■ 三代目レビュー RPG 4
芋けんぴの奇跡 零落と紺碧の海神 邪神パヌーマの復活 魔法の迷宮 褐色ロリ巫女発見伝
FRANKEN ひたすらドラゴンを倒すだけ うってかわって 夢見ヶ森狂詩曲 鍵の廃道

【 芋けんぴの奇跡 】

芋けんぴの奇跡
ジャンル [ 芋けんぴをテーマにしたファンタジーRPG ]
作者 [ ネコノヒト さま ]
容量・圧縮形式 [ 152MB・ZIP, ブラウザゲーム ]
製作ツール [ RPGツクールMZ ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ フリーゲーム夢現Plicyからもプレイ可能 ]
配布元 配布元

闇を浄化するRPG。そう、食物繊維のように。

この世界は、「魔王」により暗黒に包まれつつあった。しかし、ただ1つ、その闇に拮抗する「光」があった。
その村に住む一人の少年・トモヤ。サツマイモの名産地である村に住み、芋けんぴが大好物という以外は、ごく普通の少年であった。
しかし、この村を闇から守っていたのは芋けんぴであった(?)。大量に芋けんぴを食べていたトモヤは、満月の夜、芋の光の力(?)を手に入れる。
母からは黄金の芋けんぴを、父からは芋けんぴ製の剣(?)を手に入れたトモヤは、闇の眷属を討ち払う冒険に旅立つ。
剣は魔を討ち払うため。そして、芋けんぴは人々と魔に希望を取り戻すために…(?)。

本作は、1つのツッコミ所を除けば、「勇者 VS 魔王」のシンプルかつショートなファンタジーRPGです。しかし、ただ1つのツッコミ所が、とんでもない大物なのです。
主人公の力の源であり、人々の希望の象徴…それが「芋けんぴ」!
…芋けんぴに対するイメージが、ヒロインの髪に付いていたところから恋が始まる少女漫画程度の我々にとっては、にわかに受け入れがたい設定ですが、本作はその突飛な設定を爆速で納得させてくれます。

芋けんぴの奇跡 芋けんぴの奇跡

5本の黄金の芋けんぴ…これは本作にとっての「異世界チート」。討ち払った闇の眷属に芋けんぴを与えると、彼らを仲間にできるのです。
「なんじゃそりゃ!?」と思ったでしょう。しかし、「食物が契約となる」イベントは、日本古来の物語「桃太郎」からお馴染みかつ説明不要のイベント。本作は、そんな古来よりお馴染みの英雄譚を「桃」や「きび」ならぬ「芋」で始める物語なのです。

…まぁ、「芋けんぴ」をテーマにした本当の理由は、ダウンロードページにある通り「AIが作ったファンタジー小説がおもしろかったのでそのままゲームにしてみた!」なのですが。
そんな一発ネタを、即座にRPGとして完成させたこと…それ自体が本作の特筆すべき点なのです。
闇の眷属を味方につけ、芋けんぴの光で未来を照らす勇者・トモヤ。彼の物語はどういう結末に向かうのでしょうか。それは、私から語ることはできません。ReadMeに「結末のネタバレにつきましてはお控え下さい。」と明記されているため。
心配せずとも、結末に向かうための道のりは、時間的・難易度ともに負担は掛かりません。唯一言えるアドバイスは、「道中の戦闘で金はあまり手に入らないため、初期の軍資金は装備中心に使うこと」です。

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零落(レイラク)紺碧(コンペキ)海神(ワダツミ)

零落と紺碧の海神
ジャンル [ ノンフィールド型RPG ]
作者 [ 冒険者@シロヰ さま ]
容量・圧縮形式 [ 49.2MB・ZIP ]
製作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ マウスのみ使用 ]
配布元 配布元

僕らは、いつだって勇者になれた。

祇園(ぎおん)蒼海(あおい)は、この日、一大決心をしていた。
ひなびた漁師町に生まれ、その特殊な出生から、年寄り連中には神様のように扱われ、同級生には避けられていた蒼海。普通の少年として扱ってくれたのは「幼馴染の彼女」だけであった。
この日、蒼海と「彼女」は連れ立って懐かしの海へと旅立つ。蒼海は幼い頃から描き続けていた自由帳を、「彼女」は伝説の武器を持って…
…ってええっ!!? こんな世界観で戦闘RPGなのですか!?

