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■ 正義の味方ギガトラスト

ギガトラスト
作者 [ ゴリッチュ さま ]
ジャンル [ ビジュアルノベル ]
容量・圧縮形式 [ 359MB・ZIP ]
製作ツール [ LiveMaker ]
ダウンロード ダウンロード先

ライザーとの出会い 黒曜との出会い オメガダウト 雛森雛子 紫 雛森糖姫 ギガトラスト

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 10/10 8 /10 10/10 102/120 B
気ノ懐戎徒 8 /10 8 /10 10/10
DECOすけ野郎 8 /10 8 /10 8 /10
赤松弥太郎 7 /10 8 /10 9 /10

 《 ES 》  ハマリ度:10 グラフィック:8 サウンド:10

「正義」…それは怒涛の如く、強く、気高く、そして残酷。

最初に謝ります。「正義の味方ギガトラスト」をイチオシに発表した当時、私はこの作品を過小評価してました。
最初から張られた伏線で、「これは最後まで読まないと、ちゃんとした評価ができない作品だな」とは感じていましたが、まさか、あそこまで(色々な意味で)圧倒される展開になるとは思いませんでした。

長いです。序盤~中盤の10話までが、それぞれ通常のノベル1章分(20分~30分)とすると、ラストはその数倍。いきなり「境界線上のホライゾン」か京極夏彦かと思えるほど文章量が増大します。
しかも、序盤~中盤に張られた伏線がブチブチと千切れるように紐解かれる章なので、どうにも中断どころが見つかりません。
ラストの3話を読むのに、冗談抜きで徹夜しました。しかも平日に。

そして、序盤(4話:糖姫編に切り替わる辺り)までは気付かなかったことですが、「正義の味方ギガトラスト」に出てくる表現は、通常ならR-15指定にするべきレベルです。
4話までの表現では、ゴア表現は出血程度、お色気は

ライザー「私の玉、知りませんか……?」

程度だったので、すっかり油断していました。
「B.B.ライダー」では、小さい歩行グラ故にバイオレンスが見えにくく、お色気もニトスのスッポンポン以上のモノは無かったのも、油断していた原因の一つです。
「B.B.ライダー」から「ギガトラスト」の間(2006/08~2011/02)に、4作ものシェアウェア(しかも2作は18禁指定)を作っていたことを失念していました。
中盤では「えっ…」と言うぐらい、乳首券が発行されます。それどころか生首券まで発行される容赦のなさです。

「B.B.ライダー」のENDシーンでのアレ(ネタバレ略)で薄々感づいていましたが、作者・ゴリッチュ氏は、割と平気で登場人物を過酷な運命(時には死ぬレベル)に叩き込める作家だと、改めて痛感しました。
Aパートでお色気シーン含む中心的描写(俗に言う『○○回』)が出てきたキャラを、Bパートであっけなく殺すなんてことを、平然と行います。
もちろん、これは「B.B.ライダー」でも見せた、作者・ゴリッチュ氏の正義観・英雄観ゆえの必要な描写です。「正義と呼んでくれた人の『理想』になってみせる」を貫くため、「正義の味方」たちが対立する…と言うのが「ギガトラスト」の本質です。

以上のように、ストーリーは非常に楽しめ、中断どころを忘れるほどハマったため10点。
サウンド面でも、オリジナルソングが豊富に揃っているため10点。本編読了後は、是非「音楽モード」で聞いてみましょう。ストーリーを叩き込まれた頭で歌詞を聴いてみると、全て本編を再現されたものであると感じるはずです。

しかし、グラフィック面では少々問題があったため、点数を引かせていただきました。怒涛のエフェクト(戦闘アニメ)がポケモンフラッシュ並に激しいバトルシーンが、ちょっと見た目に辛いのです。
エフェクトのみで繰り広げられ、肝心の人物のアクションパターンが少ないのも減点の理由です。ただし、それこそ「ストⅢ」並に技術力やマンパワーが無いと、「ギガトラスト」のアクションシーンを全てキャラ絵で再現することは不可能だとも感じました。この点はマンパワーに限りのある同人作品では致し方ない部分です。

また、点数には反映しませんでしたが、ギャグ・お色気パートとシリアスパートがちょっとチグハグに感じました。
シリアス分の少ない前半ではそれほどでも感じませんが、後半だとお色気・シリアスともに過激になるため余計にチグハグを感じました。「いや、そんなピンクのキラキラ出してる場合やないやろ!」という思いさえ、脳裏によぎりました。
この点、ギャグ・お色気パートは、作者のフリーダムさが「B.B.ライダー」以上に開放されているためだと考えています。

