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■ ミマモロール!

ミマモロール!
作者 [ psycho02 さま ]
ジャンル [ 中編RPG(プレイ時間8~15時間) ]
容量・圧縮形式 [ 338MB・ZIP, ブラウザゲーム ]
製作ツール [ RPGツクールMV ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ RPGアツマールからプレイ可能 ]
配布元 ダウンロード先

(補足)
2020.11.29:現在の最新バージョンは、ver5.03です。

ミマモロール! ミマモロール! ミマモロール! ミマモロール! ミマモロール!

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 9 /10 10/10 9 /10 114/120 A
ブレラまんま 10/10 9 /10 10/10
ヒモリメー1号 10/10 10/10 10/10
赤松弥太郎 9 /10 9 /10 9 /10

 《 ES 》  ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:9

少年たちに向けられるまなざしは暖かい。性的な意味でも、それ以外の意味でも。

本作「ミマモロール!」は、ルールこそスタンダードなRPGですが、内容を深く掘り下げるほどに作者様の「愛」と「(へき)」がゴリゴリに詰まった物語になっています。
主人公の3名、イケメンに付き従うウサギ系シスター、白と黒のゴスロリドレスのコンビ…キュートな登場人物のほとんどが男性である点を最初のジャブとして、本作は我々プレイヤーを「性癖」でタコ殴りにしてくるゲームです。
そして、本作が我々プレイヤーに対して投げかける「衝撃」は性癖面だけではありません。
時に、「ゾンビドール」である主人公が町の皆々に拒絶され…
時に、人の命を救うため、たった一人の家族の心臓を奪う展開になり…
時に、主人公たちの生前の記憶が最大のトラウマおよび脅威となって襲い掛かったり…
「友情と絶望のショタっ子長編探索RPG」という公式ジャンル名に違わぬ逆境を、ストーリーは主人公の3名に投げかけてくるのです。
もちろん、そんな逆境に対しても、時には1クエストを超すと解決イベントが発生し、時には主人公の3名が互いに癒しあったりと、決して「絶望」がストレスとならないように細かいケアを入れています。

本作の「逆境がストレスにならない心配り」は、戦闘や謎解きにも入っています。
基本的に、ザコ戦闘は「相手の弱点に合わせてファイア・アクア・ウインドを3人で連発」で事足ります。序盤から手に入るファイア・アクア・ウインドですが、最終盤でも遜色ない威力になっています。本作では「MPチェイン」という「複数人が同じスキルを使うとMP, HPが回復する」システムが実装されています。そのため、希少で消費も大きい高レアスキルを使うよりも、手に入りやすいスキルを3人全員に装備させる方が攻略しがいがあるのです。
本作のMPは、戦闘が始まるたびに全快する仕様になっています。使いすぎると戦闘後の評価が下がるデメリットもありますが、それもMPチェインの回復で埋められるため、スキルをバンバン使うのが基本の戦法となります。

ただし、流石にボスなどのネームドエネミーに対峙するとなると、「同じスキル連発」では心もとありません。攻撃面では「弱点属性を連発」が通じますが、攻撃一辺倒で行くとまず火力負けします。3名の持つTP消費技でのバフや回復を利用しないと、あっという間に3名ともダウンしてしまいます。
本作は、意図的に回復しづらいバランスにしています。MP使用技の回復は高額・TP消費技の回復はエイダしか覚えない・大抵の回復アイテムは3つまでしか持てない…と、やりくりの難しい仕様になっています。
それに対抗するためには、素のステータスの強化が一番です。メインの友達集めによるステータス強化のほか、本作は様々な強化アイテム・強化イベントが散らばっています。それらを身に着けるためにも、メインストーリー一辺倒ではなく、サブクエストやネームドエネミー探しも重要になるのです。
本作、強化要素のほとんどがイベントに集中しているため、序盤から驚異的なネームドエネミーに挑めますし、勝つことすらできます。そういう意味では、自由度はかなり高い作品です。

