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■ Dead Estate

Dead Estate
作者 [ Milkbar Lads さま ]
ジャンル [ 全方位シューティング/ローグライク ]
容量・圧縮形式 [ 49MB・ZIP, ブラウザゲーム ]
言語 [ 英語 ]
備考 [ ダウンロード・ブラウザ上の両方でプレイ可能 ]
[ カンパウェア ]
配布元 ダウンロード先

Dead Estate Dead Estate Dead Estate Dead Estate Dead Estate

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 8 /10 9 /10 50/60 B
赤松弥太郎 7 /10 9 /10 9 /10

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:8 サウンド:9

トラッカーとヒッチハイカーと不思議なダンジョン

本作「Dead Estate」を知ったのは、海外の実況配信者の動画からでした。ENDまで全て動画で閲覧し、プレイ時間も手ごろだと把握したうえで、私は本作「Dead Estate」をイチオシレビューに推薦しました。
そして、実際にダウンロード、プレイして、配信動画からの印象が覆りました。配信動画ではスイスイとすり抜けていたゾンビの群れに端に追い込まれ瞬殺…そんな悲しいプレイシーンを繰り返すばかりでした。
「Dead Estate」は、1周20分程度と手軽ながら、かなりのテクニックを必要とする作品です。しかも、マップがランダムなので、敵構成の記憶は通用しません。
しかし、動かし方・アイテム・武器など「プレイヤー周りの記憶」は、かなり重要となります。
特に重要なのが、「常に壁周りを動き続けるよう心がける」こと。本作ではダメージ後の無敵時間がほとんどないため、端に追い込まれる=死となります。一部の遠距離型の敵を除き、ほとんどのザコはプレイヤーに愚直に接近するアルゴリズムになっています。そのため、敵をこちらに近寄らせない立ち回りが何より重要となるのです。
そのためには、速度の速いJulisが有利ではあるのですが、いかんせんJulisは「射角は広いが、射程が短く狙いが付けづらいショットガンが初期装備」という大きなハンデがあります。「一方にしか飛ばないハンドガンが初期装備」のJeffの方が、「照準がズレにくく、射程も長い」という点で初心者向きなのです。

そして、本作は意外にも「うっかりミスによる大ダメージ」に対するリカバリーも豊富に揃っています。1フロア内に必ず存在する魔女の店から購入できるAmbrosiaと、壺を壊すと低確率でドロップするハートです。
ただし、どちらにもデメリットがある点をお忘れなく。Ambrosiaの値段は$300とかなりお高め。「特殊武器の弾数が増える」Bullet Brainや「低確率でダメージを無かったことにできる」Gold Ringといった強力なアクセサリ(しかもゲームオーバーまで無くならない)が$200で購入できることを考えると、決して安くはないお値段です。少なくとも、1~2階で購入するのはためらわれる値段です。
そして、「道中のツボを割りまくってアイテムドロップを狙う」にもリスクがあります。壺の中に小型ザコが潜んでいる場合があること、そして永パ対策キャラの存在です。
永パ対策キャラの攻撃自体は「近寄って殴る」だけなので、退避するだけならば簡単ですが、他のザコを倒しながらだと途端に厄介な敵になります。体が大きく不死身なため、楯になってしまうのです。永パ対策キャラに出会わないためには、素早い攻略が必要不可欠です。1フロア内に必ずある魔女の店・特殊武器・アクセサリ・鍵がある部屋を最初に目指し、ドロップアイテムの獲得に回るのは時間に余裕があるときにしましょう。

本作は、難易度は高いながらも、「経験を重ねるたびに徐々に先に進める」手ごたえは抜群です。1周20分程度とアーケード系ゲームとしても短めのプレイ時間も、満足にクリアできるまで積み重ねてきたJulisとJeffの屍の個数を考えれば、充分すぎるボリュームです。
よりコンテンツを増やした有料版が今年リリース予定ですが、購入を決めるのは、体験版に当たる本作をプレイしつくしてからで十分です。フリー版が満足にプレイできるほどスキルを積んだ方ならば、有料版はお得な選択になる…ような出来になることを期待しています。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:7 グラフィック:9 サウンド:9

