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■ ピトロクス・ギア

ピトロクス・ギア
作者 [ とっととねろ太郎。 さま(盛り合わせC) ]
ジャンル [ シューティングアクションRPG ]
容量・圧縮形式 [ 402MB・ZIP ]
製作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

ピトロクス・ギア ピトロクス・ギア ピトロクス・ギア ピトロクス・ギア ピトロクス・ギア ピトロクス・ギア

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 8 /10 8 /10 47/60 B
赤松弥太郎 7 /10 7 /10 9 /10

(補足)
2019.02.10:本記事は、Ver.1.07時点のレビューです。

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:8 サウンド:8

記憶を取り戻すため、足踏み足踏み。

本作をプレイするにあたって最初にするべきことは、「操作コンフィグ」です。特に、ショット・ロックオン・クロックアップは、いつでも発動できるようなボタン配置にしておきましょう。
ピトロクス・ギア 操作コンフィグ
どういう配置が自分に合うか分からないという方は、操作コンフィグ画面右側の凡例を参考にしましょう。右手側に攻撃操作を、左手側に移動操作をまとめた配置です。
なお、これはXBOXやPSなど、LRボタンが2つずつあるパッドを基準に設計されています。セガサターンパッドなど、LRが1つずつしかないパッドをご使用の方は、自分に合う配置をプレイしていく中で見つけていく必要があります。

そして、本作の試練は、序盤からピクセルたちを襲い掛かってきます。視界外から来る大量の弾幕、当たり判定の大きい自機、微妙に慣性が働く移動、敵キャラで幅が埋まるレベルの狭い道での戦いも要求される…正直言って「回避」が全く考えられていないデザインになっています。
本作のダメージを抑える要素は、一定時間ごとに使える「クロックアップ」、そして、レベルアップごとに溜まるポイントを使用しての成長です。
そうです。本作は「大容量の弾幕のパターンを読んで回避するシューティング」の要素よりも「勝てる敵からハック&スラッシュしていき、徐々に勝てる敵を増やしていくRPG」の要素が強いゲームなのです。
本作は、敵の「格の上下」もかなり激しくなっています。LVが低い敵の攻撃は何発か喰らってもHPゲージが少し削れる程度で済みますが、LVの高い敵の攻撃を食らうと、「HPピンチのワーニングが鳴った時にはすでに死んでいた」レベルのダメージが来ます。
ゲームオーバー後に復帰ができるようですが、そのことに気付かずいつもの癖でリセットしてしまうと、セーブを怠った時の巻き戻し量はそれはもう恐ろしいことになります。
本来のバランスは「マップ内の敵を全滅させたらメニューを開いて成長&セーブ」だと想定されますが、道中の戦闘シーンが激しいためか「敵を殲滅して高まったテンションのまま、回復もなしに次のマップに移動して死ぬ」が割と発生します。
落ち着ける場所として設定した休憩ポイントですが、それも「拠点もしくは大ボスの直前」という、本作の難易度にしてはかなり少ない量です。生き抜くための落ち着きを、「弾幕シューティング」という、頭に血をたぎらせることが醍醐味のゲームの中で常に頭に置かなくてはいけません。

本作は、かなり工夫を凝らして作ったためか、不便な箇所が所々に見られます。
特に私がイラっとしたのは、「コンティニューがやりにくい」「タイトルに戻るたびにアップデート確認が入る」という仕様。
特に、「コンティニューをするのにメッセージ2つとスキップできないゲームオーバー画面を10秒以上見せられる」という仕様は、はっきり言って仕様ミスです。作者自身から教えていただくまで気づかないままリセットしていました。
そして、リセットできるゲームで「何もできずに10秒以上も敗北感と向き合う」というのは非常にストレスです。何もできずに敗北感に打ちひしがれるのは現実世界で十分です。それこそ「『うっ…』の時点でリセットして10分以上のプレイを巻き戻す」のと天秤にかけるレベルで。
…せめて、せめて、コンティニューは死亡から3秒以内に出してください。このせいで「ハマり度」の点数を引いたレベルで切実な願いです。(2019.02.11 追記)
「10秒もゲームオーバー画面と向き合いたくない」とリセットすると、起動時のアップデート確認が襲い掛かります。正直言って、個人製作ゲームのアップデートなんて、公式ページにニュースだけ出しておいてユーザの手でダウンロードさせる方式の方が断然良いです。…というか、普通の商業ソフトでも「起動するたび」なんて頻度でアップデートチェックを行うソフトはまずありません。
また、パッド操作を推奨しておきながら、キーコンフィグや成長などの一部メニューはキーボードのEscでないと脱出できない仕様になっています。ここら辺は、後々のアップデートで「メニューボタンで脱出」できる仕組みを入れてほしいです。