こういったフリーダムなギャグ描写を楽しむもよし、後半の怒涛のごとき展開から、前半のどの部分がつながるかを解明しながら読み進めてみるもよし、ライトからへヴィまで様々な楽しみ方ができる作品です。
是非読んでください。

 《 気ノ懐戎徒 》  ハマリ度:8 グラフィック:8 サウンド:10

願い、絆、愛情、優しさ…各々が信じる『正義』の行方

初のイチオシレビューをさせていただきます。気ノ懐戎徒と申します。長文乱文で見苦しくなるとは思いますが本日はよろしくお願いします。

正義の味方には小さい頃、子供なら多くの人が憧れたものだ。
しかし、徐々に大きくなると子供の中にはある事を疑問に思うだろう。
悪には悪なりのそうせざるを得ない理由あるいはきっかけがあったのではないか?。
正義には正義なりのそう言い張る理由、きっかけがあるのではないか??
そう考えたりしていた時代を思い出しながらやっていきました。

いきなりですが私の偽り(冗談)の混じった文章を読んでもらいましょう。
いやなに、あまり深く気にしなくていい程度でございまする。

このゲームは・・・
正義の味方ギガトラストが女の子の

白おぱんつ。
しまぱんつ。
ロリぱんつ。

を入手して
ロリコン、シスコン、ペドフィリアを育成&量産できるゲームだッ!!!!

だからッ!お色気が苦手な人はッ!!!覚悟を持って突撃するんだッ

以上で偽り交じりの文章を終わります。
では、本文に入ります。
グロテスクもそこそこあります。シナリオを読んでいくとあるキャラクターにダーク・カンジョウなるものが宿るはずです。

グロテスクの耐性の無い人々。お色気に耐性のない人々。
心してかかるべしぃ~
それでも18禁ではないですがね。
個人的には15歳以上の方がやるほうがいいんだろうか?とも思われましたとですん。

シナリオを読むとどんでん返し
あの子が学校にいるやジャージ姿かわいいなぁ…ハァハァになったり
あの男が実はシスコンでシスコン仲間数人と一緒に 妹大好きシスコンジャーになったり
主人公が地毛だったと思いきや実はカツラだったり

うん…また途中から偽りが混じったね。申し訳ない。

さて評価のほうドンドコです。

ハマリ度 8 / 10

テンポが良いとかはよくわからないですが。
ギャグとか色々とふかされましたね。ブフッと
そして、登場キャラがまた可愛いんですねぇ。。。
…すいません、良い文章が思い浮かびにくいですが。。。。
オホン
序盤、中盤の間では疑問に思う点がたくさんあります
その中で人々の動き、気持ちを色々と思わせてくれますです。
その時々でシリアスの時には胸に、熱い感情をいだかせてくれる。

その、シナリオによってプレイヤーに与えられる…『心に与える強い想い』は…うむ。
良いものですなぁ。ときに涙腺を緩め、ときに胸を熱くさせてくれる。
ほんの少しだけ自分も正義の味方になりたいなという少年時代を思い出さされたゼイ!

お色気からのシリアス及びバトルの切り替わりが自分にはちょっとついていきにくいです。
悪いわけではないですが。

日常パートとシリアスパートがありますがそれらを予想して『どうなるかなーとわくわく』読み進めていってどんでん返し!そして驚きの波。
新しい予想を立ててみるも張られた伏線によりどんでん返し!
繰り返されるでん返しの末、予想の更に上を行くシナリオ。

終盤に思うのは
『正義』の味方と『正義』の見方。
ス〇ライド…アレとはまた別の、良いシーンがこのゲームにはある。熱いとはいい難いけれど、それは少しずつ熱い思いを燃え上がらせられる。

序盤及び中盤の最初に限りますが…
本作品は B.B.ライダーを 一通りプレイしているとより楽しめます。

他のレビュワーの方々が詳しく語ってくれるとは思いますが、クセのある作品となっておりますん。
私の頭では少々理解がしにくいところが多々あった事。少し小難しい効果のあるモノの説明。
とりあえず、ユリちゃんにご飯作ってもらいたい。肉じゃがに俺は飢えているんだっ!!!!!!!!
いえ、本当に。

