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■ COLORS 失われた記憶

COLORS
作者 [ ZK さま]
ジャンル [ カラーアドベンチャー ]
容量・圧縮形式 [ 28MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクール2000 ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ 現在の最新バージョンは、1.02 ]
配布元 ダウンロード先

COLORS COLORS COLORS COLORS COLORS

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 9 /10 8 /10 101/120 B
hoikoro 8 /10 9 /10 8 /10
赤松弥太郎 8 /10 9 /10 8 /10
牛人 8 /10 9 /10 9 /10

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:8

テレビとゲーム機の前で正座した想い出と共に…。

今回のイチオシ作品「COLORS 失われた記憶」は、見ての通り、スーパーゲームボーイの画面を模したゲームです。
開始位置の部屋で外のフレームを様々なレトロゲーム風に設定できる要素もあり、そういう「想い出」を思い出させてくれる仕掛けが満載です。
実際のゲーム内容も、初代ゲームボーイ風のモノクロ世界から、赤・青・橙・緑・黄・紫の6色を加えて通り道を広げていく、パズル要素の強いゲームになっています。
ただし、実際に画面を染められる色は、最大でも3色まで。その制限の中で、道を開ける色を探さなくてはなりません。中には最大3色でも足りず、キャンパスとの往復を要求される…ぶっちゃけ面倒くさい謎解きも出てきます。

そして、本作のMAP構成は意外に複雑です。少なくともラストダンジョンの道筋はスクリーンショットを取っておかないとまずクリア不可能です。
最難関は中盤の記憶力ゲームでしょう。クリアに必要なアイテムを獲得できる7点に行くには、方向を7~8個記憶しておかなくてはいけません。作者自身でさえ、「相当苦労した」とレビュー申請の際におっしゃる程です。
「子供向け」と言うだけあり、英語や十二支などの知識を要求される謎解きはありませんが、その分、「ひらめき」を要求される謎解きは目白押し。頭の固い大人だと、かえって子供より苦労するかもしれません。
「閉ざされた道を開く色・アイテム」を探せる段階ならマシな方。「次の関門がどこにあるのか分からない」となる場面がしばしば起こるのが困りモノ。下手に序盤マップに戻ると、元の場所に行くまでに多大な時間が掛かるので、かなりイライラします。
特にボス戦前は、先述の通りスクショ必須の複雑な道筋で、往復の繰り返しを要求されます。ラスボス戦自体は、中盤の釣りと同じ要領でクリアできる上、万一返り討ちにあっても即リトライができるため、それほど苦労しません。

年齢差のハンデを感じさせない謎解き構成は流石ですが、「手ごたえのある謎解き」と「手順が面倒くさい謎解き」を混同したものもあり、「一度クリアしたら二度と再プレイしたくは無いな」と思わせる辺りが欠点と言えますかね。
とは言え、ボリューム自体は(迷う時間を含めても)一時間ちょい。手軽に味わってください。

 《 hoikoro 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:8

まさに小さな大冒険!

COLORS 失われた記憶】今回レビューさせていただきました。
とてもゲームボーイチックな、ゲームボーイプレイヤーチックなゲームです。
BGMもグラフィックもまさにゲームボーイと言った感じ、ただプレイ感としては足が早く、快適さはそれとは大違いでした。
色を取り戻すというストーリーで、進めていくごとに世界に色が取り戻されていき、 その結果進める場所が増えていきます、【カエルの為に鐘は鳴る】に近いと感じました。
また、持っている色の中から幾つかだけを反映させる事ができ、謎を解くというADVのシステム上、
難しくならざるを得ないところを、全年齢向けと言っている通り、(最後を除いて)そこまで難関ではない謎解きになっております。

このゲームの見どころといえばやはりタイトル通り""です。
今までうぐいす色で構成されていた世界に、鮮やかなカラーが増えた瞬間の何とも言えない感動。
まるで見たことのない風景を見るために登山を行い、登頂したような気分になりました。

コレは本当に素晴らしい!
この"色"で変わる世界が見たくて、モチベーションが落ちること無く保たれてきました。

ストーリーはほとんど説明されず、また掘り下げる相手や主要キャラクターも殆ど居ません。
ただただ不思議の国のアリスのように、知らない世界を進んでいくだけです。
お前らは誰なんだ?という疑問は全く説明されずに幕を閉じるため、人によっては心残りがあるかもしれません。
特に最終場面で気になるアイテムを入手したり、ラストステージで急に意味深な雰囲気になり始めるため、
出来ることならば少しでも説明をするか、もしくはそれについての言論を追加するか等は欲しかったです。

