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■ 即売会(せかい)はおれでまわってる

タイトル
作者 [ 犬と猫 さま ]
ジャンル [ 同人即売会体験シミュレーションゲーム ]
容量・圧縮形式 [ 52MB・ZIP ]
製作ツール [ NScripter ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

(補足)
参考リンク:同人王
2011.01.09:現在の最新バージョンはver1.02です。パッチは公式HPから直接ダウンロードしてください。Vectorにあるバージョンは1.00です。

写真撮影 書籍編集 即売会 呼び込み 完売御礼 目標クリア

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 9 /10 8 /10 8 /10 73/90 B
爆発ネズミ 7 /10 9 /10 8 /10
赤松弥太郎 8 /10 8 /10 8 /10

 《 ES 》  ハマリ度:9 グラフィック:8 サウンド:8

…実際の即売会において、「写真集」の割合ってどれくらいなのでしょう?
写真撮ってる人はよくいるけど。

私ことES、今回の「即売会はおれでまわってる」だけは、きっちりストーリークリア(コミック市場1000部売り上げ)までやり込みました。
やはり、当サイトでもA評価を取得した「レミュオールの錬金術師」の系譜を受け継ぐ当作品、確かにハマれる作品であることは確かです。
しかし、DSにも移植された「レミュ金」に比べると、どうしても評価が落ちてしまうとも感じました。今までよりもマニアックな「同人即売会」と言う舞台を取った以上、止むを得ない部分もあります。また、これ以上の手を掛けると、今の状態ではシェアで売り出さざるを得ないと言う面もあります。
昨今の「自分で作った作品を、無料で配布してくれる」風潮が衰退している影響が、こんなところに出てきていると言う事を、嫌でも感じざるを得ません。

■ 今回、商品の進化はありません。

「レミュ金」では、皆様ご存知の通り、商品の売り上げが一定数に達すると「錬金」で新たな商品を作り出せます。それは、「オッ、あの商品からこんな物ができるなんて!」と言うセンス・オブ・ワンダーを刺激するモノでした。
このように、新しい商品を作り出す仕組みは、シェア作品「海洋レストラン☆海猫亭」「ハーヴェストグリーン」「王国商店街」にも、形を微妙に変えて受け継がれています。
しかし、「せかおれ」の商品は、あらかじめ取得した写真のステータスを足し算する方式。しかも、一定数売れるたびに、どんどん需要は下がり、最終的には完全消去せざるを得ません。
商品の素となる「写真」は、カメラで撮影するか、商店から手に入れるか…どちらにしろ、ランダムに頼る以外にありません。

序盤は、とにかく手持ちを増やすこと(特に種類)が重要です。他のレビュワーの皆様もオススメしていることですが、初期ボーナスのオススメは「金」を選択して、「木のカメラ」を購入することです。
これだけでシャッターチャンスが倍になり、ダブルアップチャンスの確率も若干上昇するため、写真の充実度が段違いに上昇します。
中盤になり、ページ数が要求されるようになると、同じ種類の写真を何枚も集める必要があります。それまでに、1回のシャッターチャンスで複数枚の写真が取れる「大自然カメラ」などを購入しておきましょう。

■ 今回、全てのコマンドが最初から選択できます。

「レミュ金」など、大多数の「犬と猫」のシミュレーションでは、仕入れ・販売のループ→錬金などによる商品の進化→定番商品化して自動納入できるように…など、多彩なシステムを段階的に導入しておく方式をとっています。
対して、「せかおれ」では、写真撮影・購入・出店・呼び込み・合成などの全システムが最初から実行できます。その有効性も考えずに。
写真撮影・購入・出店は、「資金」と言う壁が事実上存在しているため、あまり無茶な導入はできないようになっています。しかし、体力を使う呼び込みと合成は、何の制限も無く利用できます。
はっきり言いましょう。呼び込みと合成は、序盤では全く使えません。

「呼び込み」の効果は、店頭に並んでいる顧客の購買意欲をUPさせるものです。終盤で使えば、多数の顧客が大人買いをしてくれるため、攻略に欠かせなくなります。しかし、2~3人しか並ばず、大人買いは期待できない序盤の「ローカルマーケット」では、呼び込みは単なる体力の無駄づかいにしか過ぎません。
「合成」も、その効果が生きてくるのは、体力も写真も充実してくる中盤以降です。合成後の写真はパターンがあるため、上手く使えば、在庫の少ない写真を無料で増やすことができます。また、一定確率で合成前の写真にスキルが追加されるため、より高価値な冊子を作り出すことができます。
しかし、それはあくまで充分な写真と体力をすでに持っている場合に限ります。序盤の内は、撮った写真はそのまま印刷所に回して、在庫の充実を図るべきです。

