【PZL】INDEXへ / トップページへ

■ ハナノパズル

タイトル
作者 [ たつなみ さま ]
ジャンル [ パズル ]
容量・圧縮形式 [ 1.17MB・ZIP ]
備考 [ 現在の最新バージョンはVer.1.000 ]
ダウンロード ダウンロード先

1面 2面 3面 6面 40面

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 10/10 8 /10 8 /10 100/120 B
銅たぬき 7 /10 8 /10 7 /10
DECOすけ野郎 9 /10 9 /10 9 /10
赤松弥太郎 9 /10 8 /10 8 /10

 《 ES 》  ハマリ度:10 グラフィック:8 サウンド:8

ひらめきの 花開く

「気づいたら、夜中の2時を過ぎていた」…ゲームでこんな体験をしたのは久々のことです。それほど、私はこのゲームにハマりました。
動作はシンプルで軽快。答えがわかれば、サクサクとプレイできます。…しかし、問題は「答えを見つける」までの間。
実際は計算されつくしたモノであるにもかかわらず、無造作にしか見えないブロック配置
左右にしか移動できないうえ、一手間違えるとあらぬ方向に行ってしまい、復帰不可能になるブロック
そして、左クリック一本のシンプルな動作のみにも関わらず、要求されるテクニックが多い…というパズル自体の構造により、「答えを見つける」までに費やされる無為な時間は意外に大きくなります。それ故に、「気づいたら、夜中の2時を過ぎていた」なんて事態も発生するのです。

クリアに要求されるテクニックは、主に以下の通りです。ただし、これはあくまで「基礎」。後半面になると、高さを揃えることから慎重な一手を求められるようになります。

橋渡し

1. 橋渡し

ステージ数が10辺りになると、高さ・幅が2マス以上あるブロックが出てきます。特に、横幅が長いブロックが出た時は、「橋渡し」の技術が求められるステージと考えて差し支えありません。
「橋渡し」は、下のブロックを移動→上のブロックを移動…という手順を、上のブロックを落とさないように繰り返すことで、高さを保ったまま広範囲にブロックを運ぶテクニックです。
序盤面では、「下に幅の長い灰色ブロック・上に花ブロック」というシンプルな2段構成ですが、ステージを重ねると、「下から花ブロック・灰ブロック・花ブロック・灰ブロック…」という複雑な多段構成が当然のように出てきます。
高さを保つか、あえて1段落とすか、状況を見て選択する必要があります。
橋渡し(花ブロックの例) 「橋渡し」は、横に花を咲かせた花ブロックでも実行できます。こちらも、後半面では当たり前のように求められるテクになっています。

リフトアップ

2. 押し上げ

本作の操作は左右の移動のみ。下方向の移動は落下でまかないます。そして、上方向の移動を行うには、花ブロックを下に敷いた「押し上げ」を用いる他ありません。
咲いた花もまた、1ブロックにカウントされ、咲いた方向にある(移動可能な)ブロックを押し出すように生えます。
もちろん、押し出される方向は上とは限りません。後半面・花が左右方向に生えるブロックが出てくるステージは、左右方向への押し出しも考慮した配置が必要…になるかもしれません。

…えっ、テクニック説明で画像を用いて大丈夫かって? はっはっは。

こんな程度のネタバレでクリアできるようなヤワなゲームじゃねぇよ!

…「ハナノパズル」は、とにかく「解答が思い浮かぶか」が勝負です。数時間も苦労して越したステージの次が一瞬で解けることも珍しくありません。
「ハナノパズル」の問題は、初見ではどうしても引っかかる難点がステージ1から出てきます。その難点をクリアするために、どんな手を用いるか、ひょっとしたらコレでいけるんじゃないか…試行錯誤を繰り返し、「スバラシイデス!!」を手にした快感は、苦難ゆえのハイ状態も加わってかなり高いものになります。
「これさえできればクリアなのに!」が見えたら、もう解法の75%にまで到達したと言っていいでしょう。そのために試行錯誤を繰り返すからこそ、本作は文字通りの「寝食を忘れさせる」ほどのハマリ度を見せるのです。

 《 銅たぬき 》  ハマリ度:7 グラフィック:8 サウンド:7

レベル1の難易度がすべてを物語っています。

ハマリ度 7/10
論理的に考える詰将棋のようなパズル。サクサクと解けるものではないので、激しく人を選ぶと思われ。
ただし、数日考え続けて解けた時のカタルシスはたまらないものがある。
グラフィック 8/10
パズルゲームのグラフィックに必要なのは美麗さではなく、わかりやすさだと思うんだ...
レトロな感じが硬派な内容とマッチしているし、色分けされたブロックもわかりやすい。
サウンド 7/10
レベルが進むにつれ、BGM(+背景)が変わるなど、飽きさせない工夫がある。
個人的には、BGMと効果音の音量を個別調整できることが好印象。
モニタをにらみながらじっと考えてることが多いゲームなので、集中できる音量をお好みで。