零落と紺碧の海神 零落と紺碧の海神

そう、現代青春ドラマなストーリー文に反し、本作のゲーム内容自体は、リソース管理が重要なノンフィールド型RPGとなっています。
100km先の目的地まで自転車を漕ぎながら、道中の花・虫・鳥・猛獣(!?)をモンスターに見立て戦っていく、そんな現実と空想が入り混じるゲーム展開は、貴方がたや私を、本作特有の不思議な感覚に包み込んでくれるでしょう。
本作が(ストーリー上でも)「空想の産物」である点は、実はストーリー根幹にかかわる要素なのです。…と言及すること自体が割とネタバレですが、ReadMeにも「・HPを回復できる持ち物がありますが、移動中には使えません。なぜなら現実に没頭(運転に集中)する必要があるから。」など、普通に序盤から匂わされています。
ストーリー自体は短編の一本道。そのうえ、ゲームオーバーはありません。たとえ途中でHPが尽きたとしても、画面左下の「ポイント」を半減させて全回復。誰でも最後までプレイ可能です。

しかし、こと「極める」となると、「HPが尽きるとポイントが半減する」仕様は大きなペナルティとなります。
実は、本作にはネットランキングがあります。エンディング到達時に保持していたポイントが高いほど、ネットランキング上位となる仕様です。
本作の「ポイント」は、かなり使用機会が多くなっています。道中で手に入るアイテムの中には「封印された」ものが存在します。「封印された」アイテムは、ポイントを消費して「購入」する仕様なのです。
「封印された」アイテムは(基本は)レア度の高い、(基本は)強力な物ばかり。お財布や持ち物枠と相談して、取捨選択する必要があるのです。
たった4つの持ち物枠(一番上の「自由帳」は変更不可)、強力なアイテムを入れるため「どれを捨てるか」を考えるシーンが多発します。後半にもなると「4枠全部を空にしても決着がつかず、『自由帳』での泥仕合と化す」戦闘も出てきます。
そんなカツカツのリソースの助けとなるのが、戦闘時に時折出現する「Additional Reward」。「Additional Reward」の条件を満たして勝利すると、様々な勝利報酬が得られます。アイテム・HP回復・最大HP増強…「Additional Reward」の効果はどれも強力かつ頼れる物ばかり。ターンを消費しない唯一の回復、「Additional Reward」でしか得られない最大HP増強…よりよくポイントを稼ぐためには、「Additional Reward」の達成は必須となります。
ただし、その「Additional Reward」の効果も表示される場所も、ゲーム内で一切の説明がありません。初回プレイでは普通に存在を知らず、HP増強を取らないままプレイしていました。
「Additional Reward」は戦闘画面右にさりげなく表示されています。そのうえ、ゲームの最中は「Additional Reward」枠の上にある敵HPと次ターンのダメージに意識が集中して、普通に見逃します。
先述の通り、どんな下手なプレイをしてもゲームオーバーにはならないため、「Additional Reward」を気にしなくても「クリアはできる」が故の説明の少なさなのでしょう。

そんな、戦闘システムとストーリーがかけ離れた本作、その2つが結びつく決着まで「1度だけでも」進めてみてください。
本作の戦闘は「空想」であると、私の紹介でも本作のReadMeでも言及されていますが、果たして本作の「何処から何処まで」が「空想」なのでしょう。「現実」は何処にあるのでしょう。蒼海が立ち向かっているのは、「空想」か「現実」なのか…。
蒼海と「彼女」の2人だけの物語、ぜひ最後まで楽しんでください。

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【 邪神パヌーマの復活 】

邪神パヌーマの復活
ジャンル [ レトロ風RPG ]
作者 [ Dot蜥蜴 さま ]
容量・圧縮形式 [ 52MB・ZIP ]
製作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

語るもの少なく、だからこそ夢見れる、これぞ「王道」。

ここは「パヌーマ」と呼ばれる邪神に侵略され、魔物はびこる世界と化していた。それに対抗する「勇者」として、3人の若者が選ばれた。
この世界は限りなく広い。広大な世界の隅から隅まで網羅しなければ、邪神の本拠地にたどり着く糸口さえ見つからないだろう。

本作は、公称プレイ時間6~10時間、私のプレイでも8時間かかった長編のレトロRPGです。…そうです。私が久々に腰を据えてやり抜いたRPGです。
この8時間を捻出するために、冗談抜きで数か月かかるほど、ロングスパンでクリアしたゲームです。
そのため、初めてプレイした時期から比べ、かなりプレイしやすくなるアップデートが入りました。

邪神パヌーマの復活 最新版ver.1.13で追加された大きな要素は「イージーモード」と「システムのカスタマイズ」です。
本作、難易度以上に「レトロなシステム」がプレイしにくさを加速させています。「カスタマイズ」でそれを今風に変更することにより、かなりプレイしやすくなります。
難易度(バトル報酬量・攻撃力補正)自体はノーマルのままにした私ですが、ダッシュ・どこでもセーブ・脱出アイテムの追加・「たびのつばさ」の強化はONにしてプレイしました。
「『たびのつばさ』を『最後に訪れた街にワープ』→『今まで訪れた街を指定してワープ』に強化」「ダンジョンから脱出するアイテム『だっしゅつだま』の追加」は、実はそれぞれ「ひほう」(イベントアイテム)の「ファストウィング」「リターンアース」の効果と同一になっています。すなわち、これらの「ひほう」を手に入れた後はわざわざ購入する必要はないアイテムなのです。
しかし、「ファストウィング」「リターンアース」が手に入るのはかなり後。そう、船を手に入れ、世界がぐんと広がる段階からかなり進まないと手に入りません。