謎解きも、基本は「誰を先頭にすれば解ける謎か」をアイコンやセリフで教えてくれます。高所はブレラ・水辺はエイダ・崖を飛び越える場合はルチアと、3人を使った謎解きは最初のダンジョンが良いチュートリアルとなるでしょう。
その分、一部に「誰を先頭にすれば解ける」かを教えてくれない謎解きがあるのが困りもの。実をいうと、私は「絶望の砂漠」の遺跡の謎を解くのに30分ぐらい掛けていました。マミー家の玄関を開けるために「ルチアを先頭にする」必要があると分からず、30分ほど「絶望の砂漠」を「彷徨う機械人形」を探しに歩き回っていました。
※ ver3.02時点の話です。今後のアップデートで修正される可能性あり。

本作は、作者様が繰り出す様々な「可愛さ」「健気さ」を適度なストレスで味わえるRPGです。本作に感銘を受けたプレイヤーは、当サイトだけではなく各種SNSで多数見られます。二次創作まで盛んに取り行われているほどです。
総プレイ時間自体は長めですが、クエストなどの区切りは短めに設定されています。お時間の空いた時に少しずつ進めるのが、作者推奨のプレイスタイルです。どれぐらい推奨されているかというと、「ゲームを終了しても時間がカウントされる放置稼ぎ要素」である「ニコニコワーク」が中盤あたりで利用可能になるほどです。

 《 ブレラまんま 》  ハマリ度:10 グラフィック:9 サウンド:10

ショタゲーの皮を被った良質RPG

スマホゲーが溢れる今日に久々にハマった良いフリーゲームでした。
死者蘇生させた三人の少年達、ゾンビドールを『ミマモ』るRPGです。
NPCの台詞も小児性愛者を匂わせるものがふんだんにあります。
(性的描写は一切ありません)
一見すれば万人に勧め難い性癖を押し出したゲームですが
RPGの基礎根幹が非常に良く作られております。
ショタゲーの皮を被った名作です。

■プレイヤーのストレスを極力排除したシステム
ゲームオーバーなし。全滅ペナルティなし。ファストトラベル有り。宿屋ポイントも複数有り。成長ポイントの振り直し有り。不要な経験値稼ぎ無し。ザコ敵は100%逃げられる。
とにかくRPGをやる上でのストレスが『一切』ありません。
また強敵に敗北した場合は攻略のアドバイスも貰え、何も考えずに遊んでもサクサクとストーリーを進めることができます。
恐らくはRPG初心者にも最後までプレイしてもらおうとする配慮が所々に巡らされています。

■バリエーションに富んだ戦闘システム
バフ、デバフ、状態異常といった通常のRPGのシステムの他、『連携システム』、『自動蘇生システム』、『ともだちポイント』といった独特なシステムが光っています。
連携システムとは同じスキルを使うことでMP回復、HP回復ができるものです。
自動蘇生システムとはパーティーキャラはゾンビのために死亡しても3ターンで復活することができます。
そして今作のテーマでもあるともだちポイントとは友達を作ることで得られるポイントで好きにパラメーターを伸ばすことができます。
某竜ゲーのような経験値稼ぎが一切必要ありません。
ここまで書くとバランス崩壊のヌルゲーとも思われるでしょうがバランスが非常によく出来ておりどれかのシステムに頼るだけでは勝てません。
製作者様は何度もテストプレーを重ねてバランス調整をされたと思われます。

全滅ペナルティがなく且つすぐに再戦できるため全滅前提でサクサクと色々と試すことができます。

■豊潤なやりこみ要素
ゲーム目的自体があちこちにいるNPCとともだちになろうというやりこみ要素ですが
前述した戦闘自体も戦闘後にバトル評価が出てきます。
キャラクターカスタマイズ要素も多数あり、これらを揃えるために不要だと思われるザコ敵でのドロップ集めや金策などが出てきます。
またサブシナリオも豊富であり、マルチEDです。
そしてこれらはストーリーを追うために必要なものではありません。全てがユーザーの取捨選択できる要素となっています。

