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■ Margikarman ItoA

Margikarman ItoA
作者 [ ゆうやけ さま ]
ジャンル [ アドベンチャーRPG ]
容量・圧縮形式 [ 4.9MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールVX Ace ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ 現在の最新バージョンは2.2 ]
配布元 ダウンロード先

Margikarman ItoA Margikarman ItoA Margikarman ItoA Margikarman ItoA Margikarman ItoA Margikarman ItoA

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 10/10 9 /10 9 /10 138/150 A
hoikoro 10/10 10/10 10/10
牛人 8 /10 9 /10 10/10
アンサンブル 9 /10 9 /10 10/10
赤松弥太郎 7 /10 9 /10 9 /10

 《 ES 》  ハマリ度:10 グラフィック:9 サウンド:9

夕暮れを迎えても、真っ暗になっても、還れない。

今回のイチオシ、「Margikarman ItoA」をプレイして、私はある作品を思い出しました。
フリーゲーム史上に残る名作「Moon Whistle」シリーズです。
1ヶ月ごとに区切られた章立て、「生」という重いものが根底に流れるストーリー、そして夕焼けに映えるマップが、何より「Margikarman ItoA」と「Moon Whistle」を結び付けます。
もちろん、二者の間には異なる点も多くあります。「Margikarman ItoA」は、戦闘はシンボルエンカウント、敵の数自体も多くありません。「回復機会の少ないバランス」という特徴もあります。
何より、コメディ方面のストーリーの立て方は全く異なります。「Moon Whistle」では「幼稚園児視点」が主だったのに対し、「Margikarman ItoA」の登場人物はハイティーンや大人が多く、夜の保健室や温泉イベントなど「オトナ」なコメディシーンも多数出てきます。
シリアスな部分の描き方も異なります。「Moon Whistle」は主人公「ぜのん」一人に注目していますが、「Margikarman ItoA」では群像劇として描かれています。
幸丞が死後の世界に来た理由、葵生が死んだことで家族・加害者に与えた影響、蔵之助と放火魔との戦い、4人目の仲間の正体…群像劇は登場人物一人ひとりを描いています。

「Margikarman ItoA」本編について、もう少し語りましょう。
本作が最初に紹介された投稿レビューでは、「回復が極めてやりにくい」と称されていました。しかし、この点は、中盤~後半あたり、パーティが4人揃うあたりで一変します。
「リミットレス」という自動回復アクセサリが手に入るためです。戦闘で傷ついても一定距離を歩けばすぐに全快するアイテムです。
…といってもチートではありません。後半のバランスは、この「リミットレス」を装備していることを前提として組み立てているからです。
状態異常を無効化するスキルをザコでも当たり前のように使い出し、与えてくるダメージも段違いに高くなります。「リミットレス」は「戦闘での大幅なダメージを一気に回復する」には力不足なバランス。サブクエストクリアで手に入る回復スキルもありますが、強力な分発動条件が厳しく、「溜めきる前に攻撃スキル出した方が楽」なレベルです。

サブクエストには他にも様々な特典があります。量をこなすたびに追加スキル・1ターン2回行動・通常攻撃に状態異常付加など、様々な能力が追加されます。
特に「1ターン2回行動」は強力です。そのまま「TPが溜まる量が2倍になる」ということなのですから!
こういった豊富なサブクエストも「Moon Whistle」との共通点ですね。

豊富なクエストを見るために町中を回っても良し、ストーリー主導で追うも良し、「ゴーストトーク」などのコメディ要素を中心にするも良し、様々な楽しみ方を味わえる作品です。
そして、その豊富な要素を、緊張感がストレスにならないように味わえる作品です。戦闘バランスは簡単目ですし、隠し要素も「色々回っていれば自然に見つかる」レベルです。

 《 hoikoro 》  ハマリ度:10 グラフィック:10 サウンド:10

勇者にとって棚が、少年にとってゴミ箱がそうであるように
この世界では女子トイレが掛け替えの無い宝箱なのだ

Margikarman ItoA】今回レビューさせていただきました
謎解きスタイリッシュ王道RPGです、プレイ終了後も事前情報と同じ感想を持ちました
様々な面で丁寧で楽しくプレイできるような工夫がなされており、ストレスを全く感じない
逆になんでこんなにストレスを感じずにプレイできるのか不思議なくらいさくさく進み、手を止めるまもなくクリアしてしまいます

