| ■ 三代目レビュー アドベンチャー 19 | ||||
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ジャンル [ 帰宅ホラー ] 作者 [ LiMM(リーム) さま ] 容量・圧縮形式 [ DL不要・ブラウザゲーム ] 製作ツール [ Unity ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ ジャンプスケア注意 ] 配布元 ![]()
見なければ怖くない。見なければ立ち向かえない。
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夕暮れの帰り道。小学生の2人は帰路についていた。活発なオカルト好きの「ゆいな」と、彼女に振り回されてばかりの「あなた」。暮れなずむ街路の中、「あなた」の目には様々なものがよぎる。
近所の野良猫、三角コーンにゴミ箱、ヤモリや虫…遠目には怪しく見えるものでも、実際に注視してみるとそれはただの「日常」ばかりである。
しかし、小学校の周りで不審な噂が立ちだす。校庭付近をうろつく不審者、そして、「見つめると『つれていかれる』」と言われる幽霊「ふわふわさん」…。
平和だった帰り道に、徐々に「見てはいけないもの」が増えていく…。
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本作の操作はたった1つ、「マウスカーソルによる視界の操作」のみ。主人公はオートで前進するため、画面内に入る砂嵐を、見たり見なかったりしながら目的を達成していきます。
その目的自体も、ステージごとに変わります。最初は、隠れた「ゆいな」を数々の砂嵐の中から探し出すこと。そして、後半は「ゲームオーバー条件を回避しながら家に帰ること」。
そう、本作は不審者や「ふわふわさん」など、意外と多くのゲームオーバー条件があります。序盤でも「ゆいな」を見つけないまま家に帰るとゲームオーバー(ステージの最初からやり直し)となります。
ジャンプスケアの回避を含むならば、「視界に入れても背景しか映らない砂嵐」も視界に入れないように。
ただし、序盤の「『ゆいな』がいる砂嵐を探す」、少し進んだ「背景しか映らない砂嵐の回避」ともに、難易度は低くなっています。「背景しか映らない砂嵐」は、見つめるとホラーな効果音を発しながら徐々に主人公に近寄ってきます。油断して視界に入れ続けていると回避できないほど近接してくるので、「ジャンプスケアを見たい」という方以外は気を付けて操作しましょう。本作の「回避アクション」としての本番は、「ふわふわさん」が出てくる後半。「ふわふわさん」の予兆となる黒い影は、実は「ふわふわさん」の足元の影。回避しようと影の上に視界を移すと、目があってしまいゲームオーバーとなります。
そして、最終ステージともなると、「怖いものを見続けないと追いつかれる」急展開となります。「こわければ、みちゃえばいいんだよ」という些細なヒントが出ますが、最終ステージは「視界に入れないと見れない『こわいもの』」「視界に入れることで消える『こわいもの』」の2種類あるのが困りもの。上記2つを入れ替わり視界に入れておかないとクリアできません。
「視界に入った」判定は意外と調整が甘く、「全体をちゃんと視界に入れないと『入った』判定にならない」「位置によっては砂嵐が解けても見ている判定にならない=効果音が出ない」仕様。また、視界に入れて(効果音が出て)から『見切った』状態に入るまで3秒ほど時間がかかります。最終ステージで「視界に入れることで消える『こわいもの』」を見切れきれずにぶつかると致命的になるため、できる限り遠くにいるうちから捕捉しましょう。本作は、9月のリリース当初から話題を呼んだ作品です。その理由は、前述の意外性の高い怒涛の展開の他に、ドット絵で描かれたノスタルジックな風景にもあります。
このドット絵風景、細かく見てみると色々な技巧が施されています。視界に入れていない部分はドット絵が荒くなったり、ラスタースクロールなのか3D描画なのか壁や標識が進行に合わせて回転したり…。
作者様のLiMM(リーム)氏のドット絵技術は、本作ではリアリティと恐怖表現に重きが置かれています。しかし、作者名のリンクをクリックして同作者の作品を探すと、そのドット絵技術が他方面で発揮されている作品が多数展示されています。