■ 今回、「ビジュアルの少なさ」が妙に気になります。

私はグラフィックに満点をつけた「レミュ金」ですが、実は、キャラ絵の出てくる部分は結構小さいです。主には会話ウィンドウの左下の顔グラと、その上のチビキャラだけです。たまに少々大きめ(それでも縦半分程度)のイベント絵が出てくる程度です。「レミュ金」の場合は、それでも気になりませんでした。
しかし、「せかおれ」では、このグラフィックの無さに私個人はネックを感じました。何と言っても、商品が「絵」であるはずの「せかおれ」で、肝心の商品の様子が文字とABC評価でしか判明せず、絵的なイメージが何一つ掴めないのです。
一応、どんな風に撮り、どんな需要があるのかは、シバが説明してくれるのですが、せっかくキャラ人気も高い「はれくも」シリーズなのですから、具体的なグラフィックで見たいと言う需要もあるはずです。
最も、これを実現してしまうと、確実にシェアにせざるを得ないので、とても難しいところです。

もちろん、これらの部分は、あくまで今までの「はれくも」経営シミュレーションとの相違点。共通点だけ取ってみれば、今回の「せかおれ」も確かに傑作と言える作品です。
序盤こそ少々辛い面もありますが、資金と写真も集まってくれば、マーケットの需要に合わせて様々な商品展開が可能になっています。
短いステートメントでプレイできる・コンプリートすべき(したいと思わせる)要素が複数揃っている・キャラの魅力など、「はれくも」シリーズ共通の長所は、この「せかおれ」にも十二分に含まれています。
今までの「はれくも」シリーズに触れていない方は、入門編として「せかおれ」から入るのもオススメです。

私個人としては、「せかおれ」はシェアにしてでもグラフィックを充実させれば、意外と化ける作品だと思っています。
真に女性向けとなるフィルの写真や、ドM向けのティコ姐も撮影対象にできれば、より幅の広い商品展開ができると思います。
あと、具体的な「無防備写真」のグラフィックを、是h(バキューン)

 《 爆発ネズミ 》  ハマリ度:7 グラフィック:9 サウンド:8

オレはきっと、(写真集を売って)同人王になるために生まれたのだ!

富、名声、力。
かつてこの即売会の全てを手に入れた同人作家、"同人王・根元タケオ "
彼の帰宅際に放った一言は全世界の人々を即売会へと駆り立てた。

「俺の同人か?欲しけりゃ売ってやる。
 買え!この即売会の全てをここで売ってきた!」

世はまさに大同人時代!!

■あらすぢ!

即売会。そこは如何なる不況の中でも大きく金が動く場所。店と客との駆け引きが行われるフロンティア。
今ここに、その即売会で一獲千金を狙わんとする男が居た!
男の名は、商人「シバ=アーガイマ」。
超イケメンで、ホストとかやってそうなオニーサンだ!
彼は自身の武器である「カメラ」を用いて同人王となるべく即売会に参加し始めるのだった…

■さあ、同人王への第一歩。写真集作りだ!

モデルも見つけたし(シオちゃん)、写真も用意した!
初写真集の名前は熱い麻雀漫画が好きだから、「ジュンイチロー」にしよう!
いや、それだと意味が分からないから「シオの価値あり写真集」にしよう!ぜひ稼いでいきたい!

おっかしいなぁ…売り上げが全然増えん…

そうか!需要が無ければダメなんだ!
男性が客の所では男性が喜びそうな写真集、女性が客の所では女性が喜びそうな写真集を売ればいい!
即ち、写真集を出すにあたって最も重要な事は客層の合ったものを用意する事である!

■ええい、もっといい写真は撮れんのか!

シバが初めから持っているカメラ。ポンコツである。
とにかく初めはなんとしてでもカメラを買い替えよう! スタートボーナスとしてを貰いカメラを買うとラクだぞ!

しかし、良い写真を撮るのはなかなか難しい。
たまにはPhotoShop…じゃなかった。『合成』に頼るのも良いかも知れないな!

■在庫が…減らない!?

「需要とか言うのおせーよ、もう50部も印刷しちまったじゃねえかよ!」。
そんな人は『呼び込み』を使おう!
イケメン主人公のおかげで客はどんどん金を落としてくれるぞ!
え?「体力が無い」?「呼び込みしても買ってくれねーよ」?知らんな。

■必要な分は語ったということだ。これ以上は語らぬ。

さあ、君もこんな便所のクソにも匹敵しないくらいのレビューなんて読んでないで
今すぐ「即売会はおれでまわってる」をプレイして、同人王になろう!