自分はノーマルでプレイさせて頂きました、ですが結構歯ごたえのある戦闘だったと思います
序盤は回復手段が雀の涙しかなく、余裕はありふれるのにジリ貧という斬新な戦闘を繰り返し
このゲームにおける状態異常の強さを序盤のうちに身に染み込ませました

中盤~後半以降で無限回復が出てくるのですが、この辺りからはソレを利用すること前提の火力に敵がなっている(と思う)ので
ヌルいと思うことはほぼ無く、コレ無理だろ!と思うことも(隠しを除き)一度もありませんでした
対策を取ることで被害を最小に防ぎ、TPを貯め、TP技で敵の動きを封じ、他のキャラのTPを貯める
擬似ループの形をとる戦闘で常に安全を重視、ソレが最も戦闘における近道でした

ストーリーも非常に素晴らしく、シリアスとギャグのバランスが完璧、締めるところは締め、緩むタイミング緩みっぱなし!という
メリハリの有る人間模様、暗くなりすぎず、かと言ってシリアスをギャグが邪魔することはない最高のバランスといえるでしょう
特に相手の深層模様に入り込む時の演出と表現が凄まじく

痛ましく、 辛い、 恨み、 妬み、 憎む
そんな彼らの感情を表現したダンジョン、どれも素晴らしく出来がいいのです
先に進むだけで不安になる、辛い思いで戦闘し無くてはならない
敵達にもしっかりと反映されており、なぜこのような敵なのか、ということも深く考えさせられます

あえて狭く通り辛い道や、暗く見え辛い部屋なども、普通であればイライラやストレスの元になるのですが
しっかりとした理由を元に作られた構造がそのダンジョンにはあり
ここは狭いから正しい、ここは暗いから良い、という感情が上回り、不快感を全く感じさせません
まさに全てが意味のある空間で、嵌めこまれた様々なピース一つ一つに意味を読み取ること自体がとても楽しいのです

また、仲間が全員揃った時点からギャグが大きく出てきます
基本的に他愛のない会話で、意味のあることは殆ど無いです
殆どがくだらない内容で、死んでいるというヘビーさを微塵も感じさせない時間になります

これが本当に、本当に肩の荷を降ろしてくれるのです

死人を扱っているのだから当然なのですが、触れられない、気付かれない等の辛い時間が長く続いていました
最後の仲間を救い出す瞬間やそのダンジョンもかなり重く切ないもので、やっと取り戻せた!という感情の後
素早くギャグが挟まってきます

それらは非常にくだらない会話なのに、彼らの楽しそうな感情がしっかりと伝わってきて
まさに救ってやれたんだ、もう大丈夫なんだ、という満足感が溢れました

また、その内容も一つ一つがかなり現実味のある会話風な内容で
4人の集団の内輪話、という形にプレイヤー自身がしっかりと入り込むことができる様になっております

様々な場所で会話を入手することができるのですが、コンプリートは攻略なしにはかなり厳しいものとなっています
これらは逆に行かないであろう、もう行く必要のないものであろうという場所に多数配置されており
嬉しい誤算が何度も発生する非常に楽しいシステムとして、このゲームのストーリーとは違う主軸に存在しています

この通り、新要素として会話には力を入れたのであろうとしっかり伝わってくる非常に良い出来栄えになっております
謎解きが主軸にあるにも関わらず、進んでいくに連れてしっかりと理解できるわかりやすさも作者様の文章力の素晴らしさを示しているでしょう

ただ一つ、あるシーンの会話で、とあるキャラクターの名前の部分が変化していて
会話を見るに間違ってはいない(あえてあねきと言っている辺り確実に)のですが
そこだけがよく理解できませんでした、この部分の説明が少々欲しいです

