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■ 赤い触手【無償版】

赤い触手
作者 [ 須垣悪芽(スガキアクメ) さま ]
ジャンル [ クリッカー系育成SLG ]
容量・圧縮形式 [ 713MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールMZ ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ R-18指定(性的表現・暴力表現を含む) ]
[ AI生成画像を使用 ]
[ 有償版(定価1,500円)が販売中 ]
配布元 ダウンロード先 (リンク先18禁!)

(補足)
2025.08.10:現在の最新バージョンは3.06 (2024.12.11更新)

赤い触手 赤い触手 赤い触手 赤い触手 赤い触手 赤い触手

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 8 /10 8 /10 48/60 B
赤松弥太郎 9 /10 8 /10 7 /10

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:8 サウンド:8

肉の紅、歪愛の紅、そしてクリムゾン(同人ジャンル)

「赤い触手」、そのゲームの本質は、システム面でもストーリー面でも、第一印象は単純に見えながらしばらく触るとどんどん複雑さと深みが分かっていく作品です。
システム面はインフレ率の高いクリッカー育成。普段ならば「秒間の自動取得数」「クリック時の取得数」とシンプルな成長要素になっていますが、本作「赤い触手」の成長要素はかなり複雑。PDFのマニュアルを作成し、その3ページを丸々「取得数の計算方法」に割いています。
資材消費で成長できる要素は主に3点。当ページでは発言がはばかられるゲーム内名称ですが、その役割は「最大取得数」「成功率」「成功1回あたりの取得数」となっています。

即ち、本作はこの3つのパラメータをバランスよく成長させる必要があるのです。それを生産者(デフォルト5名+追加キャラ)それぞれに割り振る必要もあります。
「最大取得数」「成功1回あたりの取得数」の成長メニューには「10回改造」「100回改造」「全触手使用」がありますが、これらを生かすのは日数がだいぶ進んだ…「推奨戦力」が少なくとも数万になってから。もしくは、周回強化によって初期の「最大取得数」「成功1回あたりの取得数」のバランスが悪い時。序盤の内は、「最大取得数」「成功1回あたりの取得数×10」の値を逐一見ながら1レベルずつ上げていくことをおススメします。
なお、「最大取得数」「成功1回あたりの取得数」のバランスが崩れがちなもう一つの存在が、ランダムイベント。画面右の丘の上には、定期的に迷い人がポップアップします。彼女たちをクリックすれば、攻撃力に比例した追加資産の他、特定のキャラは画面に留まって生産者たちを強化してくれます。
当然ながら「最大取得数(女騎士)」「成功1回あたりの取得数(妖精女王)」にもバフキャラが存在します。その倍率は脅威の2倍! 絵面から見れば1桁ですが、ゲームにおいて「一時的に2倍」というバフがどれだけのぶっ壊れかは、このサイトをご覧の皆様は少なからず経験していることでしょう!
その倍率ゆえに「最大取得数」「成功1回あたりの取得数」のバランスも崩れがち。獲得資産数自体は爆増するため、ある程度の「堕胎」は受け入れた方が精神的に楽です。周回強化で「堕胎」数を資源に生産できる施設も作れますし。

「強化」だけでこれほど複雑な上に、更に「王都襲撃」「施設建設」「ランダムイベントの捕獲」と、本作の操作はかなり忙しいものです。少なくとも、クリッカー系の要素である「放置」は通じません。そもそも、「ながら(ウインドウをアクティブから外す)」だとゲームが進行しませんし。
そんな忙しい操作を大きく助けてくれるものが、今まで度々触れている「周回強化」。生産者を強化するごとに、ステージを進めるごとに、画面右下に溜まっていく「周回PT」。力及ばず敗北(もしくは「スーサイド」)した先に向かう「周回ショップ」にて、多数の、そしていずれも強力な強化アイテムが手に入ります。
ステータス初期値の強化はもちろん、イベント効果の強化、新要素の開放、戦闘で使う装備品、追加キャラまで、その種別は千差万別、選り取り見取りです。
それ故の短所が、「ショップ数が大きく、全体を見渡すのが面倒」という点。序盤で取っておきたい「ステータス初期値の強化」が、ショップメニューを数秒ほど下にスクロールしないと見つからないのですよ。特に周回数が浅い頃は「ショップメニューがスクロールする」ことにも気づいていませんでした。
ショップ内のメニューはどれも役に立つため、2周目に行く辺りで「どこに何があり、どんな強化をするか」はしっかり見渡しておきましょう。そして、買える範囲のアイテムをしっかり買っておきましょう。「どこに何があり、どんな強化をするか」を把握しておけば、次週に向けての目標も定まり、本作のモチベーションをより一層高めてくれます。

