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■ 天翔のマーキナリエ

天翔のマーキナリエ
作者 [ けんせい さま ]
ジャンル [ 少女冒険活劇・本格派アクションRPG ]
容量・圧縮形式 [ 861MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールMV ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ Steamにて、有料ダウンロード版が販売中 (定価1,100円) ]
配布元 ダウンロード先

天翔のマーキナリエ 天翔のマーキナリエ 天翔のマーキナリエ 天翔のマーキナリエ 天翔のマーキナリエ 天翔のマーキナリエ

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 9 /10 8 /10 9 /10 51/60 B
赤松弥太郎 8 /10 7 /10 10/10

 《 ES 》  ハマリ度:9 グラフィック:9 サウンド:9

機械のカラダに乙女のココロ

本作「天翔のマーキナリエ」は、様々な有名アクションから本歌取りを行い、一つの傑作としてまとめ上げています。
トップビューの剣戟アクション、そして、パズルギミックのあるダンジョンは「ゼルダの伝説」シリーズから
属性の有利不利、それによってプレイヤーの自由に攻略順が決められる難易度調整は「ロックマン」から
剣の攻撃判定が広い上、自動的に敵の方を向いてくれるため、攻撃ボタン連打だけで戦い抜けるシステムは「無双」シリーズから
小さいころから培ってきた様々な傑作アクションの経験を、色々な箇所で生かせる作品に仕上がっているのです。

もちろん、「小さいころからの傑作アクションの経験」の無い方でも楽しめるよう、本作は難易度調整が易しめになっています。「Easy」に設定すれば、本当に剣を振り回しているだけでレベル不足を考えなくていいレベルまで難易度が下がります。
ただし、Easyと言えども回避・防御は考えなければいけません。敵の攻撃の威力は変われども、パターンは変わりません。ダンジョンに行く前の「平原」の時点でも、こちらの剣の届かない場所から嫌らしい軌道で飛んでくる鳥の対処は、かなり苦労するでしょう。
そこで問題となるのが、本作の「防御」の仕様。「方向キーを押さず待つ」で発動する仕様のため、回避と相性が悪いのです。本作の防御効果は「ダメージを数十%軽減」と割と弱めですが、もう1つ「防御成功すれば状態異常に掛からない」という重大な効果があります。その上で、「成功すれば状態異常に掛からない上にノーダメージ」となる回避との使い分けが求められるのです。回避のために移動をすると防御が発動しないのです。
本作の敵の攻撃は、「光ってから数秒後に発動」と見切りやすい仕様になってはいますが、その範囲は千差万別。今まさに繰り出そうとしている攻撃に対し、回避移動が間に合うのか、敵との距離・攻撃の移動パターン・他の敵とのタイミング…様々な要素から判断しなくてはなりません。「慣れ」が無ければ、判断を下す前に攻撃が届いてしまいます。
無論のことながら、難易度を上げるほどに防御・回避の重要性は増していきます。…というより、Hard以上になると「敵の攻撃を防御・回避で抑えなければ蹂躙されるのみ」という本物の戦場と化します。「近寄って切る」が主な攻撃である以上、回避できる余裕のある状況は極わずかです。いつもの本能で離れようとして、もしくは攻撃の手が止められなくて防御失敗するよりも、落ち着いて待てる余裕を持つことが、Hard以上の本作では求められるのです。

もう一つ、攻撃の面でも本作はセオリーに反している点があります。基本コンボおよびMPを消費するフィニッシュブロー「エナジーバースト」の仕様です。
実は本作のコンボ発動条件は、攻撃ボタン(Zキー)の「連打」ではありません。「押しっぱなし」なのです。
「エナジーバースト」は強力な分、発動のたびにMPを消費するという困った仕様があります。「連打で発動する」と思い込んで、虫の息のザコ相手に暴発させたり、逆にエナジーバーストしか効かないスライム相手に中々発動しなかったりと、私はかなりの痛手を見てきました。
しかし、仕様を知ればどうと言うことはありません。攻撃二段目が出た瞬間に攻撃ボタンを離すだけでよかったのです。
この他に、「ガード成功中に攻撃ボタンを押すと発動する『カウンター』」「コンボ中にジャンプボタン(Xキー)で出せる回避操作『バックステップ』」など、本作はメニューの「各種情報」を見ないと分からない仕様が数多く眠っています。
そうです。本作には「他所で類を見ない独自の操作」も数多いのです。「普段の感覚」で操作すると見えない仕様・要らない苦労を強いられる箇所も数多いのです。
実を言うと、上記仕様は、このレビュー原稿を書くためにゲーム内資料を見直していて初めて気付きました。これを知っていたら、もっと楽に戦えたのではないか…正直言って、本作への苦心と感動がだいぶ薄れるショッキングな出来事でした。

