■ 投稿レビュー RPG 42
東方怠楽快 馬鹿にしてんのか!?FANTASY 1&2 スキル・イーター
~スライムの逆襲~
東方鍛冶鉄
ANT アンネの日記
-Lacked Infinity-
WhiteClothes 倒錯の聖歌

【 東方怠楽快 】

東方怠楽快
レビュワー [ ノコモコ ]
ジャンル [ 東方RPG(ギャグ中心) ]
作者 [ ナスターシャ さま ]
容量・圧縮形式 [ 本体481MB, BGMファイル565MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールVXace ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

プレイ時間50時間以上、まともにクリアするのには数ヶ月掛かります

掛け値なしの大長編にして、容赦の無い殺伐ギャグストーリーティングは
「馬鹿にしてんのか!?FANTASY」と
もしかしたら「ユンヤダム」にも近いのかも知れません

 物語のスタート地点といい、まじで最初に選択肢間違えると、主人公の小野塚小町が死にます、お亡くなりになります。
主人公のやるときゃ殺るという性格、手にした得物で世界を渡り、危機を救うというストーリーといい。

 ね? どこからどう見ても「ユンヤダム」の「馬鹿にしてんのか!?FANTASY」あえに仕上がってますよ。

 あ、一抹の警戒感を抱かれになりましたか、ではこのゲームの良い点も
まず、ゲーム的な理由で詰むようにはできていないとこ
難易度そのものが難しくない、ざこならさくさく刈れる、それでいて弱すぎずたまに歯ごたえありの適した敵配置
強いボスキャラには必ず攻略の糸口が、さりげなくプレイヤーに気づかせる形で置いています
プレイヤーのストレスは極力なしで話が進むゲーム設計です。

 ここは、必要以上に難しくゲームを作りたがる不利げー製作者の皆様には見習ってほしいとこ。
一介のプレイ屋として難しいだけのゲーム
不利になるだけのゲームを望むのは少数派だとおもう。少なくとも私は難易度高すぎるのは敬遠する。

ストーリーもどう感じるのかは人により違うのでしょうけど、自分はピカ一に感じました
うはうはと怒涛のギャグをかましながら流石に長いので、中盤中だるみはあるものの
急展開から一直線にラスボス、終わる世界を賭しての一台決戦 RPGゲームの王道を行くとこですが
下手にシリアスを入れるよりは、こういう締めくくりもいいと思った
キャラが基本的に身勝手で、好き勝手行動する、いいたい事もどんどん言うこんな世の中じゃポイズン
「ユンヤダム」でもそうだったけど、身勝手なキャラが話の主導権もったり暴走したりすると
ジェットコースターのようにストーリーが進むという、まさに身勝手の極意なのであります。

ラスボス倒した後も裏ダンジョンあり最奥の最後のボスは最強最狂最怖で、こんなの本当に倒せるのか疑ってしまいましたがちゃんと倒せるようになっています
まさかの二週目が始まるとは

ここまでやっても「月の都」がマップに表示されているけど入れない、これだけ誰か情報求みます。ナニ試しても「月の都」いけないので流石にハリボテなんじゃないかと思えてきた


 管理人コメント

本作、最初のクエスト「映画を見に行く」だけでも、かなり長めのダンジョンが立ちはだかります。画面の通り、1戦闘で戦う敵の数も多いですが、こちらは全員東方キャラであるがゆえに全体攻撃も豊富。しかも、スペルカードは消費なし・クールタイムなしの使い放題なので多数の雑魚を一閃していく爽快感を味わえます。
逆に、あちら側も東方キャラとなるボス戦は、中々に歯ごたえがあります。ザコ戦ではターンの無駄にしかならない強化スキルの使いどころとなります。
「何も考えずに爆走できるギャグストーリーと通常戦闘」「立ち止まって考える必要があるボス戦」という塩梅が整ったゲーム展開となっています。

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【 馬鹿にしてんのか!?FANTASY 1&2 】

馬鹿にしてんのか!?FANTASY
レビュワー [ ノコモコ ]
ジャンル [ ギャグ満載のRPG ]
作者 [ Black Oasis(ナルミキョウジ) さま ]
容量・圧縮形式 [ 1:626 KB, 2:1,017 KB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクール2003 ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

「はらへったなー、スライムでも食いに行くかぁ」

この勇者の突拍子もない一言で、無理やりに後輩を引き連れたしょうもない冒険の旅が、今、幕を開ける!

