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■ HAPPY GOLD LAND

HAPPY GOLD LAND
作者 [ まれっふぃ さま ]
ジャンル [ ちょっとだけダークな遊園地を冒険するRPG ]
容量・圧縮形式 [ 235MB(ダウンロード時)・ZIP, ブラウザゲーム ]
製作ツール [ RPGツクールMZ ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ 「ふりーむ!」ではブラウザ版のみプレイ可能 ]
[ ダウンロード版はboothから ]
配布元 ダウンロード先

HAPPY GOLD LAND HAPPY GOLD LAND HAPPY GOLD LAND HAPPY GOLD LAND HAPPY GOLD LAND HAPPY GOLD LAND

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 9 /10 9 /10 9 /10 52/60 B
赤松弥太郎 8 /10 9 /10 8 /10

 《 ES 》  ハマリ度:9 グラフィック:9 サウンド:9

恐怖はメルヘンで包まれて

今月のイチオシ作品「HAPPY GOLD LAND」は、ストーリー主導型の短編~中編RPGです。プレイ時間は2~3時間程度。プレイヤーはナッツ(名前変更可の主人公)、ジャック、ベサニーのたった3人で怪物の大群に立ち向かっていきます。
しかし、「フリー・短編のストーリー主導型RPG」にしては、本作の難易度は様々な方面で高くなっています。

まず難易度の高い点は、何といっても戦闘。本作のモンスターの強さは、やたらと上昇量が急。2ステージ目の「コーヒーカップ・メリーゴーラウンド」から、その傾向が顕著となります。
「コーヒーカップ・メリーゴーラウンド」ステージは、いわゆる「迷いの森」ダンジョン。ある程度巻き戻されることを想定しているせいか、マップ進行ごとの戦闘難度がやたらと急成長しています。
迷いの森から少し進んだ辺りで出現するモンスター「コーヒーカップのレディ」。それまでの「ポップコーン」「チュロス」とは比べ物にならない物理攻撃力を誇る上、高確率で混乱をかけてくる強敵。初見だと1体相手でもスキル連発で速攻しないと返り討ちにあう強敵ですが、迷いの森突破直前のマップになると3体同時出現が当たり前のように発生します。
当然、ステージ最奥部に出現する中ボスも、1ステージ目とは比べ物にならない強さ。レベル上げを要求されます。
ここで問題となるのが、「迷いの森は一度クリアすると二度と行けない」仕様。迷いの森クリア後のレベル上げは、一度に3~4回分しか出現しないステージ入口を往復するほかありません。
その次の3ステージ目「観覧車前」になると、更にレベル上げのための足踏みを要求されます。ここは、1マップ進むとすぐにボス戦。ただでさえ連戦がきつい上、全体状態異常をかけてくる強敵「HGランドスタッフ」が初出現します。
当然、2ステージ目をクリアした直後では手も足も出ません。ボスステージ直前のマップに出てくるザコ戦を繰り返し、レベル上げが必要です。当然、そのザコ戦ですら、先述の「コーヒーカップのレディ3体同時出現」やそれ以上の難易度の戦闘が出てくるため、消耗は避けられません。

このように、本作のクリアに掛かる2~3時間のうち、およそ1/3~半分はレベル上げに費やす時間となります。そのレベル上げ作業ですら、下手を打つと戦闘不能者が出て、最悪全滅する難易度です。
本作の戦闘難易度が高い原因は、細分化するとかなりの数存在します。

そして、本作は戦闘面だけでなくストーリー方面での難易度も高くなっています。本作のストーリーは表面だけを見れば「少年少女の冒険譚」「悪魔を倒してハッピーエンド」。しかし、たった一つが大問題。「ナッツは元々、ラスボス・ゴルドに造られた使い魔」であること。人とは相容れない存在…家族も家庭も持たないナッツは、本来は人間界に居場所はないのです。
本作のストーリーはその点にも全力です。鬱展開だけでなく、選択肢としても…。本作終盤の分岐点、詳しくは伏せますが、私はかなり苦労しました。その原因は主に3つ。
1つは、分岐条件が3つの選択肢の他にもう一つある点。数パターンの分岐を網羅する時間的負担は少ないものの、HAPPY ENDルート以外は全てが救いのない展開。2つ目の原因は、その救いのない展開を見せられる精神的負担です。
3つ目は、そんな長丁場の条件分岐、選択後からENDに行くまでの間でもセーブ可能です。決して選択肢後のセーブは、それまでのセーブに上書きしないでください。選択した時点で取り返しが付かないため。
しかし、本作のHAPPY ENDのカタルシスは、「あがいて掴んだ一筋の糸」「その糸のように細い、ありえなかったはずの未来」「それをプレイヤーの行動によって手繰り寄せること」にあります。
皆様もぜひ、「苦難の末に掴んだ幸せ」を嚙み締めてください。先述の通り、本作の時間的負担は2~3時間程度。休日に一気にプレイできます。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:8

夢と 希望と 誓いをのせて

 開始して20分くらいで、主人公の衝撃の正体が明かされます。
 衝撃的ではありますが、伏線はそこかしこにあり、納得せざるを得ません。今までのプレイ体験がまったく違う意味を持つ、見事な展開です。
 取り返しの付かなくなった状況から、主人公は時を遡り、未来を変えようと干渉しはじめます。
 こうして時を遡りながら、未来の悲劇を回避し、悪を滅ぼす物語になるのでしょうか?