総評として、どの部分にも抜け目は感じず、突出して面白い!素晴らしい!と言い張れる部分が数多く存在しており
最高の10時間だったと言えます、言い切れます

・ハマリ度:10/10

操作しやすさ、差し込まれる音楽の調和感、戦闘の難易度と爽快感ある戦闘方式
キャラクター全てにしっかりとした芯があり、ブレること無く進むストーリー
死者と生者という重く深い内容を主軸に置いたにもかかわらず、沈むこと無く進む救いのある展開
主題歌も素晴らしく、歌詞を見て更に感動、感動の嵐
そして真のED、あの写真
最後に夕焼けと四人組、レビューを作る手が震えるほどに感動致しました
誰がなんと言おうと自分はとても満足しハマりました、満点です

・グラフィック:10/10

どれも魅力的で丁寧な作りになっており、家族間に共通点というか、似通う部分を匂わせる
敵キャラクターも上記の通り考えさせられるデザインになっており、美しく、それでいて歪んでいます
ボスでそれは顕著になり、間違っていたりズレているグラフィックはほぼ無いと言っていいでしょう
極めつけとして水着…!!ではなく一枚絵!!
そのほんとうに本当に素晴らしく美しい哀愁ただよう完成度に、涙腺を…
あのような幸せで、かつ悲しい絵?、自分の想像を大きく上回る感動のアクセントとして至高の出来です
とても深く引き込まれて、もっと続けたい思いに駆られました

・サウンド:10/10

音楽は本当に文句のつけようがないほどに完成し尽くしています
サウンドテストもあり、その音楽の名前を見るだけで状況が思い出せるほどに的確です
とあるサウンドテスト画面もほんとうに素晴らしいのですが、ソレはグラフィックの欄の話なので割愛
また、主人公たちのボイスも存在しており、スキル発動のたびにかっこ良く決めてくれます
ONOFF設定ができますが、まぁON安定です、かっこいいし
主題歌の「花のあと」も非常に素晴らしい曲です、美しく寂しい内容となっており
どの流れる場面にも適した曲で、心を震えさせられるものとなっています
歌詞を手元にED曲としてを迎えることをおすすめします

満点にするとなんだか適当じゃないか?と思う自分がいるのですが
でも本当に非の付け所のないゲームな上に、何度も何度も感動させて頂いたのですから間違ってはいないと思うのです
満点が適しているんです

最後のハッピーエンド、皆が救われて、皆が幸せな満足の行く完璧なED
あまりにも皆幸せだから、逆に寂しくなってしまう
自分はこんな終わり方が大好きです
終わった後にOPの曲をゆったりとした気持ちで聴いてみると、ほんとうに良いゲームだったという言葉が旨に残りました

すり抜けさんが消えた時本気で悲しかったのは自分だけじゃないはず

 《 牛人 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:10

ん゛気゛持゛ち゛い゛い゛ィィィッ!!(良いアヘ顔だ)

 ツクールVXAce製のオーソドックスなRPGです。操作方法等、分かりやすい感じです。
マップも広くなく、ナビゲーションシステムまで搭載されているので、迷う事はないでしょう。

 また、難易度ノーマルでは戦闘もサクサク進みます。ゲーム進行に障害となるものは極力排除してあります。
これによりテンポがとても良く、この作品の肝である物語が生きてきます。

 サウンドも良く、物語と合わせて、「死後の世界もの」の良さはよく出ています。
ただ、猶予はもっとシビアにして欲しかったです。回復できてしまうと、緊張感とか雰囲気とかが削がれます。
その辺のゲームバランスは頑張って欲しかったです。

夜の保健室に追加イベントがあっていいと思う!フォオオオオオオ!!

ハマリ度:8/10
良くまとまっています
グラフィック:9/10
見易くて可愛い
サウンド:10/10
聞き入ります

 《 アンサンブル 》  ハマリ度:9 グラフィック:9 サウンド:10

挨拶

皆さんは死後の世界ってのように考えてますか?
過去において、それは様々な作品に描かれ、宗教でも存在していたりします
私がそんな世界に迷い込んだら未練が無かったとしても未練ができそうだ・・・

一言紹介

奪われた正しき明日を求めるRPG

???紹介

気がついたら死後の世界
俺が死んだだと、納得できない
なぜ?どうして?こうなった?
絶対、現世で復活してみせる
とりあえず、他の人死後の世界に引き込んだらごめんね

