■ deltarune
作者 [ Toby Fox さま ] ジャンル [ シューティングRPG ] 容量・圧縮形式 [ 77.2MB・インストーラ ] 言語 [ 英語・日本語 ] 備考 [ 現在、Chapter1のみ公開 ] 配布元
レビュワー ハマリ度 グラフィック サウンド 合計 総合判定 ES 9 /10 9 /10 10/10 84/90 赤松弥太郎 8 /10 10/10 10/10 DECOすけ野郎 8 /10 10/10 10/10
《 ES 》 ハマリ度:9 グラフィック:9 サウンド:10
爽やかなティーン・アドベンチャー(現段階では)
本日のイチオシ作品「deltarune」は、我々がレビューする前から、各所で話題になった作品です。配布当初は、制作側からネタバレ自粛の要請が入るほど、ストーリーに仕掛けを施した作品です。
ネットで漏れ聞く限りでも、二次創作人気もかなりある作品です。
しかし、本作は「フリゲ2018」では無効票と判断されました。現在提供できている範囲は「Chapter 1」のみ。「有料作品の体験版」と判断せざるを得ないためです。
ストーリー単体を理解するためには、前作「UNDERTALE」の知識もそれほど必要ありません。Chapter 1の時点での「UNDERTALE」との関わりは、「UNDERTALE」の一部キャラクターがカメオ出演している程度です。
しかし、冒頭とChapter 1結末の不穏な雰囲気からするに、「UNDERTALE」との関わりはより深いものになりうる可能性を秘めています。どう転ぶかは、制作チーム以外誰も判らないのが現状なのです。ただ、ストーリー自体はChapter 1でしっかりと起承転結を取っています。Chapter 1の時点で「ダークナーたちの問題を(とりあえず)解決し、クリスとスージィは元の世界に帰る」は達成されています。
ストーリーも正々堂々としたもの。クリス・スージィ・ラルセイ・ランサーの4人の友情を、ある意味「UNDERTALE」のToby Foxらしくない爽やかさで描いた作品です。
攻略の自由度も高めになっています。並みいる敵は倒してもいい・懐柔してもいい、隠しアイテムを手に入れなくても攻略難易度に大差ない、敵の倒し方で大きくENDが分かれた「UNDERTALE」に対し、deltaruneのChapter 1の展開は一本道です。道中の選択肢の影響は本当に「細かい所」しかありません。
なお、バトルの攻略は「やり方さえわかれば懐柔の方が楽」な調整になっています。序盤はスージーに殴らせていれば一撃で倒してくれますが、後半ではその攻撃力は流石にナーフされてしまいます。…ただ、本作の唯一にして最大の問題点が、「このChapter 1の読後感を、その後の展開でひっくり返される」不安が常に付きまとう点にあります。確かに、この段階で評価するにはまだ早い作品です。
ただし、完成版は間違いなく有料作品になります。「フリーソフト超激辛ゲームレビュー」である当サイトでは、この段階でないと大体的に取り上げられない作品でもあるのです。
結末がどうなるのか、正しい意味でも裏の意味でも楽しみな作品になることは確実です。ただ、私がそれを語れるのはTwitter上でも難しそうですが。
《 赤松弥太郎 》 ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:10
いつか、未来で
出来映え、特にグラフィックとサウンドには、まったく文句がありません。点数も低くなるわけがないと思っています。
が、今プレイすべきかどうかと聞かれると、話は別です。
UNDERTALEをプレイしていない、今後もプレイする予定がないボクですが、皆さんは公式サイトの注意書きに従って、UNDERTALEをまずプレイするべきだと思います。
DELTARUNEは、今プレイしても損はしないし、我慢できないなら仕方ないが、できれば完成するまで待った方がいいというのが、ボクの見方です。
たとえば連載ものだったら、旬のアツい時にプレイしておくべきだと思うんですが、本作はそうじゃありません。
緻密な計算で成り立っている本作を、完成前から追いかけたところでライブ感は薄く、むしろ分割されてしまうことによる感動の喪失の方が大きいと思うのです。
何年かかるかもわからないと作者本人が言ってますし、プレイしても何パーセント完成しているのか、まったくわからない状況ですが。
しかし、わざわざドメイン取ってまでChapter1を公開したということは、完成させる意思がある、ということです。
ここはToby Foxさんを信じて、何年でも、何十年でも待とうじゃありませんか。ね?