シリアスホラーである本作「夕日のかえりみち」とは毛色の異なる作品ばかりですが、味変がてら色々とプレイしていくのもオススメです。
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ジャンル [ 都市伝説を題材としたアドベンチャーゲーム ] 作者 [ るぅ さま ] 容量・圧縮形式 [ 305MB・ZIP ] 製作ツール [ RPG Developer Bakin ] 言語 [ 日本語・ロシア語・中国語・英語 ] 備考 [ 17歳未満禁止 ]
[ Steam版が定価380円にて販売中 ]
[ シェアウェア (Boothなどで投げ銭可能) ]配布元 ![]()
タッパと乳…そして執念が「長い」女
主人公は鬱屈した日々を送るアルバイター。楽しみと言えばネットのオカルト話をボーッと眺めることぐらいであった。
そんな中、主人公が目にした「ナガイサン」の噂。その名を知るものをひたすら追いかけるという怪物である。
そして、その怪物に主人公は心当たりがあった。幼き日に過失から倒した石碑。その瞬間の天変地異と同時にちらつく姿。その日のことは、未だに悪夢に出てくるほど強烈な思い出であった。
ネットで「ナガイサン」の噂を見た日から、その怪物は現実でもちらつくようになった。建物2階分を優に超える身長。バイト先だろうと風呂中だろうと遠慮なく飛び込んでくる姿。
その姿は恐ろしい…いや、ちょっぴり可愛くてエッチかも。その「ナガイサン」に、主人公は魅了されていく…。
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「ナガイサン」は、作中の主人公のみならず、数々の実況配信者を魅了してきたキャラクターです。その人気を反映し、2週目シナリオ「Reload」が追加されたバージョンアップが2025.10.06に発表されました。
それと同時に、本作はフリー配布を開始。Steamの実績機能を除き、有料版とほぼ同じプレイ内容となっています。そう、フリー版でも「Reload」シナリオまで閲覧できるのです。
ストーリー進行方法は、基本的に指定箇所へWASDキーで向かうのみ。ただし、イベント発生条件が「特定箇所を左クリックで進行」と「特定箇所に移動するだけ」が混在している点にのみご注意を。スペースキーは効かないこと(ほぼメニュー画面の選択に利用するのみ)にもご注意を。
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シナリオ量は2つとも20~30分程度。しかし、所々にゲームオーバーになる箇所があります。エピソードの多い「Reload」はゲームオーバー箇所も追加されています。やり直しが気になる方は、シーンチェンジごとにセーブしておきましょう。
本作は主人公とナガイサンとの親交と信仰の物語です。ファンシーで尊きラブラブシーンと、それで覆い隠されているNo倫理シーン。そのアンビバレンツこそが、本作「ナガイサン」、そしてるぅ氏の作品の魅力となっています。
いや、本当にネームドキャラクターのみを注視すれば、尊いラブラブストーリーなんですよね。少し目をそらすとモブが潰れていますが。
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ジャンル [ シンプルな短編アドベンチャーゲーム ] 作者 [ shu3 さま ] 容量・圧縮形式 [ 32.9MB(解凍時)・Steamからダウンロード ] 言語 [ 日本語・英語・ロシア語・中国語 ] 備考 [ 要・Steamクライアント ] 配布元 ![]()
闇に溶けたわがままキャット
本作の目的は、「ベッドの下に隠れた猫を呼び出す」ただ一つ。しかし、それがかなりの難問。
最初に出てきた「でておいで、猫」と語りかけても、肝心の猫は欠伸をしながらそっぽ向き。
その後に出た「いかないよ、病院」「おやすみ、夜」「ただいま、ご主人」という問いかけから、猫と飼い主はかなり親密な関係だった様子。
この8つの単語…計16パターンの呼びかけを用い、猫を呼び出せればクリア。「あなた」は「正解」を見つけ出せるだろうか。本作は、1周数分程度のミニアドベンチャー。16パターンの組み合わせの中から正解を割り出すアドベンチャーです。
