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■ 百年王国

百年王国
作者 [ のんちゃ さま ]
ジャンル [ 文明育成シミュレーション ]
容量・圧縮形式 [ 77MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールVX ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ ブラウザ上でもプレイ可能 ]
配布元 ダウンロード先

(補足)
2018.04.09:現在の最新バージョンは1.10。ハードモードと高速化が追加されました。

百年王国 百年王国 百年王国

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 9 /10 7 /10 8 /10 49/60 B
赤松弥太郎 8 /10 9 /10 8 /10

 《 ES 》  ハマリ度:9 グラフィック:7 サウンド:8

文明は一周にしてならず

「百年王国」、それは30分で完了するミニマルなシミュレーションです。しかし、初回30分だけのプレイでも、あなたは様々な発見をすることでしょう。
ある時突然表示される「遺跡」。100年に迫るたびに変化する女神との会話。そして、クリア時に表示される「女神のレベルアップ」。OPに戻った時に初めて解放される「アリアンロッド以外の女神」。
そう、本作は「長くプレイする」に対応した要素も数多くあります。周回を繰り返すたびに女神はレベルアップし、より高度な文明を作りやすくなります。しかし、あくまで作り「やすく」する程度。
実際に高度な文明を作れるようにするには、あなた自身の手で「遺跡を建設できる条件」「遺跡の効果を最大限発揮できる土地活用」「食料・生産・文明を見て、どれに注力すべきか常に気を付ける」「場合によっては土地を1から作り直すことも」…などなど、考えなければならない点は数多くあります。

それを考えると、建築計画はシミュレーションというより「パズル」と化します。本作におけるランダム要素は「開拓」による土地発見のみ。しかも、どの土地が出やすいかは、開拓先によって大体決まっています。
ただ、この唯一のランダム要素は「土地」は、本作で最重要となるパラメータ。開拓先によっては「鉱山」や「集落」など、初めから施設のついた土地が手に入る場合もあります。本来ならば新たに建築する時間が節約できるお助け要素なのですが、食料が欲しい状況で「鉱山」や「集落」が出ても、微妙に嬉しくないのが困りもの。
しかし、そんな場合でも解決策はあります。「鉱山」を食料と生産が同時に手に入る「工房」に改造すればいいのです。これを成し遂げるのが「研究」メニュー。序盤は、ある程度食料と生産が毎年手に入る状況になったら、研究にコストを注ぎ込んだ方がいいでしょう。土地の改良は、土地1個見つけ出すよりも遥かに高いコストパフォーマンスで毎年の収入量を増やせるのです。
研究自体にも毎年の収入がプラスになる効果があるため、初期のうちは建設よりもコストの低い研究にコストを注ぎ込むのがおススメです。ただし、ある程度研究を進めると急にコストが高くなるため、土地の成長と新しい土地の発見とのコストを見比べて判断しましょう。

中盤になると、なかなか増えない土地と、次の開拓・次の研究を行えるコストを溜めるまで「次の年へ」…もしくはコスト0の「辺境の土地」の開拓を繰り返す作業にヤキモキするでしょう。開拓で土地が増えるのは最初の一回のみ(推定)。土地にカウントされない「果樹園」や「宝石箱」などの効果は毎年の収入にはなりません。開拓のコストを考えるとどうしても赤字になります。
このダレる部分を、何を楽しみにして耐えるかが、本作を楽しめるかどうかの分かれ道です。

そして、この頃になると、「遺跡」という最高レベルの施設を作り出す段階に入ります。遺跡は、「特定の土地を複数個所持する」などの条件で発生するもの。その効果も「同じ土地を揃えると効果アップ」「土地の数で効果アップ」など様々ですが、いずれも破格なものばかり。
遺跡を建設できる条件は、現在は公式HPの攻略である程度まで教えてくれます。一番楽な「特定の土地を2つ所持」系の遺跡を作っておけば、生産系遺跡や集落の育成がより楽になるでしょう。

意外と馬鹿にならないのが、クリア後の「女神のレベルアップ」。低レベルの段階でも「毎年の収入ちょっぴりアップ」という、結構な下駄履きになる効果がありますが、レベルを稼ぐほどその下駄は高く、また多彩になります。
そのためにも、本作の育成は「お気に入りの女神一本でいく」がおススメです。女神によって育成しやすい箇所が異なるため、女神の乗り換えは「別のスタイルで育成したい」と思ったときにしておきましょう。