さて、警告は十分しましたよね。
ここからはネタばれも込みで、ボクの感想を書いてみましょう。
目押しによる攻撃と、シューティングによる回避。
このシステムは初体験だったのですが、すごく計算されている感じがします。
だって、作者としてはこちらの攻撃は全クリティカル、敵の攻撃は全回避を想定しているってことじゃないですか。
なおかつ、今時点で本作にはキャラ成長の要素が一切ありません。敵からは経験値を得られないし、カスタムできるのは装備品だけです。
ダメージアイテムも存在せず、バフ・デバフが使えるかどうかは戦闘イベント次第。
つまり、「無理矢理倒してみたシリーズ」は改造以外で実行不可能、戦闘で作者の裏をかくことはできない、ということです。
まあ、ボクの好みとは合わないのですが……ちゃんと考えて作られている、という安心感が出ていて、本作の方向性を明確にしています。
本作にエンディング分岐はないと明言しているのも、この方向性を踏襲したものでしょう。
むりやり敵を倒そうが、脇道の隠しボスを倒そうが、本筋にはまったく影響しないからやり込む必要はない、と保証してくれているのです。
隠しボスを倒したところで、無くてもクリアに支障が出ないアイテムと名誉しか手に入らない、そうわかっていれば、諦めるという選択もしやすくなるものです。
何より、自分の行動で世界の命運が変わったりしないという安心感は、大切ですよね。
以上から、本作が完成すれば、作品のメッセージはクリアすれば誰でも、一通りに理解できるものになるだろうと、ボクは予想しています。
UNDERTALEをプレイしていても、いなくても、です。
キャラクターを再構築した、違う世界の物語、ということですから、ファタモルガーナの館とセブンスコートの関係に近いんじゃないでしょうか。
あれも、どちらからプレイしてもOKですし、一方だけプレイしてもまったく損しない作りになっていますからね。
しかし、残念ながら本作は未完成もいいところでして。
説明されていないたくさんの謎が、はたして今後のストーリーで回収される伏線になっているのか、それともUNDERTALEをプレイしないと読み解けないものなのか、現状プレイヤーには判断ができないのです。
特に主人公に謎が集中していて、しっかり納得いく形で説明されるのか、不安になる気持ちもあります。
つまり、クリスとは何者か? なぜ両親がモンスターなのに人間なのか? なぜ町にはクリス以外に人間がいないのか? 学校側の世界のステータス画面で“クリス”とクォーテーションで囲われているのはなぜ? 初回セーブで表示されている名前にはどんな意味があるの? エンディングのアレは何? オープニングのアレは何? 途中のキャラメイク遊びとの関連性は? ダークナーたちは最近までライトナーと交流があったようだが、学校側の世界でダークナーが認識されていないのはなぜ? ラルセイって何者? どうしてラルセイは王子を名乗ってるの?
等々の謎ですね。
UNDERTALEをプレイしていないボクでも、ある程度は察することができる謎もあります。
ましてUNDERTALEのプレイヤーなら、UNDERTALEから類推して考察したり、今後の展開を予想したくなるのも当然です。
しかし現時点、まったく未完成の本作に対して、プレイヤーが勝手に期待したり、予想したりする、しかも答え合わせが何年後になるかわからない状況って、本作にとってプラスなのでしょうか?
