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■ リルミネイト

リルミネイト
作者 [ 桃源フォートレス さま ]
ジャンル [ ポイントクリックアドベンチャー ]
容量・圧縮形式 [ 107MB・ZIP, ブラウザゲーム ]
製作ツール [ ティラノビルダー ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

リルミネイト リルミネイト リルミネイト リルミネイト リルミネイト リルミネイト

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 9 /10 10/10 9 /10 54/60 A
赤松弥太郎 8 /10 10/10 8 /10

 《 ES 》  ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:9

二人の絆は、プリズム色に輝いて

本日のイチオシ作品「リルミネイト」は、当サイトのイチオシで取り上げた中でも、トップクラスに短編で簡単な作品です。
総プレイ時間は30分もかからず、謎解きもストレートに解ける物ばかりです。

上記3つの条件さえ把握しておけば、支障なくクリアできるでしょう。最終面で多少条件が変わりますが、それも上記条件を少々応用させれば難しくはありません(ネタバレ対策ゆえの最低限の説明)。

本作をイチオシにした理由は、そのパズル内で繰り広げられる「過程」にこそあります。
ドット絵で描かれたプリズムに輝く世界、ファンシーな登場人物たち、それらを襲う「闇」の脅威…。
オプション以外に文字情報が皆無…謎解きのヒントすら…ながら、その描かれる世界は下手に文字にするよりも「雄弁」です。
「雄弁」に動くキャラクター達の一挙動一挙動を堪能する、そんな「美術品」的な作品です。

そして、本作の欠点も「一挙動」にあります。本作はクリックアドベンチャーですが、クリックできる範囲は、2人の主人公の現在地から「一挙動」で動ける範囲のみ。
キャプチャ画像にもある「太陽と月の石をはめるステージ」にある橋、できるならば一クリックで端から端まで移動したいところです。
しかし、実際の挙動は、左のトンネル・左の橋・中央・右の橋・右のトンネルと5つのクリックポイントを順番にクリックし、その間は少女の歩みを待つ必要があるのです。
この仕様にした理由は、連続でアニメーションを再生すると繋ぎ目が不自然になるせいでしょうか。アニメーション再生の条件分岐を把握しきれないためでしょうか。
前々作「浮き沈み思い」が一本道のサウンドノベル、前作「Dear Journey:Happy Birth Day」がコマンド選択型、「リルミネイト」までに培った1~2年の進化を思うと、次回作はどれほどの作品になるか…まだまだ存在する技術的課題も含め、未来も楽しみになる作品です。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:8

迷うな恐れるな 勇気を信じろ 太陽はいつだってそこにある

 この作品の8割はドットアニメかわいー!!で説明が終わってしまうので、残り2割を書いていきます。

 ジャンルとしてはオーソドックスな謎解きADVですが、迷う要素は一切ありません。
 これは単純に、難易度が低い、という意味だけではありません。
 本作は(ほとんど)文字情報がないゲームですが、それでも本作の基本的なルール、

 といったことは、一目で見て判断ができるし、気付くよう誘導も巧みです。
 本作では移動先もポイントをクリックして選択するタイプで、2~3の候補から行き先が選べる、その選択肢自体がヒントになっているのです。
 立ち寄れない場所は選択肢として表示されない一方、条件が揃えば侵入できる場所はクリックできる(そして首を振る)ので、それが気づきに繋がります。

 章が変わる毎に新しい仕掛けが登場しますが、迷うことはまずありません。
 見慣れない仕掛けを見たら、とりあえず光を当てればいいと、繰り返し学んでいるからです。
 取り返しが付かなくなる要素もありませんから、気軽に光を当てていけば、自ずと謎は解けます。
 詰まることはまずありません。初見でも30分でクリアできるはずです。

 頭を回転させたり、悩んだり、という楽しみ方は期待できない難易度ですが、本作はそれでいいんです。
 かわいいドットアニメを愛で、2人のかわいらしい主人公たちを愛でることこそが、本作の主眼なのですから。
 それを邪魔する要素は、無くていいんです。

 なので、ボクの不満点は大きく2つ。
 まずは操作性。特に先程触れた移動についてです。
 本作のクリックポイントは、現在位置から数歩で辿り着ける場所しか表示されません。既に条件が整っていて、何の障害も無く辿り着ける場合であっても、です。
 たとえ直進する場合でも、途中にクリアしたギミック等がある場合は、ひとつひとつクリックポイントを各駅停車しないといけないので、まあまあ手間が掛かります。
 すべてのギミックを解いても、次のフロア手前に2人が揃わないと進めないので、そこまで移動しないといけません。2人とも、です。

 理解はしますよ。
 開発が面倒だとか、ドットアニメを1つ1つちゃんと見てほしいとか、そういう理由はあると思います。
 それでもこれは、「クリアまで30分だから」と思って我慢できるギリギリの仕様だと思ってます。
 ここまでもどかしいと、上で述べたメリットを無視して、キーボードなりコントローラーで操作したいって気持ちに、なってしまいますよね。

 もう一点のストーリーについては、ネタバレするので評点欄でやりましょう。
 未クリアだったら、レビューを読むよりプレイした方が早い作品ですので、ぜひぜひ。

ハマリ度 : 8 / 10
 終盤の展開、特にエンディングは尻切れトンボで消化不良。プレイ時間の短さは言い訳にならない。
 終盤で相方と別れる展開自体はバディものの定番パターンではあるが、本作はそれに伴う喪失感が薄すぎる。なんなら2人揃わないとクリアできないストレスから解放され、スッキリするくらいだ。
 それまで光を使えないと描写された少女が、説明無く光を使えるようになったのがその原因。力を託された等の描写も無い。
 そしてそのまま少女の光で大本を浄化してしまうので、なおのこと青年不要に思えてくる。道中で手に入れたパワーアップアイテムの力はあるだろうが、入手経緯はまったくの道すがらで、特にドラマチックな展開はない。
 今までの章で集めてきた欠片が、ストーリーに一切絡むことがなく、存在意義がわからない。その欠片が少女を助ける描写があれば、印象はまったく変わっていただろう。
 エンディングも、ただ2人が再会して「Fin.」というのは味気ない。2人の行く末を暗示する、せめて建物の外に出られた2人の一枚絵を出すだけでも違ったと思う。
グラフィック : 10 / 10
 以前のバージョンでは不自然なアニメもあったが修正された。かわいいドット絵がヌルヌル動く。
 見た目で迷う要素が1つもない、文字が1つも書いていなくても問題ないUIは最高評価がふさわしい。
サウンド : 8 / 10
 おなじみ甘茶さんの素材曲から幻想的なものをピックアップ、当然のように本作にしっかりとマッチしている。
 SEもきちんと仕事しているが、足音がないのは若干引っかかるポイント。操作に対するフィードバックの1つが削がれてしまっている。うるさすぎない程度に足音を入れるだけでも操作感は大きく変わると思う。

 自分の操作に応じて動いてくれる、何かが起こる。そこにこそ動画にはない、ゲームならではの楽しみがあるでしょう。
 プレイヤーが細かく指示しないと動かない2人ですが、それは同時に、自分が動かしているんだという満足感をもたらしてくれます。
 かわいい2人は、あなたのことも待っています。

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