ただこのゲームのストーリーを、
色と冒険。の2つのみに考えるのならば、そのような説明は必要ではないのかもしれませんね。

最初から最後まで一貫してやさしくてほのぼのとした世界で、冒険する少女というコンセプト。
その期待を全く裏切らずに終えることの出来た素晴らしいゲームです。

ただひとつ、絶対に言わなくてはならないことがありました。
終盤の最後の色を探す際に、気になっていた謎の石像を調べるために最初のダンジョンに入りました。
しかし、結局何も変わらず、そのままダンジョンから出ようとしたのですが、出れません。
後ろに戻ることも出来ず、前の道は岩で閉じられていました。ハマりました。

更にそのエリアではセーブポイントがあり、自分はセーブしてしまいました。
幸い、自分は3つセーブを取るようにしていたので大事には至りませんでしたが、
全く何もない場所ならばともかく、意味ありげに石像の置かれたダンジョンに後半になって色が増えた後から入ることは別段珍しいことではないと思います。
これは早急に直していただきたいポイントです。あと赤と青のダンジョンでちょっとした壁抜けもありました。(こちらは別に大したことはないですが)

・ハマリ度:8/10

スタートからラストまで休むこと無く一気に薦めたくなるゲーム性。
色を取り戻した時の感動は実に素晴らしい。
取り戻した直後は今まで行った箇所を色を付けて見て回りたくなる程です。
キャラクターもかなり豊富に種類が存在し、人間である主人公が特殊なのかとおもいきやそうでもなかったり、
ゲームボーイを意識している作品である前提をアピールしつつ、ゲームボーイではありえない快適さ、艶やかさを加える方式には脱帽の一言です。

・グラフィック:9/10

可愛い、綺麗、ほのぼの!素晴らしい出来栄えです。
通れる場所通れない場所の区別がつきやすかった事や、キャラクターの個性が薄くない事も魅力的でした。
特に序盤に家で会えるひよこが、終盤になりそのひよこのいろが着いた時に
それはカラーひよこのことを言っているのだとわかった時はクスリときました。

・サウンド:8/10

ゲームボーイ独特のレトロ感たっぷりのBGMで僕は大好きです。
結構な種類のBGMがあり、聞くと場所によくマッチしていました。
少しSEが大きかったような気もします。

あと、度々ある食事音がアレで固定なのは笑ってしまう。

第一印象のまま突き進んだ素直なADV、昔やっていた様々なゲームを思い出させます。
リアルであったり荘厳であったり、スタイリッシュさやグロテスクさがウリになりつつある昨今のゲームの中で、
このように一貫してゆったりとしたゲームはとても貴重になったのではないかと思います。

写真の男の子はだあれ?

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:8

流れる風の草原 自由になったら 何に逢いに走るんだろう

 ゲームボーイから25年。スーパーゲームボーイから20年。ゲームボーイカラーから15年以上。
 ゲームボーイを実機でプレイした人も、だんだん少なくなりつつあるでしょう。少なくとも、本作がメインターゲットとする「子供」にとって、ゲームボーイは生まれる前の話です。
 だから、本作が狙ったのは、ノスタルジーともちょっと違うと思うのですね。平成生まれが昭和モチーフのテーマパークに行くような、「懐かしいなあ、初めて見たよ」的なノリ、というか。
 320×240ドットのツクール2000の画面を160×144ドットのゲームボーイの解像度に合わせ、メッセージをすべてピクチャーで表示するところまでやって、わざわざゲームボーイ風の画面を作ったこだわりは、ただ単純に「古き良きあの頃」のゲームの再現を目指しただけではなかったと思うのです。

 たとえば、非常に印象的に残る、序盤のこの謎解き。

海・謎解き前

海・謎解き後

 ミミズが「み・・・みす゛か゛!!!」なんてギャグをかましてきますが、この際それはどうでもよろしい。
 ここで面白いのは、主人公は世界の色を変えたに過ぎなくて、海は海であることに変わりはないんですよ。
 謎解き後の画面は、たしかに謎解き前と比べると水っぽくはないですが、それこそゲームボーイの頃はわりとよく見かけた水の表現だったりします。むしろアニメーションする水の方が圧倒的少数でした。
 それでもプレイヤーは、おそらく当時を知らない世代であっても、歩こうとして歩けなければ、「あ、これは水なんだ」と理解できると思うんですね。そのあとは、この表現でも普通に水に見えるわけです。
 逆に言えば、歩ければそれはもう海じゃないわけです。本作はそこを突いてくる。
 いやはや、人間の想像力ってすごいものですが、低解像度・少色数のドットだからこそ、想像力が働く余地があるとも言えます。
 本作がもし今時のハイクオリティな3Dゲームだったらどうでしょう。結構シュールなシーンになるでしょうね。