さて、そんなインフレ無限ループを繰り返しながら巡るストーリー。それは様々な意味で「凌辱」。
主人公たる触手が、5名+αの苗床を、迷い人たちを、王都に住む全てを、そして最後に陣取る姫君を…彼の目の前に立ち塞がる者全てを、純潔どころか身体・精神までをも「凌辱」していくストーリーです。
それと同時に、オープニングで苛め抜かれるシーン、度重なる敗北…主人公自身も「凌辱」されていくストーリーです。本作、抜きゲー的な意味はもちろん、ダークファンタジー的な意味でも「人権が仕事をしていない」作品なのです。
オープニングでも警告があるとおり、本作はR-18G表現も存在します(オプションで非表示にできます)。四肢切断、腹部貫通、首絞めなど、戦闘シーンは暴力的表現も多く存在します(重ねて言いますが、オプションで非表示にできます)。
本作は、色々な意味で人を選ぶ作品です。そもそもの「AI描画のキャラクター」が人によっては拒否要素となるでしょう。本稿およびダウンロードページを熟読し、「自分に合う」ことを見定めてからダウンロードしてください。
そのボリュームは膨大。抜きシーンも育成シミュレーションも、満腹になるまで堪能できる作品です。先ほど言った「重い要素」も、ゲーム内では軽妙なテキストで流されるため、「鬱」にはなりにくくなっています。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:9 グラフィック:8 サウンド:7

正義と愛が世界を守る

 本作には主に以下の要素が含まれます。

 こんなリストでは収まらないくらいやりたい放題の作品ですから、地雷持ちの方はご注意を。
 ただ、鬱を前面に出す作風ではなく、基本的にはおバカなので信じてください! 本当です!

 さて、本作はクリッカーっぽいシステムですが、連打も放置も無意味です。
 改造や侵略など、重要な決定はポーズしてから行いますが、

  1. 苗床への種付け
  2. 制圧済み施設からの収穫
  3. ランダムイベントの発火
  4. 覚醒スキルの発動
  5. 合成器・注入器の使用

 以上をリアルタイムで、タイミングを見計らってクリックしなければいけません。
 自動化できるのは、この中の1.だけ。1.が自動化できる頃には4.とか5.が追加され、苗床がどんどん増えるので、せわしなさは加速していく有様です。
 その上で、防衛戦までの残り日数を確認しながら、戦略的に触手の数を増やしていかねばなりません。
 画面全体を常に監視し、タイミングが来たら即座にクリックする、緊張感あるプレイ感が本作の特徴です。

 その間、利き手はマウスの上に置きっぱなし。
 画面左上では苗床の様子が順次モニターされていますが、重要なのはそれ以外、画面右から下の逆L字のゾーンに表示される状況なので、むしろ邪魔です。
 エロゲとしてそれでいいのかと思うかもしれません。
 が、いいんですよゲームはゲームで楽しめば。

 エロは存分に、イベントで満喫しましょう。

 施設制圧に成功すれば、ご褒美イベントがあります。
 2周目以降解禁される特殊施設建設時も、ご褒美イベントがあります。
 苗床は1周目解禁が5人、周回アイテムにより最大10人が捕獲できます。
 その10人それぞれに、捕獲した時、強化アイテムであるベッドを作成した時、そして5000匹産ませた時に起きる覚醒イベントの3回、個別のエロイベントがあります。
 覚醒させると、育成画面で「覚醒スキル」が解禁される他、戦闘中にランダムで援護が発生するので、まずは5000匹出産を目指しましょう。
 一周目だと到達は難しいと思いますが、二周目以降、苗床をあまり増やさず、集中して改造していけば到達しやすいです。

 ……先程から「苗床」と連呼してますが、これは本作のシステム上の呼称であり、それ以上の他意はありません。
 まあ、それ相応の扱いでしかないんですよ、途中まで。
 不幸な境遇だろうが、どれだけ凄惨な目に遭おうが、「そうなんだーかわいそうだねー^^」程度の感想でしかありません。
 AI絵というところも大きく作用してると思いますが、まあ根本は抜きゲーです。
 行き場を無くした元人間たちが、肉体も精神も改造されていき、文字通りの意味でモンスターに成りはてる過程が、サクサクっと描かれます。

 そしてプレイヤーは何度となく討伐隊に蹂躙され、輪廻を繰り返し、臥薪嘗胆の念でひたすら周回ボーナス強化を繰り返していきます。
 はい、本作は周回前提、一周目ではクリアできない難易度設定です。
 一周目はよくわからないでしょうし、ひとまずあまり粘らずに一回死んでもいいと思います。
 一回見た施設制圧イベントは二度は再生されず、時間経過イベントもスキップできるので、サクサクです。もう一度見たい時は「回想」から見ればいいのです。
 まあイベントが再生されないだけで、実際には陵辱も繰り返してるんですが……。

 そしていつか、かの王女の元に辿り着くでしょう。
 最初は初見殺しを食らって無惨になぶられるかも知れませんが、それも転生すれば超えられる壁です。
 強靱・無敵・最強の触手は、王女の尊厳を王宮もろとも粉砕、玉砕、大喝采!!
 王女の過去の回想を「そうなんだーかわいそうだねー^^」という生暖かい気持ちで見守ったら、何もかもおしまいです。
 カオスルート完、めでたし!!