しかし、正解のヒントは「組み替えた呼びかけの中から猫の反応がいいもの」「ちゃんと『呼び出す』ものであること」とよく見ないと分からない…下手したら「正解」を知った後で初めて気づくレベルの些細さ。
その上で、「正解でも不正解でも最初からやり直し」という仕様が地味にストレス。周回するたびに、8単語を開放するプロセスを繰り返す必要があるのです。1周に数分とはいえ、いや、1周数分×10数パターン…下手すれば何十周も不正解を繰り返すと言えば、言葉だけでも嫌になるでしょう。そのプロセスで、私は一度挫折しています。
正直言って、私は攻略を読まなければ正解が分かりませんでした。
そして、本作の魅力は「正解」が分かった後にあります。プレイヤーが誰なのか、何故プレイヤーは猫をストレートに呼び出せないのか、それが正解を引き当てて初めて分かるのです。私はENDを見るまで、本作の舞台設定をかなり勘違いしていたのです。
本作の舞台設定、私の「思い違い」、それを説明するだけで本作のネタバレになります。できる限り情報を見ずにプレイしてほしい作品ではあるものの、先述の通り、情報無しでは何遍やってもクリアできないジレンマのある作品です。
私から言える最大のヒントとしては「そもそもペットの猫を『猫』なんて呼ばないだろう。ポケモンじゃあるまいし…。では『この猫の名前』は?」
もし、何の情報も得ずにクリアしたいならば、少なくとも既存の回答はメモしましょう。これで最悪でも16周でクリアできます。
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ジャンル [ ホラー・サウンドノベル ] 作者 [ 神隠姿プロダクション さま ] 容量・圧縮形式 [ 682MB・ZIP, ブラウザゲーム ] 製作ツール [ ティラノビルダー ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ R-15指定 ] 配布元 ![]()
故郷は何故失われたのか。故郷を何故思い出せないのか。
失踪した大学生・市橋春汰の行方を捜す友人の独白から、この物語は始まる。
春汰はツーリングと廃墟巡りを趣味としている。しかし、そこにはある目的があった。自分の故郷・送身 村の存在を確かめるためである。
「山に囲まれた廃村」というおぼろげな記憶をもとに、中部地方を中心に探索する春汰。ネットとアングラに詳しい親友・村山とともに送身村の情報を探るものの、めぼしい成果は得られない。
しかし、春汰は情報を探る中で奇妙な事件に出くわす。近辺で頻発する首切り殺人事件、怪しい宗教団体、そして、春汰の足跡を追うかのように張られた怪文書。
いったい、春汰が追う送身村はどこにあるのか。そして、春汰は何を知って、行方をくらましたのであろうか。本作は、モキュメンタリーとアナログホラー…最近では「近畿地方のある場所について」の映画化で話題となったジャンルを、実写映像をふんだんに用いて臨場感たっぷりに描いた作品です。
本作のジャンルとして「ロードムービー」を前面に押し出しただけあり、実在の景色を背景に描かれるホラーストーリーがより「実在性」を強めてくれます。
その特徴として、あらかじめ言っておくべき終盤の要素として、本作の「怪異」は、最後までその姿を露わにしません。不気味なムービーにて「禁忌に触れて消された」ことは察せられるものの、その「禁忌」が何なのか、「誰に」消されたのかは明かされないまま、不気味な後味を残して無理矢理に閉じられる、本作はそういうジャンルのホラーなのです。
そう、「ヒトコワ」なのか「怪異モノ」なのかすら、本作では不鮮明なのです。本作の物語の醍醐味は、「結論」ではなく「過程」にこそあります。些細な情報をもとに駆け巡る情景、そこに張り巡らされる不気味なオブジェクト、春汰が故郷を失うきっかけになった両親の別離、狂っていく登場人物たち…。
散々煽られた恐怖が、結論を明かされることなくピリオドを打たれる…。その不快感こそが「モキュメンタリー」「アナログホラー」という実在性の高いホラーとして最大の恐怖であると、自覚した上であえてそういう物語にしているのです。