多くの人が迷いやすい場所の回避方法

病院の部屋は{全部}回ること ミーンミンミンミンミンミーン 左上にツタができてます{終盤} はとを探せ・・・新種の鳩のためにわとりの姿をしています

攻略

序盤は回復薬が無い上に高い。使いすぎは注意〈後半は収入源になります〉
リミットレスを入手したら間違っても縛り以外の方は売らないように
上記理由から序盤はレベル上げをするべきではない
ゴーストタッチをレベルアップできるようになったらどんどんしよう戦力UP間違いなし
火力を満遍なくするよりもそれぞれを特化させるべし
バフは意外と馬鹿になりません。使えるとき使いましょう
チャージホールドでボス戦を簡単にできます

真章を目指す方向けラスト攻略
アクトプラスは効果が重複します
超特化させないと勝てません。火力は一人に後はサポートでもいいくらい

主人公ソウル一例、嘉辰令月、風林火山、ゴッドオブデス、アクトプラス、アクトプラス、コンボプラス2
火力422の27レベルです

ここまで来た方へ、あと一息です

ハマリ度9
ストーリー重視で敵詳細やアイテム、ゴーストトークや日記など飽きさせない要因が多かったです
サブストーリーや遊び要素が多く良かったのですが日記を見ても迷子になる箇所がありました
周回要素があれば10だった
上記理由からハマリ度9とさせていただきました

グラフィック9
背景やキャラの絵など非常に好みです
9を付けさせていただきました

サウンド10
レブリレブリオーオウオーワーーーーーの通常戦闘曲が耳から離れない
ゲームとマッチし減点する要因が浮かびませんでした よって10

感想
ゲームとしてはかなり暗いのですが、キャラは明るくギャグも多いです
実はこのゲームをイチオシにすると知ってから三日でクリアしたのですが・・・コンプしてないことが発覚
全イベント全アイテム回収を目指して一からやり直しました
結果、ただいま締め切り一時間前です。周回要素追加して欲しいです
内容が良くおさらいもかねて2週目をやりたくなっった結果です
なんとか、クリアも間に合いほっとしています
フリゲにおいても商業でもそうなのですが、ストーリーがいい作品はやはりいいと思います
EDですが二つあります。ひとつは物悲しいですが、もうひとつは様々な方々が報われます
一言紹介と???紹介は真章に行かれた方なら、本当の意味がわかるようにしました

最後に放火魔〈消防士〉の台詞をもって締めさせていただきます
「ヒッヒッヒッ、火の用心!キャンプファイヤーには気をつけなァ?」

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:7 グラフィック:9 サウンド:9

邪悪な闇に独り立つ 俺はどこから生まれ来た

◆今月のメガネ萌え

 はい、皆さんお待ちかねのこのコーナー。今月も元気にいってみましょう。
 本作のメガネは少数精鋭。数は多くないながらも、選りすぐられた高品質なメガネを用意しています。

三田 加奈子(みた かなこ)
三田 加奈子

 何はともあれまずはこの娘で決まりですね。
 主人公・硲 幸丞(はざま こうすけ)のクラスメートであり、中学校以前からの付き合いのある子です。
 バレーボール部に所属していますが、悲しいことにメガネっ娘なので、説明書に「ちょっと下手」とか書かれちゃいました。
 メガネ、三つ編み、バレーボールの三拍子揃ってますから、当然モテます。
 後輩のバレーボール部員、川島 翔太(かわしま しょうた)からアプローチされてますが、本人は思うところがあって態度を保留している様子。安心ですね。

 さて、ここで三田さんのメガネっ娘としての純度の高さを物語る、重要なシーンを紹介しましょう。

コンタクトに変えてみた三田さん

 まあ待て。まあ落ち着いてください。
 「何ぃ!?」といきり立つのは、ちょっと早いんですよ。
 この直後の台詞を見てください。

メガネに着替える三田さん

 ね? わかりますか?
 帰るときにはメガネに着替えてるんですよ彼女!!
 演出に抜かりのない本作で、顔グラの指定間違いなんてミスをやらかしているはずもありません。
 それが証拠にこれ以降、体育館以外の場所ではちゃんとメガネを掛けてるんです!

