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■ ミチル見参!運気奪還 侍と魔女の珍道中

ミチル見参!運気奪還 侍と魔女の珍道中
作者 [ ふくしんすけ さま(旧名:あさソン さま) ]
ジャンル [ ジャンプアクション ]
容量・圧縮形式 [ 121MB・ZIP ]
製作ツール [ アクションゲームツクールMV ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

(補足)
2022.11.10:現在の最新バージョンは1.02

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レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 8 /10 8 /10 51/60 B
赤松弥太郎 8 /10 10/10 9 /10

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:8 サウンド:8

落っこちたってめげないさ 明るい明日がきっとある

「ミチル見参!運気奪還 侍と魔女の珍道中」…2010年の「ミチル見参!月夜の踊り子」以来12年ぶりとなるミチルシリーズの新作です。
…ちなみに、当「激辛」にてあさソン氏の作品を取り上げるのは、2008年の「俺ドジョ-痛-」以来、14年ぶりとなります。
12年ぶりの新作、そして、制作ツールを「アクションゲームツクール」から「アクションゲームツクールMV」へと進化させたことにより、アクションがよりやりやすくなりました。
「↑+攻撃」を2段ジャンプとして使えること、リーチの長い「地上で↓+攻撃」の追加、レバー入れ攻撃も出しやすくなりました。
…と言うか、久々に「~月夜の踊り子」をプレイして、「空中で出せない上、レバーとボタンを同時に押さないと出ない『↑+攻撃』」どころか「ダメージ時の無敵時間が短く、ザコに囲まれると連続でダメージを受ける」という散々な出来に逆に驚かされました。
前作にあった操作上のストレスはほとんど解消され、後のストレッサーはステージ構成のみ。それも「慣れた方なら一発でクリアでき、慣れてない方でも屍を積んで学べる」レベルとなっています。

また、本作の「↓+攻撃」の追加は、ミチルとノリスの使い分けにも影響してきます。通常攻撃や「↑+攻撃」にはほとんど性能差が無い両者ですが、「↓+攻撃」と「ゲージ使用アクション」には大きく差があります。
「ゲージ使用アクション」はゲーム内での説明に任せるとして、「↓+攻撃」の性能差は、敵キャラの対処・通り越せる地帯がまるっきり変わってくるのです。
ミチルの「↓+攻撃」はスライディング。地上を這う敵を一気になぎ倒せる上、本作唯一の「しゃがみ移動」。スライディングでなければ通り抜けられない横穴も存在します。
ノリスの「↓+攻撃」はファイヤーウェーブ。同じ高さにいる敵、少し下方に陣取っている敵を安全な位置からなぎ倒せます。自分の足元にある「壊せるブロック」も地上にいながら破壊できるのも利点です。

そんなアクションを序盤から学べるのが本作の良い所なのですが、ジャンプアクションの難しさも序盤から牙をむいてきます。「画面内にチラッとしか見えない回転リフトを乗り継ぐ。もちろん踏み外せば落下死」という「初心者にはかなり難しい」場面が、1-4という序盤も序盤で出てくるのです。
初見だと「あ~失敗しちゃった。後戻りか~。」と思っていたところで普通に死んだので、1-3から1-4の難易度上昇っぷりは半端ではありません。少なくとも1-3では一発死は無かったので。
ボス戦も結構苦労します。パターンに慣れれば「この攻撃は間合いを離して回避した後に『↓+攻撃』」「安易に飛び込んできたところを『↑+攻撃』で迎撃」と冷静に対処しやすい調整になっています。
しかし、慣れないうちは「ぶっぱした『↑+攻撃』の出がかりや着地を潰される」「飛び道具の軌道を読めず一方的にダメージを喰らう」「テレポートの出現位置と鉢合わせしてダメージ」など、アクションあるあるの失敗が続きます。
戦闘面で特に理不尽な点はなく、ダメージは全て自分の操作ミスにあるのだと理解できる仕組みになっています。

あとは、ジャンプアクションの理不尽さをなくすだけですね。本作、「次の足場が画面にチラッとしか映らない」場面が多くあるのに対し、SFCの「スーパーマリオワールド」の時代から標準装備されている「カメラ移動」が実装されていないのです。
「ここでカメラを移動出来たら、次の足場・招き猫に通じる道が分かるのに!」という場面が序盤も序盤で多数出てきます。
本稿掲載からほんの3日前のアップデートにて「2人プレイの追加」などの大幅アップデートを実装できたあさソン さまならば、「カメラ移動」も実装してもらえるのかな…それとも、カメラ移動は「アクションゲームツクールMV」の仕様上できないのかな…。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:9

本気じゃないような勇気は無いと 教えてくれた友がいる

 ミチル見参シリーズ、まさかの復活、まさかの新作。
 ドジョとピーと言えば、2000年代のフリーゲーム界において、誰もが知ってる……というのはちょっと言い過ぎか……でも、このサイトの読者なら当然知ってるレベル、一時代築いたサイトですよ。
 そんなあさソン(現: ふくしんすけ)さんが、10年近い雌伏の時を経てドジョとピーを再始動、そして満を持して放った、
オープニング
 伝統と信頼のこけしギャグを見よ!!