「はらへったなー、王様でも食いに行くかぁ」

この勇者のとんでもない一言で勇者の後輩その他大勢を巻き込んだ
意味のわからん冒険の旅が、今、またしても幕を開ける―――

こんな感じで始まるので何も考えずにプレイできます。
ゲームプレイにおいてそういう要素っていうのは何気に希少価値だと思う。

フリーゲームにおいても敷居が高くなる仕掛けがしてあるゲームも少なくないので
後半シリアスな話ぶっこんできたり、陰惨な主人公の過去があかされたり
特にRPGは胃もたれそうな話も多いんですよ。
そういうの否定しませんし、どっぷり嵌りたい派の人もいるのでしょうがこういうのたまにもいいよね


 管理人コメント

本作は「ふりーむ!」での公開こそ2023年ですが、初公開は20年以上も前、RPGツクール2003が発売されたばかりの頃。ふりーむの作者ページでは下の(旧い)方にある「馬鹿にしてんのか!?FANTASY MV」の方がリメイク作なのです。
その中での本作の特徴は、作者紹介文にも本レビューにもある通り「意味の分からない、考察を拒否し、ありのまま笑える展開」にありますが、実はやりこみ要素も豊富です。
それが戦闘ドロップで手に入るレアアイテム。基本、装備品はこのレアドロップを当てにするほかありません。場合によっては隠し要素の条件になったりも…。
レベルはポコポコ上がるうえ、攻撃はほぼスキル頼りなため、初期装備でも十分クリア可能です。ただ、レアアイテムは能力値も高いため、見つけた時の喜びはひとしおです。たとえ、こんな「何も考えずに楽しめる、逆に考えることを拒否する」ギャグ作品であっても。

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【 スキル・イーター ~スライムの逆襲~ 】

スキル・イーター
レビュワー [ SSS ]
ジャンル [ ターン制バトルローグライク ]
作者 [ 山々田 さま / めーしゅ さま ]
容量・圧縮形式 [ DL不要・ブラウザゲーム ]
製作ツール [ Unity ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

本ゲームは玉座を追われスライム化された元魔王を操作し、力をつけなおし簒奪者を粛清して魔王の座を取り返すのが目的となる。
魔王スライムは「捕食」によって倒した相手のスキルや能力値を奪うか、普通に倒してゴールドを得て町で強化を買うかの二つの方法で強くなれる。取るべきものが無い相手を食べても能力値1点分にしかならないので、食うか食わざるかの取捨選択が重要になる。
敵の強さは通常マスと強敵マスで一気に変わるため、準備を怠ったまま強敵マスを踏むとかなりの高確率で敗北を喫する事になる。その分強力なスキルや高いステータスを捕食で奪えれば大きく強化できるので、そこのジャンプアップをどうするかが本作の胆と言えるだろう。
また、姿の概念があり、人間の町で強化を買うには人の姿、魔物の町で強化を買うには魔物の姿である必要がある。いくらお金を貯めても買い物ができないと意味が無いので、買い物したい時は事前に捕食で姿を合わせておくのも大事になる。

敵の種類が少なめなわりに道中が長く粗削りな部分も見えるが、戦闘のテンポは良くローグライク系の面白さの要点も抑えている。キャラクターは皆かわいい子揃いでグラフィック面も楽しめるだろう。是非一度遊んでみて欲しい。


 管理人コメント

スキル・イーター 本作のバランスが秀逸かつ難解なのは、「捕食によるステータス増強よりも、倒して得た金を店で使った方が効率がいい」という点にあります。
弱い敵を食べても(スキル習得に使わない限り)ステータス増強は1か所を+1程度。これは、魔物の街で50G支払えば賄える量です。
対して、倒して得られる金は序盤の敵でも70~90G。ステータス+1でお釣りが出る量です。
即ち、近くに魔物の街があるならば、直接捕食して能力値を上げるよりも、金にした方が効率が良くなるのです。
ただし、街を利用するためには「人間の街(30Gで全回復・スキル購入)では人間の姿で、魔物の街(10Gで小回復・能力値購入)では魔物の姿で」という制限が掛かります。(自分よりも強いならば)ステータス増強、スキル獲得、街を利用できる姿になる…などなど、「捕食」が持つ役割は多数あります。
見た目で分かりやすい分、長期的視点を見越した計画が必要になるRPGです。

