■ 虚ろ町ののばら
作者 [ ゆきはな さま ] ジャンル [ ホラー探索ADV ] 容量・圧縮形式 [ 168MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクールMV ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ 12歳以上推奨 ] 配布元
- (補足)
- 2023.06.28:ゲームアツマールのサービス終了に伴い、リンクを変更。
レビュワー ハマリ度 グラフィック サウンド 合計 総合判定 ES 9 /10 10/10 10/10 82/90 りなしゃん 8 /10 10/10 8 /10 赤松弥太郎 8 /10 10/10 9 /10
《 ES 》 ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:10
少女が見た闇、そして少女の闇。
今回のイチオシ「虚ろ町ののばら」は、RPGアツマール上でのブラウザゲームとして展開された作品です。そのため、マウス一本で操作できるよう、スクリプトから手が加えられています。
探索アクションで詰まる原因の一つである「必要なアイテムが見つからない」問題を解決するため、吹き出しで調べると反応のある場所を指示する仕掛けが入っています。
また、普段のRPGツクールMVのメニュー操作を廃し、画面右上の蝶マークをクリックすることでセーブ・ロードメニューを出すようになっています。
ただし、この「普段のRPGツクールMVのメニュー操作」を廃したことが仇となっている側面もあります。「画面右上の蝶マークをクリック」を忘れてしまうと、セーブ・ロードができなくなるのです。
困ったことに、セーブ・ロードメニューはプレイヤーの操作によらずに閉じてしまう場面が多々あります。これからプレイされる皆様は、私のように数十分のプレイをパーにすることの無いよう、「画面右上の蝶マークをクリックでメニュー開閉」をしっかりと覚えてからプレイしてください。
この問題、作者様にイチオシレビューの告知をした時点では「通常のツクール同様、Xキーでメニュー開閉ができたらいいのに」と思っていたのですが、今考えると、問題の本質は別にありました。
「蝶アイコンがメニューボタンであることの説明が、最初のチュートリアルのみ」であることです。蝶アイコンのどこかに「MENU」と表示すれば解決する問題なのです。
そして、その実装が難しい点も、同時に理解しました。この蝶アイコンがフラグを立てるたびに光るという点です。蝶アイコンの光が「MENU」の文字に重なると、せっかくの光の美しさが台無しになりかねません。やはりプレイヤー側の運用でカバーすべき問題なのかもしれません。本作の一番の目玉でもあり、ストーリーの要ともなる「青い蝶=グッドエンドへのフラグ・赤い蝶=バッドエンドへのフラグ」というシステムも、一長一短のあるものです。
長所はもちろん、「現在の選択が良い方へ向かうか悪い方へ向かうかがハッキリと分かる」点。ただし、青い蝶も赤い蝶も思わぬ箇所で発生する点にはご注意を。特に、ベストエンドの条件である「青い蝶15匹以上」は(2週目で開放される裏技を使わない限り)かなりの難関です。序盤から最終盤にかけて、思わぬ所に青い蝶が潜んでいます。ベストエンドを目指すためには、そんな些細な箇所までしっかりと探らないといけません。
もっとも、これは「ベストエンドを2週目以降に見てほしい」という作者様が意図した仕様です。1周目エンドの結果にめげず、2週目を始めましょう。ただし、「2週目で開放される裏技」は、(2018.12時点のVer1.04では)ニューゲームから2週目を始めないと使えません。虚ろ町に入った後のセーブデータから再開しても使用できません。ベストエンドの条件には、序盤から立てるフラグも重要であるため、最初からプレイしてみましょう。
このシステムに短所があるのか…というと、「謎を間違えてもそのまま次に進んでしまう」場面が少なからずある所。試しに道祖神の問題をわざと間違えたところ、赤い蝶2匹を獲得する以外は普通に正解した場合と同じストーリーになりました。
作者様のヒントでは「明らかに違うだろ…という選択肢や、逃げる、物をよく調べない」などが赤い蝶の条件と書かれていますが、どこまでが「逃げる」「物をよく調べない」になるか、赤い蝶が表示されて初めて分かる場面がほとんどです。
対処のためには「セーブを細かく取る」のが最善です。先述の通り、本作は細かい箇所でENDが分かれるため、その意味でもセーブを細かく分けるのは重要な攻略法になります。そして、本作の最大の楽しみは、上記システムが作り出す「ストーリー」に他なりません。ただし、ストーリーに触れることは当然ながらネタバレ。しかし、最後までプレイした私はどうしても語らずにはいられない!!!!