 気になるのが、作中のキャラクターたちがこれをどう受け止めているか、ですが。

つりねこ

さる

クロノコ

 クロノコはちょっと特殊なんですが、他のキャラは色を認識しているし、かつて色が存在していたことを覚えているようです。
 でも色がなくなると、ものの性質が無くなったり、もの自体を認識できなくなったりしてしまうらしいです。
 果物を食べる虫でも、その果物に色がなくなっただけで食べなくなったりする、これが面白いんですよね。
 で、こういう想像ができるのも、ドット絵ならではの良いところかなあ、と。
 たぶん、作中キャラクターが見ているものとプレイヤーが見ているものが一致することが前提になる、写実的なゲームだと成り立たないんじゃないですかね。

 きっとこの作品は子どもたちに、ドット絵という表現手段でなければ伝えられないものを伝えたいのですよ。
 今、インディーであっても多彩な表現が使えるこのご時世にあっても、ドットにこだわる意義がある、とこう言いたいのでしょう。
 いや、反論はあると思いますよ。今時のゲームでも写実的なだけじゃない、面白い表現は生まれている、と。
 だけど少なくとも、ドット絵をただ懐かしいだけのものではなく、数ある表現手段のひとつとして伝えていこう、という気概がこの作品からは感じられるのです。

 もちろん、リアルゲームボーイ世代の20~30代も楽しんでもらえると思いますよ。
 ただ、あの記憶力ゲームは子どもじゃないとキツいでしょうねえ! 評点。

ハマリ度 : 8 / 10
 記憶力ゲームについては、大人でもメモを用意する等対抗手段はあるのだから、そこまで大きな問題ではないと思う。単調な作業には違いないけど。
 やはりラストバトル前の謎解きの異常な難しさが残念。ヒントが拡散しすぎているし、「見えない通路を抜ければクリア」と思うプレイヤーをガッカリさせてしまっている。その前の謎解きで彼女の背景を匂わせる、いい流れができているだけに、もう少し彼女と結びつくような題材はなかったのだろうか、やや消化不良に感じる。
グラフィック : 9 / 10
 相変わらずの高品質ドット、GBC作品と言われても信じられるレベル。色数を絞ったからこその魅力がある。
 しかしその一方、ストーリーの進行上やむを得なかったのだろうが、最後の最後は、取得できるすべての色を使ったマップを探索したかった気持ちもある。
サウンド : 8 / 10
 BGM全24曲通してGB調音源、突然生音が入る等の飛び道具を使っていない点は好感が持てる。
 しかしループが短くインパクトに欠ける、背景音としての仕事に徹している感がある。音圧がだいぶ小さいのも問題点。
 効果音にもこだわりを感じるが、「コイーン」はさすがにリスペクトよりおふざけの方だと思う。法律的には問題ないはずだけど。

 思えばゲームボーイそのものが、当時最先端だったカラー液晶をあえて選ばず、モノクロ液晶を採用したハードでした。
 「どこでも遊べるゲーム機」というパラダイムを推進するための技術選択だったわけですが同時に、モノクロ・低解像度でもゲームは十分面白いことを知っていたからこその選択だったはずです。
 技術がいくら進歩しても、人間そのものの感情は、千年経っても伝わる程度に進歩が遅いものです。そしてフリーゲームは、比較的長い期間にわたって遊び続けられるものです。今最先端の手法がレガシーとなってもまだ、遊びつがれる可能性があります。
 ボクはプレイヤーとして、たとえ流行に乗っていなくても、やりたいことをやってる作品をプレイしたいし、応援していきたいです。
 きっとそんな作品にこそ、時を超える潜在力があるはずです。

 《 牛人 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:9

・・・ゲプッ。(まさかの展開である)

 フィールド探索型の謎解きゲームです。操作は分かり易いですが、謎解きは難しいです。
全体的にスーパーゲームボーイをリスペクトしたつくりになっており、とても良い雰囲気になっています。

 ゲーム内容は、色を鍵にした謎解きと、フィールドをうろうろする事です。ヒントは少ないです。
平易な操作性とルール、少々面倒な謎解き、良くも悪くも昔ながらのゲームを演出しています。

 昔ながらを演出しているのはゲーム性だけではありません。
グラフィックやサウンドはもちろん、それらが一体となって、作品全体がレトロなものとなっています。
そこから感じるのは、作者の溢れんばかりのスーパーゲームボーイ愛です。
それはもう、開始十秒で度肝を抜いてくれます。
 作者の愛の中でも、スーパーゲームボーイらしさを特に際立たせているのが、題名にもなっている「色」です。
プレイしなければこの感動は味わえないでしょう。

 謎解きがテンポを悪くしている面がありますが、とても味のある作品です。

エロ要素はない。ゲームボーイにエロ要素はないという意味ではない。

ハマリ度:8/10
作者のこだわりを感じる
グラフィック:9/10
これは良いドット絵
サウンド:9/10
なつかしい雰囲気

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