■ 三代目レビュー アドベンチャー 7 | ||||
かがみの正面だあれ | 迷い子たちのララバイ | 彫刻姫の破顔時 | 祈念寫眞 | Angelic Syndrome |
そして春は灰になる | THE STREET FRIENDS. | 人魚沼 | ただいま! 明日から夏休み | ウシミツドキ ~学校の七不思議~ |
ジャンル [ 探索ホラー ] 作者 [ 双子の庭 さま ] 容量・圧縮形式 [ 154MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクールMV ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ 一部暴力的、性的描写を含む ] 配布元 鏡の前に映る者は…本当に自分なのか?
利央と美優の兄妹は、暗闇の中を彷徨っていた。やがて辿り着いたのは、見慣れた自分たちの家…いや、「そう見える」別の世界だった。
キッチンや風呂など普通は鍵の無い場所にかかった鍵、二人を追いかける怪物たち、そして美優までも…。
一体、この家は何なのだろうか? そもそも、兄妹は何故にこの暗闇に迷い込んだのだろうか?
本作は、掌編の探索ホラーです。プレイ時間にしても20分はかからないほどの短編です。
しかし、その中には、展開ひとつすら触れられないほどネタバレ禁止のストーリーが詰まっています。
私が本作を紹介するのは、プレイ時間が短いことと、自作のグラフィックもありますが、このネタバレ禁止のストーリーにこそあります。
その中には、作者自ら注意書きするほどの「暴力的、性的描写」もあります、ただし、あくまで全年齢で表現できるレベル。R-15指定ですらありません。「下着が出る」程度だとあらかじめ言及しておきます。
さて、そんな性的なものも含めた兄妹愛、どのような結末を迎えるのでしょうか。10数分程の物語、是非味わってください。
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ジャンル [ 探索ホラー ] 作者 [ 三番目の羊 (日辻杏子 さま・八木夕日 さま) ] 容量・圧縮形式 [ 167MB・ZIP・ブラウザゲーム ] 製作ツール [ RPGツクールMV ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ ふりーむでダウンロード・RPGアツマールでもプレイ可能 ] 配布元 迷い子は、依頼人だけなのか?
霊視能力を持つ私立探偵・
砥上 弦 。彼の助手を自称する気楽な女子学生・来海沢 光 。
事件は、光が持ってきた手紙から始まった。30年前に死者を多数出した火災事故を起こし、現在は心霊スポットとなっている神代邸の調査依頼…と思われる怪文書であった。
観光気分で依頼場所に向かう光、向かう前から嫌な予感を感じる砥上。状況は神代邸の探索を進めるにつれて徐々に徐々にと致命的になっていった。
砥上だけに見える神代邸の住人たち、光にまで迫る怪異の魔の手。この怪奇現象に砥上は覚えがあった。
そう、光の秘密、そして砥上が追う者が神代邸事件にかかわっていたのだ。
本作は、繊細なストーリーを持つ作品です。実をいうと、「光の秘密、そして砥上が追う者」というストーリー説明すらネタバレに当たります。
ただし、この一節だけで分かるほど、本作の事情は易しくありません。30年前の神代邸の人々も、主人公である砥上と光も、複雑な人間関係を持っています。ストーリーを進めるたびに複雑な関係が次々と明かされる仕組みになっています。
本作は謎解き主導の探索アドベンチャー、基本的にBAD END以外のGAME OVER…追いかけっこなどは無く、集中して謎解きに取り掛かれます。謎解きの難易度自体もそれほど高くはありませんが、アイテムの場所はほとんど光ってくれないため、「家具・置物は隈なく調べる」という基本は必要です。
そして、本作で特徴的なのは、砥上と光で調べられる場所がまるっきり異なる点。
砥上視点では霊のひしめく不気味な場所でも、光の視点では「30年前から人がいないにしてはピカピカの豪邸」にしか過ぎません。このため、霊から情報を収集できるのは砥上だけ。ただし、霊に邪魔されて調べられない場所、鍵開けなど、光を使って謎を解く箇所も多数あります。