よって、以下に隠し文字でストーリーについての感想を述べることにしました。未プレイの読者は、少なくとも1周目をクリアしてから以下の文章を見てください。
1周2時間ほどのシナリオです。休日にプレイすれば、一気プレイも負担にならないでしょう。
(↓)本作の主人公である「のばら」。現世におけるしがらみが、故人である祖母しかいないため、現世に戻るか虚ろ町に留まるか、危うい状態のままストーリーが進んでいきます。
当初は、「この虚ろ町の冒険を通して、友達を作る『勇気』を得ていくのかな」と思っていましたが、物語が佳境に入り、のばらの真相が分かるにつれ、そんな単純な問題ではないこともまた分かってしまいました。
「のばらに今必要なのは、友達よりも、むしろお手伝いさんだよ!」…それがのばらの真相を見た私の叫びでした。
友情はお金では買えないけど、労働力はお金で買えるんだよ! 我々大人だって、傷心してる時に家事なんてできないのに、なんで小学生ののばらに家事を丸投げしてるんだよ!!
…思えば、のばらが勇気のない子な訳がありません。序盤から「腐臭と罵声をまき散らすおっさん」「焼け跡から覗く少女」「顔のない女性」という、我々一般人なら全速逃亡する亡者を相手にしても、彼女は真摯に彼らの悩みを聞き届け、時には叶えて来たのですから。勇気のないコミュ障の訳が無い。
のばらが人を避けていた理由は、今まで祖母に依存していた自己肯定感が崩れたことに原因があるのだと、私は受け止めました。善意で言ったはずの「お人形みたいで可愛い」「神秘的な髪と目だね」というセリフが、のばらにとっては「自分は人間じゃない」という言葉のナイフとなる。
こう考えると、虚ろ町で巡り合った相手が十夜で、本当に幸運でした。彼は何故かのばらの容姿には触れず、親身に、時には厳しくのばらと接してくれる人間でした。十夜が内面を見て接してくれるような人間に育った理由も、また周囲の環境…のばらと祖母を含めて…によるものであることも、ストーリー内にしっかりと描かれています。
運命か偶然か必然か…巡り合ったのばらと十夜がどのような未来を歩むかは、皆様の目でベストエンドまでたどり着いてご覧ください。2週プレイするなら4時間ぐらいでたどり着けます。(↑)
《 りなしゃん 》 ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:8
自分の執着している事にしか見えていない悲しき場所に迷い込んだ少女
前作プレイしていた「霧と太陽の王」に負けないくらいの美しいグラフィックで表現された探索系ADV新作。
しかし、今回は序盤が不気味で暗いマップと周りの影たちが、その場の残酷さや虚しさが凄く伝わります。周りの通行人に主人公のばらの格好に魅了されながら、お出かけしにバスへ乗り込む。
確かに見た目が綺麗だと惹かれますよね。
ですが、たどり着いた場所は暗い森の中、乗っていたバスもボロボロ。
これってつまり・・・?
事務所にいた人からの情報からだと、ここはどうやら未練や怨みといったいろんな執念を抱えた人たちの溜まる場所らしく、
そこから彼女が今どうなっている状態なのか、大体想像がついたプレイヤーさんもいたかもしれません。主に探索要素がメインのゲームで、調べられる部分には「…」の吹き出しが表示される。
左上には物語の進行に応じて行動目標が表示され、右上にアイテム、セーブ、ロードのボタン。
基本的に彷徨う影たちに対する対応方法やその場の判断によって、最終的にエンドが分岐するようになっており、
青い蝶のエフェクトは物語がよい方向へ、赤い蝶のエフェクトは悪い方向へ行くようになっているため、
自身の選択によって将来的にどうなるのかが決め手となります。
中には時間制限式の選択肢を迫られることがあり、その場からすぐ逃げるか探索するかで
蝶のエフェクトが赤くなってしまうことがあるため、慎重な行動を取るように・・・。
これが本当に肝試しになるのではないでしょうか・・・?