グラフィック 8 / 10

キャラクターの立ち絵や一部の絵の線が太いなぁ
と思いつつかわいらしい女の子たち。
お色気シーンでは何度もふきました。
ええ、鼻血です。
血が足りなくなりました。
ええ、出しすぎました。赤い液体を。
憎悪を抱きました。
シナリオの都合もありグロテスクなシーンが全体的にひい、ふう、み、よ…うん。
たくさんありますねぇ。
あまり深く気にする必要はないのでしょうが。。。
耐性のない人には辛くなるとは思えるのです。

グロテスク面で自分は 料理 や 奥様は惨殺少女 をやり遂げる程度の耐性ですが
なんとか、、、なんとか耐え切れました。料理でひどい目にはあいましたが。 どうでもよかったですね。
とりあえずは、そのくらいの耐性があればなんとかなるとは思います…よ?

サウンド 10 / 10

バトルシーンに流れる挿入歌が俺を熱くさせてくえるっ!!!
どこぞの不敗がつく流派の如くッ!!!
もっと輝く拳の如くッ!!!!!!
ピアノやバイオリンその他色々がせつないよ。哀愁を思わせるよ!涙を誘うんじゃないよ!!!!
涙腺刺激を促進させちゃダメだろう。うわぁん(涙多数

せつなさ、胸に来る熱さ(熱さに至っては若干燃料不足を思わせられるが)に挿入歌や音楽のアレやコレがアウンデスゥゥゥゥ~~~~~ッ!!!!

さて、、、もう一度やってくるよ!
おぱんつパシャパシャという目的のうえで!!!!

おっとっと~その前に。。。
私は思うにこの作品のテーマは要素がたくさんあるためにどれなのか迷いがちになるので
私はそれの中から可能性があるものを提示します。
何がテーマなのか、私は解らないものですから。
『正義』と『悪』、『正義』の味方、『正義』の見方、血の繋がりと心の繋がり

それでは、初のイチオシレビューを終わりたいと思いますが。
…如何でしたでしょうか?初のイチオシレビューでしたが…読みづらくは無かったでしょうか?
この文章を見て興味を持たれたら幸いです。あい。

……ネタバレ…しすぎてないよね?

 《 DECOすけ野郎 》  ハマリ度:8 グラフィック:8 サウンド:8

正義ってさぁ、何なんだろうね・・・。

【概要】
はっきりいって、今回のゲームは人を選びます。あと、B.B.ライダーをやってない上での感想となります。

たしかに、伏線回収や迫真のバトルシーン、全く無駄が無い登場人物(たいして出番が無いと思ったら、まさかあの場面で!)といい、そういう魅力はあったのですが・・・正直、ラブストーリーやエロ関連の話になると読み飛ばしてましたし。

塩彦がラブなホテルに連れ込まれて黒曜にタマを抜かれそうになるシーンとか
ライザーがもう長い間パンツを替えていないという話を聞いて春美が興奮するシーンとか、
あのロリペド野郎とか
白いものがラゼット先輩にかかるとか
どう反応したらいいかわからねえじゃんかぁ!(※このゲームは成人指定ではありません)

露骨なエロシーンはちょっと・・・という人には辛い内容が続きます。

あとギャグ。ギャグそのものは悪くは無いんですよ。いや、ギャグも人の好き嫌いがあるから万人向けというわけではないですが。それでも、シリアスなシーンでギャグの応酬をしているのを見ると「敵はそれを待ってくれるくらい悠長な奴らではねえだろ」と思ったわけですよ。

肝心のゲームの内容についてですが、このゲームは6章くらいからスロットルがかかってくるわけです。果たして、塩彦の「正義」は所詮身勝手なものでしかないのか。人を傷つけてしまうだけなのではないか。自分を蝕んでいるだけなのではないか。そこからもう、グイグイと引っ張ってくるわけでして・・・ただ、間や「日常のシーン」でクセがどうもあるから果たしてそのノリについていけるのか、と言うところはやっぱりありますね。

6章から本当物語がズガーン、と動くわけですよ(大事なことなので二度言いました)。序盤で諦めてしまうのはもったいないと思うわけなんですが、このゲームは長い。流石に長い。

全然お手軽じゃねえ!短編でもねえ!あと残虐なシーンが予想以上に多いよ!