本作は、ストーリーもキャラクター性も薄味で、愛着が沸くのに時間と個性が必要になるゲームです。
しかし、1周30分というプレイ時間は、愛着が沸く方であっても、「合わないな」と思う方であっても、プレイヤーに「このゲームが何であるか」をしっかりと教えてくれます。
とりあえず、1周30分はプレイしてください。その30分のプレイの中で、きっと「次はこうしたい!」が見えてくるはずです。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:8

温かく慈悲深き母の胸に抱かれて 今真実の叫びを

 「死と滅びの世界」Sランク獲得目指して攻略していきます。
 もちろんネタバレしまくるので注意。

◆まずは基礎知識

「死と滅びの世界」の出現条件
 Ver.1.10で追加された新世界です。出現条件は、初期の3世界すべてをAランクでクリアすること。
 どの巫女でクリアしても問題ありませんが、「死と滅びの世界」でSランククリアするためにはレベル上げが必要になるので、最初からパートナーは1人に決めた方がいいでしょう。
 「3世界って?」「神託の巫女ってどうすれば変えられるの?」という方は、まず一回最後までクリアしましょう。
「死と滅びの世界」の特徴
  1.  開拓して得られる土地が、「死の地」「廃屋」の2種類しかありません。
     「死の地」は食料と生産の収入-10で建築不可、解体するより他にありません。
     「廃屋」は村に発展させることができますが、放っておくと文明の収入-1がつきます。
     本作は収入がマイナスにはならない仕様なので、蓄えた資源が減る心配はありませんが、放っておいてもジリ貧です。
     開発するのに1ターン余分にかかるのは、本作ではとても大きなペナルティと言えます。
  2.  先述の通り、島や山、密林といった、強力な固有遺産を建築できる土地が登場しません。
     強力な遺産が使えない点に加え、建築できる遺産の種類が減ることも、Sランク獲得の大きな壁になります。
  3.  どの世界でも定番の、ノーコストで開拓できる土地が存在しません。最低でも食料・生産10ずつ消費します。
     なので「次の年」コマンドを選ぶ機会が増え、スクルドの出番かと思いきや、そうでもない。後ほど説明します。
  4.  反面、開拓に文明を必要とする土地がありません。食料と生産、常に同量必要になります。
     遺産の種類が少ないこととあわせて、文明稼ぎをおろそかにしがちですが、ランクには重要なので、手は抜けません。
  5.  Ver.1.10時点では、開拓時に表示される土地特性とは逆の種類の土地が手に入る仕様があります。
     この仕様がなければ、Sランククリアはまず不可能だったことでしょう。修正されないことを切に願うのですが、ダメですか?
  6.  巫女たちが後ろ向きなことばかり言います。つっついても改善しない人がちらほら。
  7.  稼いだ文明による背景の変化が起こりません。現時点でのランクがわかりにくくなっています。
     ただしVer.1.10時点では、イベント画面で普通に背景変化が起きます。

◆Sランクの条件

  1.  100年の収入累計で、食料と生産が60000、文明6000に達すること(推測)
  2.  遺産を11種類以上建築すること

 両方を満たす必要があります。

 お察しの通り、2つ目の条件がとても厳しいです。
 遺産は、強力なブースト効果を持つものが多い一方、単独収入を上げられるものはほとんどありません。
 そして土地の数がカツカツです。初期の土地1つ + イベントで手に入る土地1つ + 10個の開拓地から1つずつ、と全部合計しても、12個にしかなりません。
 (開拓地から2つ以上の土地が確保できるケースは、研究不足で条件がわかりませんでした。ランダムな気もするし、そうでない気もします。)
 100年目ギリギリまで通常の土地として運用し、ギリギリになってから遺産を建築する、土地運用テクニックが必要です。

◆3世界でAランクを取るための基本戦略

このゲームは生産ゲー。文明をブーストするにも、タージマハルを建築するにも生産が必要。
→アレクサンドリア図書館をできるだけ早く建築したい。
→アレクサンドリア図書館建築のためには食料の研究を進める必要がある。生産に先行して食料稼ぎが必要。
→土地が限られている序盤、まずはチチェン・イツァ建築を目指して食料増産しよう。チチェン・イツァが建築できたら農地を工業用地に転換する。