中盤からは青年の十夜と出会い、ここからキャラの切り替えによっての探索が始まります。
ここから二人のやりとりから面白さやちょっとしたギャグも入ってきたりするので、少し恐怖がほぐれます。
世間知らずの女の子のばらには見せられないグロテスクな物や男子トイレなどもあり、
イベントによってはキャラに対する反応が変わってきます。
そしてのばらの祖母の存在。
祖母の存在こそがのばら自身にとって大きな存在であり、キーパーソン。
前半は不気味で暗い森や錆びた町を探索する印象だったのが、後半になると賑やかで明るい場所。
安心感のある雰囲気から、ここで暮らしたくなるのも無理はない。
どうやらここはいわゆる天国に近い存在なのかもしれません。
実際の天国ってもしかしたらこれに近いのかも・・・?
やはり死者であるため生前当時の記憶はないものの、好きな物は忘れられない、死者の国らしさのある設定です。
とにかく死後の世界が細かく設定されているので、仮想ではあるがリアルというのが、魅力だと思います。
歌を練習するイベントがあり、歌詞の方を理解するようにすれば条件が満たされると思います。
他にも探索することで青い蝶のエフェクトが表示されるところもあるので、じっくり探索するといいでしょう。ラストはまたホラーな場所に放り出され、今度は追いかけられるのがメインとなります。
場所の情報からすると、のばら自身の恐怖が具現化したようなところではないかと。
もっとも、祖母の存在しか見ていないため、のばらと接したい思っている人たちがいるにもかかわらず、
のばら自身は自分は一人だという思い込みから、心を閉ざしてしまっている。
もっと広い世間を彼女に見せてあげたいという気持ちにプレイヤーは思ったかもしれません。
のばらを助けたいという十夜が何度か手を差し伸べたりしているものの、
のばらが自分自身変わりたい!という気持ちがなければ、誰が手を差し伸べても助かりはしません。
やはり自分のことは自分で解決しなければならないところが必ずあるため、それができなければ一歩も前には進めません。
このお話はこのゲームに限らず、今いる私たちの現実世界でも、この判断が強いられます。
まさに道徳的な理論が含められた作品です。
一度このゲームをプレイし、自分自身を見つめ直してみる機会を作っていただければと思います。
《 赤松弥太郎 》 ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:9
Ready for the clash, for the lasting gash.
可憐な少女と、心優しい男性が、手に手を取って、怪異からの脱出を試みる。
これはもう、Ibの昔から続く、いわゆるホラーADVのテンプレートではありませんか。
前作が、テーマとしてもストーリーとしても、そうした王道ホラーADVとは外れた作りだったのと比較するまでもなく、本作は王道展開を意識させる部分が多くあります。
ただし。
表面的には似た構成ではありますが、本作のねらいは、「原動力となる少女と、それを支え、支えられる男性」というテンプレートとは、また違うところにあります。
たしかに、操作キャラの切り替えシステムも搭載していますし、合流直後はそれを使って、十夜がのばらにはできない力仕事をする場面もあります。
しかしこの切り替え、ゲーム進行に必要なのは1回だけで、進行上ほとんど機能していません。
むしろ、同じ物を調べた時の反応の違いを楽しむような、キャラクターの掘り下げの方に深く関与しているのです。
合流直後は、十夜がのばらを助け、のばらが十夜を助ける場面も丁寧に描かれています。
十夜だって、のばらに助けてもらわなければ生還できなかった可能性はあります。
しかし、プレイ後振り返ってみれば、十夜とのばらの関係は、対等だとはとても言えません。
それが証拠に、本作の4種のエンディングのうち、のばらが生還できるのは、たった1種類。一番条件の厳しい、トゥルーエンドだけです。