ハマリ度:8/10
ストーリーの強烈っぷりは良いのだけれども、やはりそうでないシーンとの落差というか取っ付きにくさがあるので、やはり人を選ぶ内容となっています。人によってはこれは更に低くなるかもしれないです。

キャラの魅力ですが、それぞれ無駄がなく見せ場もそれぞれあります。しかし、あれだけキャラに感情移入させておいて退場させるとはのう・・・俺はああいうのはどうも弱いんじゃよ。

グラフィック 8/10
数時間もやっていれば気にならなくなるよ!むしろ、小奇麗な絵だったら物語として成立していない気がするわけなんですよ。

サウンド 8/10
所々に挿入される歌、章が終わるごとに挿入される歌、効果音がすごくいい感じなんですわな。逆に、戦闘シーンでの効果音が少し単調だったかな・・・というのはあります。ささいなことですが。

【正義とは何か】
以降はあまりゲームと関係あるようで関係のない内容なのですっとばしてもらってもかまわなくてよ?

「正義」とは何か。
おそらく、これに対する答えというのは出てこないでしょう。
それぞれの定義というものがありますからね。

ただ、正義は残虐なものである、他人を不幸に巻き込む「邪悪なもの」であるというのも一つの事実だと思います。だって、ある人の「正義」は別の人の正義をふみにじっているわけだから。妖子が他人にしたむごい仕打ちだって、あれが「正義」だと思ってやっていたわけですからね。ラゼット先輩の家族がラゼット先輩にした「仕打ち」も、あの人達からすれば当然のことだったのかもしれません(到底同意できるようなことではありませんが)。

正義というものは人は傷つける、人が死ぬこともある。生き返ることは無い。そして自分を蝕む。そのような「邪悪な正義」「残虐な正義」というものは立場というものがあるからそうもなってしまうわけでして。利己的なところもあったりする、という。

一方で、「正義」は助けを求められたら手を差し伸べる、というのも正義であるわけだと思います。敵味方・組織関係なく、そういう打算がなく助ける。そういう正義もあるわけです。

つまり、「正義の味方ギガトラスト」は「正義の結果」というものを見事に描ききったということになるわけですよ。・・・やりきれないものですけどねー。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:7 グラフィック:8 サウンド:9

しおひことうき

君のすべてをこの手で守るためなら

 ……この物語は、冬の最中でも常時Yシャツ腕まくり、女5人以上を股にかけながら、さらなる刺激を求めてさすらうワカメ頭の変態青井塩彦と、
彼に妹を奪われ鬼となった男、赤羽糖姫のはてしない抗争の記録である。