 ここに書いたことが理解できる程度にやり込んでいるなら、初期3世界どこでもAランクは余裕で獲得できるでしょう。
 どの世界でも、どの巫女でも、この基本戦略は変わりません。
 ……と書いたけど、アマテラスだけは別なんだよな。

◆巫女短評

 すべての巫女について、ざっくりと特徴を書いていきます。
 ただし、先に書いたとおり、ボクは早々にパートナーを固定してしまったため、他の巫女に対するヤリコミがまったく足りません。
 愛のない記述になってしまっていたら、どうかご寛恕ください。

アリアンロッド

白銀の車輪 アリアンロッド

 出自はウェールズ神話。かんむり座の守護神で、月の女神とも呼ばれます。
 処女厨の叔父マスと弟グウィディオンの抗争に巻き込まれ、成り行きで弟の息子を孕まされた上、その後も弟に騙され続けるという、不憫の固まりみたいな神様です。
 本作ではつっつくと「ちょっと嬉しいかも」なんて緩んだことを言ってますが、大丈夫か?

 本作では初期巫女の座を確保したとはいえ、不憫属性は相変わらずです。
 神託の恩恵である、食料・生産の収入プラスは、それぞれの出力が低く、成長も鈍い。中途半端と言わざるを得ません。
 固有遺産はウェストミンスター寺院。本人は「とても強力」と主張しますが、ビミョーの一語に尽きます。
 弱くはないんですが、「ブーストするほど工場建てないんじゃね?」「普通にタージマハル建築するんじゃね?」という想いがぬぐえません。
 相当レベルを上げないと、「死と滅びの世界」のSランククリアは難しそうです。

スクルド

運命の使者 スクルド

 出自はスカンジナビア神話。巨人族出身の運命の女神ノルニル3姉妹の末妹で未来を司り、予言を行います。ラグナロクを予言したのもこの神様。
 一方でヴァルキリーにも同名の女神がいるのですが、同一神かどうかはよくわかっていません。
 いずれにしても確定しているのは、女神としては大変珍しい処女だということです。未来永劫確定しているので、処女厨の方は枕を高くしてお休みください。
 つっつくと初々しい反応をしてくれますが……世界が滅ぶまで処女ってのも、不憫ではないのかね?

 神託の恩恵は、「次の年へ」を選択した時のみ収入がプラスされる、という珍しいものです。プレイ感が最も他の巫女と異なります。
 3年寝太郎のダメ主人を増やす特性なのですが、残念ながら「死と滅びの世界」との相性は最悪と言うしかありません。
 先述の通り、ともかく「死と滅びの世界」は手が掛かる世界です。ましてSランクでは、休む暇なく建築と建設に明け暮れなくてはなりません。
 「次の年へ」を選んだ時点で、詰みと考えていいでしょう。「次の年へ」を選ばないように、細心の注意を払って収入を管理する必要があります。
 固有遺産であるケルン大聖堂は……ハッキリ言いましょう。使えない。
 レベルを上げてもほとんど力になりません。「死と滅びの世界」Sランク獲得は、無理なんじゃないかな?
 成功した方はやり方を教えてください……。

イナンナ

豊穣の守護者 イナンナ

 出自はシュメール神話。後のアッカドでイシュタルと呼ばれ、アスタルテ、アフロディテ、ビーナスに至った、金星と豊穣、セックスの女神です。
 大気の神エンリルと並び、王家の守護神扱いを受けていますが、元々はローマのビーナス同様、王都ウルク周辺の土着信仰だったようです。
 彼女に酒を飲ませて誘惑した、水と知恵の神エンキとの一悶着は、エンキの守護都市エリドゥとの政治的抗争を暗示しているとも言います。
 戦の神としての激しさも持っています。本作でも言及されている冥府下りについても、姉エレシュキガルが治める冥界を征服するためだったとか。
 また、彼女は性交を介した宗教儀礼、いわゆる神殿売春の開始者でもあります。第一の夫牧神ドゥムジの他、多数の愛人と関係を持ちました。
 うーむ、だいぶ本作での姿とは異なるような? あんなカワイイわん子が、血みどろの抗争に明け暮れてるんだなあ。