今回はイチオシ作品の硬派さにリスペクトしてネタなしでお送りします。
別に思いつかなかったわけじゃないんだからっ。勘違いしないでよねっ。

この作品、ルールは簡単です。
1.ブロックを同じ色の花に隣接させて、すべての花を咲かせること。
2.プレイヤーができるのはブロックを左右に動かすor入れ替えること。

この2つで説明終了するくらい単純で、特に難しいことはないんじゃないの~という気がします。
しかし、実際プレイしてみるとブロックを動かすにも制約があることがわかります。
1.一度落としたブロックを持ち上げることは難しい。
2.花が咲いたブロックは2ブロック分になるので、移動・入れ替えがしにくくなる。

特に1が問題です。
ブロックを持ち上げられないということは、接触させたい花よりブロックを下へ落とすことができないわけで、
「いかにして落とさずに移動させるか」を考えなくてはいけません。
下に別のブロックを噛ませたり、落とさない別のルートを考える必要もあるかもしれません。

そういった「悪手を避けて良手を積み上げていってゴールに至る」というのが
推理や数学パズル、詰将棋に似た面白さを持っていると思います。

ただ「ガチャガチャやってたらなんか解けた」というのは、まずないので、考えることが好きで、数日かけて物事を考え続けることができる人向けであることは間違いありません。
ボリュームとしては20問と少ないように感じますが、
歯応え十分なので、まだ半分しかクリアできていない私としてはこれでもうおなかいっぱいです。
これだけの計算されたパズルを20問作成された作者様には正直感服します。

最後に1つだけ不満点を。
リセットが右クリックに対応しているのですが、うっかり押すことがままありました。
一手前に戻る「ヤリナオシ」のほうが使用頻度が高いので、「ヤリナオシ」を当てるか、
左クリック→ブロック左移動、右クリック→ブロック右移動のほうがよかったのではと思います。

 《 DECOすけ野郎 》  ハマリ度:9 グラフィック:9 サウンド:9

■い頭を花にする

今回は、今まで書いた中で一番短いイチオシレビューの文となることでしょう。
何故かって?それはこうだったからさ。

【最初】
「これって案外簡単なんじゃね?」

「・・・難しいぞ・・・これ・・・マジで難しいぞ・・・。」

「マジで舐めていました正直調子こいていてすいませんでした・・・」

それで、ゲームをクリアするために頭を抱えまくって、どうにかこうにかで結局20面くらいまでしかクリアできませんでした。
残りで30面くらいあるらしいので、こんなに悔しいことは無いです。

ただブロックを花に導いて、花を咲かせるだけなのにどうしてこうも難しいのか

▽「多分今までやった中で一番頭を使ったと思います」
▼「フル回転した結果がこのザマというか、そんな感じですからね」
▽「ええもう。音楽もシンプル、画面もシンプル、容量もそんなに取らないし1画面で完結する潔さ。そういうのはあるんですが。内容は血反吐吐くほど難しい。
だからもう無理です。いや良いゲームなんですが。一度ミスってしまうと全部パーなんですよね」
▼「それがこのゲームの恐ろしいところなんですよ」

その代わり、クリアしたときのうれしさといったら・・・!
これはもう格別ですよ。ヴィクトリーですよ。エクセレントですよ。ええ。もう本当に。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:9 グラフィック:8 サウンド:8

どこかに解があるならば いつかは花もさくだろう

 まずボクの挑戦の結果ですが、ステージ20は自力ではクリアできませんでした。
 ええ、自力では。パズルのフリーゲームの宿命として、検索すればヒント集が見つかるんですね。それを見ながらやってたんですが、ステージ46以降はどうにもなりませんでした。
 ヒントを見ないでステージ1からやり直してみたんですが、一度ヒントを見たにも関わらずステージ31で詰まってしまうくらいです。情けない !
 きっとパズル好きの諸兄なら、心地よく楽しめる難度だろうと思われますが、少々ボクには難しすぎました。
 今解答動画を見てるところですが、ステージ50なんて、自力で解ける人がいる時点でボクには信じられません……。