 残念ながら、誇張抜きで。

◆本作をより楽しむためのQ & A

主人公に殺意が湧いて仕方ありません。殺していいですか ?
許可します。
もう、赤羽糖姫が主人公でいいんじゃないかな。
まあまあ、早まらないでください。
確かに青井塩彦はチャラ男で、ゲスで、ヘタレで、ぶっちゃけ弱いですが、
かといって赤羽糖姫はシスコンのロリコンです。ロクでもないことに変わりはありません。
もうヤだ……出てくる男がみんなロリコンだなんて……
ロリコンじゃない男もいます。ホモですが。
男なんてロリコンでなければホモです。それがこの世の理です。諦めてください。
むしろ絶望するべきは、出てくれば皆変態ばかりの女性陣ではないかと思うのですが。
念のため聞きますが……この作品、本当に全年齢なんですよね ?
作者が全年齢と言う以上、全年齢です。
そう、この作品のエロとグロは、もし仮に作者が年齢制限を設けていたとしても、まったく違和感がないレベルです。
仮に18歳以上であったとしても、十分に注意して進めた方が良いでしょう。
もちろん家族等同居人の視線に耐えるものではないです。
ただ、せっかく全年齢なのだから、18歳未満の人もプレイして欲しい気持ちはありますね。
それがおそらく、作者の望みでもあるはずです。
全年齢のエロゲーと聞いては、黙ってはおれないな !
ゴリッチュさんは、非常に個性的な文章を書く人です。
その個性はエロシーンにおいて特に強調され、ものすごくクセの強いエロになっています。
期待をする前に、まずは一度、第3話くらいまで読んでみてください。
もしツボに入ったならラッキーです。この先もエロシーンは多数ありますので、どうぞご満喫ください。
もし肌に合わなかった場合は、このエロシーンの多さにめまいを起こすかもしれませんが……
しかし問題はありません。この作品にとってエロは、プラスアルファの要素でしかありません。
ギャグシーンでも容赦なく伏線を入れ込んでくるゴリッチュさんですが、さすがにエロシーンにまで伏線は張っていません。
Ctrlキーでスキップ、割り切ってしまうという選択もあるのです。
ホラーゲーマスターの俺に死角はなかった。
そういう期待の仕方もどうかとは思いますが、半端なグロでないことは間違いありません。
ゴリッチュさんの文章も絵も、エロ方面よりグロ方面で強みが顕著に出ます。
本作の登場人物は皆なまじサイヤ人並の耐久力を持っているせいで、地球人ならとっくに死んでいる状況でもまだ息があったりして、
それが更に凄惨さを増す結果になっています。
ただ、誤解してほしくないのですが、この作品は別にグロを目的としているわけではありません。
そこに至る登場人物たちの怒りや哀しみ、無念さを伝える、あくまで手段です。
近頃のなんでもかんでも「鬱」と呼ぶ風潮には、個人的にどんだけ豆腐メンタルなんだと思ってるんですが、
これは何分生理的嫌悪感を伴う表現ですので、鬱になる以前に吐き気を催す人もいるでしょうね。
話を追うごとにどんどん酷くなっていきますから、どうぞ、無理をしないでほしいと思います。
俺にはむしろギャグシーンが耐えられないッス……
先程書いたとおり、ゴリッチュさんの文章は非常に個性的です。
「B.B.ライダー」の頃からゴリッチュさんのギャグには定評があり、ファンも多くいますが、
そのテンションの高さやしつこいまでの繰り返しに、「ついていけない」と思う人も一定数いるのが事実です。
シナリオ上敵対関係にある人物同士が、妙に和気藹々とギャグシーンに興じているのを見て、
読んでいる自分自身の方がわだかまりを感じる、という人もいるでしょう。
中盤、話が本格的に動き始める前に、このテンションに付いてこられずに投げてしまうのは勿体ないと思いますが、
しかし我慢してまで読み続けるように勧めるべきなのかどうか……
本当の終盤、最終決戦に入る直前までギャグの応酬は続きますからね。
ただ、スキップで飛ばすことだけはやめてほしいと思うのです。
前述の通り、たとえギャグシーンでも、思わぬところに伏線が張られていることがよくあります。
ギャグシーンも含めて一体のシナリオとして完成しているわけですから、
このギャグもひっくるめて本作を楽しんでもらいたい、と言いたいのです。
ほら赤松さん ! ライザーがメガネ掛けましたよメガネ !

◆今月のメガネ萌え

あさお1 メガネは男性のために生まれました。女性のための発明品じゃありません。男性がオリジナルです。
しばし遅れを取りましたが、今や巻き返しの時です。
ムスカ大佐がお好き ? 結構。ではますます好きになりますよ。
さあさどうぞ。御剣麻男、無職です。魅力的でしょう ?
ああ仰らないで。年が食ってる。でもライザーなんて見た目だけで、夏はクサいし、ギャグは滑るわすぐ本性が割れるわ、ロクなことはない。
筋肉もタップリありますよ。長身好きの方でも大丈夫。
どうぞ試してみてください。いい狂いっぷりでしょう。余裕の狂気だ、屈折率が違いますよ。