一方で、十夜はすべてのエンディングで生還を果たしています。
つまり、中盤のあるイベントを自力で越えられれば、十夜はのばら無しでも十分生還できた、ということ。
一方で、バッドエンドなどは、せっかく十夜は生還できたのに、のばらのせいで廃人になってしまうという、足を引っ張りまくるエンディングです。
本作が怪異からの生還をテーマにしたゲームなら、のばらは十夜の邪魔という身も蓋もない結論になりかねません。
しかし、本作のテーマは、怪異からの生還ではありません。
ヒロイン・のばらの成長と自立、それだけが本作のテーマです。
この怪異そのものが、彼女が自立できなかったために生じてしまった状況なので、生還イコール成長と自立、と堅く結びつけられてしまっています。
十夜は今回、完全に巻き込まれ事故であり、十夜の生還は、のばらの生還のついででしかないのです。
この作戦の成否は、プレイヤーがどれだけ、のばらを助けたいと思えるかに掛かっています。
のばらは、確かに可愛らしい、魅力的なお嬢さんです。
守ってあげたい、そう思うのは当然だと思います。
しかし、ちょっとあどけなさ過ぎるんじゃないでしょうか。だって彼女は、もう11歳なんですよ。
ボクの想定する比較対象が間違っているのは認めるにしても、です。
回想シーンに登場する、のばらの同級生を見れば、健康に成長した11歳の平均レベルは、わかるじゃありませんか。
比較するとのばらは、背が小さいだけではなく、知識やふるまいの面でも幼すぎます。8歳と言っても通る気がします。
回想に登場する幼少期ののばらは、勝ち気でおしゃまで、とても活発な子どもでした。
今はもう、ほとんど見る影もありません。
どうしてこうなってしまったのか、考えずにはいられないのです。
環境に多少の問題はあったかも知れませんが、彼女の周りにいる人たちはみな、やさしく、誠意ある人ばかりじゃありませんか。
彼女を理解しようとしてくれた、歩み寄ってくれた人もいたに違いないのに、彼女自身がそれを拒絶してしまっています。
11歳という年齢を考慮してなお、彼女自身に原因はある、と指摘せざるを得ません。
だいいち、髪の色や目の色を理由に、自分は幸せになれないと思い込むのは、あまりにもひどいんじゃないでしょうか。
同じく教室の中で「ふつう」に生きられなかったボクの実感として、そこは腹立たしく思うのです。
まして彼女がそれを言い訳にすることは、自分のルーツ、彼女の大好きなおばあちゃんそのものを冒涜しているに等しいのですから。
しかも彼女自身、それが間違っていることを自覚してしまっているのが、救いのないところです。
わかっているのに直せない、自分は悪い子だ、と思い込むことで、状況はどんどん悪くなってしまっています……。
根は真面目すぎるくらい真面目で、とてもよい子です。中盤までプレイすれば、それはみんなわかることです。
ですが、生還させようとするととても手が掛かります。
まして、当ののばら本人が、今までとは打って変わって、生還に対して後ろ向きな言動を繰り返すようになるのです。
このまま虚ろ町にいた方が幸せなんじゃないか、とプレイヤーの心も揺れてしまうのですよ。
そのために十夜が要るんです。
本作は、のばらを生還させるためだけに、十夜の存在が必要なのです。
終盤は、なぜ彼がのばらを助けようとするのか、その理由が明かされる場面でもあります。
彼の言う「大切な用事」、恩を返そうという思いはまっすぐで、プレイヤーの胸を打ちます。
十夜一人なら無事に生還できる、と何度も示唆されながら、拒み、のばらを助けようとする十夜が、とても健気でかわいいから、プレイヤーは彼を助けようとするのです。
十夜本人がかわいいことに異論は無いと思います。
のばらをあどけないと言いましたが、彼のあどけなさも相当なものです。
だって彼、「乳棒」と声に出して読めないらしいですから。きっと森永ホモ牛乳とかもアウトでしょうね。中学生か!