本作は、「剣を振り回すだけ」でも十分に楽しめる優しめの難易度になっていますが、「より真に楽しむため」に、複雑かつ類を見ない操作や、草一本・壁一枚たりとも見逃せない隠し要素もたんまりと詰まっています。
メニューの「各種情報」に追加される情報は、定期的におさらいしておきましょう。本作を真に楽しむため、そして、「こんなのチュートリアルで教えてくれよ!!(忘れてただけ)」と本作の感動を無意味に毀損することの無いように。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:8 グラフィック:7 サウンド:10

素直には聞けなくて いつも一緒過ぎて

 2D見下ろし型のアクションRPGというと、すぐにゼルダを引き合いに出すのは、あまりにも定型的な反応と言うべきです。
 実際、本作はゼルダと言うよりも、はるかにロックマンです。

 本作は最初、5つのダンジョンを攻略します。攻略順は自由に選択可能です。
 各ダンジョンのボスを倒すことで、属性攻撃を入手できます。
 各ボスには相性があり、弱点属性の攻撃を持っていると、攻略が楽になります。
 5つのダンジョンをすべて攻略するとラストダンジョンが出現、今まで獲得してきた武器を駆使して集大成に挑む……
 もうこれは、ロックマンと言って過言ではないでしょう。
 ボスラッシュまであれば完璧でしたね。

五行相克図  ロックマンと言えば、いつも俎上に上がるのが、ステージをどの順序で攻略すべきかという議題ですね。
 いくら自由に選択可能だからと言って、いきなりカメリーオに挑戦する必要はないわけで。ふつうはペンギーゴから倒すでしょう。
 本作は、序盤で5属性の相性を教えてくれる人がいるので、実質どのダンジョンを最初に攻略するかによって攻略順が決まります。
 そして、ロックマンほどではないにせよ、攻略順による難易度の差は存在します。

 ボクの主観で、最初にどこから攻略するか、オススメ順にダンジョンを眺めてみましょう。

黄道の洞窟
黄道の洞窟
マップの攻略しやすさ★★★★
ザコ敵の対処しやすさ★★
ボスの弱さ★★★★★
取得できる属性攻撃★★★★

 おそらく、一番対処しやすいダンジョンが黄道の洞窟でしょう。
 ダンジョンは一本道で、特殊な仕掛けは一切無く、迷う要素がありません。若干足場が悪い場所もありますが、問題にはならないでしょう。
 何より、ボスが弱い割に取れる属性攻撃が強いのが最大の魅力です。
 ボスの攻撃は単調で、逃げ回っていればダメージを受ける心配がありません。攻撃のタイミングがとてもわかりやすいです。
 グランドバーストは出かかり無敵の4方向攻撃、とりあえず出し得な技です。出が遅く移動できない、斜め方向に弱いなどの弱点も無いではないですが、攻撃範囲は広く、回転斬りの上位互換として十二分に機能します。

 ザコ敵は堅めで、一通り種類が揃っているので、対処方法を体に覚えさせましょう。
 まずは、地面から這い出してくる芋虫に囲まれないよう、立ち回りを徹底するところからです。
 ゴーレムの岩投げは射程が短く回避しやすい反面、当たって「鈍重」になると一気に立ち回りが厳しくなります。防御力が高いので、まず他の敵を倒してからじっくり対処したいところです。
 空飛ぶ敵のコウモリは、飛び回る半径が小さく、場合によっては先制攻撃できるチャンスもあります。
 ザコの対処を一通り学べる、いい機会だというくらいの心づもりで攻略していきましょう。