 しかしその頃には、プレイヤーは気がついているはずなのです。


 一番最後の実績のヒントに、何と書いてあるかを。

 「結ばれる」って?
 あの諸悪の根源と?

 ボクが思うに、性的にやりたい放題だったカオスルートと方向は違えど、ロウルートはそれよりさらにぶっ飛んでます。
 かの諸悪の根源さんが「さらに強大な敵が現れたから共闘しましょう」って言ったところで、ツッコミどころしかありません。
 苗床たちも一斉に「マッチポンプじゃねーか」と大合唱し……
 あれ?
 苗床に人格が戻ってる~!?

 さっきまで身も心も触手製造マッスィーンと化し、濁った目をして穴という穴から触手を滴らせていたあの「苗床」たちが!
 覚めない悪夢の中、ひたすらに腰を振って快楽を貪っていた、もはや人間の枠を超えてしまったモンスターたちが!
 なんか正気に戻って姫様と会話してるんですが!?

 ボクにとって本作最大のショックはこのシーンです。
 だって……正直、陵辱ゲーの犯され要員の人格なんて、深く考えないじゃん?
 量産型のAI生成キャラ、抜くための「記号」でしか無かったものが、急にキャラクターを主張しはじめると、多少は思うところが生じます。
 やっぱり触手、ひいてはプレイヤーはとんでもないことやらかしたんだな、と突きつけてくるのです。

 ちょうどそのタイミングで、触手にまで人格が芽生えます。
 あの無邪気なシステムメッセージはお前だったのかという驚きと、それ以上に「お前何してくれてんの」という困惑が広がります。
 そしてあろうことかこの触手、苗床たちに悪いことしたから謝らないとなどと言い出します。
 「それはやめとけ」とみんなから……当事者である苗床たちから言われるのですが、謝って済むことじゃなくても謝りたい、と触手は一歩も引かず……

 このあとはぜひ、皆さんの目で確かめていただければと思うのですが。
 なにこの、ほのぼのハートフル?
 なんでエロ触手と、陵辱された女の子が一緒に痴話げんかやってんの?

 まあ、好き嫌いの分かれる展開でしょうよ。
 でも、ロウルートが追加される前のVer.2をプレイ済みのボクとしては、追加されて良かったという感想しかありません。
 ロウルートが追加されたことで、本作は完成したと思うのです。
 一番衝撃的な場面をネタばらししたのも、皆さんはこの衝撃に惑わされず、本作のやりたいことを受け止めてほしいと思ってるからです。
 合わない人はカオスルートクリアまでで終わるのも、全然アリだと思います。

 実に振り切った作品で、あっぱれの一語です。
 激辛の評点的には、ちょっと目立つアラもありながらの評点です。

ハマリ度 : 9 / 10
 ロウルートクリアした時のプレイ時間は、いろいろよそ見や寄り道をした上で12時間。
 ボリュームたっぷりだがだれずに続けられたのは、イベントのバリエーションと、何よりゲームとしての面白さ。手間がかかる分没入感も高い。周回によりインフレしていき、やりたいことがどんどんできるようになる楽しみが大きい。片手間にやるというより、しっかり集中してゲームをプレイしたい人に向いている。
 ランダムイベントや施設をクリックした時、メッセージが消えるまで苗床がクリックできなくなる仕様は、地味にストレス。並行実行が難しいのは理解できるが、もうちょっとうまくごまかしてほしかったところだ。
グラフィック : 8 / 10
 AI絵ということを大目に見なければならないところは多く、特に武器を持った時に崩れる。顔にはほぼ個性が無く、パーツでしかキャラの見分けがつかないため、パーツが変わると同一人物と判別できない。AIでよくこんな面倒なものを描かせたとは思うが、それは実用性には貢献しない感想だ。演出効果を加味してもこの点数。
 眼に入りやすい左上はほとんどプレイの役に立たず、ただひたすら逆L字のゾーンばかり見るメイン画面のレイアウトも疑問、見やすくはない。
サウンド : 7 / 10
 一言で言うと、うるさい。
 種付けを自動化した後はノンストップで水音と嬌声が流れ続け、ポーズをかけても止まらない。適宜BGSとSEの音量を0にしよう。どちらか一方だけではダメ。ここは全ミュート/ミュート解除を手軽に切り替えられてほしかった。選曲やSE選択自体はきちんと要所を押さえているのに残念。

 周回ボーナス、ボクはまず「人造兵器の因子」をオススメします。
 説明文では「序盤のお供に」と書いてありますが、非常に強力な装備品で、序盤・中盤・終盤、隙がありません。忘れずに装備を。
 装備品の力で施設を落とし、討伐隊を追い返しつつ、苗床を覚醒まで育てていけば、こまだっ、苗床たちが躍動する戦闘がきっと楽しめることでしょう。

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