■ 三代目レビュー バカゲー 弐 | ||||
スーパーノンデリ温泉 | クイズ 私生活がダメダメな巫女さん | あつまれ トロピカル因習アイランド |
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メゾンドホームズ殺人事件 | んこぴったん | 飲みすぎの闇 |
ジャンル [ 温泉旅館探索アドベンチャー ] 作者 [ べるず さま ] 容量・圧縮形式 [ 107MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクールMZ ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 貴方って、本当にノンデリだわ!!!
とある温泉旅館の若女将・若美。彼女が目覚めたのは、見知らぬ部屋だった。
目につくのは、自分の体ほどの大きさの消しゴム。そして、冴えない眼鏡男だった。
冴えない眼鏡男に対して開口一番「パッとしない奴!」と叫ぶ若美に対し、眼鏡男・温田は常識人だった。若美と温田は協力しながら、謎の温泉迷宮からの脱出を図るのであった。
しかし、ここは危険な場所。辺りをうろつく危険な温泉卵人間。そして、若美のノンデリ発言に教育的指導を放つ謎の女教師・デリ子。
第4の壁の内と外から襲い来る怪しい人影。果たして、貴方はこの謎を解けるか。
今回も、相変わらずのべるず氏謹製脱出ゲーム。今回の謎解きおよび舞台のテーマは「温泉旅館」。その謎解きも簡単めになっています。
何しろ、今回の怪物は登場数秒でHumpty Dumpty had a great fall. 王様だろうがデリ子だろうが作者だろうが蘇生はできません。ランダムに廊下上に出現はするものの、触っても無害です。GAME OVERを恐れることなく謎解きに走り回れます。
そして、本作のもう一つにして最大のテーマである「ノンデリ」。ある意味、この言葉が本作最大の謎でもあります。
何しろ、「ノンデリ」の意味についてゲーム内やReadMeには全く説明がありません。前作「心の声ダダ漏れなカピサーの姫」の「カピサー」は、「カピバラをねっとりと威嚇するサークル」とオープニングから説明があるにもかかわらず。
その答えは、本作を隅から隅までプレイすれば、何となく分かるでしょう。ただし、本当に「何となく」であり、最後まで行っても「ノンデリ」の「デリ」の意味は明言されません。
本作を最後までプレイした私の導いた答えは…本稿の画像URLを見れば分かるかもしれません。
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ジャンル [ 家電量販店探索アドベンチャー ] 作者 [ べるず さま ] 容量・圧縮形式 [ 104MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクールMZ ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 親の顔より見た脱出ゲーム…いや、流石にもっと親の顔を見ろ。
閉店直後の家電量販店に、怪しい人影があった。巫女装束姿の彼女の名は
見衣子 。「家電販売員の悪霊め…私が退治してやる!」と豪語する彼女であったが、その実、退魔どころか普通の神社仕事すらできそうにないフリーターのコスプレ女である。
しかし、この家電量販店はまさに悪魔的存在であった。恐怖のミキサー人間が徘徊し、電気(ウナギとナマズ)仕掛けの謎解きがひしめく危険な迷宮と化していた。
そんな迷宮に無計画に飛び込んだ見衣子は、案の定閉じ込められる。果たして、彼女はこの迷宮を脱し、本懐を遂げられるのだろうか。
皆様は、そんな見衣子のすったもんだを、謎解きとクイズを楽しみながら解き明かしてもらいたい。
今回もべるず氏お得意の謎解きバカゲー脱出ゲーム。その中で、本作は新機軸として「クイズ」が追加されています。
とはいっても、本作にクイズの正答・誤答によるシナリオ分岐はありません。その上、ほとんどのクイズは回答の入力すらできません。突然出現するゆえにヒントもありません。正解すら斜め上のものばかりです。
単純に、頭に思い浮かべた回答を答え合わせして盛り上がる、TVクイズ番組のように楽しむだけの要素です。
そして、本作にもGAME OVERとなる要素が存在します。迷宮内をうろつく「恐怖のミキサー人間」です。
低確率で廊下を回転運動する恐怖のミキサー人間に触れると、(親不孝をとがめられ)GAME OVERとなります。
行動パターンは単純で、移動範囲も狭いですが、歩行速度は意外と速いため、ひょんなところで引っ掛かりがちです。恐怖のミキサー人間を見かけたら、事前にセーブを取る程度の用心は取っておきましょう。
そして、べるず作品のもう一つの名物「意外に難易度が高く、一筋縄ではいかない謎解き」も健在です。今回のテーマは「家電」。スマホ・冷蔵庫・冷房・洗濯機…数々の家電品に秘められた謎を解き明かし、見衣子を出口まで導いてあげましょう。
プレイ時間は20分程度。頭をひねりながら笑って楽しめる、いつもながらの傑作です。
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ジャンル [ ネタゲー(ホラー) ] 作者 [ HIJIKI さま ] 容量・圧縮形式 [ 94MB・ZIP, ブラウザゲーム ] 製作ツール [ ティラノビルダー ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 Summertime in Everlast Midsummer!