 そんなヘタレなボクですが、しかしプレイの感触はかなり良かったです。
 まず、ルールが直感的でわかりやすい、というのが1つ。
 ルールが単純、ということではありません。むしろ逆、かなりルールが細かいところまで作り込んであります。
 基本は「花と実が触れると花が咲く」だけなのですが、咲いたときに動くブロックや、入れ替えの可否など、細かいところのルールは結構複雑です。
 でも、そうした細かいルールの1つ1つが、体感的に納得がいくものであり、理不尽さを感じるところがなかったのです。
 (唯一、同時に開花した時の挙動はちょっとわかりにくかったのですが、そのルールを使用するステージはありませんでした。)
 ルールに納得がいくというのは、パズルに限らずゲームでは重要なことです。
 どんなに細かくルールが作り込んであっても、プレイヤーが少しでも理不尽に感じれば、やり込んではくれません。
 解けなかったときに「確かにこりゃダメだ」と素直に反省でき、解いたときに「なるほど !」と爽快感を味わえること、
 本作の面白さはそこに由来してます。

 次に、ステージのバリエーションが豊かである点。
 ただ単に咲かせればいいものではないことは、ステージ1の時点で骨身にしみるはずです。
 ブロックが開花すると伸びる上、次の開花するポイントが移動するので、先を見通すのは簡単ではありません。
 まず基本的な動かし方、そして上記の細かいルールを利用した多種多様なテクニック……下にブロックを重ねた運搬方法、開花の力を利用して他のブロックを押し出す方法、上につっかえ棒を入れて開花させずに移動させる方法、等々……をレベル20までの序盤で徹底的にたたき込まれます。
 レベル20以降はそうしたテクニックを複数駆使して、手数を掛けてクリアしていくステージになっていきますが、
 やがて、「このブロックをここまで動かせばクリアだな」という、ブロックの導線が見えるようになってきます。
 ……実践できるかどうかはまた別問題ですけどね !

 そして、レベル設定も巧みだと思うんですね。
 そりゃあ、初見でステージ1と対面したときは戦慄しましたが、今にして思えば、あそこは超えなきゃいけない壁なんですよ。
 ただブロックを花と並べました、花が咲きました、だけのステージ1では、この後とても生き残れません。
 この段階で、この作品の基本的な考え方、ブロックを積んで下に落ちないようにすることを体得しておかないと話にならないのです。

 初級者と中級者を分けるステージ20の壁も、満を持して登場といったおもむきです。
 見ただけで投げ出したくなる難しさは同時に、「これで一段落 !」という達成感を約束してくれます。
 まあ「もうちっとだけ続くんじゃ」と言いつつ、その後それまで以上の数ステージが続くわけですが。
 でも、その次のステージ21がかなり楽で、色々試行錯誤してるうちに勝手にクリアできちゃうようなステージなので、
 「もうちっと頑張ってみようかなあ」という気になってしまう、それがいけない。
 レベル45なんて、それまでと比べるとものすごく簡単で、ボクでもノーヒント余裕だったんですが、
 「んーちょっとは上達したってことかなあ」などと感慨にふけっているとレベル46で木っ端微塵になってしまいますからね。

 パズル好きのあなたには、間違いなく楽しめると太鼓判を押してオススメしますが、
 でも、ボクのような下手の横好きの方にも、この作品を試してみてほしいですね。
 ステージ20以前でもかなりの歯ごたえですが、その分新しい発見が沢山ある作品です。

ハマリ度 : 9 / 10
 問題集として王道のオーソドックスな作り。悪く言えば、それだけ。
 もう一段の発展を望むなら、最低限ステージエディット機能の追加は必須。
 欲を言えば、無限アンドゥと手数表示もあるといい。複数解答のある作品だから、手数でともだちと盛り上がれるはず。
グラフィック : 8 / 10
 クセは強いが、シンプルにまとまったデザイン。メッセージが全部カタカナだったりするところで、レトロゲームへのリスペクトも少なからず感じられる。
 不満点としては、ステージセレクト画面。ステージ40までクリアすると途端に何の面白味もない長方形配列になってしまう。
 できればステージ30台までの「どこに新しいステージが追加されるのか」というワクワク感を大切にしてほしかった。
サウンド : 8 / 10
 安定感のあるピスコラサウンド。曲はかなり凝っているのだが、残念なのは、プレイ時にはじっくり聞いている精神的余裕がない点。
 ピスコラ本体があればいつでも聞けるが、できればミュージックモードがあると良かった。
 SEも自作のようだが、音量小さく、音色も味気ない。もう少し色を付けてもらいたかったところ。

 花の命は儚くとも、この作品はきっと長く、あなたの心に根付くはずです。……それが悪夢の始まりかもしれませんが。

【PZL】INDEXへ / トップページへ