 神託の恩恵は食糧増産。序盤でのやりくりに寄与します。
 他の巫女もそうなんですが、神託の恩恵はあくまで序盤用でしかありません。そう考えると、序盤上げなくてはいけない食料をブーストしてくれるのは、とても助かります。
 この巫女の問題点は、固有遺産のダマスカスがケルン大聖堂同様、まるで使えない部類に入ることです。
 もっと使いやすい遺産だったらなあ。

ガイア

大地の創造者 ガイア

 出自はギリシア神話。カオスの中から最初に産まれた神の中の1柱で、大地の女神です。ギリシア文明以前の土着信仰にルーツがあると言われています。
 自ら作りだした天空神ウラノスと結婚、多数の神々と多数のバケモノを生み出したグレートマザーです。テュポーン先生もサイクロプスも彼女の子供たちです。
 ウラノスが臭いものには蓋的に、かわいいテュポーンやギガースを冥界に追いやると、怒ったガイアは息子たちをけしかけて戦争を起こし、ついには自分の寝床にいた旦那のパイプカットを、息子にやらせます。
 父の轍は踏むまいと、息子を丸呑みするクロノス。その時難を逃れたゼウスを匿ったのも、ガイア。孫たちにサイクロプスたちの力を与え、息子クロノスを冥界に追放するよう仕向けたのも、ガイア。
 敵に回すととことんおっかない、肝っ玉母ちゃんなのです。「包容力がある」なんてもんじゃない。彼女の血筋だから、ギリシアの女神はあんなにたくましいのですね。

 初期の土地の数を増やすという、これまた個性的な特性を持っています。
 これはもう、レベル上げによる推移を調べるしかないじゃありませんか。

レベル1農場
レベル2放牧地
レベル3大規模農場
レベル4風車
レベル5果樹園
レベル6水車
レベル7葡萄園
レベル8放牧地 + 大規模農場
レベル9風車 + 果樹園

 この法則に従えば、おそらくレベル10では水車 + 葡萄園になると思われます。微妙に嬉しくない。
 レベルが高い方が使いやすいということも無く、当たり外れが大きいのですが、なんたってレベル9の強さは尋常ではありません。
 かなり序盤の内に、チチェン・イツァやアレクサンドリア図書感が展開できる強みがあり、他の巫女たちとは差別化されます。
 問題は、レベル9まで上げるのがつらい点。
 固有遺産のアテネ神殿、それ自体は弱くないんですが、戦略と噛み合いません。「ペトラでいいんじゃね?」となります。

アマテラス

太陽の巫女 アマテラス

 出自はご存知、日本神話ですね。太陽神であり、天皇家の直系の先祖です。
 最高神に位置づけられている彼女ですが、弟スサノオの乱暴に振り回され、とうとう引きこもってしまった不憫な神様です。
 その引きこもりの対処法もアレだし。そりゃあ、扉の前でストリップショーが始まったら、さすがに一言文句も言いたくなりますよ!
 本作では犬耳、正確には狼の耳が付いてますが、間違いなくとあるゲームの影響であり、原典にはそんな記述はありません。

 最強の呼び声高い、実際最強の女神です。
 神託の恩恵は、まあいい。生産ブーストは序盤の微々たる差にしかなりませんから。
 最大の問題は、固有遺産です。なんですか白鷺城って。普通にサギでしょ。
 最強遺産であり、それ前提のゲームになっているタージマハルと同等の効果が、あの燃費で、序盤から使えるのは、まったく間違ってますよ。
 白鷺城とタージマハルを建てれば、ほとんど考えなくAランクは確実です。「死と滅びの世界」Sランク獲得も、十分可能でしょう。

◆実践・「死と滅びの世界」Sランク

 アマテラスを使え。以上。

 ……とは、多分ならないでしょう。
 ガイアのレベル9で達成したボクの経験を元に、注意すべき点を書いてみます。
 たぶんSランク獲得がもっとも容易なのは、レベル上げの手間を無視すれば彼女だと思います。