砥上と光の切り替えは、画面右上の矢印マークをクリックするか、Q,Wキー (5,6ボタン)で行います。基本、表に出ているキャラで解けない謎は、裏に回っているキャラが「私ならできる」と答えてくれるため、悩む必要はないでしょう。何も教えてくれない場合は、アイテムが必要な箇所だと分かります。
本作の魅力は、二転三転するストーリーにあります。序盤の印象では単なる屋敷探索と思っていましたが、中盤から分岐するEND, 一つでも見落としがあるとたどり着けないBEST END, その中で明かされる光の秘密、暗躍する者…中盤・神代邸の外へ出られるようになって以降、ストーリーは風雲急を告げていきます。
そう、普通の脱出ホラーならENDとなる「屋敷からの脱出成功」は、本作では中盤なのです。そこから真相を探り出すために、神代邸の事件、そして砥上と光の過去を紐解いていくのです。
そのため、私はプレイが止まらず、クリアまで徹夜してしまいました。本作、シナリオ量は6時間と結構長めです。プレイの際には少々夜更かししても平気な日時を選んでください。
なお、オープニングメニュー最後の「??????」を見るためには、中盤から分岐する4つのENDを全て閲覧する必要があります。そのためにも夜更かしは注意です。
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ジャンル [ 脱出ゲーム ] 作者 [ 戸塚 さま ] 容量・圧縮形式 [ 76MB・ZIP ] 製作ツール [ WOLF RPGエディター ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 白磁の顔がほころぶ刻
マティウス・クロムとリタ・ハーノルトは、図書室の片づけ作業をしていた。作業も終わりかけた夕方、彼らは机上に残っていた一冊の本を目にする。
ひとりでに開いた本の中に吸い込まれる2人。彼らが目覚めたのは奇妙な館の1部屋だった。
唯一の扉をナンバーキーで封鎖された部屋の中で、マティウスは焦りを募らせる。一方、リタはこの異常事態に対しても落ち着き払っていた。…いや、笑みを押し殺してさえいた。
何故なら、彼女は無類の脱出ゲームマニアだからだ!!
今回紹介するゲーム「彫刻姫の破顔時」は、自称「脱出メタネタADV」です。しかし、メタな理由は、同作者の「バグ=デバ」とは一味異なります。
リタが脱出ゲームの知識を駆使して謎を解く点、そして、マティウスが脱出ゲームの常識を知らないが故の疑問をストレートにぶつけてくる点です。
脱出ゲームの謎解きは少々知識と試行錯誤を要するレベルですが、謎解きを失敗した場合やメニュー画面の「Hint」でリタがヒントを教えてくれます。少なくとも、「これで分からなければ、答えを直接言うしかない」レベルまで、詳細なヒントを教えてくれます。
そして、「脱出ゲームの常識を知らない」マティウスのツッコミなども、物語に花を添えてくれます。
最初のうちは、脱出ゲームを解くためのアイテム獲得に対しても、「待って、それって窃盗じゃん!」なんてツッコミを返してくれます。心配せずとも、謎解きが必要な扉の前に行けばアイテムが必要なことを納得してくれるので、マティアスの無知が謎解きを邪魔することはありません。「彫刻姫」と呼ばれるリタの「破顔時」というタイトルの通り、本作は、登場人物のリアクションをメインに据えた作品です。アニメーションで動く2人の反応を楽しみながら物語を進めてください。
道中はほとんどが謎解きパズルを解くだけですが、ラストに簡単ながら追いかけっこがあります。そこでの謎解きもそれほど苦労せずに解けるはずです。
プレイ時間は30分少々。お馴染みのオマケでアニメーションパターンの閲覧もできるため、クリアまで頑張ってください。
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ジャンル [ 学園ホラー ] 作者 [ 祈念寫眞-キネンシャシン-公式 さま(あるふぁ さま、mt.saji さま、HIJIKI さま、△〇□× さま、他) ] 容量・圧縮形式 [ ダウンロード不要・ブラウザゲーム ] 製作ツール [ RPGツクールMV ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ RPGアツマールにて展開 ] 配布元 そのワンショットが、怪異への滑り台
