■ 撃破伝
作者 [ 宮本達也 さま ] ジャンル [ 横STG ] 容量・圧縮形式 [ 1.8MB・ZIP ] 製作ツール [ Microsoft VisualC++6.0 Professional Edition ] 必須ソフト [ DirectX7.0以上 ] ダウンロード
画面写真提供:ESさま
- (補足)
- 2005.05.30:Ver.1.06にバージョンアップ。
- 2006.08.11:DL先をVectorに変更。
レビュワー ハマリ度 グラフィック サウンド 合計 総合判定 上橋 江上 9 /10 7 /10 10/10 76/90 ES 9 /10 7 /10 10/10 いな 8 /10 10/10 7 /10
《 上橋 江上 》 ハマリ度:9 グラフィック:7 サウンド:9
中国人も安心、異色の漢字オンリーシュー!!
▼紹介の意義
「次回のイチレビュ、とりあえずありそうでなかった横シューにしまひょ」
ということで、とりあえずいくつか候補作品を遊んでみた結果、とりあえず他のゲームに一回仮決定したのですが、レビュワーのいなさんが「マイマシンのスペックじゃうごかねえよ!」と言われ、「んじゃあこれにすっぺ」ということで撃破伝に決定しました。
そういう、流れとしてはどうかという展開なのですが、その後クリアしてみまして、思いました。
「これはこれで!!©木村」▼概容
システムは『ロックオンシステムを搭載した2Dシューティング』なのですが… もう、自機も背景も何もかも漢字!! 漢字!! 漢字!! ひたすらに漢字!!
自機は『撃』、弾は『弾』、ロックオンは『捉』、敵は『敵』『弱』『強』『企』など… もう本当に、漢字以外は一切出てきません。 グラフィックも、エフェクトも、もう意地だけでやってるんじゃないかというくらいに漢字のみで表現されています。
ヒネた見方をすれば『一発ネタシューティング』みたいなノリなのですが、実際はもう、普通にグラフィック描いた方が逆に楽なんじゃないかというくらい作りこまれており、グンバツの熱さとハマリ度を誇っております。各ステージごとにそれぞれお題が決められていて、一面は入門ステージとして、『街』の文字が多重スクロールで流れて行く上で、『敵』『弱』『強』『企』などと戦い、二面の虫ステージでは、密林(の文字)の中で『蝶』『蚊』『蜂』と、3面では地中冥界で『霊』『怨』など… 面倒になってきたので、この辺で止めますが、つまりそういうような世界観で、これによって、「つ、次はなんだ!?」という期待と、「ひょっとしてネタ切れで終わらないか作者!?」という二重の期待感を満喫できます。 まあネタ切れでは終わらないのですが残念ながら(え?)
▼超個人的感想
一つのジャンルの発展が終わってくると、大抵『一見ギャグみたいだけど、実は王道一直線&メチャ熱』という作品が出てくるもので、例えば漫画なら『みどりのマキバオー』『覚悟のススメ』『編集王』など、『ギャグで笑ってるうちに、悔しいけど泣かされてしまう』的な作品がこの系統にあたるでしょうが、このゲームもそれです。
漫画などは、もはや王道パターンが発掘し尽くされたと言っても良いのでしょうが、その状況で、シリアスを入れて勝つとなると、よっぽどケタ違いに上手いか、暴投みたいな変化球を入れてめくらましをしないと、あんまし効きません。
個人的にこのゲームはものすごく面白かったですが、それは単純な作りこみの凄さのみによるではなく、『完成度が高くても、王道ではユーザーが感動しない』という時代的なものから、変化球が歓迎されたこともある程度はあるでしょうし、作者さんもその辺は確信犯でしょう。
こういった作品は、市販ベースだと資金的にリスクが大きく、事実上実行が不可能に近いので、フリーソフトだけの特権として、ぜひもっとスゴいのも作って欲しいものだと、まともな作品であまり楽しめなくなってきた拙者は思います。
《 ES 》 ハマリ度:9 グラフィック:7 サウンド:10
撃!撃!撃! (次回作は是非このタイトルで)
- ハマリ度:9/10
- 読む!撃つ!避ける!といったまさに明朝体の似合う硬派なシューティング。
でも一点足りない。だって難しいんだもん。- グラフィック:7/10
- フォント基調でグラフィックも何もあったもんじゃないのだが、やはり、次のキャラが出る度に笑えてしまうのはすでに芸と言ってよいだろう。
(注:ほめ言葉です)
- サウンド:10/10
- 実は、サウンドは普通の(笑)シューティングと比べても遜色ないほどカッチョイイ。