 このオープニングを見ただけで、旧来のファンであれば、
 「ああ……この1ミリも成長してないミチルが帰ってきたんだな……」
 という感慨が押し寄せてくることでしょう。
 新規の方にとって、このゼロ年代の香り高いゆるゆるなノリがどう映るのか、ボクには正直わかりませんがこれがドジョとピーです。
 高々1分程度のデモで十分に、このドジョとピーワールドの魅力が理解できるはずです。

 無軌道を重ねるミチルおよび敵の皆さんと、ツッコミを入れ続けて徐々に疲弊していくノリスの戦いは、この後も続いていきます。
 これだと、ミチルがノリスの敵みたいに聞こえるけど……まあいいか。胃痛的には事実だし。
 しかしながら、ゆるゆるなストーリーに対して、ゲームとしてはきっちり真面目なのも、ドジョとピーの伝統です。
 序盤こそサクサクと進めますが、中盤に入ってくる頃には新規の方も、
 「ん? これは決してゆるゲーではないな?
 とわかってくるかと思います。

 まず、本作の特徴として、先行入力が一切効かないことが挙げられます。
 通常攻撃の出かかりは0.1秒、硬直は0.2秒ほど、とこれ自体は標準的ですが、硬直が終わってからボタンを押さないと次の攻撃が出ないため、そうそう連射できません。モーションキャンセルも不可です。
 レバー入れ攻撃にも、若干のクセがあります。
 例えばジャンプ中の下レバー入れ攻撃を出そうとした場合、

ジャンプボタン押す
→ジャンプボタン離す
→下レバー入れる
→攻撃ボタン押す

 この順番の通り、正確に入力する必要があります。同時入力ではダメです。
 さもないと、通常のジャンプ攻撃、ひどい時にはただのジャンプに化けてしまい、ダメージが避けられません。
 幸い、ダメージを食らった後の無敵は長めなので、落ち着いて仕切り直し、連続でダメージをもらわないようにしましょう。

 このような出しづらさがあってなお、レバー入れ攻撃の爽快感は魅力です。
 本作は自機の無敵は長めな一方、敵の無敵が短く、かつレバー入れ攻撃の判定はかなり長く残るので、多段ヒットが狙えます。
 敵を根こそぎなぎ払う快感は、ちまちまと貧弱な通常攻撃で立ち回っていては決して味わえません。
 1ダメージでは倒せない敵が出てくる中盤以降、とても重要になってくるので、ぜひ使いこなしたいところです。

 そして、レバー入れ攻撃を使うようになると、ミチルとノリスのキャラ差も、はっきりとわかってきます。
 2人とも、一通りの技は揃っていて、敵を倒すだけなら、キャラ切り替え不要で対処はできるのですが。
 ただ、細かいところで操作感に差があり、使い分ければ2通りの味が楽しめるでしょう。

兜割り  今日も今日とてピンボケ人生を歩むミチルですが、剣の腕だけはボケてません。
 今回はなぜか得物が木刀になっていますが、おなじみのモーションから繰り出される技のキレは、真剣のときとまったく変わっていませんのでご安心を。
 相変わらず使いやすいハイスタンダードキャラ、初心者にオススメしたい性能です。

 まず、ジャンプ通常攻撃の判定が心強いです。
 前方・上下方向に比較的広く、多少縦軸がズレても攻撃が届きます。
 反面、地上の通常攻撃判定は、前方向にはそれなりにあるものの、上下の幅が狭く、坂道やジャンプする敵を苦手にしています。
 棒立ちにならず、スライディングやジャンプ攻撃でカバーしていく立ち回りをしましょう。

 レバー入れ攻撃も、使いやすいものが揃っています。
 上レバー入れで「てふてふ斬」、上方向の広い範囲をカバーする対空技で、斜め上方の敵にも有効です。
 ダッシュ攻撃は「ミチル三段」、前方をなぎ払う突進技ですが、HPの高い敵へのめり込みにはご注意を。
 しゃがみ攻撃の「スライディング」も切れ味が鋭く、手軽に多段ヒットが狙えます。システム上、しゃがみながら振り向くことができないので、画面端にはご用心。
 そしてジャンプ下レバー入れの「兜割り」。上述の通り入力しづらいものの、ジャンプ通常攻撃の広い判定から、スムーズに下方向、そして着地の衝撃波と攻撃判定が持続します。多段ヒットが狙いやすい、強力な技です。
 それぞれの技にきちんと使い途があり、意識して使い分けるのが上達の近道です。

 そして、超必殺技の「ミチルの舞」が超強力。
 今作では乱舞技ではなく、7カウントの間無敵になるという壊れ性能です。
 熟練すれば、画面内の敵はほぼ殲滅できます。
 本作の技の出しづらさがあるので、焦るとなかなかうまくいきません。修練あるのみです。