完成した本作はおそらく、受け止め方は無数にあったとしても、解釈は一通りに定まった物語になるはずなんです。
ストーリーに変更はないそうですから、今後の展開を予想したところで、期待がどんな形で裏切られるか、その時までわからないのです。
もちろん、Chapter1が公開されている以上、プレイヤーにはプレイする自由があり、それをどう受け止めるかもプレイヤーの自由です。
作者の発言を見る限り、期待感を煽るリスクは覚悟の上で、Chapter1を公開しています。
おそらくは、Chapter1単体でも、冒険譚として一応区切りは付いているという判断があったのだと思います。ボスを倒して、世界は平和になっていますから。
……案の定、プレイした人誰一人として、額面通りそれが区切りとは思っていないのは、作者さんの人徳というべきでしょう。
穴に落ちる、トランプとチェス、お菓子などのモチーフは、どうしてもアリスを連想させますし、光と闇のバランスなんて、RPG黎明期からのお題目じゃありませんか。
悪く言えばありきたりな、良く言えば安定したモチーフです。見方を変えれば、いくらでもいじりようがあるモチーフです。仕込みを疑わない理由がありません。
さらに言えば本作は、家族というモチーフも前面に押し出しています。
古くて新しい、普遍的なモチーフですから、これもどうとでも転ばすことができるモチーフです。
しかもChapter1では、この話題については問題提起のみに留まっていて、何も区切りがついていないんですよ。
今後、「家族」というテーマを主軸にして展開していくかも知れませんし、そうじゃないかも知れませんね。
問題点も残っています。作者さん自身が指摘している、戦闘システムのデザインですね。
特に、初期カーソルが当たっているのに、普通は選択しない死にコマンド「たたかう」の問題は深刻そうです。
確かに、ザコ相手にいちいち「こうどう」するより、叩きのめした方が手っ取り早いこともあるのですが、面白くないんですよ。
その上ストーリーで推奨されていないし、報酬もないのでは、縛りプレイ以外で選ぶ余地がないんですよね。
直接攻撃コマンドがないRPGも世の中にはありますが、「たたかう」を無くすのが正解かどうかも、今後のストーリー次第で変わってきます。
それを言うと、RPGの形式を採る必要があるのかどうかさえ、議論の余地があるのですが。
弾幕もインフレする懸念がありますし、作者さんがある日、まったく違う新システムを思いつく可能性だって、否定はできません。
もしかしたら、完成版ではまったく違う戦闘システムになっているかも知れません。
アートワークは、実に頑張っています。翻訳にも安定感があります。
しかし現状、完成度が高ければ高いほど、今プレイするのはもったいなかったと言わざるを得ないのです。
本編が全て完成したあと、本作は優秀な体験版になるだろうと思います。
その時が来るまで待つ……今はプレイしないという応援の仕方も、あるんじゃないかとボクは思うのですが、ダメですか?
《 DECOすけ野郎 》 ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:10
一番レビューを書くのが難しい作品だった
あまりにも久しぶりすぎて、感覚を取り戻すのに苦労した…。
ゲーム自体が難しい、というよりも
・作品の性質上、何を書くか迷う
・現状、1章(仮)なので、全容が分からない
・特殊な作品なので、やはり内容に迷う
というところが大きかった。というわけで、かなり迷ったが無理やりまとめた。
Deltaruneって何なの?
・「Undertale」の、その、なんというか…説明が難しいな…手塚作品で言うところの「火の鳥」、梶原一騎で言うところの「プロレススーパースター列伝」だ!Undertaleって何なの?
・新日本プロレスリング株式会社所属の、ケニー・オメガ選手とコラボしていたよ。…マジで!?
https://www.famitsu.com/news/201901/01170182.html
まあ、結果は棚橋に負けてしまったんだけどもね。・Undertaleって何なの?(2)
ゲームを何度もクリアしているけど、説明がマジで難しい。なんとも言えない。こんなゲームは他に無いからだ。かなり個性的でユーモラスなキャラクター、エンディングを見るだけならいつでも終えられる手軽さとやりこみ要素、謎を残す道中での出来事やイベント、普通にやっているだけではわからない隠し要素、MOTHERだけどFFにや東方になったり、クイズ番組になったり、あと犬ゲー。犬。笑ったり、マジで落ち込んだり、熱くなったり、でも落ち込んだりするゲーム。しかし、よくこんな内容で任天堂がOKを出したよな。
(やっていた当時は、Steam版しか無かったが、現在はNintendo Switch版なども出ているのでかなり気軽に遊べるようになった)・Undertaleとネタバレ
とりあえず、未見の方は1. まずは何も情報を得ずに早く買うべし
2. 曲名ですら重大なネタバレになる
3. 調べようと思ったら即ネタバレに当たるだから、買って最低限2周目まではやってほしいかな?
