サチのジャンプアクションは空中多段ジャンプです。
 改造するごとに回数が増えていき、最終的には空中で3回ジャンプできるようになります。
 空中ジャンプ中は丸まってローリングアタックができ、さらに空輪斬を習得すると、空中ジャンプをする度に大きな攻撃判定が発生、一方的に敵を削り倒します。

 制御のしやすさでは、全キャラ中トップと言える性能です。
 ロックマン名物・消える足場でうっかり滑落してしまっても、とっさの空中ジャンプで、かなり安全にリカバリーできる可能性があります。
 レーザーブレードの使い勝手の良さと並んで、サチを初心者の方にオススメしたい最大の理由になっています。

セツナ  一方のセツナは、一番制御しにくいジャンプアクションじゃないかしら。
 その名も空中ダッシュβ。要するに空中飛行です。
 空中でダッシュボタンを押すことで発動し、左右の水平・斜め上・斜め下の6方向に対応。ダッシュボタンを押し続けるとかなり長時間飛びます。
 レベルを上げると回数が増える他、当たった敵にダメージとターゲットマーカーを付与する機能が加わります。

 最大の難点は、真上に飛べないことですね。
 自分の真上に足場がある時、前に進む→振り返る→ジャンプして空中ダッシュという、面倒な手順を踏まないとたどり着けません。これが結構歩くんだ。
 ダッシュボタン発動というのも地味に使いづらい点です。足場から滑落した時、とっさに押すのはジャンプボタンでしょう?
 そして、敵に当たるとバウンドしてしまう、という点も……。
 ノーマルショットが壁貫通とか、ターゲットマーカーで狙い撃ちとか、面白い要素はあるのですが、背が高くてショットが当たらない敵がいる等、総じて見るとかなりの上級者向けです。
 少なくともハッキリしているのは、この操作感はまったくロックマンでは無い、ということです。

 初期キャラのセツナでこれですから、クリア後の追加キャラクターはさらにひと味違います。

 と、まったく操作感覚が違う4人が順次解放されます。
 ここまで操作感が変わると、当然ステージの攻略方針も大きく変わります。
 何も考えずに斬・斬・斬・成敗!! と押し通れるのがサチの魅力ではありますが、そればかりではつまらない。
 例えばジストナイトなら、空中浮遊で敵の裏に回って、できるだけ攻撃を受けないように立ち回ろう、だとか。
 例えばモモカなら、タイミングを合わせて飛び込んで殴りかかり、まとまったダメージを取っていこう、だとか。
 キャラクターによって考えることがだいぶ変わります。
 一度はクリアしたステージであっても、キャラが変わると違った楽しみが見えてくるからこそ、何周もできるんですね。

 ただまあ、ボクのようなヘタッピだと、誰でも彼でもフル改造してごり押し、っていうパターンになっちゃうんだよなあ……。
 評点しましょう。

ハマリ度 : 9 / 10
 ロックマンと言えば8ボスだが、本作には6ボスしかいない。それでもステージの内容が濃く、ボリュームは十二分。チャレンジモード等末永く遊べる工夫も十分。
 ステージもさりながら、ボス戦がとても楽しい、面白い。パターンを見極めて回避・攻撃する、昔からのアクションゲームの楽しみを教えてくれる。
 カスタマイズによるキャラ強化がだいぶ効き、特にHPは改造前と比べて2倍になる。キャラ強化しすぎてヌルゲーになってしまっても、現状元に戻すことはできない。ただし、自分で縛れば良い話ではある。
 問題は、改造しないとステージクリアできない初心者にとって、ECを溜める期間が苦痛だという点。
 ダメージが標準で1発100以上、ザコでも200ダメージを越えることがよくある本作では、初期HP1000は初心者にとってだいぶつらい。
 Easyにすれば良い話だが、Easyだとコレクション要素が取得出来なくなるため、初見ではNormalを選択してしまうだろう。後から変更する手段もない。
 またステージについても、長さのバラツキが気になる。ビル火災現場などは、ショートカットを使わないととても長いステージ。脇道かどうかが一目で見てわかりにくいステージも多く、進んでいると思ったら戻ってしまった、ということも度々あった。
グラフィック : 8 / 10
 スーパーファミコンというよりはそれ以前の、ファミコンに近い色数と画風。輪郭をはっきり黒で描く、マットな仕上がり。
 火災現場のビル背景などで、背景が目立ちすぎてステージギミックがわかりにくくなっている場所があった点は特に残念。せめて背景と近景は別スクロールにしてほしかった。
サウンド : 10 / 10
 とても気持ちの良いチップチューン。ただの模倣などではなく、全体を通してテーマがはっきりしている。洋館が一番のお気に入り。
 OSTはなんと無料配布中。クリア後にタイトル画面でYボタンだ!

 なんとか〆切前に全キャラ解放できましたが、やっとここで折り返し点、といった感じですねコレ。
 ゲストキャラは、本作ではみんな変態じみた挙動で、これからプレイするのがとても楽しみです。ストーリーやキャラ別ボスもしっかり作ってあるそうですし。
 作者の皆様方もお疲れ様です。機会があったら、原作でお目に掛かりましょう!

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