【STG】INDEXへ / トップページへ

■ Last Stage -ありふれたホシの終末期-

Last Stage
作者 [ Crazy I Scream さま ]
ジャンル [ 弾幕アクションアドベンチャー ]
容量・圧縮形式 [ 131MB・ZIP ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

Last Stage Last Stage Last Stage Last Stage Last Stage Last Stage

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 9 /10 8 /10 9 /10 79/90 B
DECOすけ野郎 8 /10 9 /10 9 /10
赤松弥太郎 9 /10 9 /10 9 /10

 《 ES 》  ハマリ度:9 グラフィック:8 サウンド:9

ありふれた繰り返し。かけがえのない一期一会。

今回のイチオシレビュー作品「Last Stage -ありふれたホシの終末期-」は、6年前にレビューした「ありふれたホシの終末期+」のリメイク作+完結編です。最初の作品である無印から数えると、実に10年を超える歴史を持つ作品なのです。
その10年の歳月の中で、「ありふれたホシの終末期」シリーズは、ストーリー・ゲーム性共に徐々に完成度を高めていきました。本作「LastStage」は、6年前の「+」での不満点を丁寧に取り除いた作品となっています。

■ 成長がやりやすく

本作で最も目立つのは、「修行」と「好感度育成」が別メニューになったことです。「+」時点では、修行とキャラ会話が一体化されていたために、

…など、プレイヤー育成・コミュ育成ともに弊害がありました。
今回、「修行」と「好感度育成」が別メニューになったことで、育成面での不満はほぼ解消されました。
ただし、「修行」と「好感度育成」に必要なポイントは共通です。攻撃力・防御力(回避力とは別に存在)は、意外とシューティングシーンの生存力に関わってきます。ストーリーだけではなくトレーニングでしっかりとAPを稼いでおきましょう。
なお、基本的にバカ話しかしない会話シーンも、ストーリーの根幹にかかわる設定がポロっと出てきます。決してEND分岐のための作業とは考えず、こちらにもAPを注いでおきましょう。

■ とっても便利だ特殊ショット

「Last Stage」になって、新たな操作が加わりました。ショット+ブレイド同時押しで発動する特殊ショットです。
アオの持つ「迎撃ショット」は、ボムよりは微弱ながらも弾消し能力を持つとても使える武装です。「+」の時点では「上級者でも無理だろ」レベルだったノーボムクリアも、この迎撃ショットを使うことで難なく達成できるものになりました。
ストーリーを進めることによって使用できる他のキャラも、新アクションが追加されています。より使いやすくなったキャラ、よりハイスコアが狙えるキャラ、各キャラのアクションはメニューの「STATUS」からしっかりと確認しておきましょう。

■ やっぱりブレイドは玄人向け

ダメージによる火力低下が緩くなり、フィニッシュでの硬直も短くなった(※ 個人の感想です)ブレイドですが、それでも「弾幕シューティングで接近する」リスキーな攻撃法であることは、「Last Stage」でも変わりありませんでした。
基本的にブレイドは「敵の弾切れを見切って殴りかかる」ものと割り切りましょう。ブレイド中心の女性陣は、敵が弾を出しているときは逃げに徹するしかありません。幸い、アオに限らず弾消し攻撃が追加されたキャラは多いため、弾の切れ目に接近することも楽になりました。
ブレイド・特殊ショット共に、連発はできない仕様になっています。自機に当たりそうな弾をしっかりと迎撃できるよう、発動タイミングはしっかりと計っておきましょう。

プレイを進めるたびに、本作「LastStage」が、前作までの不満点を丁寧に取り除いた末にたどり着いた作品であると分かります。初心者はダメージを育成で耐えながら、玄人はその視力でグレイズを稼ぎながら、プレイヤーに合わせた攻略が楽しめる…という理想形が、10年たってやっとたどり着けたんだなぁ…と感動さえ覚えます。
「LastStage」は、まだまだ新規要素が予定されています。ひょっとしたら、また1年後には、このページの情報さえ古くなるほどに進化している…かもしれません。

 《 DECOすけ野郎 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:9

ありふれた星の ありふれてはいない運命が交錯する物語

【まったく説明を読まずに進めていた】
いや、本当にWikiとか操作説明を読んだ上で進めたほうがいいですよ、これ。
説明書を読まずに進めると、いろいろついていけない部分があります。

【狙撃ショット】
途中で詰んだ、これどうする、お、この狙撃ショットというのを使ってみるか…。
うおおおおおお、今まで全部避けようとしていたけど(無理)、弾が消せるし、トレーニングモードでも高得点を稼ぎ出せるぞ!
これを使うと使わないとでは難易度が変わってくるので詰んでいる場合は試してみましょう。