本作の背景画像に施された加工のように、デコボコでジャギジャギでモヤモヤする恐怖と不快感をじっくり味わえる上質のホラーです。
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ジャンル [ ネットサーフィン型探索ゲーム ] 作者 [ 苺いちえ さま ] 容量・圧縮形式 [ 11MB・ZIP ] 製作ツール [ WOLF RPGエディター ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ マウスとキーボードで操作・ゲームパッドは未対応 ]
[ 第17回 WOLF RPGエディター コンテスト 総合1位 ]配布元 ![]()
昔懐かしのホームページ…それは2025年の現実ではなく、2002年のこの舞台でも。
2002年…当サイト「フリーソフト超激辛ゲームレビュー」すらできたてホヤホヤの時代。「あなた」はそんな時代のネットユーザである。
ある日、「あなた」はオカルト関連のメールマガジンから1つの噂を目にする。「自殺した学生が運営していたWeb日記が、死後も更新されていた」という噂である。
その噂から、「あなた」はある一つの個人運営サイトにたどり着いた。「Ayaのホームページへようこそ!」…その名の通り、「Aya」というハンドルネームの女子大生が運営していた日記サイトである。
そう、そのサイトは、2025年の今現在では考えられないほどの…2002年当時でも危ういレベルの…個人情報ダダ洩れのサイトであった。そして、そのサイトには少なからぬ奇妙な点があった。
途中から明らかに書きぶりが変わる日記、スクロールバーがやけに長いNot Found画面、BBSにたむろしていた常連3名…
このサイトに隠された秘密とは…そして「Aya」はどこにいるのだろうか…。本作は、第17回 WOLF RPGエディター コンテストで総合1位を獲得した謎解きADVです。その評価を得た要因は、様々な意味での「作りこみ」。
1つ目は、2002年当時のWebおよびWindowsデスクトップの再現度合。アイコンなどは細かく変えてはいるものの、私を含めた当時を知るプレイヤーには「あったなぁ、こういうページ」という郷愁を常に感じるほどの再現度合です。
2つ目は、細かい情報とその利用方法の多さ。本作はブラウザ(風のプレイ画面)で進めるアドベンチャー。最後には「犯人」をメールで名指しするクライマックスが待っています。それ故に、「犯人となりうる個人名」も各所に散らばっています。
BBSの常連だった「ゆぅりん」「紅茶」「†宵闇翡翠†」…特に†宵闇翡翠†は、Ayaとオフでの付き合いがある様子。
Ayaの母校で起きた「桜井先輩」の事故死
リンクからつながる怪しい占いサイト
これらの「怪しい個人名」はすべて「犯人」として名指しできます。それらへの反応も…明らかな誤答であっても…すべて作りこまれているのです!
当然、「正解」にたどり着くには、あてずっぽで名指しするわけにはいきません。BBSなどから分かる隠しページの存在…そこを見るためのパスワード…隠しページを見てもなお切欠すらつかめない真相…時にはメールや「?」ボタンでのヒントも必要となります。
その「解答法」はヒントが些細で、数多用意された「ページ」を駆けずり回って少しずつ集め、結び付けていく必要があります。分からない場合も「?」ボタンで答えに近いヒントが得られるため、逐一頼りにしましょう。
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そのため、私はENDコンプのためにさんざん苦労しました。特に苦労した箇所が、意外にも最初のインターネット接続画面。本作のような「PC画面を用いたFound footage」だと「持ち主のユーザIDを割り出す」と連想する場面です。
しかし、その連想は本作では大いなる過ち。ユーザ名に「Aya」と入力しても警告音が出るだけで一向に画面が進みません。「aya」と小文字にしてもダメです。
このインターネット接続画面、実は単なるプレイヤー名の登録欄。空欄および本作で登場する人物名を除き、大抵の名前は(それこそ「あや」「アヤ」でも)通ります。
そう、本作の画面は「Ayaもしくはその関係者のパソコン」ではなく、先述の通り「『あなた』のパソコン」なのです!