 「勉強の時だけメガネを掛ける女子を、メガネっ娘と呼ぶか否か」という古典的な議論がありますが、彼女は
 「運動の時だけコンタクトに変える女子を、メガネっ娘と呼ぶか否か」という新しい命題を提示しているわけです。
 ボクは原理主義には立ちませんので、これも立派なメガネっ娘である、と断言します。
 「メガネを外す→コンタクトを入れる→コンタクトを外す→メガネを掛ける」というプロセスは、なかなかに手間がかかるものです。
 それでも彼女は、終始コンタクトを入れたままにすることを良しとせず、わざわざメガネに変えているのです。
 彼女の深いメガネに対する愛情が、それだけで伺えようというものです。

 わざわざこのイベントを挟むことで、メガネに対する愛情を克明に描写した作者さんは、明らかに我々の同志であります。
 少なくともハッキリしているのは、軽薄な男子は決して、こういう乙女の心の機微に気づくことすら無いだろう、ということです。

尻馬に乗って褒める後輩
 貴様に加奈子は渡さんっ……!

保健室の先生
保健室の先生

 不憫なものでこの先生、名前がありません。
 というか、この人が保健室ではなくマップ上に登場していたら、顔グラも固有グラフィックさえも無かった可能性が高いです。
 しかし、幸いにして彼女には顔グラフィックがあります。そしてメガネです。
 なれば、このコーナーで思う存分に語り尽くさねばなりますまい。

 と言っても、ほとんど話せることがないんだよなあ……
 台詞の数、10にもならないからなあ……
 その中でも尖っていると思った台詞をキャプチャーしました。
 本作の登場人物はどうにも精神的に若い人が多いもので、こういう枯れた台詞はなかなか異質です。
 落ち着いた大人の魅力を見せてくれています。

 さて、ではそろそろ評点に……

 わかってます。わかってますよ。
 本作、メガネ男子のクオリティも高いですからね。
 もちろん紹介していきますよ。

藤代 俊明(ふじしろ としあき)
藤代 俊明

 はい、藤代酒屋商店の店主、67歳です。
 幸丞の祖母の知り合いで、幸丞も随分とお世話になっていました。
 たいへん温厚な性格で、情に厚く……

 え、何? 違う?
 藤代のおっちゃんじゃないと?

 ……わかりました。わかりましたよ。
 紹介すればいいんでしょう紹介すれば。

神 蔵之助(じん くらのすけ)
神 蔵之助

 はい、本作の一番人気、神さんです。わーぱちぱち。
 3人目のパーティキャラにして本作の真の主役、享年27歳です。
 かれこれ40年前に亡くなって、以来ずっと狭間の世界でうろうろしている、筋金入りのマージカル・マンです。
 普通の人なら、とっくに成仏してます。

キャリアを誇る蔵之助

 この40年間、一体何をしていたのか、というのが出会ってまず第一の疑問でしょう。
 なんたってこの人、凄まじくアグレッシブ。
 40年間、現世に降りることもせず、ただぼんやりと過ごしていたというのは全く信じられないのです。

ヒロインのバストサイズを測定する蔵之助

 好みの女と見るや速攻で口説き落としにかかる、ハイパーナンパ野郎です。
 見ての通りのイケメン、しかもメガネなのですが、やってることは限りなく三の線。
 周囲からの変態の評価をほしいままにしています。

 がしかし、文句なくモテただろうと思うんですよ。
 それが証拠に彼、27歳にして既に娘がいます。立派な妻帯者です。おそらく学生結婚です。
 どこまでも心優しいジェントルマンで、彼の知人は決して彼のことを悪く言いません。
 そして彼は死ぬまで、決して家族を裏切ることはしなかったのです。

義憤に燃える蔵之助

 そのおちゃらけた態度の奥底に、熱く滾る心を持っていることも、彼を知る人なら誰でも知っています。

 8歳児とバトルを繰り広げる(しかも負ける)幼稚性を誇る彼ですが、
 生前は、なんと意外や研究職。
 その気になれば痴的なだけでなく、メガネっ子にふさわしい知的な面も見せつけてくれます。