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【 東方鍛冶鉄 】

東方鍛冶鉄
レビュワー [ ノコモコ ]
ジャンル [ 小傘が主役の有頂天風&作業系RPG ]
作者 [ tktk さま ]
容量・圧縮形式 [ 230MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールVX Ace ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ 現在のバージョンは1.15 (2020.08.02更新) ]
配布元 配布元

気を取り直して、今時のRPGツクールVX Aceから東方鍛冶鉄(1.15)の軽い紹介っす。
しかも東方二次創作をレビューとか挑戦的だな。
注意点
・キャラ崩壊が結構激しいという噂があるので、警戒はしておく必要があるだろうな
・りんどみ~というファイルは読むべき、死にたくないなら読むべき
まあこのぐらいで難易度も特に高いことはないので安心。
天子スペルの「無念無想の境地」でバフかけ、壁役としてカッチカッチになったとこに挑発で敵の攻撃引き受ける王道パターンがいけます。

あと、同作者の東方図書迷宮(1.04)
こっちの方が一般の受けとしてはいいかも、サイドビューで自作エフェクトさらに爽快感ありますし
じゃあなんで東方鍛冶鉄の方をレビューしたのか言うと
小傘がかわいいよ。はぁはぁはぁ。(ドカッボカッハキッ)
・・・失礼しました
もしかしたら、有頂天風なので敬遠してやらないって人は居るかもしれませんし、
食わず嫌いしてても蓋を開けてみればとても面白いこともあるので、それの取りこぼしの可能性あるのは紹介していきたい。
はぁはぁ、コンゴトモヨロシク


 管理人コメント

本作は、「ブロントさん」を初めとしたFF11ネタを取り入れたハイテンションなストーリーもさることながら、戦闘などのシステム面でも独特なモノ尽くしなゲームです。それ故に「れあどめ、最初に読んでね.txt」と「攻略ヒント.txt」は読破必須です。
何しろ、チュートリアルである最初の戦闘で猛威を振るったスキル、直後にパーティが6人に増えるあたりで全部忘れてる有様。スキルが文字通りの生命線となるバランスだけに、(軽く「メニューで覚えられるよ」と言及があるだけの)スキル習得を忘れると、寿命がストレスでマッハ不可避です。
スキル習得画面自体も、
・スキル・スペルと2画面ある上で、それぞれの個数も1画面に収まらないほど大きめ
・習得に使う「SP」は初期ポイント1200強のため、知識の低いうちから自由度が高すぎてストレスがマッハ不可避
・各スキルの効果はL/Rボタン(キーボードのQ,W)でページを切り替えないと見られない。しかも、概略程度しか書かれていないため、イメージが掴みづらい
…と、準備の時点で複雑かつ高難易度。上から順に適当に選んだり、スキルばかり選んでスペル習得を忘れたりすると、覚えていないスキル・スペルが必須の敵が来た場合に、大きな泣きを見ることになりかねません。
ただ、スキルは習得画面でレベルの上げ下げや忘却も自由にできます。もし、「このスキルが足りない!」と思ったら、遠慮なく重要度の低いスキルからSPを借りましょう。

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【 ANT 】

ANT
レビュワー [ くらげ ]
ジャンル [ シティアドベンチャーRPG ]
作者 [ すぎやん さま ]
容量・圧縮形式 [ 122MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクール2000 ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ バージョン1.07 ]
配布元 配布元

迫る悪の結社、生這技研! 怪奇、蟻怪人(15歳・博多弁)あらわる!!

Qualiaシリーズなど、近未来を舞台にしたSFRPGを手がけてきたすぎやん氏。今作でも使用ソフトをRPGツクール2000にこだわることで、低解像を逆手に取り世界観に合致した自作チップを潤沢に利用。他に見ないオリジナリティ溢れるグラフィックとシステムを作り上げています。
奇人怪人入り乱れるストーリーは出色そのもの。本筋はシリアスながらシュールなギャグシーンと洋画めいた洒落たユーモアが散りばめられ、テーマに耽溺せずひたすらエンターテインメントを追及する姿勢は脱帽ものです。