■感動のストーリー
数奇な運命に翻弄される少年が多くの者と絆を繋いで大人になる。
ショタゲーではありますが、そのテーマは非常に普遍的なものです。
女装少年。男の娘。性別不明者ばかりの住人。これらはゲームを始めるプレイヤーへの『つかみ』のようなもので
世界観自体はかなりシビアなものになっております。
ネタバレは極力慎みますが可愛らしい登場人物は萌えキャラではなくそれぞれが苦悩を抱えて生きております。
中には精神的に病んで猟奇行為を働くものもいます。
彼らが主人公のゾンビドール達と触れ合ってどのように苦悩と決着をつけるか……。
またゾンビドール自体も死活?を分ける選択を迫られ、彼らと触れ合った末にどのような決意をプレイヤーの前に示すかも見所です。
ショタ、猟奇、暗い世界観といった人によっては三重苦の要素もゾンビドールが正しい決断を下したのなら良質な小説を読み終えたような爽やかな結末が待っております。

■セーブデータ互換
このゲームはDLしてプレイすることもアツマールでプレイすることもできます。
そしてダウンロードしたゲームのセーブデータとアツマールでのクラウドセーブデータを互換することが出来ます。
ほんと凄い。その一言。
クラウドセーブデータとの互換なんてキャッシュを弄ったり大変だろうとお思いでしょうがパスワード式です。しかもコピペ管理有り。
フリゲーとは思えぬサービスっぷりです。
これでPCとスマホでもミマモロールを遊べます。
いや、自宅でも出先でもゾンビドール達と会うことができます!

■評価が低い点
戦闘スタイルによってはMP管理が非常に大切になるゲームなのにステータス画面でそれが見られないのが残念でした。
以上。
これくらいしか欠点が浮かばない程、その他は非常によく出来ています。

■総評
ショタゲーにしたのが惜しいくらい個人的には名作です。是非皆さんにプレイして欲しい。
敢えて名作をショタゲーにしたことでプレイヤーの性癖を歪ませるのが製作者の狙いでしょう。
このゲームはEDまでは出来ておりますが、サブイベントなどのやり込み要素はアツマールで現在更新中です。
その更新演出もフリゲとは思えぬ非常に凝ったものとなっております。
絵柄は好みが別れる所でしょうがどのキャラも非常に愛が注がれており演出も昨今のゲームに負けていません。
本当に無料で良いの?と思ってしまうくらいの出来。

辛口レビューなのにいざ筆を奔らせれば自分でも気持ち悪いくらいベタ褒めになってしまいました。
がショタコンではない自分もハマる良質なゲームですし何より無料です。
多くの人にプレイして貰いたいなという思いで一杯ですとお伝えし、私はブレラ君とミルク絞りに出かけてきます。

 《 ヒモリメー1号 》  ハマリ度:10 グラフィック:10 サウンド:10

ごめん、俺…俺も…ショタコンになっちまったよォッ…!

友情絶望ショタっ子長編探索RPG、『ミマモロール!』。
本作の内容は、そのジャンル名に凝縮されていると言っても過言ではない。

ブレラエイダルチアの3人は、町では嫌われ者のゾンビドール。
だからこそ、みんなに認められるためにともだちを沢山つくりたい。
そんな3人の冒険を、プレイヤーがママとなって見守るのがミマモロールのあらすじとなっている。

ジャンル名の絶望が示す通り、ともだち作りは順風満帆とは行かない。
それでも確かに少しずつ、様々な人たちと友情を育んでいく、そんな物語だ。
ただ暗いだけではなく、ただ鬱なだけでなく、ただ残酷なだけではなく、光もあれば優しさもある。
見た目通りのポップでキュートなイベントもあるし、登場人物たちの掛け合いは微笑ましすぎて日常会話シーンですらスクショを撮る手が止まらなかった。
…かと思えば、突然に今までの前提条件が全て覆されたりもする。
そうした生と負の感情のジェットコースターに病みつきになってしまい、先が気になり続ける展開と相まって、夢中でプレイしてしまった。一種の中毒性と言えるかもしれない。
ただし絶望の描写の仕方は多岐に渡り、単なる鬱展開だけではなく、軽めとは言えゴア表現やホラー表現も含まれている
遠回しな性的な表現もやや含むため、苦手な人は気を付けたほうがいいだろう。