「因習村」…地図上では日本にありながら、文化的に隔絶しており、一般人の感覚では推し量れない習慣・思想を持つ集落。人殺しへの忌避感や遵法精神を持たない集団を出しても違和感がない便利な設定です。
それ故に、ホラーやミステリーの舞台として数々の物語に使われてきました。かの「ひぐらしのなく頃に」から横溝正史、江戸川乱歩…それ以前の「民話」にカテゴライズされる時代の物語から。
しかし、それが「因習村」というネットミームとなったのはごく最近の話。ネット発のホラー「犬鳴村」が映画化された辺りからでしょうか。
そんな「因習村」が、今週(2023.01.25)に新しいネットミームを生み出しました。その名も「トロピカル因習村」。ジットリとして閉鎖的なイメージの「因習村」に、パリピで開放的なアーバンカルチャー「トロピカル」を雑にミックスさせたミスマッチ概念は、瞬く間にSNSの極一部をバイブスアゲアゲで盛り上げていきました。
今回紹介するのは、そのバイブスの産物であるショートギャグノベル「あつまれトロピカル因習アイランド」です。今週出たばかりのミームを数日も掛からずゲーム化されたことに驚く方もいるかも知れませんが、製作者がかの「マナーバトラー礼」の作者・HIJIKI氏と聞けば頷けるでしょう。「因習村祠破壊RTA」…これまた「因習村」をパロディしたショートギャグノベルを前作として公開しているなら尚更です。
※ HIJIKI氏は「ルナフォン」などのシリアスものも作れる作者であることは、念のため補足しておきます。話の大筋は因習系ホラーの典型。「先に突入したまま戻ってこない親友・恋人・家族を連れ戻すため、主人公もまた村に向かう」というものです。
島田 湘南乃風太 …通称「フータ」と呼ばれる大学生は、孤島の村・灰舞寿 淵亜毛 島に向かっていた。同じゼミに所属する友人・蓮花 の行方を知るために。
当初の印象とは異なり、高度にリゾート化された灰舞寿淵亜毛島にて、現地住民にもてなされるフータ。しかし、彼が蓮花について尋ねても、住民からははぐらかされるばかりであった。
おりしも灰舞寿淵亜毛島はフェスの真っ最中。島の神様「ばいぶす様」をもてなすためのお祭りとのこと。南国風の屋台が立ち並び、人でにぎわう会場。
しかし、その真ん中にある「ウィッカーマン」的木製人形。住民から漏れ聞こえる「サマークイーン」という名前の「主役」…。恐らくあなたの予感は、最悪の形で的中する。本作は数分~数十分で完結する掌編にもかかわらず、END数はかなり存在します。選択肢も掌編にしては多いため、(フータが言うメタなアドバイス通りに)選択肢中にセーブを推奨いたします。
実は本作、「神話体系ホラー」としては意外と真面目に作られた作品でもあります。「ばいぶす様」の正体、蓮花が犠牲となった理由、突然近代化した灰舞寿淵亜毛島…数々の謎が、選択肢によって分岐する結末によって1つずつ明かされる仕掛けになっています。
「観光地化してスムーズに外部の若者(生贄)を得られる」便利さ、「パリピで細かいことを気にしないため(酒のパワーもプラスされ)、因習の内容が不正確になりがち」というギャグ要素、ネットミームとなったころのネタを余すことなくこの掌編に盛り込んでいます。