【ストーリー・世界観】

舞台は大災害からの復興の中格差が拡大し、極度に治安が悪化した未来都市。どれ位治安が終わっているかと言えば、市場であろうがチンピラのシンボルと接触すると即戦闘なのは言うまでもなく、電車ジャック犯が主人公に追い詰められて乗客に加勢を求めたら、当然のようにノって来る奴が出て来るレベルです。そんな中で台頭してくる企業も、後ろ暗い部分がてんこ盛りな訳です。
暴力団やカルトを陰で操りながら覇を競う巨大企業の一つ、バイオテクノロジーにおいて他の追随を許さない「生這技研(せいばいぎけん)」。その切り札は、人体に他の生物の要素を移植した改造人間「重ミュータント」。そんな重ミュータントの一人、主人公のアズミラは企業の所有物に過ぎない仲間たちの処遇改善のため、仕事で成果を上げることで「生這技研」での出世を目指す――――。
で、この主人公のアズミラですが、博多弁で人懐っこく喋りまくる、悪徳企業には不釣り合いこの上ない、真っ当な市民感覚を持った15歳の女の子なのです。企業の中だけで育ってきた純粋培養の彼女ですが、ストーリーを進めるうちに「生這技研」の影の部分を知って行くことになります。横柄に市民を弾圧する社員、情報操作と口封じ、重ミュータントの礎となった人体実験の犠牲者たち……。
とは言え、往年の特撮シリーズの如く、悪の組織の改造人間の悲哀と反逆が主題になるかと言えば、必ずしもそうではありません。前述の通り治安が終わっている状況ですから、企業が強権的にならざるを得ない事情も描かれます。なによりこの街の人々は、成す術なく圧政の犠牲になるような、ヤワな連中ではありません。みんなズルくて、厚顔無恥で、したたかです。例え明日も知れないその日暮らしでも、虚飾にまみれていても、譲れない何かだけはちゃっかり貫きつつ、笑って生きるタフな人々。彼らと背中合わせで戦いながら、その生き様を糧に成長していくアズミラこそが、この物語の主題と言えるでしょう。

ANT ANT ANT

物語のもう一つのテーマは「家族」です。ストーリーの進行に伴い、アズミラの知り合う人と人とが意外な縁で結ばれている事が判明します。その多くがしがらみや立場、建前やプライドに縛られて、素直に向き合うことができません。アズミラのまっすぐな一言がわだかまりを氷解させる一助となる場面は、彼女の可愛いだけにとどまらない魅力を見せてくれます。
冷徹無慈悲な企業幹部やニヒルなアウトローの意外な側面は、シリアスがコメディへと自然に変容していく本作の真骨頂と言えるでしょう。

【ゲームシステム】

戦闘は前後方向移動の概念があるセミアクティブタイムバトル形式。行動ゲージが一杯になる度に、基本前1列か同列に対する「通常攻撃」や前後1列への「移動」などが選択できます。敵味方ともに背面への物理攻撃は確定でクリティカルになるため、積極的に敵の背後を取りたいものですが、何も考えないとただ近づいて殴り合うだけの単調な戦闘になりかねません。
本作が秀逸なのは、序盤から不利な配置を脱し有利な配置を取るためのモチベーションを上げる工夫がなされている事です。下左端の画像は第壱幕最序盤の戦闘開始時の配置の一例です。近接攻撃しかできない男団員がアズミラに隣接しており、2列前方にのみ火炎瓶を投げる女団員が離れた位置に居ます。このまま男団員と殴り合っていると、女団員が一歩近づいてから遠距離攻撃を仕掛けてきて集中攻撃を受ける事になります。
幸い序盤は味方の方が火力耐久共に高いので、前述の戦法でも押し切る事はできますが、何度か戦闘を繰り返せば移動で消費する行動ゲージ量は攻撃と比べ半分程度であること、アズミラの行動はかなり早く、女団員は特に遅いこと、女団員は密着されると距離を取るしかないことが判って来るでしょう。このケースでは一旦左方向に駆け抜け、男団員と女団員の位置が固まるように誘導してから、敵の移動が終わったタイミングを見計らって背後を取ると、一方的に攻撃が可能になるのです。
このように、最序盤で敏捷度の高いアズミラをどう配置すると良いか一通りプレイヤーに学ばせた上で、ストーリーが進んだ段階で後列から攻撃が可能な一方で行動が遅い仲間が加入すると同時に、他の敵より行動が早く、プレイヤー側を強制移動させる敵などが襲い掛かってきます。ここではプレイヤー側が2人の状態で、敵の妨害を避けつつ挟み撃ちを狙うのがいいか、正面から各個撃破するのがいいか、状況に応じた判断力が身について行きます。物語中盤からは最多で味方4人対敵4人の混戦になるので、そこに至るまでに段階的にプレイヤーに戦法を学習させています。