目を閉じれば、思い思いのシーンがよみがえるはず。このゲームを見るにつけ、「やはり、フリーゲームの良さというのは『個性』だ!」という思いがひしひしと湧き上がってきます。
正直、「キャラを全て漢字にしよう!」なんて企画をゲーム会社で立てたのなら、0コンマ秒でボツは確実でしょう。
しかし、このゲーム、決して上辺のイロモノっぽさでは語れません。ひそかにアツいです。
弾幕は決して多くないのですが、キッチリ自機を狙ってきます。(しかも序盤から)何より、各キャラの攻撃が非常に個性的であるため、なめると痛い目にあうでしょう。
しかし、決してこちらも負けてはいません。
捉で敵を一掃したり、
捕で敵をオプション(兼、盾代わり)に利用したりと、
実に爽快感あふれる展開が楽しめます。
…というか、これらが使いこなせないと、1面クリアすらままならないんですが…。
このゲームをプレイする際には、ぜひクラスメイト、家族、恋人、メル友にも勧めてみてください。
最強キャラについて語り合えば、きっと会話も楽しくなるはずです。■今回の辛口どころ
個性溢れるゲーム大好きな私ことES、このゲームもばっちり遊ばせていただきました。
それだけ思い入れの強い分、直してほしいところも多々あります。ちょっぴり厳し目ですが、つらつらと愚痴ってしまいました。
1. マウスとパッドで明らかに違う操作感
このゲームでは、シューティングには珍しく、キーボード(ジョイパッド)に加えて、マウスも使用できます。
しかし、その操作感覚は全く異なります。特に、捉の性能は、かの「式神の城」で例えると、前者は玖珂光太郎、後者はふみこ並に異なります。
- 玖珂光太郎
- 「式神の城」の(一応)主人公格。食人鬼「ザサエさん」を使役している(というか尻に敷かれている)高校生心霊探偵。
「ザサエさん」は、ホーミング性能を持っており、初心者に扱いやすくなっているが、その分、素早い敵が大量に出現する後半になると、対処しきれないという欠点を持つ。
「撃破伝」のキーボード操作による捉も、出した瞬間、敵に向かって飛んでいく仕様となっており、面倒臭さがない分、撃ち分けができない欠点を持つ。
- ふみこ
- 独逸から亡命してきたナチス士官の孫娘…ということになっているが、実は、彼女自身がナチスに属していた魔女であり、「式神の城」の世界では400歳となっている。
彼女の式神攻撃である「サテライトレーザー」は出している間、自分は動けなくなる。その分、敵の出現位置、弾の位置を覚えていれば、攻略・稼ぎ共に役立つ。上級者向けのキャラ。ここら辺は、やはり操作デバイスの選択とは別に選ばせてほしかったです。後もう一種類として、「レイフォース」のようなサイト位置が固定されるタイプもつけてくれれば、言うことありません。
2. 捕の出しにくさ
自機狙い弾が多い「撃破伝」では、バリア代わりになる捕を使いこなせるかが重要な鍵を握っています。
しかし、この捕を出す操作というのが、「ボタン同時押し」と言うとっさに出しにくい構造となっています。
(ショット、もしくは捉を出しているときにキャプチャーをしたい場合、一回ボタンから指を離さなければならず、その分、動作が遅れることになります。)
「Gダライアス」のように、「キャプチャーボタン」を別につけてくれればいいのですが…。
…といろいろ(二つほど)苦言もありますが、ほんとに面白いです、このゲーム。
日本全国のシューターの皆様、プレイ必須!
《 いな 》 ハマリ度:8 グラフィック:12 サウンド:7
ハマリ度・・・8/10
グラフィック・・・12/10
サウンド・・・7/10グラフィックですが、すべて漢字というところに非常に感銘を受けましたので限界突破レベルの点数を。
*が、システム的にどうかと思ったので、評価時は10点とさせていただきました(上橋)ッッッッッ漢字!!!
我々は今までこんな心意気に満ちたゲームを見たであろうか!!!
何といってもこの作品のポイントは全部漢字であることです。
つまり一番地味で一番ゴージャス!!!
それはもう叶姉妹なんかメじゃありません。
しかしこれはアマチュアの特権。
これを市販ゲームでやると
散弾銃の弾と脅迫状即時送付必至!!!(*1)
とにかくプレイ開始の瞬間からプレイ終了の瞬間まで漢字尽くし!
そして半端じゃないハマり度が爆裂する傑作です。
そしてプレイし終わったあと中国に行きたくなること間違いなし。
真面目にエンターテインメント。
撃破伝でシューティングが変わる!?
*1 住基ネット開始目前、先日どっかの市町村に散弾銃の弾付き脅迫状が送りつけられたとか。
編集後記