狙いをさだめて 嵐を今走れ

 ヒャッハー、ホラーシューティングだー!!
 おら面貸せやゾンビども! その腐った脳みそ吹っ飛ばして綺麗に成仏させてやんよー!
 ……あ、死んだ。

 要領の悪いボクのようなプレイヤーのため、ゾンビ撃ちがゾンビにならないよう、覚書を書いていきます。
 ローグライクを公称する本作ですから、もちろんアドリブ能力も重要ですが。
 なにより大切なのは、基本となる一貫した行動方針です。
 色々な敵が登場しますが、慌てず落ち着いて行動していきましょう。

◆キャラセレ

キャラセレ画面
 本作の操作キャラ、JeffとJulisについて。
 両方とも使えば1分もせずにわかると思いますが、明らかにJeffが初心者向けです。
 Julisの速度は魅力的ではありますが、あまりにも初期装備の差が大きいと言わざるをえません。

 と、欠点が多いショットガンでは、いざというとき頼れないからです。各階に1つずつある武器宝箱に頼ることになります。
 しかし本作、原則敵を全滅させないと部屋から出られないので、弾切れしたらショットガンで敵を倒すしかありません。
 よってJulisの場合、弾数管理がきわめて重要です。
 一度武器を取ったら、できる限り無駄弾を使わないように節約、弾が切れた時にショットガンで壺を壊して回る……等々、考えることが一気に増えます。

 Jeffの場合は、その点何も考えなくていいです。
 ハンドガン1つでクリアできます。
 火力は低いがクセが無く、射程も連射性能も問題なし、何しろ弾数の心配をしなくていいのが大きい。
 他の武器を取ってもいいし、気にくわない武器ならShiftキーで破棄すれば安心のハンドガンが使えます。
 何も考えずにマウスの左ボタン押しっぱなしで攻撃できるんですから、これは本当に楽です。
 初心者なら、40過ぎのおっさんと侮らず、迷わずJeffを使うべきです。

◆立ち回りの基本

ゲーム画面
 多種多様な敵が登場するにしても、立ち回りはそうそう変わりません。
 部屋の端をぐるぐると回り、敵を中央に集めていくのが基本です。
 コーナーワークの精度を上げましょう。
 画像のマップだと、あまり壁際を走ると柱に引っかかってしまうので注意が必要です。
 接触ダメージはかなり高めです。壁際で足を止めると、あっという間に追い詰められてしまいます。
 緊急回避的にジャンプを使うのも手です。

 問題は、敵や障害物が隅にある場合。
 まずは進路上の敵を倒すのが、わかりやすい対処ですね。
 障害物であれば、ジャンプで飛び越したり、上に乗ったりしてもいいでしょう。
 ただし、高さの軸が合っていないと、こちらから攻撃することはできないので注意。

 もっとも、中盤以降は単純に追尾するだけではない敵も増えてくるのですが。
 後でちょっとだけ触れましょうか。

◆地獄の沙汰も魔女次第

ショップ画面
 アイテムは、各階1つずつあるアイテム宝箱か、これまた各階1つずつある魔女の店で入手できます。
 ただ、とりわけボクらのような英語非ネイティブだと、宝箱のアイテム説明なんて読んでる暇、無いでしょ?
 少々デメリットのあるアイテムもありますが、とりあえず取っちゃいますよね。

 だからこそ、魔女の店での説明は、ぜひ丹念に読んでおきたいところです。
 たとえ今購入する余裕が無くても、後のプレイで必ず役に立ちます。
 魔女がいる部屋は絶対安全地帯なので、どんなに時間を掛けたって構いません。
 今ここでBlood Vialの説明を読んでおけば、
「この試験管は血しぶきが派手になるだけで何のメリットも無いけど、デメリットも無いから、宝箱から出てきたら取って大丈夫だな」
 と判断できるじゃありませんか。買わないけど。

 購入の優先順位は、特に序盤は金策優先ですかね。
 コインの誘導性が上がる古銭、コインのドロップ率が上がる豚の貯金箱、部屋の敵が全滅した時に壺が全部割れるハンマー等々は、見かけたらぜひ欲しいアイテムです。
 価格25%OFFの赤札も、序盤であれば買っても悪くないと思います。
 逆に、ハンドガン1つで戦うと決めているなら、弾数が増えたり、弾を撃ちつくした時に何か起こるようなアイテムは必要なくなるでしょう。