ANT ANT ANT

このように、本作の戦闘において移動の要素は死活的に重要ですが、それは敵にとっても同様です。隙あらばこちらの背後を攻撃しようとしますし、強制移動による妨害は頻繁に発生します。また、稀に意味不明に無駄な前後移動を繰り返す場合もあり、プレイヤーの読み通りに動いてくれるとは限りません。分散させた敵を各個撃破できるケースは限られているので、敵が密集している場合は迷わず範囲攻撃を仕掛け、少しでも全体の体力を削っておくべきです。本作の範囲攻撃は威力・消費ともに単体攻撃と遜色なく非常に強力ですが、フレンドリーファイアで範囲内の味方にも影響します。敵の範囲攻撃を避けるためにも味方の配置を分散させるべきですが、同時に一人が取り囲まれて集中砲火を浴びる危険も増大します。
幸い味方の人数は少しずつ増えて行き、序盤のスキルの効果範囲も一列程度で広くありません。ここでも段階的にプレイヤーに戦術を学習させる配慮が光ります。

【攻略】

本作で成長のカスタマイズ要素があるのはアズミラのみです。他のキャラクターはストーリーの進行に応じて自動的にステータスがアップするため、ザコ狩りは必須とまでは言えません。しかし戦闘の機会の多いアズミラの強化は重要ですので、ボス戦前後でまとまった経験点が入れば、小まめにスキルから「自己改造」を使って能力値アップとスキルの取得を行うと良いでしょう。
アズミラの強化は本作の醍醐味の一つであり、プレイヤーの好みが強く反映される部分です。ただし、前述の通り序盤は敵の攻撃力が低く、またアズミラが使えるスキルも殆どないため、HPやSPの強化より敏捷度を優先した方が良いかも知れません。
スキルの効果は取得可能なもの以外伏せられているため、スキル開放の指針はプレイヤーの悩みどころかも知れません。大まかにスキルツリーの左側が物理攻撃、右側が特殊攻撃で、右下方向がアズミラ自身にバフをかけるスキルと考えてください。敵の配置は戦況に応じて刻々と変化し、ある特定の状況で有用なスキルはあっても、必須と言えるスキルも産廃の誹りを受けるスキルも、ほぼ存在しません。
筆者が特に助けられたのはツリー右下で取得できる自己強化技「蟲毒ロンリネス」です。戦闘中、4種あるパッシブスキルを全てLv2まで発動するので、ボス戦の初ターンに発動しておくと安定感が増しました。
ザコ戦で多用していたのがツリー左側の「飛翔一閃」。一列に対する範囲物理攻撃で追加効果は特にありませんが、消費が少なく発動と同時に敵手前まで移動できるので、中々タイミングが難しい範囲攻撃のなかでも使用し易さでは一番だと思います。
あと、物語終盤ではアズミラと強敵との一対一の戦闘が待っていることは、覚えておいて損はないでしょう。

ANT ANT

終盤に向かうにつれ、敵、特にボスからの攻撃はどんどん苛烈になっていきます。アズミラだけでなく味方のスキルも把握し、店に新しく入荷した装備もチェックしつつ、小まめにアイテムで回復できる態勢を整えることが重要です。
最後に、本作では回復できる宿屋的な場所は限定的で、回復スキルも非常に限られています。回復アイテムは安価なので、序盤からケチらずに使っていきましょう。

【総評】

「ANT」は狂った倫理が横行するダークな世界観を独自のキャラチップでリアルに描写しながら、戦略性と理解しやすさを両立する独自の戦闘システムもあいまって、「ドタバタ・コメディタッチ」との注意書きに違うことなく、徹底して「プレイしていて楽しいエンターテインメント作品」になっています。RPGツクール2000製なのでデフォルトでは全画面モードになってしまうのがネックですが、説明書内にウィンドウモードで遊ぶ手段も記載されています。
世間知らずの可愛らしさを残しつつ成長していく主人公、アットホームな面倒見のいい先輩の顔と冷酷非道な企業戦士の面を反復横跳びする先輩社員、普段はカネと保身しか考えていないのにいざと言う時は頼り甲斐のあるアウトローども。魅力的なキャラクターがめいめい勝手に暴れまわり、最後は街に襲い来る巨大な脅威を前に集結するクライマックスまで、プレイヤーを飽きさせることはないでしょう。