この「船を手に入れて世界がぐんと広がる」段階で挫折した方がかなり多かったのでしょう。実をいうと本作、「世界が広がったために迷いやすくなる」仕様が最大の欠点となっているのです。
「どこに何があるのか」は町の住民からそれとなくヒントはもらえるものの、全体が青い海の画面、難易度の高い海上のモンスター戦が長々と続く間に忘れてしまいます。海上のモンスターの強靭さは、専用のエンカウント率低下アイテム「ふなだまのまもり」があるレベル。その上で、ストーリー進行に応じて強化されるというオマケ付きです。
私が本作に一度は挫折したポイントも、船を手に入れてしばらく経った頃でした。船で大陸をほぼ1周してたどり着く町「ルーグル」で手に入る情報「町の南西にある三日月島」が見つからなかったのです。元々、ルーグルの町は大陸を反時計回りに回ってたどり着いた街。「そこから南西に向かうということは、今まで巡ったルートを逆回りするだけなんだがなぁ」…と思いながら、1つ前の拠点「ろうじんのいえ」までをうろちょろしていました。

邪神パヌーマの復活 邪神パヌーマの復活

本当のルートは、「ルーグルから北岸周りで西に進んで、西岸側を南に進む」でした。これに気づくのに、冗談抜きで数か月を要したのです。
全体マップを見ればすぐ分かる単純なものですが、困ったことに全体マップを見られるひほう「イーグルアイ」が手に入るのは、三日月島をクリアした少し後。「イーグルアイ」が手に入るまでは、海上の雑魚や推奨レベルが10は高い大陸でボコボコにされながら、右も左も分からぬ状態で進めなくてはいけません。

邪神パヌーマの復活 「迷いやすい」「消耗がきつい」という欠点を持ちながらも、「ウディフェス」にて数多くのプレイヤーに愛された本作。その面白さは、手ごたえと共に、「数多くの攻略法」が存在する点にあります。
その「数多くの攻略法」を支えるのが、本作独自の転職システム。「ドラクエ3」など数多くの有名作で採用されているシステムですが、本作独自のシステムを知らずにチャレンジすると、思わぬ落とし穴が待っています。
初めに、本作で転職可能となる条件として「一次職(ファイター・プリースト・エンチャンター)のジョブレベルが最大(Lv100)になる」があります。普通に進めると、転職の神殿「ロハクーワ」にたどり着く段階(船を手に入れた直後)のジョブレベルは100には遠く届きません。到着直後のロハクーワは、この段階では強めの装備が買える以外は、あまり意味のない拠点にすぎません。

そして、現在のジョブレベルを知る方法は…何処にもありません。メニュー画面にジョブレベルは記載されず、ロハクーワの住民も誰一人として教えてくれません。
ジョブレベルを知る方法は、キャラレベルアップ時にジョブレベル50, 100になった時に覚えるスキルを取得した瞬間にしか存在しないのです。

転職時にも注意が必要です。本作の転職は「キャラレベルは転職前後で変わらないものの、転職前から継承されるのはジョブレベル50, 100で覚えるパッシブスキルのみ」という仕様です。ドラクエ3の転職のように「レベルが下がるが、今まで覚えていたスキルは継続して使える」という仕様ではないのです。
私の失敗パターンは、魔法職からウォリアーに転職した場合。最大MPが0になり、パッシブ・装備使用以外の一切のスキルが使えなくなります。ウォリアーは肉弾戦力・防御力ともに最強なので「パーティに1人は入れるべき」とアドバイスがあるほどに強いジョブですが、魔法系スキル(パッシブを含め)を生かせないのが唯一にして最大の欠点となります。
各上級職で覚えるパッシブスキルは、ロハクーワ王の西隣にいる女性から教えてもらえます。「このパッシブはこのジョブとシナジーがあるな」とシミュレーションしながら、経由職・最終職を選別してください。
私のプレイした8時間では、上級職1つをLv100、もう1つの上級職がLv50に少し届かない程度までジョブレベルを伸ばせました。

本作は「レトロ風」を体現した長所もさることながら、欠点も数多く持っている作品です。難易度や移動速度はイージーモード・カスタマイズでかなり緩和されたものの、「どこに行けばいいかわかりにくい」点は、最新バージョンでも変わりありません。
何しろ、道案内の要役となるはずの「イーグルアイ」が、手に入る時期が遅い、拠点(町・神殿の位置と名前)が記載されていない、その上、「イーグルアイでも見えない攻略上必要な島」が普通にある…と、数々の不利な仕様があるのです。…ええ、上記の欠点はバグではないのです。
拠点位置も記載された全体マップは、作者様ホームページを含め、どこにも掲載されていません。そもそも、作者様ホームページにある「攻略情報」は、(おそらくはプレイヤーからの質問が殺到した)一部の難所、レアドロップ情報のみになっています。
もし、作者様ホームページに記載されていない箇所で迷った場合、頼れるのはネタバレ覚悟のプレイ動画しかありません。もしもの時の準備と、十分な時間を確保したうえで、腰を据えて本作をプレイしてください。

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【 戦闘特化RPG 魔法の迷宮 】

魔法の迷宮
ジャンル [ 戦闘特化型スコアアタック系周回RPG ]
作者 [ ランドル さま ]
容量・圧縮形式 [ 195MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールMV ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

果ての見えない迷宮の底、解き明かすのは…アップグレード!