遺産の建て方
 島も山も密林もないこの世界では、汎用遺産11種類 + 巫女固有遺産1種類をやりくりするしかありません。
 対するSランクの条件は、遺産11種類。本当にギリギリなのです。
 農業遺産は、同じ種類の土地を2つ揃えないと建設できないためターン効率が悪いです。ファロス灯台かシェーンブルン宮殿、どちらかを捨てましょう。
 ただし、それでも、どちらかは建設しなければなりません。
 限られた土地のやりくりも面倒です。文明収入を考えると、城に遺産を建設するのは最後の最後、後回しにするべきなのは自明です。
 しかし、はたしていつ、錬金術工房をノイシュヴァンシュタイン城に切り替えるのか? 生産収入はクリアに必要なだけ稼げたのか?
 考えるほど、読みが難しくなります。
ターンの使い方
 1ターンだって余裕がありません。これも本当にギリギリです。
 ガイアの場合、初期土地の+2があるせいなのか、同じ開拓地から2つ以上土地が産出することは、まずありません。
 そうなると、入手できる土地は(仕様のおかげで)廃墟7、死の地3。建築予定の村系遺産は5個なので、2つの廃墟は解体する必要があります。
 そして、遺産のやりくりもターンを圧迫します。
 本作は解体に資源は使用しないものの、解体に1ターン必要なので、無計画に建築すると、どんどんターン数がかさんでいきます。

 ただし、それでも、上述の基本戦略から大きくジャンプするような、そんな戦略はありません。
 「死と滅びの世界」Sランクも、結局は基本戦略の徹底で到達するしかないのです。
 どうか、絶望に顔を曇らせる彼女たちも笑顔になれるような、作ったことを誇れるような素晴らしい文明を、冥府に築き上げてください。
 ……まあ、特にイベントとか無いんですけどね。評点。

ハマリ度 : 8 / 10
 まず、公称プレイ時間は15分~30分となっているが、高速化をONにしても1ターン9秒はキツすぎる。30分~1時間と考えた方が無難。
 シンプルなルールの割には、長く楽しめる。行動の選択肢が見た目以上に多く、攻略パターンを探す楽しみを十分に味わえた。
 遺産探しはやや手探り感が強いものの、巫女がヒントを出してくれるし、公式サイトでおおよそ察することができるので大きな問題は無い。ゲーム中の建築図鑑等でヒントを出せば、もう少し牽引力が増すかもしれない。
 しかし、今回のようなやり込みを目指す場合は、やや物足りない。レベルが上がりきる前にパターンが固まり、それを繰り返す作業になってしまう。獲得できる経験値も等比級数的に上昇するRPGとは違うのだから、必要経験値の上昇はもっと抑えて良かったのではないか。
 アマテラスの露骨な優遇には首をかしげる。他の女神にも、もっと尖った個性をつけなければ釣り合いが取れないと感じる。
グラフィック : 9 / 10
 UIとしてのまとまりが最大の評価ポイント。クォータービューで切り取られたアイコンには一貫性があると同時に、次はどう発展するのか、見ていてわくわくする個性がある。
 スッキリまとまったUIと背景素材によって、巫女たちの描き味が強調される効果も生んでいる。
 画面上部の資源ステータスにだいぶ苦労した形跡が認められるが、やはりターン行動決定後、次ターン開始までの間の表示は気になる。些細な点だが、気になると気になる。
サウンド : 8 / 10
 選曲には不満がない。
 たとえば山岳と緑の世界の95日目等、音楽が切り替わっていないのに再生が途切れるところは残念。ツールの問題とも思えない。

 なお、以上の評価はすべて、Ver.1.10ブラウザ版によるものです。
 個人的にふりーむという会社をまったく信用しておらず、ユーザー登録する気になれないから、というごく私的な理由によるものですので、ダウンロード版では改善している点があったら申し訳ありません。
 しかし、プライバシーポリシー(2018/4/8現在)で、個人情報の収集目的を明記せず、消去は一切お断りと書くのは、さすがに前近代的すぎるのではありませんか?
 ニコニコ動画ですらログイン無しで閲覧可能になった現在、ブラウザでプレイできるゲームをダウンロードするために、なぜ個人情報を提供しなければならないのかが理解できません。
 フリーゲーム配布というサービスの性質上、規約が防衛的になるのは理解できるのですけどね。

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