ANT ANT ANT


 管理人コメント

本作は、戦闘・ストーリー共に「情報を切り開いていく」ことを醍醐味とした作品です。そのため、かなり複雑な戦闘システムも段階的に「有効な戦略」を学べる仕組みになっていますし、段階的にしか学べない仕組みになっています。
戦闘チュートリアルとなる幕間「プリクエル:4」で学べることは、戦闘画面の数値と範囲、そして通常攻撃・移動・スキルの一部コマンドの説明のみ。
背後への攻撃は大ダメージ・範囲攻撃は敵味方問わず巻き込む・「集中」の効果など、それ以上の情報…多くは戦況を左右するレベルで重要な情報は、道中のモブ会話から入手するか、実地研修で学ぶほかありません。
加えて、「プリクエル」自体がスキップ可能。「次に進む」を選択してしまうと、ストーリー・登場人物どころかシステムの基本知識すら欠けた状態で本編を進めることになってしまいます。初見のうちは、必ず「プリクエル」は全て閲覧しましょう。
倫理観が狂ったサイバーパンクでポストアポカリプスな世界観ながら、登場人物は主役・モブを問わず個性的かつ好ましいキャラクターばかり。きっと、あなたもこの世界と物語の虜となるでしょう。

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【 アンネの日記-Lacked Infinity- 】

アンネの日記-Lacked Infinity-
レビュワー [ ノコモコ ]
ジャンル [ SF RPG ]
作者 [ Tsujiki さま (6Plant) ]
容量・圧縮形式 [ 1.23MB・自己解凍EXE ]
製作ツール [ RPGツクール2000 ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ 現在、Webアーカイブに残っているファイルのみダウンロード可能 ]
配布元 配布元

物語の舞台、Xtal Lagoon(クリスタル・ラグーン)。 人間の脳とコンピュータを巡る理論 「有機・無機整合性理論」を軸に、謎めいた物語が展開。

    Xtal Lagoon(クリスタル・ラグーン)。
   人類の恒久的平和と発展を願い建設された、首都上空巡回型工業都市。
   超一流企業が出資する、人類の叡智の結晶。
   その下に広がるのは、超高層ビル群と一億ドルの夜景。

    首都に点在する工科大学の1つ、エメラジスト工科大学―――E.I.T。
   今年も、このXtal Lagoonに数人の学生がやってくる。
   彼女―――アン・トゥーリィの実地研修の舞台も、ここにあった。

    Xtal Lagoonの研究結果は、事あるごとに首都へと伝えられる。
   今でこそ話題の中心では無いものの、話題自体に事欠くことはない。
    数日前から、Xtal Lagoon各地に確認されている、正体不明の
   肌色のカプセル。
   それも、その中の1つだった……。

     E.I.T -Emerathyst Institute of Technology-
     Xtal Lagoon -For All Mankind-
     Where Do You Live? The Diary of Anne-Lacked Infinity-

 アクションによる戦闘と、コマンド選択による戦闘の融合を目指した
アクション性の強いRPG。未熟なドット絵と多彩なギミック、
濃密な世界観のSFストーリー。難易度は、少々高めになっております。

 このゲーム、やり方を知らないとかなり難易度高いと言うか、
第1章「エンジェルテイア」で、ボス「グラウコス」が倒せずに詰むとおもいます。
というか自分も初回プレイで詰んだ、ので重要なとこだけ攻略法を書いてみたいと思います
以下「・」は自分なりの攻略法

★戦闘方法を使い分けよう!
   このゲームでは、2つの戦闘を使い分ける事で、より有利に進む事が出来ます。
   弱い敵グループには、コマンド戦闘でアイテムを稼ぐ、
   生命力を維持したい時は、マップ戦闘で敵を倒す、等々……。
   あなたなりの工夫を生かしつつ、アクションシーンを有利に進めてください。

   コマンド戦闘で敵を倒すと、防御力と精神力が上がります。
   コマンド戦闘の後は、一定確率でアイテムが入手出来ますが、
  複数の敵を一度に相手しなくてはならず、戦闘中は生命が危険にさらされます。

・基本的にはかなりの強敵意外は、コマンド戦闘で倒すのがおすすめです、
フィールドで敵を倒すと、アンの攻撃力が上がるとなってますが上がり幅がわずかだし、それより属性の違いの方が目に見えた違いだからです。