冒険者仲間の3人娘・エフ(彼女のみ名前変更可)、ディア、メリーは、財宝眠るという謎の迷宮にチャレンジしていた。
何度かのリトライの果てに辿り着いた底は地下10階。しかし、3人はここで違和感を覚える。噂に聞こえた迷宮の最終階は25階だったはず。
隠し扉も見つからず、途方に暮れる3人。そこに、謎の声が答える。
謎の声曰く、「迷宮の10階から下は、通常では見つからない。見つける方法を今から教えてあげる」

魔法の迷宮

声に導かれた先は、機械だらけの謎の部屋。ここに「メモリー」を捧げることにより、より深層への侵入が可能になる…謎の声はそう伝え、消えていった。
そう、3人の果てなき冒険は、いま始まったばかりなのだ。

本作は、「戦闘特化RPG」と名の付く通り、戦闘を中心にして探索・ストーリーなどを進めていくRPGになっています。しかし、その「特化」具合はかなり特殊。
本作の戦闘バランスは「通常攻撃が弱く、スキル中心で進めざるを得ない」「スキル使用に利用するTPは、通常攻撃で溜める」という仕様。通常攻撃でのチャージとスキルの一発逆転のバランスを考える…と思いきやさにあらず。
本作ではTPは戦闘後も持ち越される仕様になっています。そのため、強敵との戦闘前には「ケーキ」でTPを増やしておくのが鉄則となります。
通常攻撃でのTPチャージは、「戦闘前に溜めたTPを使い果たした場合」「戦闘中にTPをチャージするアイテム『エナジードリンク』が切れた場合」「通常攻撃でも倒せるぐらい弱ったザコに対して」と、かなり状況が限定されます。
それほどに、本作の戦闘バランスは厳しめに取られています。一番弱いザコ相手でも、攻撃が1人に集中すればHP満タンから戦闘不能になる可能性は大いにあります。
少し強めの「BLOOD ★★☆」ですら、スキルの足りないうちは挑むべきではありません。初期状態では、メリーは攻撃スキルを持っておらず、エフの「回し蹴り」は強敵相手には火力不足、逆にディアの「魔導レーザー」は消費TP40と多く、溜めるまでのターン数が負担となります。
そう、本作で最も重要なのは「引き運」。初回のうちに攻撃スキルを引けるか(=メリーも攻撃に参加できるか)、特に強敵の弱点を突ける属性技を引けるか、「スキルストーン」を3個集めてのガチャに期待する他ありません。

魔法の迷宮 魔法の迷宮 魔法の迷宮

そんな「運しだい」の展開に魅力を与えてくれるのが、100以上にわたる多彩なマップ。時に「戦闘の発生しないアイテムとお助けキャラだけのマップ」、時に「低レベルのうちはかなりの強敵となるザコがひしめくマップ」、時に「対策を積まないと勝てない最強モンスターMARE ★★★が鎮座するマップ」…各マップはそれぞれが特徴高く、どれをいつ引いたかによって、求められる探索法も千差万別です。
いかに強敵を避けて階段までたどり着くか。敵を避けるために貴重な鍵・ダイナマイトで道を切り開くか。そして、充分に戦える自信が付いたら、経験値稼ぎと宝への道筋を開けるため、積極的に戦闘をこなしていくことが推奨されます。

もちろん、本作で求められるのは「運」だけではありません。「メモリー」を消費したアップグレードによって、その「運」を補強できるのです。
最終階層の追加、3人の強化に始まり、合成で作成できるアイテムの追加、果てには通過できる地形の追加まで、「強化空間」には様々なアップデートが所狭しと並んでいます。
アップグレードにより、初期ステータスの増加、1階で取得できるアイテム・スキルの追加、地形に阻まれた宝物庫や強敵に迎えるようになる…より探索の楽しみが増える仕掛けになっています。
1周は数十分程度と短めですが、繰り返されるアップグレード、レアなマップ、より強力なスキルや装備を求めるとなると、その数十分ほどの探索を何十、何百と繰り返す必要があります。
本作をプレイする際は、少しずつ進めていきましょう。本作には放置報酬も実装されています。1日ごとのログインボーナスでもメモリーが手に入るため、長くプレイすればその分攻略が楽になります。


(補足)
2023.06.28:ゲームアツマールのサービス終了に伴い、リンクを変更。

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【 褐色ロリ巫女発見伝 】

褐色ロリ巫女発見伝
ジャンル [ 戦闘中心の短編RPG ]
作者 [ 堀井ほりん さま ]
容量・圧縮形式 [ 186MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールMZ ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ ふりーむにてダウンロード版をプレイ可能 ]
[ R-15指定 (セクハラ表現/バイオレンス表現) ]
配布元 配布元