皆様もパリピになって、お気楽に楽しみましょう。
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ジャンル [ やちんを あつめる ゲーム ] 作者 [ マガサシステム さま ] 容量・圧縮形式 [ 12MB・ZIP ] 製作ツール [ WOLF RPGエディター ] 言語 [ にほんご ] 配布元 ああ せんせい なんてことだ
ちゃぶ台を囲んで駄弁っている40代男性2人の名は、探偵・ホームズと医者のワトソン。もちろん、かの有名な英国探偵とも、ミシシッピーの豪華客船で有名な探偵とも別人である。
本作のホームズは、探偵業の傍ら、ここ「メゾンドホームズ」の大家も務めている。探偵業は暇ばかりのホームズは、今日も日銭を稼ぐため、「メゾンドホームズ」の住人たちの家賃収集に向かうのであった…。
しかし、それがあの大事件の幕開けとなるとは、視聴者以外の誰も予測できなかった…。
本作、最初の101号室で殺人事件に出くわすという大惨事が発生しますが、すぐにその衝撃は上書きされるでしょう。
…何故って!? 平和に過ごしている他の部屋の住人も、死体以上にヘンだからです!!!
表面上は、かの「ミシシッピー殺人事件」になぞらえたパロディなどのギャグストーリーですが、本作の住民たちはどいつもこいつも「ギャグ」という糖衣では隠し切れない闇を持つ人物(一部ホモ=サピエンスですらない)ばかり。場合によってはホームズたちを即死させてきます。
こんなクセモノ…と呼ぶのも生ぬるいヤカラ相手に、ホームズは淡々と家賃を催促します。それと同時に、探偵らしく、101号室の殺人事件の解決に乗り出します。
しんぱい 入りません。家賃収集をクリアし住民の証言を集めれば、殺人事件の謎も自ずと解けることでしょう。自然と解けるため、私からは殺人事件の詳細、および住民どもの説明は省略いたします。本作は、衝撃および笑撃を味わう、まさに一発勝負のバカゲーです。ただ、即死ポイントは本当に唐突なので、こまめなセーブだけは気を付けましょう。
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ジャンル [ ことばのパズル ] 作者 [ ksym さま ] 容量・圧縮形式 [ DL不要・ブラウザゲーム ] 製作ツール [ Unity ] 言語 [ 英語 ] 配布元 ぴったん、ぴったん、(ピーッ)たん
2021年6月初頭、とあるミニゲームが爆発的なブームを巻き起こしました。そのゲームの名は「NKODICE」。そのブームの過熱ぶりは、作者自らが「みんな疲れていたのではないでしょうか?」と宣う程でした。
かく言う私ことESも「NKODICE」を購入済みです。確かに、疲れに効くミニゲームでした。
そんな「NKODICE」、先ほどのインタビュー記事にも「開発8年」とあるほど長い開発期間を持つ作品ですが、その原点たる作品が無料でプレイできることをご存知でしょうか?