「祈念寫眞(キネンシャシン)」…中高生の間で流行しているSNSである。管理者が提供するお題に合わせた写真をアップし、獲得した「いいね」数だけ現金をもらえるという、正直言っていかがわしさ極まりないSNSである。
主人公であるアイ、コータ、カナメ、ユウダイの4人も、「祈念寫眞」の新規ユーザである。彼女たちに最初に与えられたお題は「特別な場所を撮れ」というありふれたもの。それを叶えた次のお題は、「怪しい落書きを撮れ」…そして文字化けしたお題。ここから、「祈念寫眞」の要求は次第に怪異を帯び始める。
気を付けたまえ。このお題の行き着く先は、怪異に食われかねない危険なのだから。本作は、連載形式のホラーADVです。本作の特徴は、多数による合同作品であること。 メインキャラクターデザインに「LiEat」シリーズや「1bitHeart」・「Alice mare」などでおなじみ△○□×(みわ しいば)氏、歩行グラなどのドット絵に「Mushtopia」などを作り上げたmt.saji氏を起用。それ以外の参加者も、みな実績のあるフリーゲーム作者です。SNS「祈念寫眞」のマスコットであり、本作の狂言回しでもある「アメノセイ」も、本来はドワンゴが売り出しているVtuberです。
そんな大作家たちが集った本作は、様々な意味で衝撃的かつ練り込まれた作品です。
第1話だけでもプレイ時間90分となるシナリオ量です。舞台となるマップはほぼ校舎内だけですが、その中に多数の探索要素が詰め込まれているのです。
メインシナリオの他にも、サブクエストとなる「写真集め」があります。「写真集め」の対象となるイベントは、操作キャラのアイがあからさまに教えてくれますが、モノによっては遠くに立って撮影する必要があったり、ストーリーを進めないと出てこないイベントがあったりと、コンプリートまでに90分掛かるのもうなづける謎解きが含まれています。そんな話の展開は、第1話だけでも不穏と危険のオンパレード。難易度は低い(捕まっても何回かはボタン連打で振り払えるレベル)ものの、追いかけっこがクライマックスに用意されています。
そして、不穏さはストーリーを進めるごとに指数関数的に増していきます。何しろ、主役が4名もいるのに、頼り甲斐がまるで感じられません。ホラーとしては間違いなく期待できるキャラ立てです。
オープニングでは仲が良さそうな4名ですが、その後の展開で割とお行儀が悪いことが露になったり、友情にヒビが入る描写があったりと、第2話以降の展開に不安と期待が嫌が応にも増すストーリーテリングとなっています。
一体、第2話以降、この4名はどのような顛末を迎えるのでしょうか。1話最後の次回予告、そして公式Twitterが上げるストーリーチラ見せから、我々は類推するほかありません。
- (補足)
- 2019.12.20:現在、第2話まで配信されています。
- 2023.06.28:ゲームアツマールのサービス終了に伴い、現在はプレイできません。
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ジャンル [ ダークファンタジーアドベンチャー ] 作者 [ 花房夜空 さま ] 容量・圧縮形式 [ 186MB・ブラウザゲーム ] 製作ツール [ RPGツクールMV ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ グロテスク表現・バイオレンス表現含む ]
[ コミカライズ(上下巻)が発売中 ]
[ スマートフォン用アプリもリリース(iPhone, Android) ]
配布元 白き翼は天に散る
かつて、この世界は一度滅びていた。「翼腕症」と呼ばれる不治の病によって。パンデミックから1872年後、その混乱すら忘れかけられている時代が、本作の舞台である。
12才の少女・アンジェルも、その世界の中で平和に人生を過ごすものだと思っていた。自分が翼腕症に罹るまでは。
翼腕症患者の隔離施設である「鳥籠」に移送されたアンジェルは、そこで更に信じられない光景に出くわす。
珍しい「白い翼」を生やしたアンジェルを狙う「鳥籠」の番人「ガンドッグ」