かわいい子には試練あり(精神的、肉体的、そして生理的な意味で)

都会の陰にひっそりと佇む滅免智離(めめんともり)神社…本作のヒロイン・フエンは、貧しい祖国を離れ、ここに出稼ぎに来ていた。
しかし、この神社、只者ではなかった。宮司を務めるハルマロは、常に着ぐるみ姿の上にネット狂い。今日もまた、仮想通貨が暴落したと言っては大騒ぎしていた。
「只者ではない」とは、もう一つの意味がある。実はこの二人、百戦錬磨の妖怪ハンターでもある。カツカツの生活にあえぐ中、今日もまた、妖怪退治の依頼が舞い込む…。

褐色ロリ巫女発見伝 褐色ロリ巫女発見伝

本作、至る所にふざけた点(フエンへのセクハラまがいなサブイベントなど)がありますが、本質はガチ戦闘のRPGです。
本作の戦闘には「カジュアルモード」「チャレンジモード」の2種類の難易度がありますが、その差異は「全滅時のリトライで全快するか、戦闘前の状態まで回復するか」のみ。

褐色ロリ巫女発見伝

常に真剣(シリアス)さが求められる戦闘ですが、実はストーリーの大筋もシリアスです。
「極上の贄」と呼ばれ、常に妖怪からその身を狙われるフエン…
「ガチ」で悲惨な末路となる妖怪の犠牲者たち…
「天災級」と称され、それ以上の絶望をストーリー・戦闘の両面で与えてくる「上級妖怪」ことラスボス…
特にラスボス戦は、こちら側も全スキル習得に加えて様々なチート能力を得た上で「勝てるかは運しだい」レベルの最難関。「覚醒」以外の大きな回復方法が無いMPが切れる=敵の攻撃への対抗手段がなくなると、正直言って「詰み」となります。「防御」が効きそうな場面でMPを回復するか、「Mの書」でMP枯渇を防ぐほかありません。
この私も、初戦では大詰めでMPを切らせてしまい、敵の大技を回避できずに即全滅しました。「弱体化した状態で再戦できる」仕様が無ければ、ここで紹介できなかった可能性さえあります。

それを考えると、本作の「様々な意味で人を選ぶストーリー」も、「経験豊富なプレイヤーにプレイしてほしい」という意図を持って作られたものかも知れません。
それほど、本作のプレイには「(事前、プレイ中を含めた)経験」が要求されます。「強力な大型敵と手数の小型敵、どちらから先に潰すか」「ヤバそうな攻撃の前兆を見て、適切な対処方法がとれるか」「敵の攻撃パターンまで考えられるか」…管理難易度の高い思考が求められます。
そして、ストーリー上も、オチを含めて「人を選ぶ表現」が数多く詰まっています。詳しくはネタバレに当たるため言及できませんが、「何があっても許せる人向け」ぐらいは、あらかじめ言っておきましょう。


(補足)
2023.06.28:ゲームアツマールのサービス終了に伴い、リンクを変更。

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【 FRANKEN 】

FRANKEN
ジャンル [ レトロ風短編RPG ]
作者 [ samanthuel louise gillson さま (splendidland) ]
容量・圧縮形式 [ 49MB・ZIP ]
言語 [ 英語 ]
備考 [ Mac版, Linux版あり ]
配布元 配布元

愛だけが地球を救う。バトルはオマケ。

大地が生命を生み出し、太陽が生命を育み、そして月が生命を導く、ここはそんなファンタジー世界。
様々なモンスターたちが平和に暮らすこの大地だったが、「HELL'S NIGHT」と呼ばれる無法者が降臨した瞬間、その平和は露と消えた。
理不尽に街や人々を蹂躙するHELL'S NIGHT一派の暴虐に、「あなた」が立ち向かう! しかし、健闘する間もなく、「あなた」もまたHELL'S NIGHTの足元に倒れ伏す。
実力不足を痛感した「あなた」は、HELL'S NIGHTにリベンジするため、そしてHELL'S NIGHTに蹂躙された人々の勇気を取り戻すため、世界を回る冒険に出るのであった。

FRANKEN FRANKEN

本作は、戦闘とレベルアップが存在するため【RPG】に分類しましたが、どちらかというとフラグ立てが重視されるADVの方が近い作品です。
戦闘は数に限りがあり、1戦闘ごとにレベルアップ。戦闘にランダム要素はなく、それまでのレベルや装備でほぼ勝敗が決まる。勝利のためにレベル上げだけでなく別ルートでアイテム・フラグを手に入れる必要がある…攻略手順が最重要となるゲームです。
それを彩るのがシュールなドットグラフィックとシュールなストーリー。釣りで遠出している最中に故郷が滅ぼされ、呆然と立ち尽くすNPC。その滅ぼされた村の住民は、知らない間に全員避難済み。仲間になった瞬間の中ボスで死ぬ唯一のパーティメンバー。そして、大ボスであるHELL'S NIGHTの正体と、彼を操るラスボスの存在…。シュールなストーリーとシュールな世界観は、最後まであなたを楽しませてくれます。