■ボス敵攻略法■
ボス・グラウコスの機体属性は「衝撃」、弱点属性は「酸」です。
1-4で手に入れる「2つに別れているカプセル」の中身によって
若干難易度が変わるかな?という位(だと思う)ですが、
まず勝てると思います。
・中身に「グリーンジェル」がある=グリーンジェルで攻撃
・中身に「ダイア・サプライ」がある=ボス戦でダイア・サプライを使い、攻撃
忘れずに「ダイアモンド・ガード」を装備しておきましょう。

・グラウコスの攻略
 グリーンジェルで攻撃していたら何とか勝てた・・HPはギリギリ
初回プレイでどうしても勝てなかったボスなので、属性の力は偉大。
属性を毎回弱点に切り替えるのは手間がかかるし、
ロボットの配置の情報からでないと、ロボットの属性は簡単に見れないし解らないようになっている。
そうそう簡単には行かないって事です、それにアンの受けるダメージも回復などの対策手段がいるし、
総合的に見てやはり難易度が高いです。

・各章のアクションで高評価を得ると、何か得する事が起こるかも?
 たとえば第1章「エンジェルテイア」のエレベーターを動かすのにパス入力を求められますが
何度もパス入力を失敗しているとシグマが別な手段(要するにハッキング)で開けてくれますが
ここは自分でパス入力を成功させた方がアクションポイント(AP)をもらえます、APはクリアランクのほか
能力アップのアイテム購入にも使えるのでなるべく高い状態の方が後々楽です
それ以外にもトラップに引っ掛かってばかりしているとAPがどんどん減っていくので注意が要ります

 今回は攻略に関する文面だけにしました、攻略法知らずにプレイはあまりに無謀なので。
ひとつ苦言を漏らすならゲームとしてのとっつきにくさ、初心者ゲーマーお断りの難易度がやはりね、
ここだけは妥協しないぞって作者の意思も尊重しますが、そこをもうひと工夫してわかりやすい初心者救済の手段を組みこめたなら、
RPGツクール2000での最高傑作のひとつになってたのかも「盗人講座」「SPY」にも迫る名作にもなりえたのかもしれない。


 管理人コメント

WebArchiveに残っていたinfoseekの遺産…そこ以外に存在が確認できないゲームということで、私は本作の掲載をためらいました。
2002年制作の作品が、10年たってサイト閉鎖になってもふりーむやVectorなどにアップされていない理由は、そういうこと…作者自身が本作を忘れているか、忘れたがっているかのどちらかだと考えざるを得ません。
そんな作品が、なぜ2023年の現在に投稿レビューが来たのか…最大の理由は、ノコモコ氏が当サイトを知ったのがほんの去年(2022年)だったこと。制作自体は20年以上前のゲームであっても、ノコモコ氏にとっては「最近出会ったゲーム」なのです。
ノコモコ氏の気持ちを尊重して掲載したレビューですが、状況によってはリンクもしくはレビュー自体の削除をする可能性があります。ダウンロードしたい方はお早めに。
WebArchive自体の削除がされた場合でも、当サイトではサポートしきれません。

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【 WhiteClothes 】

レビュワー [ SSS ]
ジャンル [ コマンド式RPG ]
作者 [ もこむ さま ]
容量・圧縮形式 [ 350MB・Steamから直接ダウンロード ]
言語 [ 日本語、英語 ]
備考 [ Steamクライアントのダウンロードが必須 ]
[ 現在、Firstバージョン(追加コンテンツ配信予定あり) ]
配布元 配布元

世界征服を目論む闇の魔王を倒しに行った姉が返り討ちにあったのでこんどは私が行く、というお話。

基本システムはサイドビューRPGで、個性的なキャラクターをロマサガ風の陣形や武器熟練度で強化していくものになっている。序盤は固定のメンバーでシステムや戦いに慣れ、編成の幅が出せるようになる中盤以降は多彩な戦術を楽しめる。

戦闘バランスは攻めを重視したバランスになっており、うまく弱点をついて敵を倒すかが重要になる。手筋を間違えるとそこらのモブ敵にボコボコにされたりもするが、全滅ペナルティは経験値全部保持したうえで他をセーブ点に巻き戻すというゆるめのもの。敗北を恐れる必要がないので敵の強さを純粋に楽しめるのは良い。