魔法を操り、「鳥籠」とは別の世界に住まう少女「グロリア」
人食いと恐れられる「黒い翼」の末期患者、そして本好きの心優しい少年「ハカナ」
そして、光る茨に捕らわれた先に待つ死と隣り合わせの異世界…
この狂気の世界に巻き込まれたアンジェルは、「鳥籠」の中心にある塔を目指す。まるでそれが自身の使命であるかのように…。
本作は、世界観と物語を重視したアドベンチャーです。その作りこみは、2018年9月に大型アップデートが入り、今年2019年にはコミカライズ連載まで始まるほどです。
私も、実はリリース直後の2017年バージョンをプレイしたことがあります。改めて今年の最新版をプレイしたことで、より感動を深めることになりました。
本作は、謎解きは無く、追いかけっこも簡単めに設定されており、ストーリー進行に詰まることは無いでしょう。ただし、物語の枝分かれは意外と多く、思わぬ所に出る選択肢などは慎重に選択しなければなりません。ハズレを選んで即GAME OVERになるなら良い方です。時にはその何気ない選択がエンディングの枝分かれとなります。
大切な選択肢や追いかけっこの前にはセーブ画面が出ますが、ストーリー早送りのために決定キーを押しっぱなしにしていると、セーブを上書き保存してしまう場合があります。基本のセーブは青い鳥に話しかけるチェックポイント制になっているため、要所要所でセーブを分けておくように心がけましょう。
本作のプレイ時間は1ルートで1~2時間前後。全ルートを見たい場合は、「ふりーむ!」のページにある「◆ED攻略のヒント◆」を参考にして、該当箇所近くのセーブを分けておきましょう。
どのルートをたどるにしろ、各キャラの、そしてこの世界の真相は、きっとあなたの心をえぐるでしょう。その先の運命は、是非、貴方の手で切り開いてください。
- (補足)
- 2023.06.28:リンクなど周辺情報を変更。
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ジャンル [ 探索ホラー ] 作者 [ もいもいカンパニー さま ] 容量・圧縮形式 [ 170MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクールMV ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 JKの奇妙なお住まい
元警官の探偵・赤海ユウは、女子高生・七日ハルより依頼を受ける。
両親と兄を失い、現在一人暮らしのハルに付きまとう気配があるというのだ。警察に相談しても人の痕跡は見当たらない始末。
巨額の依頼費に目がくらんだユウは依頼を快諾する。とりあえず、盗聴器の類から調査しようとハルの家に来たのだが…。
玄関をくぐった先に待っていたのは、奇妙なアトリエであった。当然、一般家屋としてあり得ない空間である。
扉の先はめまぐるしく変わり、結婚式場から葬式へ、そしてラブホテルへ…あまりに脈絡のない空間が広がっていた。
一体、この空間は何なのか、誰がこの空間を作ったのか、そして、空間を潜り抜けた先に待ち受ける真実とは…。本作は、目まぐるしく変わるステージを探索するホラーADVです。シナリオ量は3つのEND全てを閲覧したとしても2時間ほど、解くべき謎解きの量も少なめです。
ただ、その謎解きは難しい…というわけではないのですが、ヒントの出し方が些細すぎて解き方の分からなかった箇所がチラホラとありました。ダウンロード先から攻略の書いてあるブログにたどり着けるため、詰まった方はそちらを参照してください。
本作の特色は、一見何の脈絡もなさそうに見える舞台が、どのように結びついているのかを探ることにあります。2週目プレイで追加されるシーンも多く、ストーリー全体を補完するには隅々までの探索を要求されます。
そして、2週目専用のENDを見た後でも、しっくりこない読後感が残る作品です。決して「納得いかないEND」ではありません。「全く安心できないEND」というホラーとしてはある意味最高のENDなのです。「考察しがいのあるEND」と言ってもいいでしょう。
皆様も、本作のストーリーを隅々まで味わって、そして、隅々まで考察してください。タイトルの意味でさえ、考察するとホラーがより深まるかもしれない、そんな謎ばかりのストーリーです。