・超簡易レビュー
ハマり度は8。ゲーム的には面白かったが、これだけじゃ判断はできないということで。
グラフィックは10。さすが。どこも美しいし世界観構築というのがただすごい。
サウンドも10。Tobyさん作曲の歌はどれもアツいし、1章だけでこれだけの曲をブチ込んでくるというところに本気度が伺える。・これから おこる ことの すべてを うけいれて いただきます
そういうことだ。(以下、ガンガンUndertale、およびDeltaruneのネタバレをぶっこみます)
・UndertaleとDeltaruneの関係性は、プロレスと「プロレススーパースター列伝」に似ている
作者本人が、UndertaleはDeltaruneの世界と同じ「ではない」とすでに公言していたので、別の世界であることは明確。それでは、「UndertaleをやらずしてDeltaruneをやってもいいのか?」。確かに、初代タイガーマスクや猪木、馬場やホーガンやファンクスを知らなくても「プロレススーパースター列伝」は読める。だが、実際はどうだったかということを知った上で読むと、さらにおもしろく読むことが出来る。そういうことじゃないかな。いいやつタイガーマスク!
・第2章や続きは出るのか?
現在わかっていることは
-今まで、TobyさんとTemmieさんと少数先鋭スタッフで作り上げてきた
-システムの複雑化、さらにはやることが増えたので、もしかしたら開発チームを作るかもしれない
-完成時期には、プレイステーション14が発売されているかもしれない(これはTobyさんなりのジョークかもしれないが、実際にそこまで伸びる可能性もあるかもしれない)
-今は、1章より先は何も進めていないつまり「わからない」。これが答え。
・多く残っている謎は何なのか
いろいろ調べたうえでわかったことは
-一番最初に設定をする器を作る質問(好きな色、感情などの)は、現段階ではなにの影響も及ぼさない
-敵を倒す(スージーが強制的に倒してしまう戦闘以外で)のは、キング戦での最後の展開と、見送りがあるか無いかの違いで、それによりエンディングが変化することは無い
-元の世界のほこららしき箇所(地下に潜るための場所?)にはまだ入れない
-各キャラクターも、Undertaleと似ているようでかなり違う(明らかに矛盾点がある)とはいえ、それがどうなるかはわからない
-Deltaruneは紋章であり、Undertaleにもそれなりに出てきた。しかし、それについての意味は不明まとめると、
1) 製作者ですらわからない
2) できないことのほうがまだ多い
といったところだろうか・ラルセイが裏切ると思ってプレイしていた
そういうことはなかったけど、最後にちょっとだけ驚いた(その正体に)・ルールノー・カァドーのインパクト強し
ノリは メタトンに 近シ。ただし こういうキャラほど 話が進むにツレ 悲しい過去 明らかになりガチ。そうなると アイ クライ。・戦闘バランスの変化
Deltaruneで大きく変わったところは、TP(MP的なやつ)を多く得るためには、敵の攻撃をギリギリで避けるシステムになったところ。Undertaleで避けることのみに専念していたが、今作では「防御に徹して避ける」のも「ギリギリを狙っていく」ことも可能になった。あと、Undertaleは基本1名プレイだが、今作ではパーティー制度を採用している。ドラクエ1から2に進化した、みたいな?・ともあれ
続きが楽しみ。多分、続きは商用ゲームになっているかもしれないし、この1章ごとなくなっているかもしれない(なにせ、まだ試作中の段階)が、これを読んだ誰かが続きを書いてくれたらうれしいなあ、と思う。