狂熱の砂漠

狂熱の砂漠
マップの攻略しやすさ★★★★★
ザコ敵の対処しやすさ★★★
ボスの弱さ★★★★
取得できる属性攻撃★★★

 蛇が無限に湧いてくる穴が鬱陶しい、狂熱の砂漠。
 逆に言うと、ここで面倒なところはそれだけです。
 無限湧きを止める方法すらありませんが、蛇自体はとても弱く、囲まれなければ脅威にはなりません。穴から遠ざかりながら各個撃破していけばいいのです。
 むしろ蛇に気を取られて、蜂に刺されたり、サソリに装甲を剥かれたりしないことの方が重要です。
 中ボス格のニワトリは、攻撃を避けることが難しい敵です。むしろゴリ押しした方がいいかもしれません。

 マップ自体はとても攻略しやすい構造です。
 オアシスの回りをぐるりと一周し、オアシスのスイッチをONにすることでボスまでたどり着けるダンジョンですが、その構造上、ボス戦までの距離は全ダンジョン中最短です。
 ボスの攻撃もとても緩く、しっかり観察していればそうそう食らいませんし、ザコも召喚してきません。
 ファイアブラストは高火力な飛び道具、使い勝手はそこそこと言ったところでしょうか。

静の大滝

静の大滝
マップの攻略しやすさ★★
ザコ敵の対処しやすさ★★★★★
ボスの弱さ★★★
取得できる属性攻撃★★★★★

 本作で最優の属性攻撃は、ボクはアイシーブレードだと思います。
 ゆっくりと前進する飛び道具で、単発火力は低いものの、吹き飛ばした敵を多段ヒットさせることができます。
 何より、進行方向の敵をまとめて倒せるのが大きい。ゆっくり飛ぶ結晶を走って追いかければ、窮地でも活路を見いだせます。
 あまりにも便利なので、できれば早めに回収したい属性攻撃です。

 静の大滝のいいところは、ザコが弱い点です。カエルもカニもクラゲも、攻撃が単調な上、数が少なく、まったく脅威になりません。
 黄道の洞窟や狂熱の砂漠はザコがちょっと強すぎる、という人には最適のダンジョンと言えます。
 その代わり、ロックマン名物・消える足場が登場するのが難点です。
 幸い、本作の落下ペナルティはとても軽く、若干のダメージを受けて、飛び出す前の地面に戻されるだけなので、きっとトライ & エラーで突破できるでしょう。
 ボスも、前2つのダンジョンと比べると厳しいです。
 飛ばしてくる水の泡にホーミング性能があるため、できる限り動き回りたいのですが、もし泡に当たってしまうと「鈍重」状態になってしまい、回避がとても難しくなります。
 早めのアイテム投入も視野に入れましょう。

 ここから先は、最初に攻略することをオススメしないダンジョンです。

現身の遺跡

現身の遺跡
マップの攻略しやすさ
ザコ敵の対処しやすさ★★★★
ボスの弱さ★★
取得できる属性攻撃

 ギミックが多く、ボス戦までの到達時間が一番長いと思われるのが、現身の遺跡。
 最大の問題はこの動く床です。見下ろし型アクションで着地点をしっかり合わせるには、かなりの熟練が要ります。
 しかもこの場所、静の大滝の消える足場ゾーンと違い、ふつうに敵が攻撃してくるんですよ。
 ザコ敵自体は対処しやすい、弱い敵だとしても、足場の悪い場所では敵が出てくるだけでストレスが倍増します。

 ボスの攻撃も、とても激しく、厳しいです。
 プレイヤーの周囲3方向に雷を設置、斜めに飛ばしてくる、これだけならまだ対処のしようがあるのですが。
 お供2体の体力が高く、倒してもすぐに復活してくるので、そううまくは回避させてくれません。
 回転斬りだけでは攻撃のチャンス自体が限られます。おとなしくファイアブラストを取ってから挑むべきでしょう。
 そんな苦労の末手に入れた金剛斬は、狭範囲大火力のボスキラーで、道中攻略にはあまり役に立たない、という……。

唱えの森

唱えの森
マップの攻略しやすさ★★★
ザコ敵の対処しやすさ
ボスの弱さ
取得できる属性攻撃★★

 唱えの森は、マップ構造自体は、基本的に一本道です。所々暗くて見にくい部分はありますが、迷うような造りではありません。
 金剛斬修得後に来る前提なので、ザコがとっても堅く、攻撃も苛烈なのが大問題です。
 特に問題になるのが、蜂飛ばし攻撃をしてくるラフレシア。
 蜂は通常攻撃で落とすことが可能ですが、数が多い上に速いので、無傷で済ますことはなかなかできません。
 惜しまず回転斬りで先手撃破を目指すのが、おそらく最善でしょう。回転斬り修得前にも出てくるんですけどね。