もちろん、本作がつまらないゲームということではありません。ショットで殴り、クロックアップとブレードで敵の攻撃をはじき、弾幕を突き進んでいく「無双感」を何より重視したゲームなのです。
この点に関しては、動線が考えられています。初期はレベルアップ頻度を高くしてHPに気を配らなくても済むように、レベルアップ頻度が落ちてくる辺りになると回復を考えさせるように試練を与える…そうやって展開を覚えさせる仕掛けになっています。
ただし、ノンストップでテンション上げっぱなしになる弾幕シューティングと、リソース配分を考えるRPGとは、先述の通り相性が悪いです。成長もアイテム使用もメニューを開く一手間が必要な仕様になっているため、戦闘の展開をストップさせる短所になってしまいます。
本作の難しさの一端は、「一度ダンジョンに突入したら、ノンストップで戦闘シーン」だと錯覚させてしまうことにある、そう私はプレイ中考えていました。実際は、ダンジョン中でもセーブ含めてメニュー操作は制限されません。先述の通り、「マップ内の敵を全滅させたらメニューを開いて成長&セーブ」を忘れないようにすること、これだけで道中の生存率とプレイのしやすさが段違いに上がります。詰まった場合の救済策として、セーブの分割と「パイロットギア」もお忘れなく。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:7 グラフィック:7 サウンド:9

雨の一粒 愛する人へ落とさないと誓うなら 雲の彼方へ飛べるだろう

 本作、ちょっとレベルデザインが残念なんですよね。
 すごく爽快なプレイ感覚なんですが、ちょこちょこ足を引っ張る要素がある。
 ステージ1で調子に乗ってどんどん進んでいくと、ステージ2で飽きる。そしてステージ3で投げるまであります。
 どうやらまとまった攻略記事も無いようなので、ボクなりの攻略を書いてみましょう。
 まずは挫折ポイントになり得る、ステージ2と3について。

◆回復手段を理解する

 激辛的に本作のジャンルは、STGではなく、ACTです。
 自機のスピードは速く、慣性が強く働くため、エリア移動しようとしてはじき返されることさえ度々。細かい制動は期待できません。
 いちおうShiftキーの低速移動は存在しますが、チョン避けは無謀なのでやめた方がいいです。
 敵弾を回避できれば攻略は楽ですが、無理しなくても攻略できますよ、と。

 攻略の鍵になるのはクロックアップ中の無敵、そしてスローモードです。
 スローモードは敵と接触することでも発動できるので、すれ違いざまにクロックアップを発動し、スローモード中に集中攻撃する、という一撃離脱型の戦い方におのずとなります。
 使うキーが若干多いので、特に最初の内は混乱しがちですが、ショットボタンとクロックアップボタンは押しっぱなしでもなんとかなります。それくらい強力です。
 敵陣に突貫して、無敵時間中に暴れ回り、チェイン数を稼ぐ……そういう爽快感が本作の売りでしょう。

 ですので、ある程度の被弾は仕方ないんですよ、本作の作り上。
 HP回復手段をしっかりとおさらいしておきましょう。

  1. ステージ1の時点までは、レベルアップのペースが速く、回復など気にしなくても勝手に回復してくれるケースが多かったと思います。これが手段その1。
    弱点はもちろん、タイミングを選べない点です。ステージ2以降はレベルアップの頻度も下がっていくので、それだけを頼りにはできません。
  2. そこで登場するのが薔薇のペンダントステージ2で入手できます。
    ステージ2の「迷いの森」、全ステージ中最長レベルの、長い長いステージです。下手するとラストステージより長いです。
    経路も入り組んでいて道中も長いので、どうしてもダメージがかさみますが、我慢してこのペンダントまで進めてください。

    回復能力として、ブレードでの敵弾吸収もありますが、メインとなるのはチェインスキルの方でしょう。フィールドを展開して、一気に回復してくれます。
    150チェインというノルマはかなりキツく思えますが、迷いの森に限って言えば簡単です。
    ラフレシアイという、近寄らなければ防御形態に入り、攻撃もしてこない敵がいるので、チクチク遠距離から攻撃し続けてチェインを溜めましょう。
    薔薇のペンダントさえあれば、HP回復には困りません。ステージ2の間は。