成績の良さを誇る蔵之助

 まあ、「一見ただのアホ」とか、さんざん言われてますけどね。

 ざっとまとめますと、このキャラ、欠点らしい欠点が無いんですよ。
 いや、かなりどうしようもないところもありますけど、フォロー不可能な欠点や失敗はなく、かえって魅力を増してるところが手強いのです。
 キャラクターとして完成されていると言った方がピンと来るかもしれません。
 そりゃあ一番人気になるのも当然です。まったく面白くない
 リア充爆発しろって言ってもこの人、既に爆発済みだしさあ……

 ストーリー上とても重要なキャラクターで、もし彼が生きていれば、ラスボスも誕生しなかったかもしれないとまで言われています。
 この作品全体が、神 蔵之助のためにできていると言ってさえおかしくない好待遇です。
 HPが低く、必殺技のクセが強い彼を、なんとかしてバトルでも役立てていきたい、そんな愛着を自然と抱かせることに成功しています。
 ……いや、主人公がどうでもいいというわけでは無いんですが。無いんですがね。

 キャラ立ては非常に良くできているので、それ以外の欠点が目立つところもありつつの評点です。

ハマリ度 : 7 / 10
 ストレスフルな序盤と無双モードになる終盤で戦闘の方向性がまったく異なっており、空中分解気味。ハード以降は攻略時間が延びるだけで、オススメできない。
 確かに序盤のバランスは、
  • HP回復手段がアイテムのみ、基本黒字になることがない。先の見通しがまったく立たない。難度設定を高めにするとハマる場合も。
  • 通常攻撃はリスクとリターンが釣り合わないので、防御を繰り返しゲージを溜める作業がメインになる。
  • 一方必殺技、特に幸丞の睡眠技が強力で、睡眠技を当てる→防御でゲージを溜める→起きたところでまた睡眠技、のループとなって単調。
  • しかしボスの場合、行動不能にしても無条件でイベント技を使うため、不平等感がある。
  • MPは十分に供給されるが、MP消費技は全て味方への補助技。引きこもりスタイルが加速する。
と問題点が多いが、それを根本から否定した結果、終盤は全く違うゲームになってしまった。
  • HP回復手段が次々と増え黒字化。敵の攻撃を封殺するスタイルが健在なので、おまけダンジョンに入るまで事故死する心配はいらない。
  • 通常攻撃に追加効果が増え、特に幸丞の追加効果は睡眠なので、封殺スタイルが揺るぎないものになる。
  • ボスが状態異常阻止の技を使うようになるが、間隙を衝いて眠らせることができるのであまり抵抗できてない。
    はては幸丞が状態異常阻止無効化の技を使うようになり、しかも2回行動できるのでそのままおねんねも可能に。
 この戦闘スタイルの変化について、ストーリーでのフォローはまったく無い。「猶予」というステータス名からして、従来のHPと違う意味づけを持たせたかったのだろうと推察されるが、その試みを唐突に途中で放棄されては戸惑ってしまう。
 ストーリーはよくまとまっている。ただしある作品への露骨なオマージュが感じられる部分が鼻につく。オマージュするのは構わないと思うが、練られておらず伏線も不十分、メインテーマから浮いており、ギミックとして機能していない。元ネタが秀逸なので、比較するのも酷ではあるが。
グラフィック : 9 / 10
 演出は綺麗で、顔グラも表情豊か。ただ、必殺技連打になるバランスなので、必殺技前演出がややクドい。
 できれば夜も、マップ移動システムは夕方と同じものを用意してもらいたかったところ。実は普通の選択肢の方が使いやすいことがバレてしまう。
サウンド : 9 / 10
 今はやりの曲を多数投入、書き下ろし楽曲も含むが、印象に残るのはoo39のオサレ曲による通常戦闘。本作のライトな空気の醸成に大きく貢献している。

 死者は決して生き返らない、だからこそ、ボクらは死ぬまで生きるんだと思うんですよ個人的には。
 できれば一生、死ぬ瞬間まで、未練たっぷりで生きていきたい。
 本作はきっと、そんなマージナル・マンに向けてのエールなのだろうと思うのです。

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