【まずはストーリーを最優先で進めよう】
ランクポイント=RPをともかく増やしていきましょう。
新規イベント、新規武器開放の条件となっているため、ストーリーやトレーニングを優先的に進めておきましょう。

【実はフリータイムが大事なんだけれども結構面倒】
前回、ADVパートについて特に何も書かなかったんですが、早くストーリーを進めたいけどここが今回面倒なのかなあ、と思ってしまいました。
なにせ、初出が10年近く前なのでテキストが少し古い部分があったり…。

で、とあるキャラとの会話で選択肢を選ぶと、他に影響していたり結構面倒くさかったりする。
それに、面倒くさいからといってスキップするとストーリーに関わる大事な部分を読み飛ばしてしまうこともある(あとで知りました)。
だああ!だって、ふざけた会話しかしてないから、急に大事な話をするだなんて聞いていないよ!

【ゲームパッド対応】
キーボードとマウスだけだと苦労していたけど、これでかなり進めることが出来ました。
もっとも、途中で指が攣ったというか痛くなったのでプレイを断念しないといけない状態でしたが…。

【セピアは攻略非対応】
なんだよー(がっかり)

【初回は必ずバッドエンド】
結論から言うと、救えない話になります。まあ、仕方がないよね。
☆の意思って何だよ、というところで終わっちゃうし。

【最後に少し関係なくなりますが】
作者さんのフリゲ2017のコメントを読んでいて思ったこと。
http://crazyiscream.blog136.fc2.com/blog-entry-176.html

なんかね、嬉しいんだけれども少し物悲しいというのも事実であってね。
結構辞められてしまったり、同人・プロ方面でバンバンやっていたり、はたまたアプリ方面に行ったからというのが大きいかもしれない。

一つの作品でうわーっと盛り上がる…みたいなことが減ってきて、話題になる作品のサイクルというかスパンがどんどん短くなってきているように思える。
それはそれで、いろいろな作品が出ているというのはいいけれども、なんというかこう、それに見合う感想(とかレビューとか)がどんどん減っていっているのかもしれない。

つまり、もっと残る感想を書こうぜ!ということです。(勧誘)

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:9 グラフィック:9 サウンド:9

星もくだけよ 四次元

 プラスの時に書いた、「完結編と呼ぶにふさわしい続編」が本作です。
 プラスから6年も経ったので、以前のレビューはほとんど参考にならないほど改善しています。

  1. 食らい判定表示はデフォルトかつノーコスト、実態に即した表示になったし、
  2. ダメージとグレイズのエフェクトははっきり区別できるようになったし、
  3. 一定時間に大ダメージを食らうと無敵が付くようになったし、
  4. 食らいペナルティは、グレイズで上乗せされた火力分だけ減るようになったし、
  5. 倒した敵がHP回復アイテムを出すようになって、無敵化手段も多数用意されたし、
  6. ダッシュには無敵が、ブレイドにはひるみ効果が、リエルのブレイドにはデフォルトで弾消し能力が付いたし、
  7. 育成と会話イベントは分離され、プレゼントで好感度調整もできるようになったし、
  8. リセット無しで5ルート全部 + 1ルート遊べるようになったし、

 以前不満点として挙げた部分は、ほぼ手直しが入りました。

 もちろんストーリーも、尻切れトンボだったプラスから大幅に追加されています。
 プラスのストーリーは、本当に序章だったと思い知ることでしょう。
 そして、キャラクターも、質・量ともに強化されています。
 CP側にも、アース側にも、数多くの魅力的なキャラクターが追加されました。
 既存のキャラの描写も掘り下げが進み、違う面も見えるようになってきています。

ジェイ  特に、アース側の個性豊かすぎる面々が、さらに強化されています。
 ジェイの兄貴など、その最たるものでしょう。
 プラスの頃は、タイトルでも大きく描かれ、アース側の大ボス然とした風格を醸し出していたのですが。
 数少なすぎる常識人として苦労が絶えず、シスコンであることまでバラされてしまいました。
 ←の場面など、かわいそうになるくらいイジられてますし……お気の毒に。
 弾の密度が濃いほど弾消ししやすくて有利という新局面に達した本作ですが、弾数の少ない大型弾幕を売りにする彼は、その点依然として脅威です。
 無くした兄の威厳は、ぜひ戦闘の方で取り返していきたいところ。