反面、リソース運用は非常にシビア。お金に相当するキャンディの入手手段は限られており、ゲームの進行度に応じた装備のほとんどはこれを消費しなければ手に入らない。ゲームが進行すると型落ち装備と化すので基本的に掛け捨てであり、何度も無駄な買い物をすると詰む。買い物の前には詰み防止のために別枠でセーブする事をお勧めする。

キャラクターデザインに関しては、本世界の人物キャラクターは獣人であり、多くの女性キャラクターは胸部が人の限界を超えるサイズである。彼女らをセクシーと感じるかはプレイヤー次第だとは思うが、ガワだけではなくちゃんと面白いゲームなのでプレイして評価してほしい。

最後に、本ゲームはSteamでの配布となり、Steamクライアントの導入が必要になる。ふりーむには旧版しか置かれていないので注意する事。


 管理人コメント

弱点を突いた早回しを要する戦闘難易度。普段の買い物とは異なり、手順を間違えると相当な回り道を要するアイテム購入。そして、道中に散らばる「スターキャンディ」などのコレクター要素。システム面だけで見ても、慣れ親しんだ手触りと新鮮な感覚を同時に味わえる良作となっています。
そして、それらに彩を添えるストーリーやキャラクターもまた魅力です。セクシーな女性キャラのみならず、「魔王によって侵略されゆく世界、その中で最強の姉が洗脳され、愛しの妹がさらわれる」という王道ストーリー、そして、サブクエストでちらほら出てくる変人・変態たち…。Firstバージョンである現時点でも、数十時間分の充実したRPG体験を味わえる作品です。

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【 倒錯の聖歌 】

倒錯の聖歌
レビュワー [ ノコモコ ]
ジャンル [ ダンジョンの謎解きに力が入れられた長編RPG ]
作者 [ トリアコンタン さま ]
容量・圧縮形式 [ 3.4MB・LZH ]
製作ツール [ RPGツクール2003 ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ 【初出】テックウィンコンテストパーク夏号銅章 ]
配布元 配布元

心に残ったよ。クリアできなくてトラウマと言う意味で。

【超重要】 テックウィン2004年7月号に収録されているバージョンでは、イルニアの神殿には入れないという致命的なバグがあって先に進めません。
ベクターとふりーむで今落とせるバージョン1.07は修正済とおもいますが

謎解き、戦闘ともにやや難易度が高めですが、
戦闘は、難易度高めのRPGに馴れた人間ならなんとかなるレベルというか、
ガチの高難度RPGに比べるとむしろ楽な方だと思う。エンプレスの属性攻撃を禁止する縛りプレイでもしない限り。

ダンジョンの謎解きは、やはり少し考えたら解けるものが大半なんですが、
簡単だなーと思っているときに限って、いっくら考えても調べても進めないとこにひっかかったらキーと心の叫び出るよ。
心に残ったツクール作品でした。トラウマが残ったという意味で。

作者のトリアコンタン様は今
https://triacontane.blogspot.com/
RPGツクールMV、RPGツクールMZのプラグインを配布してますようです。
この価値が分かる人にはすごいお宝なんでしょうね、
自分はプラグインはさっぱり分からんと言うか、RPGツクール2003の時代で頭が止まってる古い人間なので脳味噌がプシューとショートしてまたトラウマ
はあはあっ、次もよろしくですよ。


 管理人コメント

2004年作…それこそRPGツクール2003発売直後の作品でありながら、RPGツクール2003標準のシステムをうまく利用した戦闘・ダンジョンギミックが見事な造りとなっている作品です。
「SP」という名の6種類に分かれた経験値を振り分けて、スキルとステータスをカスタマイズしていくのが戦闘の特徴です。弱点を事前に教えてくれる戦闘ですが、その弱点を突かないとこちらがやられるほど敵の火力は高く設定されています。
「SPは基本的にステータスに振って、覚えたいスキルが出てきたらステータスからSPを還元して覚える」とアドバイスにあるとおり、スキルは慎重に覚えていきましょう。スキルに使用したSPは還元できません。そして、スキルに必要な装備「タロット」は、現在の装備・1つ前の装備の2種類しか使えません。あっちこっちとスキルを覚えると、ただのSPの無駄遣いとなってしまいます。
ノコモコ氏も挫折しかけたダンジョンに関しては、謎解きの難しさのほかに、ダンジョン構造自体の広大さ・複雑さも要因です。そう感じるほど、最初のダンジョンの時点で迷いやすいのです。下手したら紙のマッピングが必要なほどに。

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