◆ペナルティボスの対処法

ゲーム画面
 この黄色い敵のことです。
 1フロアで時間を使いすぎると、雄叫びを上げ、足音高く近づいてきて、ついにプレイヤー目がけて襲いかかってきます。
 いかなる手段をもっても倒すことはできず、フロアを跨いでしぶとくプレイヤーを追いかけ回します。
 もちろん触ったり、攻撃を食らうと大ダメージです。

 ただし、さほど素早くなく、攻撃方法も近接攻撃のみ、行動も単純にプレイヤーに近づくだけ、という脳筋仕様なので、制御するのは難しくありません。
 部屋を素通りするだけなら、まったく問題にはならないでしょう。
 また、魔女の部屋、またはボス部屋に到達すると追跡してこなくなる上、しばらくの間は再出現しません。
 ボスを倒したり、アイテムを買ったりを済ませて、とっとと次のフロアに進むのが得策でしょう、

 問題は、ボス部屋やボス部屋の鍵を見つけていない状態で、こいつが出てきてしまった場合。
 こいつを撒きながら部屋の敵を全滅させる、かなり困難な戦いになります。
 入ってきたドアの鍵をこいつが開けてくれるので、一時逃げることも考慮に入ります。
 一応、スタンガンでスタンさせることもできますが、まあ焼け石に水ですね。

◆蛾の対処

ゲーム画面
 最後に、本作最強の敵について触れましょう。
 この蛾、2階で出現するのですが、行動パターンが非常に厄介です。

 つまりこいつ、コーナーワークだけでは倒せない敵です。
 他の敵と一緒に出てきた時は、まず他の敵から倒しましょう。

 ダメージを与える方法は、
 急降下するタイミングで避けつつ撃つか、
 ジャンプ撃ちでなんとか当てるか、
 あるいは爆発する兵器等、高所の敵に当てられる攻撃手段で攻撃するか、の三択になります。
 いずれにせよ、とてもダメージを与えづらく、時間が掛かることは必至です。
 蛾が残っている部屋にペナルティボスが乱入したら……とても面倒なことになります。祈れ。

 急降下を避けるコツは、90度
 蛾が突入してくる方角に対して、90度で逃げつつ背後を撃ちましょう。
 当たるのは、ハンドガンで1~2発程度。
 しかし慎重を期すなら、ホバリング中は足を止めて、急降下を待った方が良いです。

 というのも、本作のハマリ度を7点にせざるを得なかった、大きな問題があるからなのです。

ハマリ度 : 7 / 10
 蛾が壁にめり込んで動かなくなる不具合。特にジャンプして追い打ちをしていると発生しやすい。ジャンプしてもギリギリ届かない高さにめり込まれると、ペナルティボスが鍵をこじ開けてくれるのを待つしかなくなる。
 ボリュームは控えめながら、コインは良く手に入り、4階のラスボス戦ではきちんと総力戦気分が味わえる、よくまとまったバランス。敵のバラエティも豊かで、短いプレイ時間の中で適度に頭を使わせてくれる。それだけにこのバグが惜しまれる。
グラフィック : 9 / 10
 イベント絵、敵のグラフィック、どれをとっても可愛らしい。素晴らしいドット絵。
 アイソメトリック視点へのノスタルジーは理解できるものの、わかりづらいことは否定できない。特に判定がわかりづらく、ジャンプ攻撃や浮いている敵などは迷う。
サウンド : 9 / 10
 統一感あるチップチューン。曲数は少なくとも、どの曲も印象に残る。敵の有無でメロディーが変わるのも良い。
 SEは、ヒット音とダメージ音にあまり違いが無いので、混戦になると少しわかりづらい。銃の発射音は控えめだが、基本連射するものなので、現状が最適だろう。

 近々有料のデラックス版が出ると言うことなので、こうした進行に関わるバグは勘弁してもらいたいところ。
 この問題さえ無ければ、現状でも、小さいながらも良くまとまった良作です。
 きっと規模が大きくなっても、このまとめる感性は維持してくれると期待してますよ。

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