あさお2 第1話から登場するも、その正体がわかるのは第11話になってからという彼のことですから、
その魅力を語ろうにも何を言ってもネタバレになってしまうのですが、
しかし、ボクは敢えて言いたい。
死んでもメガネを離さないその姿勢はまさしくメガネっ子の鏡であり、
その属性の配列はひとつの数式がごとく美しいものである、と !
「ただのキャラ付けのため」と公言してメガネを弄ぶ小娘どもはただ死んで終わるものではなく、
地獄の業火に投げ込まれる者達である !
最後まで本気を出してるんだか出してないんだか正体のつかめない男ですがしかし、
彼はメガネっ子としては本気も本気、非常に純度の高い愛情を発揮しています。
中盤から話が込み入ってきて、前後のつながりがよくわからないんですが……
「B.B.ライダー」で見せた構成の妙は、本作でさらに洗練されて帰ってきました。
第1話から非常に巧妙に張りめぐらされた伏線が、常に新鮮な驚きを与えてくれます。
中には、ミスリードを誘うフェイクも多いのですが……
騙される快感と言うのでしょうか。
真相が明らかになったときのしてやられた感もまた、気持ちがいいものです。
しかし、その分構成が若干複雑で、混乱を招くところもあります。
前作のレビューで「ヤムチャと戦ってる最中にベジータが出てくるようなもの」と喩えましたが、
本作では、迂闊に比喩を使うとそれだけでネタバレしそうな叙述トリックが仕込んであります。
推理小説を解くような意気込みで画面を睨みつけ、メモを片手に読み進むのも……まあ、いいでしょう。
しかし、そんなに肩の力を入れて「絶対騙されないぞ !」と気張らない方が、楽しめるんじゃないかと思うのですよ。
わからないならわからないなりに、自分の感性で物語を考えてみるのはどうでしょう。
ミスリードに導かれてみてもいいじゃありませんか。本作については、騙され損ということはありませんよ。
かなり長そうですけど、一気読みはできますか ?
ボクは休日の2日間で読了しました。時間にすると26時間程度でしょうか。
結構丹念に読んだつもりなので、エロシーンを飛ばしていけば、徹夜で読み切ることは十分に可能でしょう。
地の文が短く、テンポ良く進んでいくので、話の長さの割に読むのに時間はかかりません。
若い方は挑戦してみてください。
そこまでの時間的体力的余裕のない方は、おのずと分割して読むことになります。
1話ごとにちゃんとまとまっていますし、話の筋をちゃんと把握していれば、中断してもわからなくなることはないと思いますが、
注意しなければならないのが、1話ごとの長さにかなり差がある点です。
本作は全15話構成なのですが、
12話以降のクライマックスに入ってから、1話ごとの長さが飛躍的に伸びていきます。
特に14話と最終話は区切りが非常にわかりにくく、実質繋がっていますが、
この2話を合わせると、体感で第1話の10倍以上の長さがあります。
ここで中断するなんて、むしろ不可能じゃないかと思いますので、
最終話はぜひ、時間に余裕のある休日等にあわせて読んでもらいたいですね。
ハマリ度 : 7 / 10
 文章のクセの強さは、個人的にはかなり気になったところ。それでも最後まで読ませる魅力に溢れており、その筆力の高さには唸らされる。
 しかし仔細に見ていくと、未消化の問題点も散見される。特に「なぜライザーが供物魂を持っていたのか」という、本作の最初のきっかけとなる出来事に一切説明が無く、最後まで読んでも説得力のある仮説を立てられないのは、かなり痛い。
 先述の「ミスリードのためだけのフェイク」という手法もあまり誉められたものではなく、2度目に読んでみて残念に感じるところだった。
グラフィック : 8 / 10
 RPGツクール2000製の前作とLive Maker製の本作、映像効果では圧倒的に本作に分がある。
 ただ、キャラや画面の動きという点で見ると、むしろ前作の方がわかりやすかったように思うのは気のせいか。
 最大の不満点は、ウィンドウのシェイクが3秒と空けずに頻発し、テキストが非常に読みづらい点。これは改善を求めたい。
サウンド : 9 / 10
 戦闘曲のたたみかけはやはり白眉、クライマックスをソングナンバーに集中させた分インパクトも絶大。
 欲を言えば主題歌「Giga Trust」は2番までほしかったところ。
 効果音では、特にギャグ・エロで使う音がしつこく、聞き慣れた素材音であるところもあって聞き飽きが激しかった。
本作をどんな人にイチオシしますか ?
「B.B.ライダー」を最後までプレイした人なら、是非読むべきと自信を持ってオススメします。
本作は「B.B.ライダー」の正統な後継であり、発展形です。
「正義とは何か ?」という問いに対するゴリッチュさんの答えは極めて明瞭で、ぶれるところがありません。
ご存知の通り、ゴリッチュさんのシナリオは、騙しはしても、決して裏切りません。
一度彼の世界を体験しているあなたなら、安心感をもって、この作品を読み進めることができるでしょう。
その読了後の爽快感は、「B.B.ライダー」を上回るものです。
「B.B.ライダー」をプレイしていないあなたも、どうぞ手にとって試してもらえれば、と思います。
確かに本作はクセの強い作品です。合う・合わないははっきりと分かれることでしょう。
しかし最初の3話、いや、1話だけでも構わない、もし1つでも気になるところがあったなら、
この作品はきっと、あなたを最終話までトリコにするはずです。

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