 違います。違うんです。

このゲームはときどき敵と戦いながら探索していくゲームです
 チュートリアルでこんなこと言ってましたけど、大嘘なので忘れてください。
 本作は、短編ではありながらがっつり敵と戦うRPGです。
 派手なストーリー上のギミックは、この時間遡行を最後にありません。
 戦いの中で友情を育み、強敵を倒そうと努力し、自由と平和を勝利して掴み取る、王道RPGのストーリーラインが展開されます。

 その第一印象に反し、本作はガチのバトルが魅力です。
 タンク役の主人公がヘイトを集め、俊足のジャックが回復に回り、アタッカーのベサニーが蹴りを入れる。
 パーティメンバーにはそれぞれ明確な強みがあり、役割分担があります。
 それを様々な状態異常で乱し、強力な攻撃を仕掛けてくる敵にどう対処するか、それが本作のバトルの駆け引きです。

 とはいえ、プレイヤーにとれる対策は限られています。
 装備の絶対数が限られている本作では、どう足掻いても耐性は完璧になりません。
 ジャックが状態異常回復技を覚えるのは最終盤、そして蘇生技は誰も覚えません。
 頼れるのはアイテムです。
 ザコ戦で稼いだ金をアイテムにつぎ込み、ボス戦で活用していくのが本作の基本戦略になります。

 そう、本作は稼ぎが必須です。
 本作はシンボルエンカウント、かつ敵シンボルの動きが遅いため、容易に戦闘回避できますがメリット皆無です。
 敵を無視して進んだところで装備は手に入らないし、そんなレベルではボスに歯が立ちません。
 見かけた敵を全滅させる程度ではまだ不十分で、ボスと戦うには自らエンカウントを仕掛けつづけ、「レベルの上がりが鈍くなったな」くらいが目安になります。
 本作のシンボルエンカウントは、「プレイヤーのタイミングで戦闘が開始できる」以上の意味はありません。

 低レベルでアタックするのももちろん自由ですが、本作、戦闘中の蘇生手段が希少なんですよ。
 唯一の蘇生手段「ゴルデインC」は中盤まで、道中に落ちている1個しか入手できないと言えばわかるでしょうか。
 終盤で解禁される店売り価格もとんでもない高額で、エリクサーや、ラストエリクサーの半分の効果があるアイテムの倍の価格がついています。
 なのにこのゴルデインC、決して頼りになる性能じゃないんだよなぁ……。
 ボスの猛攻の前では回復量が少なすぎて、蘇生したそのターンの内に再度倒されることが頻発します。

 つまり、ダウンした時点で基本負け戦です。
 ベサニーが倒れればジリ貧だし、他2人が倒れたら耐えきれません。
 さらに、経験値は味方の頭数によらず一定、倒れている味方は経験値0というツクール標準のシステムを本作も採用しています。
 ダウンしない立ち回りを要求され、それが本作の戦闘の緊迫感に繋がっています。

 とはいえ、レベル上げもそう簡単ではありません。
 序盤のうちは状態異常が鬱陶しいだけだったザコ敵も、どんどん強くなっていきます。
 ラスダンのザコ敵は、1つ前のボス戦とほぼ同等の強さを持ち、かつ稼ぎ目的となればアイテムは使いたくないので、かなりの難敵となります。
 そう簡単に連戦できず、1回戦闘しては回復ポイントに戻る、その往復を繰り返していくことになります。

 ……自分の好きな育成状態で戦える、それを好むプレイヤーは多いと思うんですよ。
 でも、ボクはちょっと苦手で。好きでもないレベル上げを延々やり続けた挙げ句、ボス戦の歯ごたえがまるで無くなる、なんてことをやってしまいがちです。
 レベル上限まで上げてもラストバトルに多少歯ごたえは残ってたので、まあいいんですが。みなさんは無理なレベル上げは禁物でお願いしますね。

ハマリ度 : 8 / 10
 ゲーム内のプレイ時間は公称どおり3時間ほどだが、全滅やエンディング回収等で倍かかっている。とはいえボリュームは狙い通り、長すぎず短すぎずが実現できているように思う。
 エンディング分岐について、タイミングがいじわる。今まで引き返すことができたタイミングで引き返せなくなるせいで、気付かずセーブしてしまう事故が多発する。なぜ3体目の銅像を調べるまで待てなかったのかがわからない。
 序盤の導入は見事だし、それ以降の進行もまっとうにRPGをやっていて心地よいが、その間のギャップが気になる。最初のおばけ襲撃を戦闘イベントに落とし込んでおけば、もう少し早めに本作の方向性を出せたのではないか。
グラフィック : 9 / 10
 描き下ろされた各種グラフィックも本作の魅力の1つ。ザコ敵はかわいらしいし、ベサニーの顔芸は見ているだけで楽しい。状態異常時の表情変化も細かく作り込まれていて好き。
サウンド : 9 / 10
 楽曲も全曲書き下ろし。一貫したテーマに沿った構成で、しっかり盛り上げてくれる。

 戦闘にばかり重点の偏ったレビューになってしまいましたが、あくまでストーリーあってこその楽しさであることは強調します。
 ベサニー、ジャック、そして主人公が、家庭環境や将来の悩みを語り合い、明日への希望を見いだしていく過程は、気持ちのいいヤングアダルトの正道です。
 と同時に、このストーリーもまた、共に鍛え戦った、バトルあってこそのストーリーです。
 戦い抜いた先、3人で迎える明日はきっと、素晴らしい1日になるはずです。

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