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■ Another Moon Whistle

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作者 [ 神無月サスケ さま ]
ジャンル [ RPG ]
容量・圧縮形式 [ 2.4MB・LZH ]
製作ツール [ RPGツクール2000 ]
必須ソフト [ DirectX3以降 ]
ダウンロード ダウンロード先

01yugure 02megaphone 03judge 04asa 05UFO 06hanabi
↑画面写真提供:ES様


(補足)
2006.06.11:サスケさんのHPへのリンクを変更。
レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
びるま 10/10 10/10 10/10 116/120 A
ES 10/10 7 /10 10/10
上橋 10/10 10/10 10/10
ナンセンス♪マハラジャ 9 /10 10/10 10/10

 《 びるま 》  ハマリ度:10 グラフィック:10 サウンド:10

雰囲気が、雰囲気がぁぁぁぁぁ!!

この作品には3つのたまらない要素が含まれています。

一つは『エンカウント率がたまらない(たまったものではない)』ことがあげられます。
高いエンカウント率に加え逃走成功率の低さが災いし、かなり戦闘関係でストレスを感じます。
特に後半では回復ポイントの少なさもあって、ピンチに陥り回復ポイントを求めて逃げ続けていたらいつのまにか死んでいた、というようなことがままあります。
5ターンかけて逃走しつづけやっとのことで逃げ出した後、1歩進んだとたん再び敵と遭遇した時は正直へこみました。

次に『シナリオがたまらない』ことがあげられます。
巷でも言われていますが、鬱めいたストーリーが延々と続く上に、セリフというか字数が非常に多く、人によってはまったく受け付けない出来になってしまっています。

最後に上記2要素を覆す『雰囲気がたまらない』ことがあげられます。
ムーンホイッスルもそうでしたが、作品全体に流れる「誰もが体験した『過ぎ去ってしまった何か』」を感じさせる雰囲気が非常に素晴らしいです。
フリーRPGに関して、2周目限定イベントや隠し要素などにより2周目をプレイしたゲームが数あれど、作品世界に再び入り込みたいがために2周目をプレイしたゲームはムーンホイッスル、そして、このゲームをおいて他にありません。

もちろんムンホイと同じくグラフィックは自作、BGMは氷石さんの作品を使用しており、作りこみに関しては前作同様抜群の完成度を誇っています。

と、ネタも尽きましたので中途半端な宣伝で締めさせて頂きます。
そこのマザー好きのあなた!!こんな良作をプレイしないのは大いなる人生の損失ですぜ~。

 《 ES 》  ハマリ度:10 グラフィック:7 サウンド:10

やっぱりムンホイはムンホイです。

ハマリ度:10/10
実体験からの評価。
今回も隠し要素探しに(無論、本編にも)時間を忘れました。
グラフィック:7/10
上橋さんの体験版レビューの通り、いやそれ以上に相変わらずイカしたモンスター造形です。
特にしてん…っと。これは自分でご覧ください。
サウンド:10/10
前作のサウンドのアレンジ、他のRPGでも使われている曲、そして今回のオリジナル曲、どれも素晴らしい曲です。BGM決定。

ストーリについては、他の皆様がやってくれると思いますので、私はシステム面でのレビューをば。

■われわれに裁く権利はあるのか?

今作をプレイされた皆様が一番面食らい、そしてヘビーだと感じたのが、中盤に出てきた「推論空間」だと思います。
普通のRPGのように善悪を決められない…というか、そんな関係など存在しないこの問題に、どのような判断を下すのか戸惑った人も少なくないと思います。
しかし、ありていに言えば、正解がない以上、判断材料は自分自身の気持ちと言う一点に尽きます。
どっちを選んでもきちんとストーリ自体は進んでいきますので、ゲームオーバーを恐れることは全くありません。
乱暴な言い方をすれば、(以下ネタバレ→)