そんなシュールなストーリーでも、きちんとラストはシリアスに、そして更にシュールに盛り上げてくれるのは、流石の実力です。最終戦BGMのささきいさお(っぽい?)の歌声は、ぜひ皆様もご拝聴いただきたいと思います。
そして、本作タイトル「FRANKEN」の意味を知るためにも、皆様には本作を最後までプレイしていただきたいと思います。心配せずとも、攻略手順さえ分かればだれでもクリアできますし、シナリオ全体の時間も30分程度と短編です。
貴方も、「FRANKEN」の真相を知り、私と同じように満面の笑みで笑い飛ばせる30分を過ごしてみてください。

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【 ひたすらドラゴンを倒すだけ 】

ひたすらドラゴンを倒すだけ
ジャンル [ ドラゴン討伐RPG ]
作者 [ ud部渡邊 さま ]
容量・圧縮形式 [ 6MB・ZIP ]
製作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

男の攻撃! ダメージ1! ドラゴンの攻撃! 一撃KO!

…そんなオープニングからこの物語は始まる。
1ターンキルされた男は、リスポーン地点の教会で目を覚ます。(蘇生が面倒くさいから)男に生きてほしいと願うシスターの制止も振り切り、男は何度もドラゴンに挑み続け、そしてリスポーンする。
脇目も振らずに返り討ちを繰り返す男に、ついにシスター、キレる!!! 「せめて視野を広く持ってください!」と説き伏せる。
そして、やっと男は周りに目を向ける。そこには、激つよ装備が勢揃いの商店街、「勇者」と呼ばれる生意気な男、今まで自分を応援してくれていた老夫婦…様々な人々が暮らしていた。
男が挑戦とリスポーンを繰り返すたび、街の様子も変わっていく。果たして、男の夢が叶う時、街はどうなっているのだろうか。

本作は、宣伝文句およびスタート時の様子から見ると、いわゆる「初めて作ったRPG」を想像しがちです。しかし、本作の作者・ud部渡 氏は、「鍋谷まいこ」「うどんのたまご」など様々な名義でウディタ作品を作り上げている実力派です。当然、本作「ひたすらドラゴンを倒すだけ」にも、一見では分からない仕掛けが多数盛り込まれており、それが本作の楽しさとなっています。
本作「ひたすらドラゴンを倒すだけ」は、グラフィックこそウディタ標準素材のみ利用したシンプルなものですが、その特徴として「街の人々の成長ぶりを時系列に沿って味わえる」楽しさがあるのです。
ある人は愛に生き、ある人はささやかに街の発展を願い、ある人は純粋に主人公を応援し、ある人は悩みに悩みに悩みぬいて少しだけ成長する…そんな人々の移り変わりを楽しむ作品なのです。

もちろん、街が発展するたびに、主人公も強くなっていきます。しかもかなり極端に。
最初の印象では「ドラゴンのHPが1万、主人公が与えるダメージは1、つまり1万回のリスポーンが必要なのか!?」と思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、その疑問は作者自ら「さすがにそんな無茶なやり込みは想定してないんだぜ。」と切り捨てています。
主人公は、街の人々と話し、彼らの好意を受け取ることで強化されていきます。そのため、リスポーンするたびに街の全住民に話しかけるのが本作の基本攻略法となります。
人々との触れ合いは、主人公の強化だけに留まりません。実は本作、かなり充実したアチーブメントが実装されています。新しいイベントを見るたびに、アチーブメントが開放されていきます。アチーブメントの開放前にも「開放するためのヒント」は表示されるため、様々なパターンを試していきましょう。
最も、アチーブメントの全開放はかなりの難易度です。1回クリアするだけでは開放されないアチーブメント、発生しないイベントがあるためです。実は本作、周回ゲーでもあるのです。周回プレイで初めて表示されるヒント、新アイテムを使わないと見れないイベントも存在するのです。

本作単体は1~2時間程度でコンプリート出来る短編ですが、作者様の他作品「君はヒの魔法使い」「見よ、天を衝くインの塔」と世界観の繋がった作品でもあります。
本作で作者様の世界観に興味を持った皆様は、ぜひ他の作品もプレイしてみてください。

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【 うってかわって 】

うってかわって
ジャンル [ 暖かい愛とうどんの物語 ]
作者 [ 和と仁 さま ]
容量・圧縮形式 [ 204MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールMZ ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

ソバもいいけど うどんもね。

うってかわって うってかわって

とある製薬会社のエージェントにして人造人間・キツネ(♀)とタヌキ(♂)。2人は今、ゴーストタウンと化した村の前にいた。
ヒトの身体から抜け出した「憂い」が人格を持ち、このゴーストタウンに棲みついてしまったのだ。
2人の目的は、世界中に散らばった「憂い」の回収。感情が薄い人造人間である2人は、一般人には抱えきれないほどの「憂い」をその身体に吸収できるのだ。
しかし、時を置いて強く賢くなった「憂い」は、流石の人造人間にも抱えきれるものではなかった…。回収任務を完遂し、帰還を目前としたところで、2人は倒れてしまう。