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ジャンル [ 探索ADV ] 作者 [ Q助 さま ] 容量・圧縮形式 [ 312MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクールMV ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 Welcome to ようこそ…
進(ススム)…幼き彼女は独りだった。ただ一人の兄が1月近くも行方不明になっているのだ。
幼きながらに兄を探し続けていたススムは、ある日、不思議な標識が立ちはだかる森に迷い込む。入り口をふさいでいた標識を説得し、森の奥に乗り込んだススム。
彼女はその森の奥で、兄の持っていた鍵を拾う。森の奥に兄を求めるススムに対し、なんと入り口をふさいでいた標識が協力を申し出る。
標識はしゃべり、歩くだけでなく、人の姿にもなれる不思議な標識だったのだ。「マモル」と名乗るその標識と共に、ススムは森の探索を進めるのであった。
人の姿になる標識がひしめく不思議な森。彼らの正体は? そして、そんな不思議な森で兄は無事であろうか?本作は、簡単な探索要素のあるアドベンチャーです。ただし、その探索要素は多岐にわたります。序盤は目的地への移動が主ですし、その目的地自体も判りやすいヒントが出るようになっています。
しかし、後半になると探索要素のバリエーションが増えます。スニーキングアクション・アクションRPG的に敵を排除するシーン・道中の資料から真相を求めるシーン…色々なゲームが出てきます。
しかし、その探索要素も難易度は楽です。スニーキングアクションは失敗してもマップの最初に戻るだけとペナルティが少ない設定になっています。アクション要素もプレイヤーの前と左右に攻撃判定があるため、まず死ぬことは無いでしょう。
ただし、うかつな行動をすると一発GAME OVERとなるシーンはチラホラとあります。スニーキングアクションが発生する辺りまではいつでもセーブできるため、細かにセーブしていきましょう。本作の真骨頂は、3つのENDに枝分かれするストーリーにあります。そのうち1つのENDは2週目専用。残りの2つのENDはストーリー中盤で分岐します。
中盤の分岐は、うっかりすると見逃しかねない場所にあります。後戻りできない箇所に来たら、必ずセーブ場所を分けておきましょう。
そして、本作は3つのENDを全て見ないとストーリーの真相が分からない仕掛けになっています。…そうです。2週目専用ENDがストーリーの真骨頂になっているのです。
私からは、「『えっ…』と思うほど意外な結末」とだけ語っておきます。登場人物であるススム・マモル・ハズレ・チヒロ…その他様々なキャラクターがどのような顛末を迎えるのか、楽しみに、そして戦々恐々としながら読み進めてください。
3つのEND全てを見るのに2~3時間ほどかかるシナリオです。分岐が分からない方は、Readmeにもヒントがあるため、そちらを参考にしましょう。
- (補足)
- 2023.06.28:ゲームアツマールのサービス終了に伴い、リンクを変更。現在は、スマートフォンアプリ版を含めたダウンロード版のみプレイできます。
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ジャンル [ 探索ホラー ] 作者 [ Uri さま ] 容量・圧縮形式 [ 44MB(パートボイス版)・90MB(フルボイス版)・ZIP ] 製作ツール [ WOLF RPGエディター ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ グロテスク表現・性的表現を含む ]
[ フルボイス版・パートボイス版が用意されています ]
[ リメイク版 ]配布元 人魚の夢は、水草と呪いに縛られて…。
山崎凛たち大学生4人グループ。彼女たちは旅行の帰り道に山道に迷い込んでしまう。あまつさえ、原因不明のトラブルで車まで立ち往生してしまう。周囲にも霧が出始め、歩いて人里に出ることも不可能になった。
たまたま通りがかった近辺の地主である土田幸男の厚意に甘え、彼のもとに一晩の宿を求めることになった。