コトリ  NextPhase以降の新キャラも、強敵格が何人か追加されてますが、残念ながらアース側、戦力面では人材不足なようで……。
 殺到しているのは、萌え枠の方。無印のティアルのポジションですね。
 ←のコトリさんなんて、この\(>ヮ<)/としか形容できない発射の構えからして、もうあざとい。アホ毛立ってるし。
 そして、希少価値があり、かつ戦略的に非常に重要な自分の能力について、ペラペラしゃべってしまう程度の残念頭脳の持ち主です。
 アースは秘密を相手に明かす病気に罹ってでもいるのでしょうか、ホントにもう。
 戦力としてはやや見劣りするのですが、これでもメインストーリーにしっかり絡んでくるあたりはさすがです。

ウィンド  追加キャラからもう一人。ウィンドです。間違えました。おっぱいです。
 釣り目で、いかにも気が強そうで、自分の能力を鼻にかける嫌味っぽいヤツで、おっぱい。
 言わずもがなの噛ませ犬です。くっ殺要員でも可。
 だいたいその能力も、中二病アースの言い方では「凪の破壊者」とか言いますけど、風ですよ風。扇風機。
 おっぱいの起こす竜巻は、こちらの弾消しでは消せないという特徴はあります。
 が、逆にこちらの弾を消せるかというと、消せない。エアーマンにも劣ります。
 こんなおいしいキャラ、いじらない方が損というもの。その噛ませっぷりが存分に堪能できるでしょう。

 ついついハイスコアアタックにはまり込んでレビューする時間が無くなってしまいましたので、キャラ紹介はここまで。
 世界を滅ぼすとか言ってるヤツらが、こんな大学のサークルみたいなノリでいいのか。
 いいんですよ、これで、本作は。
 犠牲者もガンガン出ている危機的な状況で、CPもアースも大いに葛藤するストーリーではあります。
 しかし、敵であれ味方であれ、本作のキャラはどこまでも、お気楽で気のいい人たちだったのです。
 だいたい、こんな人たちが敵として出てきても、ちっとも憎む気になれないじゃありませんか。
 本作のメッセージは、そんな彼らだからこそ伝えられたものなのです。

ハマリ度 : 9 / 10
 使い勝手でのビスクの優位性はさらに強まる一方だが、総合的な火力ではバランスが取れてきている。リエルやセピアを使いこなせると(主にチーム戦で)モテること間違いなし。
 シューティングとしては長すぎるストーリーがネック。敵の種類が増え攻撃も多彩になったとはいえ、シューティングとしてのフォーマットは変わらないので、このステージ数だとクリアまでに食傷してしまうのは避けられない。
 リセットせずともルートを選び直せると言っても、その方法は結局ヒロインの好感度調整であり、作中ノーヒント。何が悲しくてリエルに鉄アレイで殴られたり、アイに松茸を突きつけたり、ご機嫌を直すためにアクセサリを贈ったりし続けねばならんのか。
 ストーリー自体はスッキリと王道でまとまっているものの、結局はセカイ系じみた内輪もめじゃないか、という落胆もある。
 広告収入という事情は理解しつつも、オプションの開放条件にオンライン登録が絡んでくるのも好き嫌いが分かれるところだろう。メニャス集めにおみくじという、ガチャゲー要素が2つもある。
グラフィック : 9 / 10
 食らい判定明確化の恩恵は大きい。ステージのグラフィックもNextPhase以降バリエーションが増え、むしろストーリーの雰囲気が絵柄に歩み寄った形で、親和性も高まった。
 長きにわたった開発期間で、絵師の交代はやむを得ない。それを考えればデザインや絵柄のブレはむしろ少ない方。
サウンド : 9 / 10
 書き下ろした楽曲は、なんと100曲近くに及ぶとのこと。サントラは500円でダウンロード可能。
 SEはマッチメイカァズ中心で安定しているが、弾消し・ブレード音とダメージ音の聞き分けづらさがやや難。

 作者さん。まずは8年に及ぶ開発(今なお続いているのですが)、お疲れ様です。
 処女作にこれだけ時間かけ、それでもなお完結までこぎ着けることは、そうそうできることではありません。
 もはやPCのフリーゲームが時代遅れの化石という指摘はそのとおりかもしれませんが、しかし、一度だって時代の最先端だったことは無かったではありませんか。
 これからもボクは、この自分にとって居心地の良い場所で、なんとか足掻いていこうと思います。
 作者さんがこれからどこへ行くかはわかりませんが、いつの日かEXシナリオは完結させてくださいね。
 ヒロインさんもさりながら、ボクは必ず、あのお掃除おばさんがストーリーで活躍してくれるって信じてますから!

【STG】INDEXへ / トップページへ