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:8 グラフィック:8 サウンド:8

その欲望を解き放て !

◆同人王を目指す人にありがちなこと

王国クリエーション  オレは同人王になるために生まれたのだ !
 さあ同人王への第一歩、王クリ参戦だ ! ……って高ぇ !!
 最初はやっぱりローカルマーケットから始めるしかないか……
 やっぱ金なのかね……ムカつくぜこん畜生……
素材決定  できた ! やっと原稿完成だ !
 まあ見てくれよ。傑作になったぜ。
部数決定  まずは50部ってとこかな。10部って、少なすぎるでしょ。
 いや、でももし売り切れたら来てくれた人に悪いよな……よし、70部にしよう !
 もしもし ? 印刷屋さん ? すいません、50部じゃなくて70部……いや、100部刷ってください !
 332£ ? 構いませんよ ! どうせ全部はけるんですから !
売り上げ結果  ただいまをもちまして販売時間を終了いたします
完全処分  これじゃ中堅すら無理だ……
 死のう……この世から俺の写真を全て消して……

◆あきらめないで ! N先生のアドバイスを聞いて下さい

初期ボーナス決定

 第一回、N先生せかおれ講座~~~~ !!
 同人で一番大変なのは、売れるようになるまでの時期です。
 売れるようになれば、売れば売るほど有名になって、もっと売れる、いい循環に入ることができます。
 スタートダッシュのためにも、最初のボーナスが重要なんだけど……

 敢えて言います。多少の才能は、簡単に覆ります。
 それよりも、機材を整えることが優先ね……そんなポンコツカメラじゃダメよ、いいネタが集まらないでしょ ?
 まずはお金を使って、木のカメラを買いましょう。
 ついでに倉庫も広げておくといいかな。今は10部分くらいでいいと思うけど。

素材決定  写真集の素材選びだけど、無理に全部のステータスをプラスにする必要はないわ。
 でも、下の3つのステータスだけはマイナスにしないこと。
需要 : 売れ筋以外は売れない、それが同人の世界……同人王を目指すのなら、ペリーヌはないわ。
値段 : どれだけ沢山売っても、薄利多売じゃ次につながらないわ。
流行 : 人気サークルになるには「ずっと流行に乗り続けること」が生命線なのよ。
 他のステータスは、あとで鍛えればいい。
 でもこの3つのステータスは、売り上げに直結するところだから、まず最初にレベルアップしておきたいの。
写真集発行  今回はネタも売れ筋だし、シバさんの商才があれば50部くらいは売れるわね……
 あと、印刷にはできるだけお金をかけること。中身が多少しょぼくても、見た目が良ければ売れるのがこの業界の常識よ。
 一気に50部、オンデマンドで印刷しちゃいましょう。
売り上げ結果  あとは「レミュオールの奇跡」に持ち込めば……ほら、もう損益分岐点は越えたわ。
 ここまで来れば、残りはローカルマーケットで捌ききれるはずよ。
次の写真集  残り10部を切ると売れにくくなってくるから、次の写真集を用意して……
 あとは繰り返しよ。ね、簡単でしょう ?
 壁サークルになるのはね、宝くじを当てるのや野球選手になるのに比べたら、ずっと簡単なんだよ ?
 このゲームの中では、何年かけても歳を取らないから、気軽にじっくり楽しもうよ !

 おほん ! この作品について、今からボクが評価してあげます ! ……なんちて。評点。

ハマリ度 : 8 / 10
 手軽にはじめてドップリハマる、晴れ曇シリーズのエッセンスをシンプルにまとめた作品。
 その分、捨ててしまっているものは多い。ストーリーはオープニングとエンディング以外一切無しというあたりに、シバなどに専用ストーリーを割けないという大人の事情がわかるだろう。
 価格が販売部数に影響しないという仕様は非直感的で、そのために装丁の方が内容よりも売り上げに影響するという、切なさを感じる仕様になってしまっているが、そこはゲームとして割り切って遊ぶことが重要。
グラフィック : 8 / 10
 安心・安定の小夏クオリティ。目障りにならず実用的で、センスを感じさせる。
 しかしシバ自身感情が表に出ないタイプでもあり、今まで以上に表情に硬さが目立つ。キャラ萌えにはやはり向かない作品だろう。  
サウンド : 8 / 10
 新録2曲 + 旧作からの再録6曲の構成。
 いずれの曲も質は高いのだが、いかんせんシチュエーション毎のBGMとして作成されたものであり、長時間ループで流し続けるのにはあまり向いていない。聞き飽きないという点ではレミュ金のBGM群に軍配が上がると思う。
 同人の世界とはまた違う、フリーならではのキビしさってものもありますよね、きっと……。

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