    しかし、迷いの森は長すぎますよね……。
    あれだけ長いステージなら、例えば別のステージをクリアする度に段階的に進めるようになって、最終的にピトロクス・ギアまでたどり着けるって作りにした方が良かったんじゃないでしょうか。使いっ走り感も薄れますし。
  3. ステージ3のボスは、今までの敵とはまったく格が違います。攻撃に当たるとHPが3割削られ、あっという間に溶けます。
    薔薇のペンダントの回復量をダメージが上回りますし、そもそも火力が貧弱な薔薇のペンダントでは、攻略が難しい相手です。
    だったらもう、回復アイテムを使うしか無いじゃありませんか。
    ステージ2の道中、ペンダントに辿り着くまでも同じです。

    「いちいちメニューを開いて選ぶのが面倒くさい」って言うんでしょう? 「使うのはなんだかもったいない」って言うんですよね。わかります。わかりますよ。
    しかし本作はもともとごり押し前提のレベルデザインなんですから、どんどん使わなきゃもったいないんですよ。
    チュートリアルをクリアした時点で、ピトロノームαがいくらでも余ってるでしょ?
    ステージ2に行く前に、カラミティ姉さんのお店を開業しておきましょう。公式にQ & Aがあります。
  4. でも、ステージ3をクリアして、ステージ4に行く道中でさらに強力な回復手段が手に入るんだよなあ……。
    サブイベントで手に入る、回復能力持ちミクロギアです。
    ミクロンのミクロギア製作では、回復能力は最終盤にならないと作れない激レア能力です。これだけでミクロンの存在価値がすごく減ります。
    回復性能はとても高く、安定感がすごく増します。薔薇のペンダントのチェインスキル、それの完全上位互換って感じ。
    ただ、それでも間に合わない強烈な攻撃も多いので、回復アイテムは常にたっぷり持ち歩きましょうが結論ですね。

◆ペンダントとミクロギア選び

 上の章でだいたい結論が出てますが、説明します。
 ミクロンのギア作りですが、最終盤まで出番無し。
 初期装備と、ステージ4前で手に入るミクロギアだけで、最終盤まで戦えます。
 自動で回復してくれるってすごく楽なので、はずす気になれないんですよ……。
 ピトロシティ左上にいる、敵素材を上位素材に交換してくれるコマル君も、同様に出番が無くなります。

 あと、ミクロン君は出てくるタイミングもあまり良くないですよね。
 朽ちた街をクリアした後に「白のソウルストーンが欲しい」って言われても、おいおいさっき使っちゃったよってなりますよね?
 まあ、かわいいから、もう一度取りに行きますけど。

 ペンダントも、原則最後に手に入ったものを使っていればOKです。
 属性被りによる弱体化はなさそうなので、気にしなくても大丈夫でしょう。
 クエストやイベントをクリアすると、ペンダントのレベルが上がる要素はありますが、現状ではほとんど強くなりません。最後に入手したギアが最強、と考えていいです。
 これはバージョンアップで改善する予定があるらしいので、それに期待します。

◆スキルギアの取り方

 たぶん皆さんが知りたいのは、どこにクロックアップ強化やスロー強化があるのかってことでしょう?
 でも配置はセーブデータ毎にランダムなので、教えたくても教えられないんですよ。残念。

 ステータスアップ系は、レベルが上がるほど費用対効果は良くなります。
 また、ALLアップの費用対効果は、他のアップ系と比べて3倍近いです。
 つまり、↓のようにスキルギアを取得することになると思います。

  1. まずLv1ステータスアップなどのポイントが少ないスキルギアを取得しながら、見えているギアの数を増やす。
  2. だいたい全部見えたら、まずスクリーンショットを取る(最重要)。
  3. カラミティ姉さんが売ってくれる「初期化プログラム」で全初期化。
  4. 今度はALLアップやクロックアップ強化めがけて一直線に取得する。
  5. 余ったポイントでレベル3のスキルギアを取得する。

 こうすると、初期化前後で劇的にステータスアップしちゃいます。快感。
 初期化プログラムを使っても、スキルギアの配置はそのまま変わらないので安心してください。
 その代わり、可視状態もすべて解除されてしまいますのでご注意を。
 手間ですけど、必ずスクリーンショットなりメモなりを残しましょう。