うってかわって うってかわって

そんな彼らを救ったのは、1杯のうどんであった。村はずれに住むうどん職人・伊勢(いせ) 三重(みつしげ)が、倒れた2人を救ってくれたのだ。
限界まで溜まった「憂い」から2人を救ったうどんのパワー。キツネとタヌキは、その料理パワーに注目する。「憂い」たちにもうどんを与え、その悲しみから救い上げようとする作戦である。
キツネとタヌキ、そして伊勢は、再び村の探索に入る。「憂い」を閉じ込めるのではなく、幸せを思い出させ、自らの闇から解き放つために。

本作はプレイ時間1時間にも及ばぬ短編ですが、2部構成になっているゲームです。
第一部は「逃げ惑う『憂い』の捕獲」。前作「かいてはけして」と同じく、高速でランダム移動する「憂い」に近寄って決定キーでダメージを与えるアクションとなります。
今回は、試合前の選択肢による難易度調整も追加され、よりプレイしやすくなりました。

そして、第二部は「憂い」に幸せをぶつけていくRPG戦闘となります。…とは言っても、そこは「かいてはけして」の和と仁 さま。一筋縄ではクリアできません。
「憂い」への攻撃方法は、村人が置いていった「想い出」を利用します。ゴーストタウンと化した家屋に散りばめられた本やチラシなどから、その家に棲む「憂い」に有効な「想い出」を習得していくのです。
これが「どの想い出が有効なのか」が使用するまで類推する他ないのが難点。しかし、「類推」だけでも様々なことが分かり、有効な「想い出」を見つけ出す楽しみとなります。

そして、今回もまた、美味しそうなうどんに舌鼓を打ちながら攻略が楽しめます。主人公2人ともお気楽な所があった「かいてはけして」とは異なり、今回の「うってかわって」の主人公・キツネとタヌキは「幸せ」を知らない人造人間。そんな2人が、美味しいうどんを味わうことでどのように「かわって」行くのか、オマケ要素として得られるうどんと共にお楽しみください。

年越しそばの時期…その上、本日朝の戦隊が「うどん VS そば」の物語というタイムリーなレビューとなりました。

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【 夢見ヶ森狂詩曲 】

夢見ヶ森狂詩曲
ジャンル [ 戦闘中心の短編RPG ]
作者 [ クリムS さま ]
容量・圧縮形式 [ 108MB・ZIP ]
製作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

夢の世界は何でもあり! もちろん悪意も…。

「あなた」は見知らぬ森を彷徨っていた。訳も分からず辿り着いた泉には、これまた少女か少年かすら分からない子供が溺れていた。
子供を救い上げ、辿り着いた先には、「長老」を名乗る女性が立っていた。「長老」いわく、ここは「夢の力で作られた世界」、そして「悪夢」によって夢の力が砕け、滅亡の危機に瀕している…と。
何故か戦える力を持っていた「あなた」と「相棒」は、悪夢が跋扈する世界へ冒険に旅立つ。すでに多数の犠牲者が出ているこの戦い、果たして「あなた」と「相棒」は勝利できるのであろうか。

夢見ヶ森狂詩曲 夢見ヶ森狂詩曲

…と言うストーリー要素は、「長老」の言にある通り脇に置かれ、戦闘と強化を中心に据えたRPGとなっています。
本作の戦闘難易度は「難しめ」。ザコ・ボス共に純粋火力が高く、ボスはその上で搦め手も使ってきます。
特に序盤は、魔法型の「相棒」に集中放火されるとHP満タンでも戦闘不能になりかねません。「あなた」は「カバーリング」でサポートに回り、「相棒」の攻撃魔法で一気に殲滅しましょう。「短期決戦」は、ゲーム内情報にもある通り、本作の戦闘シーンで常に求められる作戦です。
少しレベルが上がれば、「あなた」は「ガードアップ(味方全体の防御力アップ)」、「相棒」は「散滅の腕(敵全体の攻撃力ダウン)」「雲散霧消(敵全体の防御力ダウン)」を覚えます。覚えたバフ・デバフは惜しみなく使いましょう。
同梱テキストにもある通り、本作のバフ・デバフ倍率はかなり高めに設定されています。バフ・デバフなしで喰らうと半壊級のダメージが来る攻撃も、「散滅の腕」を掛けるだけで1桁ダメージとなる例も多くあります。

そして、本作のボス戦闘も後半では、バフをしっかり掛けている状況でも辛くなります。ボスもまた主人公と同レベルで強力なバフ・デバフ・状態異常を使ってくるためです。
そのための対処法も様々存在します。

さて、先述に「第一部」とありましたが、実は本作内に「第二部」が存在します。それは作者自ら「遊びやすさの調整を放棄した『制作者好みのなんか』」と称するレベルに極まった難易度になっています。
第二部への行き方も「隠しEND」として秘匿されているため、同梱の「こーりゃくぼん」を閲覧しない限り、そのまま第一部完で円満終了してしまうものです。
「こーりゃくぼん」として秘匿された内部仕様の奥の奥まで探らないと辿り着けない第二部、我こそはという方、特に本作や「My Sweet Blossom」でクリムS氏の作風に共鳴した方にのみ体験していただきたいと思います。