しかし、怪異はここから発生する。仲間の一人・由香が身体が膨れる奇妙な病に倒れてしまったのだ。肝心の土田は近くの集落に出かけたまま姿を見せないありさま。
残る凛・清太郎・雄太は、人里に繋がる地図を求めて、屋敷の探索に乗り出すのであった。おぞましい人魚伝説の残る屋敷と沼に、彼女たちは何を見るのであろうか…。本作は元々2013年に公開された作品です。リメイク前が出た2013年には、本サイトに投稿レビューは来ませんでしたが、実況動画界隈の人気はそれはもうすごい物でした。
私もリメイク前をプレイしましたが、2013年当時は他のゲームの投稿レビューやイチオシレビューが多かったせいか、後回しにしているうちに旬を逃してしまいました。
今回のリメイクは、より恐怖を増す方向に修正されています。6年の間に作者の画力も上がり、枚数の増えたイベントスチルが、本作の恐怖と悲しさを倍増してくれます。
歩行グラフィックも、登場人物の正気度など状況に応じて細かく変わるようになりました。余裕があれば、細かい表情の変化から本作のストーリーをより楽しんでおきましょう。また、リメイクに際し、ほぼ完全な攻略チャートが本作に同梱されています。本作は中盤で大きなストーリー分岐がある上に、部屋数の多さで導線を見失いがちです。私も久々のプレイではどうしても攻略チャートに頼らざるを得ませんでした。
また、リメイクに際し、「達成度」というやり込み要素が追加されました。プレイ内で見たイベントにより解放されていく要素です。この「プレイ内に見るイベント」の中には、「目覚めてから外に出るまでの一瞬しか見れないシビアなイベント」や「普通にクリアするより難しい、追いかけっこの負けパターン」まで含まれます。
こちらも、同梱の攻略チャートを見れば、達成度が上がるイベントがある場所がわかるようになっています。本作をプレイする際には、心すべき点が多数あります。1つは、注意書きにもある通り、本作にグロテスク表現・性的表現を含むこと。性的表現は凛の入浴シーンの他はテキストで少々出る程度です。しかし、グロテスク表現の方は、病中の由香を初め、リメイクで追加・改変された一枚絵や歩行グラが止めどなく襲い掛かってきます。
2つめは、ストーリー分岐の深さ。先ほども言ったとおり、本作は中盤で大きなストーリー分岐があります。ストーリー分岐になりそうなフラグは、作内で再三念押しされるため、フラグ立てに必要なアイテムを手に入れる前のセーブは、必ず分けておきましょう。
最後の1つは、凛の行動パターン。作者様のお叱りを覚悟して言うと、彼女の行動パターンは「ホラー映画で自分勝手な行動をして周囲をピンチに陥れるヒロイン」そのもの。あまつさえ、彼女は我々プレイヤーがメインで動かすキャラ。その彼女がいらんピンチを巻き起こし、あまつさえプレイヤー自身が彼女の「いらん行動」を操作しないとストーリーが進まない場面さえあります。
凛と作者の名誉のために念を押しておきますが、凛の行動のほとんどはちゃんと屋敷の謎解きと脱出に繋がるものです。ストーリー上も凛は由香を心から心配し、真相に涙するシーンがあるため、ご安心ください。現在の作者は、この「人魚沼」を初め、初期に出していたほとんどの作品をリメイクしています。6~7年前にプレイした方々も、改めてプレイしてはいかがでしょうか。懐かしさも更なる新鮮な驚きも味わえる仕上がりになっています。
- (補足)
- 2023.06.28:リンク先を「ふりーむ!」に変更
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ジャンル [ 探索ホラー ] 作者 [ にに さま ] 容量・圧縮形式 [ 166MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクールMV ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 ひと夏の様々な思い出
筒井彩は、小学校の夏休みを利用して、親戚の家まで一人旅を続けていた。
時には途中の祖父の家で一泊を過ごし、時には廃病院で一夜を明かし、彩は旅を続けていく。
その旅路の中、彼女は数々の怪奇スポットに立ち寄る。それは小学生特有の冒険心か、はたまた本人すら知らぬ因縁か!?