◆ヤミーからの買い物

 知ってると差が付くヤミーショッピング。知らない方は公式Q & Aを読みましょう。
 機会があって、買いたい物があれば、遠慮無く呼びつけると良いと思います。

  1. 最重要は「叡智の指輪」です。最優先で手に入れましょう。
    これの有無で、終盤の難易度が激変します。
    値段は相当高いので、序盤はこれのために貯金することをオススメします。
  2. 序盤手に入れておきたいのは、「ソノヘンノ石」。何個か買っていると、ちょっとだけ良いことが起こります。
    そこまで役に立つものではありませんが、いいじゃないか! ただ だし。
  3. 「にゃんにゃんリング」はピクセルがにゃあにゃあ鳴くようになる、人によっては超・重要なアイテムです。
    サブイベントでアイテムが手に入りますが、これも有用度は使いように寄りけり、といったところ。
    手に入るタイミングはステージ3クリア後なので、そのタイミングで入手すれば良いでしょう。
  4. 宝石群は最終盤、ラストステージ直前で役に立ちます。
    どの場面で役に立つのか確認後、宝石それぞれの効果を確認しながら収集しましょう。
    それでもお金が余るなら、消耗アイテムを買ってもいいかも。
  5. 「パイロットディスク∞」、いくらなんでもコスパが悪すぎる感じです。多分元が取れません。
    心理的な安心感はあるので、好みの問題です。
    ボクは一週目で買って、ちょっと後悔しました。
  6. 他は、だいたい役立たずです。
    「ジュークボックス・ミニ」もお好みアイテムです。道中の音楽を変えたい方はどうぞ。
    「流星のルーペ」は……高すぎて買ったことが無いんですよね。買えるようになるまでにスキルギアはだいたいオープンしているでしょう。
    「スケスケスイッチ」はたぶん、あなたが思っている以上に地雷アイテムです。どうしてもと言うなら、確かめてください。
    それ以外のアイテムの効果? 知りません!

 いろいろと噛み合わない点もある作品なので、評価としてはどうしても厳しくなってしまいますが。
 しかし、途中で投げ出すのはとてももったいない作品なんですよ。
 今回はほとんど触れませんでしたが、ひとりひとりのキャラクターが何より魅力的ですし、ストーリーも分岐はないながら、王道一直線でしっかりできあがってます。
 そのことも踏まえて、評点を見てもらえればと思います。

ハマリ度 : 7 / 10
 上で挙げた難点の他にも、EPとは何か説明も無いゲームスタートなのに、難易度をゲームスタート後変更できない点、Z以外のキーではメッセージ送りができず、暴発防止のためか同じ相手に連続して話しかけられない点等々、いろいろ不満はある。
 しかし、駆け抜けざまに敵を撃つ、売りとなる部分が明確に定められているのは良い。終盤以降の無双感も爽快。
 ロックオンできる上にクロックアップ頼みの回避という構成で、シューティングのような弾を避ける・当てるやりとりは少なめ。単調という批判はあるだろうが、プレイ時間はさほど長くなく、ストーリーや成長・収集などRPG的な楽しみの部分が大きいので、それでも十分。
 回復アイテムの所持数に制限をつけて、ワンボタンで回復できるようにする等、よりごり押し前提のデザインに変えてしまっても良いだろう。
グラフィック : 7 / 10
 白っぽい街のステージで白弾、森ステージで緑弾、氷のステージで青弾、マグマのステージで赤弾、と見づらい弾が非常に多い。いちおう属性に即した色という理由はあるのだが、敵弾の属性を気にすることはほとんど無いので、ただ見づらいだけになっている。
 往年のシューティングのように点滅すれば、多少は見分けやすくなるかも。点滅する雷のエフェクトなどは比較的見分けやすい。
 アートデザインの完成度は高く、弾が見づらい他に大きな欠点は無いので残念。本作のために練習したという一枚絵も素晴らしい出来映え。
サウンド : 9 / 10
 全体的に違和感ない選曲。使い方にインパクトがあまりないので、例えばチュートリアル時の曲をピクセルのテーマ曲と位置づけ、絞った使い方をしても面白かったかもしれない。
 SEで言うと、やはり移動時のゴロゴロゴロ……がすごく印象的。ペンダントが古代の戦車のように見えてくる。ピンチの警報音がずっと鳴り続けるのはやかましかった。

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