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【 鍵の廃道 】

鍵の廃道
ジャンル [ 探索RPG ]
作者 [ kou さま ]
容量・圧縮形式 [ 16MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールVX Ace ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

物理的な「鍵」、真相としての「鍵」、全ては掘り起こさねば手に入らない。

彫金師・ミラは、街はずれの墓標の前で目覚める。自らの名が刻まれた墓標の前で。
街へと通じる道は厳重な施錠がされていたが、彫金師であるミラは、落ちていた宝玉・モンスターから剥ぎ取った素材・宝箱に安置されていたシンボルを組み合わせ、鍵を作って難なく脱出したのであった。
しかし、ようやく辿り着いた街も、まるで人々が突然消えたかのようにゴーストタウンと化していた。町の人々は皆、この「サンターニュ島」を離れていたのだ。
人の消えたこの島で、ミラは独り彷徨う。全ての「鍵」を集め、彼女もまたこの島から脱出するため…なのだろうか? 彼女は何も語ってはくれない。

鍵の廃道 鍵の廃道 鍵の廃道

本作のジャンルで一番近いものは「脱出ゲーム」。「鍵」を集め「扉」を開くという意味では、純粋な脱出ゲームです。
ただし、本作は【ADV】ではなく【RPG】に分類されます。「鍵」を作る「マテリアル」を集めるため、道中に潜む障害を排除するため、RPG的な戦闘とレベル上げも要求されるのです。
そして、本作はストーリー要素を最低限にして、アイテム集めを中心に据えたシンプルな展開ながら、そのアイテム集め自体が高難易度となっています。
何しろ、集めるアイテムは鍵本体ではなく、シンボル・マテリアル・ストーンに分かれた「素材」。特定の素材を集めてから、各地に点在する焚火で錬金することによって、初めて「鍵」となるのです。
脱出ゲームとしては、あまりにも舞台は広く、生活感にあふれています。そのため、マップには様々なオブジェクトがひしめき合っています。マップ全てを虱潰しに調べようと考えただけで気が遠くなるでしょう。
しかし、本作の重要アイテムは決して壺や樽の中には隠れていません。シンボルは宝箱の中に、マテリアルは徘徊するモンスターとして、ストーンは円い宝石の形で、ちゃんとマップ上に表示されています。

ただし、箱の中に隠れていないからと言って「分かりやすい」とは限りません。むしろ、隠し場所の分かりにくさは、数多ある脱出ゲームの中でも至難…と言っても過言ではありません。
それというのも、本作のマップには隠し通路が多い上、肝心のアイテムの視認性が悪い例さえあります。柱や木が手前にあって見えづらいのは序の口。青い水中にある青いストーンに、実況動画を見て初めて気付いたときには、「保護色使うのは、流石にズルじゃないか!?」とさえ思いました。
むしろ、本作は脱出ゲームの常識を超えたレベルでの「虱潰し」が要求されます。隠し部屋どころか通常の通路ですら、常に体を壁にこすりつけながら進まないと分からないレベルの隠されっぷりなのです。

私のプレイでは、とりあえずのクリアである「島からの脱出」まではノーヒントで到達できました。しかし、TRUE ENDの条件である「全ての鍵を集め、全ての扉を開ける」のクリアは、攻略情報なしではどうしてもクリアできませんでした。
先述の「水没している青いストーン」が何故か見つからなかったのもありますが、もう一つの隠し通路がどうしても見つからなかったのです。洞窟も街中も全て身体を壁にこすりつけながら探索したというのに。
…「森や山の中でも、壁に体をこすりつけないと見つからない隠し通路がある」ということが、攻略情報を見るまで頭の中から抜け落ちていたのです。
本当にノーヒントで右往左往していた時は、この隠し通路が、水没していた青いストーンが、全く見えなかったのです。TRUE ENDを見た今現在ならば、「何故こんな単純なことに数時間も気づかなかったんだ!!」という後悔まで感じているというのに。
マップが広大で、移動だけで時間が費やされる本作は、それ故に思わぬ形で集中力が削がれていく短所もあります。作者のkou氏はホームページを持っておらず、攻略情報を探るためには他のプレイヤーの実況動画や攻略サイトを見る他ないのも、クリアに苦労する一因です。
ゲーム面のみならず、ストーリー面でも「謎を己の手で解く」ことが重要な本作ですが、正直言って私がそれを強要することはできませんし、私自身がそれを完遂できていません。謎が解決できずに無為な数時間を過ごすよりは、おとなしく攻略情報に頼った方が、健全にこのゲームをプレイできるでしょう。
また、TRUE ENDを見てオマケルームに行けたとしても、本作の謎は全て明言されたとは言えません。考察の余地が所々に存在する、本作はそう言う面での「謎」も所々に散りばめられた作品です。

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