バトル面での完成度も高い。着脱できる装備やスキルの種類が多く、カスマタイズ性の高いものとなっている。
主人公たちがゾンビであることを活かした「死亡後に3ターン経過すると自動で復活する」というシステムも、オリジナリティがありながらゲーム性とストーリー性を両立していて非常に興味深いものだった。
難易度に関しては、全滅した際の救済措置やヒントが多く、そのあたりを聞き逃していなければ詰まるということはない程度だろうか。
バトルテンポが良く、ザコ戦からは確実に逃げられる快適仕様となっているため、ストーリーを楽しみたいのにバトル面が辛い…という障害とは無縁である。

一方でそれぞれの専用BGMもある大ボス戦は非常に盛り上がるポイントであり、敵、味方ともに盛大に使われるカットイン付きの技も多い。
総じて、華やかさと優しさを併せ持ちながら、しっかりとRPGをしているという印象だ。

このように様々な点でハイクォリティな本作だが、中でも特筆すべきは「個性があまりにも豊かすぎるキャラクター」たちだろう。

「魔法を巧みに操る、血にまみれた双子のウサ耳メイドデュラハン」なんて存在が、場合によってはチュートリアル終了後に一番最初のボスとして立ちはだかる。

「7つの秘宝を統べる売れないカプ固定過激派のBL同人作家の付喪神」とかがほぼ何の脈絡も出てきたりするし、
「お風呂をエネルギーとして動くツンデレメカ(ゴーレム)っ子」くらいなら突然出てきてももしかしたら常識の範囲内のキャラクターなのではないかと思いそうになってしまう。

既に属性と性癖の暴風雨と化しているが、そこに友情と絶望のショタっ子長編探索RPGというジャンル名がその真価を発揮するわけだ。
当然ながら上記の3人……というか当レビューのここまでのスクショにいる登場人物は全て男性である。

あいつも、こいつも、そいつも。みんな男だ。

登場人物図鑑であるともだち図鑑のプロフィールにも「シスター男子」「ナースはやっぱり男の娘」「受付嬢。だが男だ」と言ったそれまで俺が培ってきた常識を粉微塵に砕くワードが踊っている。
RPGにおいて最強クラスの定番防具である「イージスの盾」という装備の説明文すら「この世界では女神も男」という謎の情報で埋まっている衝撃的な光景を見た時、俺は膝から崩れ落ちた。

そのテの知識に乏しかった俺は、このゲームをプレイし始めた時は「どうして女の子じゃないんだ…?」と思うこともしばしばあった。
それが気付けば、このゲームに存在する極めて貴重な女性キャラが登場した際には逆に「本当に女の子なのか…?」「どうして男の子じゃないんだ…?」と疑念を抱くように環境に適応していた。
いや、いつの間にか適応させられていたのだ。
これが『ミマモロール』か。知らぬ間に変わってしまった自分の首筋を伝う冷たい汗に、背筋を凍らせることしかできなかった。
これが変化なのか進化なのかは分からないが、新しい世界の存在を知ることができたという点は、ミマモロールから受けたもっとも大きな影響だったことは間違いないだろう。
こうした経緯もあり、当レビューでハマリ度の項目には「沼にハマリ度」という意味も込めて5000兆点付けたいというのが本音だったのだが、管理人さんに蹴られそうなので諦めました。
あとグラフィックとサウンドも5000兆点つけたいんでこのページに書いてある俺のスコアは全部5000兆に置換して読んでください。
強いていうなら移動速度アップアイテムの三輪車(四輪ある)に乗った際のBGM変化でシリアスシーンの雰囲気が壊れてしまうことがあるのだけが気になるポイントではあるのでサウンドに関しては4999兆9999憶9999万9999点かもしれません。
まあ使わなきゃいいだけだしポケモンだって自転車に乗ったらBGM変わるしな…。