 そして、当然の権利のように、ボスもこの蜂攻撃を使ってきます。
 2箇所から同時に放ってくるので、全部撃ち落とすことはほとんど無理です。
 その上でザコ敵召喚、さらにザコや弾幕が見えにくくなる眩惑攻撃までやってくるので、避けようとすると本当に手が回らない。
 被弾を恐れずゴリ押しする、くらいしか対処方法が思いつかないんですが、属性武器なしの状態では厳しいでしょう。
 霊樹の怒りは突進攻撃、出が早いのは結構なんですが、突進した先で被弾したりする危険性もあるので、慎重な判断が求められます。ボタンガチャ勢にはあまり向かない技です。

 ということで、ボクのオススメは、
 黄道の洞窟→静の大滝→狂熱の砂漠→現身の遺跡→唱えの森
 の攻略順ですね。

 ただ、もちろん、これが唯一絶対の正解ではないわけです。
 ボクも初回プレイでは静の大滝から攻略してます。まあ、戦闘があまり得意ではないボクとすれば、もしかしたら最善の選択だったかも知れません。
 たとえ現身の遺跡や唱えの森から攻略を始めてしまったとして、レベルを上げたり、ソウルクリスタルを集めたり、対処の仕方はあります。
 もし難しさに直面しても、逃げ出さず、じっくり攻略すれば、きっと答えは導き出せるはずです。

 というのも本作、中ボスを倒すと、攻略するダンジョンを切り替えられない仕様なんですよ……。

ハマリ度 : 8 / 10
 中ボスを倒すと他のダンジョンに入れなくなる仕様は、ストーリー進行上の矛盾が生じるための措置と理解はできる。本作の性質上、そのために詰むということは考えにくい。とはいえ、そこで自由度が制約されるのは、せっかく攻略順を固定していない良さが損なわれているように思う。
 難易度Normalの段階では、基本的に剣をぶん回して敵をヒャッハーするゲーム、という理解で、それでも充分に楽しめる。しかしボタンガチャ勢にはチャージ攻撃の制御は難しく、暴発させてはエネルギー不足に陥るだろう。カウンターやバックステップの使いこなしなどとても無理だし、下手をすると存在すら知らない。そこまできちんと出来る人でないとHard以降は厳しいのだが、そもそも気づき、学ぶ機会が少なすぎる。
 中盤以降、敵の体力上昇が大きく、なんとなく戦っていると押し負けるようになってしまう。人によってはレベル上げやジェム稼ぎが必要になり、爽快感が損なわれているのも残念なところ。隠しソウルクリスタルも集め、十分に強化すれば、終盤以降はまたサクサクとプレイできるようにはなる。
グラフィック : 7 / 10
 薄暗く、ぼんやりとした画面。オプションでフィルタエフェクトをOFFにすると色鮮やかに見えるようになるので、攻撃エフェクトを見やすくするために、わざと彩度を落としていることがわかる。しかしキャラドットやフォントのアンチエイリアスと相まって、うすぼけた印象になってしまっているのはもったいない。もう少しどちらも立てる方法は無かったものか。
 ジャンプの時もきちんと影が付いているが、消える足場や動く床のゾーンは、ほとんどが漆黒の闇なので、ジャンプのガイドとしてはあまり機能していない。
サウンド : 10 / 10
 書き下ろしの楽曲が各シーンを大いに引き立てる。物語前半のモチーフがクライマックス、ラストダンジョンへと繋がっていく全体構成も見事。サントラを購入すれば素材曲としても使用可能というのも、自信の表れと捉えていい。
 本作がフルボイスである必要があるのかどうかは判断できないが、クオリティは流石だし、オプションでキャラごとのON/OFFまで可能。プレイの邪魔になることはまず無いだろう。

 アクションRPGにも色々楽しみ方の幅がありますが、剣ぶん回してサクサク敵をなぎ倒す快感もまた、その楽しみの1つでしょう。
 その楽しみを邪魔しない程度に、爽快感のあるストーリーがあれば、なおいい。
 本作はそうした点で、王道ど真ん中のアクションRPGとして合格点です。
 プレイ時間は5時間程度ですから、あまり深刻にならず、気軽に剣をぶん回しましょ?

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