プラズマボール  さて、対するノリスは、というと。
 ……果たして読者の中に、ノリス、そして彼女の出身作「マギスク」について知ってる方がどの程度いらっしゃるでしょうか。
 2019年公開、ドジョとピー復活第一作にあたるRPGなんですが、作者さんの名前も変わってるし、カオス度も控えめ(※当社比)だったため、さほど注目されなかった作品でした。
 ボクも正直、サイトへ行ってやっと、フリゲ2019でチェックしたことを思い出したくらいで……だって、カワイイ女の子のRPGって、今までのドジョとピーに全然結びつかないんだもん……
 ノリスは喋らない系主人公だったので、本作でやっとキャラがはっきりしてきました。ちょっとぼんやりしてて、流されやすいところはあるものの、きちんとツッコミ役を務めています。
 ……ドジョとピー世界において、ツッコミ役がどれほどの受難に遭うか、身を以て味わうハメになったんですね。

 性能面で言うと、ダッシュ攻撃の「プラズマボール」が強力で、主軸になります。
 貫通して多段ヒットする飛び道具なんて、弱いはずがないですからね。
 まずプラズマボールを出し、走って追いかけるだけで、前方の敵はほとんど殲滅できます。
 反面、ダッシュ攻撃なので、咄嗟には出せないところがネックになります。

 あとは上レバー入れ攻撃の「ウィンド」ですね。
 上方の判定が広く、持続も長いので多段ヒットも楽々です。上空の敵の対処には、まずこれを使います。

 で、他の技は、というと……
 癖が強かったり、使い途が限られたり、と、どうしてもミチルと比べると見劣りしてしまいます。
 しゃがみ攻撃の「バーニング」は地を這う飛び道具、前進距離はそれなりですが敵に当たるとその場で消えます。どう足掻いても多段ヒットしないのに、隙はかなり大きいです。
 ジャンプ下レバー入れの「アイス」は、下側の攻撃判定が長く持続するのはいいけど、他の方向に判定が一切出ないのが困りもの。空中で攻撃される危険性があります。
 超必殺技の「イラプション」、全画面攻撃なのは結構ですが、ダメージが1固定です。中盤以降の堅い敵には対処しきれません。
 そして、通常攻撃が、まるで当てになりません。
 地上通常攻撃は、見た目よりは判定は強めで、上下方向の敵にも対処できますが、それでも相当引きつけないと当たりません。
 そして空中通常攻撃は完全に死に技です。必ずウィンドを使いましょう。

 総じて言うと上級者向けのキャラで、ミチル操作に飽きた、あるいは歯ごたえを求めている場合に使うキャラです。
 それ以外の方は、終盤のシューティングステージでは強制でノリス操作になるので、そこで存分に楽しみましょう。

 先行入力が効かないことによる動きの堅さの他、穴に落ちたら即死等、古風な仕様も目立ちます。
 初見殺し気味な配置もあったりする本作、はたして今時のカジュアルなゲームに慣れた層にどこまで届きますやら。
 ver1.02のプレイは間に合わなかったので、評点はver1.00のプレイ体験を基準にしてます。

ハマリ度 : 8 / 10
 基本的には、相手との距離を測りながら攻撃を差し込んでいく、立ち回り重視のゲーム。敵のスピードはゆっくりしていて見切りやすく、その分冷静な判断をすれば対処できる楽しみがある。
 ただ、残機の数は割と多めで、コンティニューもステージ進行が戻されるだけで無制限に行えるので、中盤くらいまではゴリ押しでも進めてしまう。そんなプレイヤーにとって、HPが高い敵に進撃を阻まれた後、本作が目指す立ち回りゲーの面白さに気づけるかどうかが分水嶺。誘導は行っているとはいえ、ブンブン技を振り回すことができない、最初の感触よりも硬派な内容に戸惑うかもしれない。
 ほとんど意味がなかったスコア表示を削ったのは好判断だった。セーブポイントまでのカーソル移動が多少煩わしい。
グラフィック : 10 / 10
 カワイイ上に、よく動く。過去作と見比べれば、まさに正統進化と言えよう。
 判定もだいたいが見た目通りで、わかりやすい。
サウンド : 9 / 10
 MIDINGER-Zのバストラ氏書き下ろし。和風スイングとクラシック編曲の組み合わせだが、作品の世界観にほどよくマッチしている。
 ループ処理されていないのが最大の不満点。割と2ループかかる局面は多い。

 アクツクMVって、セーブデータの引き継ぎがすごく面倒くさいんですね……今し方やっと把握しました。
 ただ、数時間で完全クリアできるんだから、すれば良かったんじゃないか、というのはそのとおりです。
 ボクのように要領が悪いと、初見ではもうちょっと、あとちょっと時間が掛かりますが、それでもさほどボリュームのある作品ではありません。
 その数時間の間で、プレイヤーは確実に成長してる実感が味わえるんですから、良作というのはありがたいものじゃありませんか。

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