そのゲームの名は「んこぴったん」。かつて名をはせた「ことばのパズル」をベースに、役となる「ことば」を小学男児系センシティブワードで固めることにより、親しみやすく分かりやすい、それでいて勧めるのには気をつかうゲームに仕上がりました。
※ 以降の説明では、SEO対策のため、役名をローマ字表記にさせていただきます。
「んこぴったん」のクリア条件は単純。画面内のマス全てに上図の例にある役を1つでも付けられればクリアとなります。元祖「ことばのパズル」にあった言葉の連鎖による稼ぎ要素を廃し、謎解き要素に注力させたパズルになっています。
「NKODICE」でも全ての役に使用される「N」が重要でしたが、本作は別の意味で重要です。「OMANKO」と「KOUMAN」では「N」の位置が違いますし、「CHIKOU」という「N」を使わない役さえ実装されているのです。「N」をどこに持っていくのかが謎解きの第一条件となるのです。
そして、「全マスに何らかの役が付く(紫の枠が付く)ことでクリア」=「縦横の列全てで役を作らなくてもよい」というのも攻略のミソとなります。
上の右図では縦真ん中の列が「KOUCHI」になっており、これ単体では役とはなりません。横の列で「UNKO」「KOUMAN」「CHINKO」という役が付いているためにクリアとなるのです。
そのため、5マスの列=「OCHINCHIN」確定と考えるのは罠となります。5マスの列で役を作るのならば、「MAN」を共通させて「KOUMANKO」=「KOUMAN」+「MANKO」でも「マス全てに役を付ける」という条件にはマッチするのです。
実際の問題では縦横の兼ね合いを考える必要があります。「1つの列にいくつの役を入れるか」は、解決へのヒントとなったり、逆にこだわると正解を見失う落とし穴となったりと、中々に頭を使わせます。なお、本作ではステージごとの難易度にかなり波があります。20マスを超える難問ステージの直後が、10マス未満の一瞬でクリアできるステージであることもザラです。
ステージ数もステージごとの難易度も、かなりのボリュームがある作品です。「NKODICE」で癒された後の水風呂的役割として、意外と頭を使う「んこぴったん」、合わせてお楽しみください。
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ジャンル [ 酔っ払い系脱出ゲーム ] 作者 [ べるず さま ] 容量・圧縮形式 [ 95MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクールMZ ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ お酒は20歳になってから ] 配布元 おSAKE♪ おSAKE♪
20歳以上の皆様、お酒は大好きですか? 私は当然ながら大好きです。
本日ご紹介する「飲みすぎの闇」は、タイトルの通り、「お酒」と「酔っ払い」をテーマにした脱出ゲームです。
これまたベロンベロンに酔っぱらったキャリアウーマン・酒美は、見知らぬ部屋の中で目覚める。そこは豪華な酒と奇妙な謎が陳列された迷宮であった。しかし、その迷宮は徳利型の怪物まで彷徨う危険な場所でもあった。
果たして酒美は、芯までアルコールが回った頭脳で、この迷宮から脱出できるか。
本作は、謎解きも「酒」と「酔っ払い」がキーワードになったものばかり。以前紹介した同氏の作品と同じく、おバカな世界観に比べて意外と難しい謎解きがひしめいています。酔っ払いの動きを見る謎、カクテルの知識が問われる謎、どのヒントがどの謎に使えるのかさえ、きっちりと見極めなければなりません。
しかし、それを解くのはシラフ(推定)のモニターの前の皆様。皆様が動かすはずの酒美は、「選択肢を主人公に任せることができる」システムにより、モノを調べるたびに支離滅裂な言動を繰り広げます。支離滅裂な言動は、プレイヤーの皆様がある程度調整できますが、どれも支離滅裂であることには変わりありません。その上で「酔っ払いに任せる」コマンドで酒美にランダムで選択させることさえできます。
ご心配なく。行動の選択肢はどれを選んでもENDが分岐したりGAME OVERになったりはしません。存分に支離滅裂な言動をお楽しみください。
ただし、本作には別の注意点があります。ENDは1つのみですがGAME OVERは存在します。廊下をランダムに動き回っている「徳利型の怪物」です。
奴に触れてしまうと(もらいゲロにより社会的に)GAME OVERとなります。徳利型の怪物は、廊下に入った直後に数秒ほど姿を見せた後、透明化します。その数秒間で怪物の位置を把握し、怪物のいる道を避けること、それが唯一の回避法なのです。
果たして、酒にまつわる謎を解いたプレイヤー、そして手当たり次第に支離滅裂な言動を繰り広げる酒美を最後に待ち受けるモノは…。それは、貴方の目で直接ご覧ください。およそ20分ほどで読破できるシナリオです。
そして、本作は、当サイト初のRPGツクールMZ作品レビューとなります。あらゆる意味で「初作品」にふさわしい破壊力を持つゲームであることは、この私が保証します。
- (補足)
- 2020.10.18:このレビューは、24時間以上アルコールを絶った上で執筆いたしました。