総評としては、RPGとしての完成度の高さが前提にあり、感情をぐちゃぐちゃにしてくる光と闇のストーリーと魅力的なキャラクター(性癖の暴力)が全体を支え、豪華で的確に使われたBGMがそれらを彩る。
自分にとってミマモロールは非の打ちどころが(三輪車以外には)無く、令和になって素晴らしい怪物と巡り会えてしまったと思わせられた作品だ。
上記の通り人を選ぶ要素はあるものの、自分としてはオール満点以外は考えられず、このようなスコアを付けさせて頂くに至った。
ミマモロールという作品、製作者であるpsycho02さん、そして本作を取り上げてくれたフリーソフト超激辛ゲームレビューさんに、深い感謝を。

ちなみに、本作にはpsycho02さんの過去作品である『ホシワリ×ヨイザナイ』や『きになる』のキャラクターが登場する。
特に前者はメインストーリーにも絡んでいるとも言えるので、本作をプレイして気になったら是非やってみよう(画像右は『ホシワリ×ヨイザナイ』)。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:9 グラフィック:9 サウンド:9

この美しいものを 守りたいだけ

オープニング

 出だしから不穏な空気を醸しだし、飲まれそうになりますが。
 ですが、それ以上に大切な、本作のメインテーマもハッキリと提示しているので、見逃してはいけません。
 「子どもたちを見守る」ということ。それ即ち、子どもたちのすこやかな成長を願うということです。
 子どもたちの成長に必要なものは、何か。
 衣食住すべて事足りて、安心できる場所がある上で、何よりも成長の糧となるもの、それが、

ともだち100人計画
 ともだち、ですよね。

 そりゃあ子どもにだって色々な性質があって、ともだちを作りやすい子、作りにくい子、それぞれいますよ。その間に優劣はありません。
 でもねえ、やっぱり一人だけでたどり着けるところには、限界があるんです。
 いくら人間の心の深さは無限と言っても、ひとりの中を深掘りして出てくるものは、底が知れています。
 多くの人と関わり、時にぶつかり合うことで、人の心は耕され、豊かになっていく。
 それ以上に心の栄養になることって、そうそう無いんですよ。

 数が多ければいいというものじゃない、という反論も、当然あるでしょう。気持ちはとてもよくわかります。
 3人が、意思疎通できないニワトリに「ヤキトリー」だの「ムシドリー」だのと名付け、一方的に友達宣言するのを見ていると、「おいおい大丈夫か」とツッコミを入れたくもなります。
 人口の少ないゴルトオールでともだちを100人作るとなったら、そもそもそういう方法しか無いわけです。
 つまり、きっかけを増やして、ともだちになるハードルを下げるしかない。
 たぶん、それが目的なんですよ。
 ともだち100人というのは、目標ではなく気持ちの問題でしかありません。
 漏らさず話しかけていれば、エンディング前に100人を突破しちゃいますし、それでも物語は続きますからね。

 その目論見通りに、3人はともだちを求めて行動半径を広げ、町の外へと冒険を始めます。
 出会う相手は、誰も彼も難物ばかり。
 きっと、ともだちを増やすという目標がなければ、関わり合いにさえなろうとしなかったのではないでしょうか。
 よく言う「ともだちを選べ」というのも、これまた良し悪しある言葉です。
 子どもの時代、自分の心を広げていく段階では、食わず嫌いを招き、自分を狭めかねません。
 相手に反発されるのは辛いことです。相手に自分を好いてもらいたいと思うのは当然です。
 それでも、自分がともだちだと思っていれば、自分にとっては間違いなくともだちだ、というのも、一端の真実なのです。
 その上で、ともだちだから飲み込もうと思うか、ともだちだからこそ向き合って、言うべきことを言おうと思うか。
 どちらにしろ、「自分にとってはともだち」という土台を踏まえれば、自分にとっての正解は選べるはずでしょう。

 こうして、困難を乗り越えてともだちを増やしていき、孤独だった3人は幸せになる……
 それで終わりにはなりませんよね。
 本作の最終目的は、3人の成長なのですから。
 3人がそれぞれ、自分自身と向き合い、受け容れ、アイデンティティを獲得するまでは、見守らなければなりません。
 そして彼らはゾンビドールです。無念の果てに死んだ子どもたちです。
 彼らのルーツを探れば、薄暗いことや、理不尽なこととどうしても対面するしかないのです。
 ……仮にそれが、何の救いもない非道であったとしてもです。