例えば、下水道の冒険でのマックスVSエイドスのシーン。
確かにつくもの行った罪はムーンホイッスルで消したとしても、そしてつくもがそのことについて心から悔いていても消えないだろう。
でも、弟であるカズトの気持ちを考えれば、辛い選択はできない…。
それならどうしたらいいだろうか。…よし、マックスのファンだからマックス側につこう。

(←)と言ったことでも何のお咎めも受けません。 むしろ、そうやって悩み悩んで選択し、ストーリに関わっていくと言うことで、より感情移入が増していく… そんな気がします。

■やっぱりアツい隠し要素探し

今回もやっぱりあった数々の隠し要素。いやー、楽しませていただきました。自分が前作にハマった理由も半分がこれだったり。
今回は隠しボスの存在があったり、ヒントは出るものの、一筋縄では解けない謎があったりと楽しい謎がてんこもり。
夕暮れになった後も、「まだないか。まだないか。」と街中を2時間は走り回ったことがありました。
なんか、夕暮れを迎えてもまだ帰りたくなくて、真っ暗になるまで遊んでいる子供の気持ちが分かるような気がしました。
後、おそらく皆様が一番悩んでいるあの地図の謎についてネタバレを少々。
(→)海が邪魔で地図のとおりに進めないのならば、逆に「海の上が歩けたら」と考えてみたら?(←)
それでは、がんばってください。

■ラーニングシステム(勝手に命名)

前作「Moon Whistle」はRPGツクール95で作られた作品でした。そのため、特殊攻撃はレベルアップ、もしくは特定のイベントで覚えるしかありませんでした。
このため、前作ではそのイベントを隠し要素としてぶち込みました。私もイベント探しに奔走したものです。
ただし、今作を作るために使用したツク2000では、特殊効果を覚えるアイテムも作れるようになりました。
そのため、今作では「本」と言う特殊攻撃習得用アイテムを作り、それを売る「本屋」も商店街にできました。
しかし、この本、店で買うだけでなく、敵キャラも一定確率で落とします。
特に、属性低下の魔法は意外と使え、強力な属性攻撃が多いマックス/エイドスとのコンボは非常に強力です。
属性低下は、通常ではアヤしか覚えないので、手に入れたら素早いキャラに覚えさせましょう。

■それでもやっぱりストーリー

今作、始まってしばらく経ったときは、最初に言った推論空間、それに伴う中学3人組の関係など、プレイヤーにヘビーな部分を突きつける箇所があったり、妙に時事ネタが出てきたり(何がおかしいって、ムンホイの設定では、前作の主人公「ぜのん」の大学時代でさえ、2003年の私たちにとってはもはや過去なのですから!)と、さすがの私も「どうしたんだ!サスケさん!」と思わざるを得ませんでした。
しかし、ストーリーを進めていくにつれ、「やっぱりヘビーな展開あってこそムンホイシリーズは面白い!」と思いました。
そんなヘビーな展開を己自身、そして(ほとんどの場合)より年下のカズトが切り開いていった先にあるEDの充実感。それはここでは言えません。言い表せません。自分の目で確かめてください。
…な~んて言ってみたけど、実際はへこみかけましたがね。

 《 上橋 》  ハマリ度:10 グラフィック:10 サウンド:10

アナムン解析

いきなりですが、どうもこのゲームは、ぶっちゃけ、前作ほどは評価がよくないらしく(といっても、レビューしたサイトが見つからないので、多分2ちゃんねる内で)、作者さんが「3年も手間をかけたわりに期待にこたえてくれないゲーム」と発言したり、さらにお疲れになったりされてまして、拙者も思うところありますし、せっかくだからセメント(真剣勝負)の解析を加えさせていただこうかと。

評判がイマイチといっても、点数を見てもわかりますように、つまらないということはまったくなく、ゲーム的な部分で言えば、点数のとおりオール10点としてよいと思います。一応、戦犯である(?)2ちゃんねるのログもざっと見てみましたが、確かゲーム的な部分では、不満は出ていなかったはずです。
拙者が唯一不満であり、また2ちゃんねる内でも集中して不満意見が飛んでいたのは、唯一シナリオだけです。戦犯はこいつでしょう。