この点についての公式情報は、ReadMeに『「ユーザー名」の欄にプレイヤー名を入力して、ゲームを進行してください。』『ユーザー名に登場人物の名を入力できないよう仕様変更』と短く言及されているだけです。
その言及を見逃していた初見の私は、「他に固有名詞はないのか」と画面を探し回る羽目になりました。その中にあった「Aya」以外の唯一の個人名「苺いちえ(作者名)」を入力してやっとプレイできたのです。そのままずっと「本作は苺いちえ(作者)となってプレイするのか」と勘違いしたままEND4つコンプリートまで進めていたのです。
「自由入力欄と言う割に、入力不可の名前がある」理由は、当然ながら「犯人を名指す」ためです。先述の通り、本作で犯人として名指しできる固有名は数多くあります。当然、「あなた」自身も含みます。「あなた」と「同名の作中人物」を混同しないための措置なのです。この点は、作者様に連絡をして確認いたしました。
不幸にも「あなた」の名前が通らない場合は、「名無しさん」「Anonymous」「としあき」など「当時の匿名掲示板におけるデフォルト名」を利用すると、すんなりと物語に入れるでしょう。そんな思わぬ所で重要情報が漏れてしまう可能性のある本作、当然ながらあまり事前情報を仕入れずにプレイして欲しい作品です。
ホームページを見るだけでは「何が起こっている」どころか「何か起こっている」ことすら分かりづらい本作の舞台。「あなた」は全ての真相、全ての結末を見つけ出せるでしょうか!?
リストに表示されるENDは4つですが、BAD ENDを含めた「全ての結末」はかなり多く存在します。END4つのコンプリート…一通りのプレイを終えたら、作者様のホームページ(https://tenkoblog.blogspot.com/)、そこからリンクされている攻略情報・裏話をオススメします。
当然、ネタバレ満載なのでプレイ前・プレイ途中での閲覧はオススメできません!!
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ジャンル [ 短編探索ゲーム ] 作者 [ もみじまんじゅう さま ] 容量・圧縮形式 [ ダウンロード不要・ブラウザゲーム ] 製作ツール [ GB Studio ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ 2025.08.31現在、ブラウザ上でのみプレイ可能 ] 配布元 ![]()
2人の秘密は、洞窟の奥底に眠る…
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とある小さな村、そこには「成人の儀」と呼ばれる風習があった。1年に1度開かれる村はずれの洞窟の奥深くまで進む単純な儀式である。しかし、洞窟を進むものは神の力で「過去と向き合う」との噂があった。
その日「成人の儀」を迎えるのは2人。先行するセーレと、それに続くレティ。幼き頃を姉弟のように過ごした2人は、洞窟内で同じ過去を見る。
胸に何かの決意を秘め、無言で突き進むセーレ。セーレと過ごした日々に想いを馳せながら、おぼろげな過去に疑問を覚えつつ進むレティ。洞窟の果てにセーレとレティが見るものは…果たして神か真実か…。
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本作は20分ほどで読了できる探索アドベンチャー。そう、「左から右へ進むロードムービー型ゲーム」と一見思えますが、「オブジェクトを隅から隅まで調べる」レベルの探索が必要なゲームです。
そして、その探索による「物語の解明」こそが本作の醍醐味。セーレとレティは、ほぼ同じ道筋、同じ部屋を探索することになりますが、探索によって得られる情報は2人で大きく異なります。何しろ、セーレの反応はほぼ「…」のみ。非常に寡黙なのです。その分雄弁なのがレティ。彼女が調べることによって「セーレが見たものは何だったのか」が分かる仕掛けになっています。
ただし、調べるものの中には「前半のセーレで掘り起こしておかないと、後半のレティは見つけてくれないもの」が多数…意外なほどに多数存在します。そして、それがENDの分岐条件となっています。どうしても初見では見落としがちな条件であるため、END2→攻略ヒントを見てからEND1 (True END)と見ることになるでしょう。
ENDの条件については攻略チャートがリンクにありますし、「隈なく調べる」などヒントを得られればすぐに分かります。
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そして、本作のさらなる魅力が、細やかなドット絵。本作はGB Studioで作られたにしては非常に「カラフル」な作品です。「赤」と「緑」…セーレとレティのパーソナルカラーを、ワンポイントとして効果的に利用しているが故です。
細やかに動く2人のリアクションを楽しみながら、その2人の行く末がどうなるのか、2つのENDをお楽しみください。