どうにも彼はピュア過ぎます。
きっと彼が女系一家の生まれで、母や姉からの教育去勢影響を受けているからでしょう。
のばらが彼を(無自覚に)誘惑する度に、「事案になっちゃう!!」と予防線を張り、のばらの乙女心を傷つける、お決まりのシーン。
しかしプレイヤーから見ると、十夜とのばらの関係は、どうしても事案には見えないんですよね。
むしろ、同年代の子どもがいちゃついてるようにしか見えません。微笑ましいものです。
8歳も年下ののばらが、なぜ彼をくん付けで呼ぶのか、その理由も終盤明かされます。
が、かわいいのに理由とか要らないよね? と思わせてしまう。罪な男ですよ本当に。
そんな彼が、一丁前に、のばらの保護者として振る舞おうとするからこそ、健気なんですよね。
しかし十夜は、本作ではどこまでも脇役です。
十夜がどれほどのばらを助けようとしても、十夜の力だけでは決して、のばらを生還に導くことはできません。
のばらが、自分のできる最善を尽くし、自分自身の意志で行動しなければ、生還できません。
王子様を待つだけの姫では、救いは訪れないのです。
序盤・中盤では、のばらの記憶は混乱し、自分が背負っているネガティブな部分を忘れています。
だからこそ、幼少期のような、活発で、他の人のことを思いやれるという、彼女本来の美しさが見えています。
この時期に、他の人たちを助けることがトゥルーエンドの条件になっているのは、本作のテーマとしてとても示唆に富んでいます。
助けた人たちがのばらを救ってくれる、という展開にはなりません。
しかし、あの時積んだ経験が、人のために役に立てるという喜びが、のばらに自信をつけさせたのは、間違いありません。
彼女自身を救ったのは、彼女自身の意志だった、ということが大切です。
それは、自分でなんでも抱え込むということではありません。
十夜を致命的に危険な目に遭わせてしまいましたが、それでも、十夜を巻き込んだのは、十夜にとっても正解だったのです。
今でこそ、ふたりはイブとギャリーのような対等な関係ではありません。
でも、のばらにはきっと、十夜に恩を返すやり方が、いくらでもあるのですから。
- ハマリ度 : 8 / 10
- テキストに書いてある分岐条件が若干わかりづらいが、END4の条件を満たしていれば、END3の条件を満たしていなくてもEND4になる。END4の条件を満たしていなかった時にEND2と3に分岐すると考えた方が良い。
セーブの数24は、攻略には十分な数。ポイントの変動は目で見てわかるし、道中の亡者を全員救済すればトゥルーエンドに到達するだろうことも、直感的に理解できる。一度クリアすれば、終盤でのポイント調整も可能になる。「分岐がわかりづらい」「セーブが少ない」という前作の問題点は改善はしている。
ただし、イベントは前作にも増して長尺。ノベルゲームに寄ってきている。この長さになると、バックログ表示も途中セーブもできない仕様はやはりつらい。
一応スキップはできるとは言え、かなり遅い。最後のポイント調整から、全部スキップしてなお30分程ある共通ルートが続き、即死ポイントも多数含む点も、エンディング全回収を目指すときはしんどい。ストーリーの進行上、あそこ以降にメタ要素を入れられなかったのは理解できるが。確定したルートによってイベントに多少の変化があったら、また違った感想になったと思う。
終盤の即死ポイントなど、やはりキーボード操作の方が快適なのに、メニューがキーボードに対応していない点、イベントで強制的にメニューが閉じたあと、2回ボタンを押さないとメニューが展開されない点などもストレス。せめてクイックセーブくらいはキーボードから操作できないものか。- グラフィック : 10 / 10
- 文句はまったくない。立ち絵、イベント絵、ドット絵、構成に隙が無い。すべてが雄弁に物語る。
色彩が特に素晴らしい。統一したメッセージ性がある。- サウンド : 9 / 10
- 声で聞かせた前作とは違い、曲で聞かせる。書き下ろし曲、素材曲、いずれも出しゃばりこそしないが、しっかりと聞かせてくる。
その分ボイスは、呼びかけや悲鳴等、本編では断片的。その分、おまけでは大暴走、どう考えてもおまけのボイスの方が力が入っている。アホかぁ~!? アホかぁ~!? アホかぁ~!?などと言っておきながら、ボクが好きなエンディングは当然にしてEND1であることは白状しておきましょう。
自分のせいでもないのに、一生幼女に祟られるなんて、素晴らしいなぁ~……ロリコンはみんな死ねば平等なんだ……ククク、ヒヒヒヒヒ……