そして、彩が明らかに小学生には不釣り合いの過酷な一人旅をめぐる理由とは!?本作は、小学生の彩を通して、怪奇スポットを冒険する探索アドベンチャーです。
そして、その怪奇スポットは全てスルー可能です。全てスルーすれば、ただの「小学生のひと夏の冒険譚」で終わります。
ただし、いざ怪奇スポットを巡るとなると、途端に本作は過酷な面を魅せます。「真相」を含めた過酷なストーリーもありますが、何より探索そのものが難易度の高い作品になっています。
実をいうと、私は本作の攻略を一度断念しています。2日目の廃病院で詰まっていたのです。
廃病院は、舞台の広さもさることながら、手に入れるべきアイテムも立てるべきフラグも、果てにはストーリーの分かれ道まで広大なシナリオでした。私が詰まっていたのは、フラグ立ての一つである「幽霊とのかくれんぼ」。この広大な廃病院を、ラジオのノイズをただ一つのヒントとして探索しなければいけません。
今現在は、作者さまのホームページに(攻略には充分なレベルの)ヒントが掲載されています。正直言って、攻略に頼らずしてクリアは至難です。重要アイテムにライトアップが無く、攻略上必須のアイテムが無い外れ部屋が多く、作中でのヒントも不足しているからです。本作は、攻略に頼ってでも真ENDを見てほしい作品です。普通に怪奇スポットをスルーするルートでも不審な点が見えるストーリーラインが、怪奇スポットを巡る度にプレイヤーの目にも明らかになっていきます。
そこから先はネタバレの範囲内。自らの目で確認して下さい。コンプリートまでに1時間少々のシナリオです。
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ジャンル [ ホラー探索アドベンチャー ] 作者 [ ウシミツドキ製作委員会(夜野カラス さま・闇ヒツジ さま・守谷シゲ さま・飯讎零 さま) ] 容量・圧縮形式 [ 103MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクールMV ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 狂っているのは、怪異か自分か。
霧島 透子は深夜の学校で目覚める。親友・門倉 真希を待っているうちに眠ってしまったのだ。
すぐさま自分も下校しようとするものの、廊下には不気味な彼岸花が咲き乱れるなど、どう見ても学校の様子がおかしい。
真希の下駄箱から見つけたビデオから、真希が学校の地下に監禁されていると知る透子。真希を救い出すため、透子はしゃべるブラウン管テレビ・ウシミツと共に、学校の七不思議を解き明かす冒険に出るのであった。
…さて、上記ストーリー説明に不可解な部分があったかと思います。「なんであんな不気味な手を『彼岸花』っていうんだ!」と。
道中で見え隠れする怪しげな女性霊…彼女に透子の認識が狂わされていることを序盤から提示し、このストーリーには「裏」があることをプレイヤーに分からせてくれます。
果たして、ストーリーの「真相」とは!? それを解き明かすには、単純にストーリーラインを沿うだけではいけません。道中で手に入る「ビデオ」を全て集めることが重要になります。
「ビデオを全て集めることがストーリー分岐になる」点についても序盤で明言されています。ネタバレには当たらないと判断し、このレビューでも触れることにしました。
ただし、このビデオ、実際にアイテムから使用して動画を閲覧しないと「手に入れた」フラグが立たない点にご注意を。2週目からプレイする場合は忘れがちです。謎を解き明かすためのリドルも、それほど難しくはありません。ウシミツとの相談でヒントが出ますし、難易度自体も楽な方です。
ただし、厄介なのが追いかけっこ。特に幽霊(←)が厄介なのです。
幽霊の出現フラグは乱数で決められているようで、逃げ切ったと思った瞬間、同じフロアで再出現するという現象が頻発します(Ver.1.0の場合)。
「特定の場所を踏むと、ワープで先回りしてくる」という追いかけ方も厄介です。決して勇み足でぶち当たることの無いようにしましょう。
本作の魅力は、色々な箇所に隠されたストーリーにあります。黒幕に隠された透子の真の記憶、時折出現して透子を助ける小さい影、そして、特定のタイミングで仰天エピソードが飛び出すウシミツとの相談…能動的に調べるほど色々なストーリーが浮かび上がってきます。
プレイ時間は1周30分程度。2つのENDを見るだけでも1時間もあればクリアできるでしょう。おまけも充実しているため、隅から隅まで味わってください。