ややネタばれになりますが、ストーリーのパターンを簡単に書きますと、謎の男『少年A』が、主人公の周りの人々の人生の悩みにつけこんで、悪に(というかダメ人間に)洗脳します。それを主人公たちが助けに行くと、彼らは同じような悩みを持つ少年Aの部下と、すっかり意気投合しています。
ここで襲い掛かってくるとかならいいのですが、逆に理路整然と「これこれこういう訳で俺も少年Aに賛成だ。だから帰らない」と かいうので、意見にも一理あるし、力づくでつれて帰るわけにも行かなくなって、やむを得ず、主人公たちは、彼らと真剣に議論をします。だいたいNHKの『真剣10代しゃべり場』みたいな感じです。というかほとんどそのまんま。
その議論の結論はプレイヤーによって選べ、選択肢によってストーリーは変わってきます。

彼らの悩みというのは重く、なおかつリアルなもので、異常に作りこまれスキのない論議展開や、製作後「燃え尽きた」さすけさんなどを見ても、作者の内面の声、言いかえれば魂がいくらか入っていることは間違いないと思われます。

「作者の魂をシナリオにこめろ!」は、どの創作でも共通して言われていることですし、実際それで成功したシナリオも多い。
では、超実力派である作者が一生懸命魂を入れたこのシナリオに、なぜ不満が出るのでしょう。それは、いくつかシナリオの原則を破っているためなのでしょう。それらについて述べていきます。

まず、このシナリオの最大の問題点は、特色でもある『重さ』と『理屈』と『相対性』にあると思います。これは、ドキュメントとかならともかく、エンターテイメントでは成功させようがないと思うんですよ。構造的にどうしても、

など、致命的欠陥が何重にも絡まりますので、これはもうさすけさんのシナリオの腕の問題ではなく、スタート時点で光なき暗黒平野なのですよ。風船気球でいく太平洋横断の旅状態ですよ。むしろゲームとして面白いことが驚異的なくらいであって。

この議論モノという構成も、作者の「俺の魂を伝えたい」という思いから発したものなのだと思いますが、もし前作で大成功をもたらした方法論が、作者の期待を裏切る結果を招いたのだとしたら、皮肉なことです。
ひょっとしたら作者には、魂を入れた作品の評価がイマイチということで、世界が自分を受け入れなくなったように感じるのかもしれません。でもプレイヤーさすけさんも、以前とはそれほど変わっていないように思われます。
さすけさんの腕も鈍っていない。努力も効いている。
それなのに、評価が下がったのだとしたら、その端的な原因は、

のいずれかではないでしょうか。

 《 ナンセンス♪マハラジャ 》  ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:10

完璧主義者の実力を見よ!

通常のツクール作品には重大な欠点がある。
それはどのゲームをやっても、ツクール付属のキャラチップやマップチップを使っているので、数をやればやるほど「見慣れた感」がでてきて、たとえストーリー性が良くても飽きてしまう。

そういう点ではムーンホイッスルシリーズは別格だ。
キャラチップ、マップチップ、更にはモンスターまで自作である。

ストーリーも前作同様、ノスタルジック感を残しつつ、少年を主人公にひと夏の冒険を体験できる。
前作、「ムーンホイッスル」が好きだった方には、受け入れられない点もあるだろうが、「アナザー」の名の通り、全く別物としてプレイすればやはり名作であった。

考えさせられる台詞
悩む選択肢
そして何より主人公の幼いが故の必死の言葉!

一つ一つをかみ締めて
感動をありがとう!!!

ハマリ度 9
一部、単調になった部分があったので(ネタバレになるので深くは言わない)。
しかし、今回もフリーダンジョン目白押しで、裏ボスもしっかりいますんでハマリますた。

サウンド 10
文句ねぇッス。
シーンごとに的確なBGM。
何より、ノスタルジックさを崩さない。すばらしい。

グラフィック 10
前回同様に全て手製!
此処だけ見ても他作品とはベツモノ!
作業時間も評価したい!

編集後記

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