 プレイヤーは彼らを操作して、ゲームを進めます。
 しかしストーリーでは、プレイヤーが彼らを手助けすることはできません。
 どこまでも、見守ることしかできないのです。
 歯がゆいところもありますけど、でも、そういうものですよね。
 当人の苦しみは、当人が乗り越えるより他にありません。

 では、ともだちに、できることは何も無いのか、というと。
 そうですね、目が届くところにいてくれれば、それだけで救いになるのですよ。
 それが叶わなくとも、心の中に居場所があれば、それだけでもいい。
 自分がどうしようもない奴だと思い知る時が来ても、そんな自分をともだちと思ってくれる人がいるなら、それだけで人は立ち上がれるものです。
 ……もっとも、そこまで踏み込める、深い想いを抱ける相手というのは、そう多くはいないものですが。絶対に100人はいない。
 それでも、出会いの機会を広く持たないと、そういう人とも出会えないじゃないですか。

 ひとまずエンディングまで完成ということでイチオシとなりましたが、今後も数回のアップデートが予定されており、それをもって完結となるようです。
 延々とアップデートを続けて引き延ばされるより、先の見通しを示してくれるのは精神的に楽ですね。
 早速公開された後日談第一弾も、納得のいく物語でしたし、今後の展開はとても楽しみです。
 ゲームとしては、今さらどうしようも無い点もあるとは思いますが、評点で出していきます。すべてダウンロード版の評価です。

ハマリ度 : 9 / 10
 回復スキル装備を縛ったバトルがとても楽しい、面白い。メイン火力かつ紙装甲のエイダしか回復スキルが無いので、3チェーンボーナスによる回復で押し切るか、隙を突かれるリスクを負っても回復するか、という緊迫感ある駆け引きができる。属性防御がそうそう固められないのも好感触。リスクの取捨選択に頭を悩ませる。
 「カメラ」の扱いについて。
 オープニングではプレイヤーの依代、視点人物としての役割が強調されているが、実際はプレイヤーの意図とは関係なく勝手に動くキャラ。「カメラ」というキャラクターの背景があり、行動動機があると明かされるのは最終盤である。
 今後のアップデート次第ではまた扱いが変わるかも知れないが、少なくともエンディング時点でプレイヤーが同化できる存在ではない。その時点でエンディングの流れをやっても、「プレイヤーとして物語に介入した」という実感は薄い。「また仕込みがあるのではないか」と身構えてしまう。
グラフィック : 9 / 10
 画面暗転化バグがついに解消、ダウンロード版もオススメできるようになった。
 一方、育成画面の背景が表示されたりされなかったりするのは現在も変わらず、バグなのか仕様なのか判断しかねるところ。マップによっては時々見づらいことがある。
 切れ味鋭い線が持ち味の画風だが、ニコニコワークの色鉛筆風の絵もかわいい。水彩風の塗りも売りの画風だが、ドット絵の塗りもマットなので、他の素材と並べるとやや主張が強いか。
サウンド : 9 / 10
 音楽の使い方が安定している。チュートリアルの時点でメインテーマを提示し、イベントが一段落する度にそこに戻ってくることで、安心感が生まれる。
 セーブの度にSofTalkによるタイトルコールが流れる点は好き嫌いが分かれるところ。ボクはSofTalkは特に嫌いではないものの、それでも耳に触るから、嫌いな人にとっては辛いところだろう。

 作者さんが男の娘大好きなのは、余すところなく伝わってきますし、素晴らしいものだと思います。
 ただ、ここまで24時間年中無休でおちんちんランドが開園していると、なんだか性別とか些細な問題すぎて関係なくなってくるのは、良し悪しではないかと。
 一面の花畑で受ける感銘もありますが、野に凜として咲く一輪の花の方が、花そのものは際立つ、と言いますか。
 文脈から考えて、返す返すも、ブリジットは偉大でしたが……それは牛帝さんの言う「ラーメン屋のスープの味のブレ」でしかないのか……?

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