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■　彼女と彼女と私の七日

タイトル
作者 [ Lilies Project さま ]
ジャンル [ 男性向け18禁ビジュアルノベル（百合・ふたなり含む） ]
容量・圧縮形式 [ 1.15GB・ZIP ]
製作ツール [ 吉里吉里 ]
ダウンロード ダウンロード先

折原絢子 雅 石待小牧 久坂万理乃 ファティエット 折原皐 網城杏奈

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 9 /10 10/10 9 /10 85/90 A
DECOすけ野郎 9 /10 10/10 10/10
赤松弥太郎 9 /10 10/10 9 /10

　《 ES 》　 ハマリ度：９　グラフィック：１０　サウンド：９

女の園は、甘く、切なく。

初めに、GB越えと言う、これ以外ではFPSぐらいしか到達しえなかった大容量にまず腰が引けるかと思います。
しかし、「彼女と彼女と私の七日」は、その大容量を押してでもオススメしたい作品です。そして、本作品のDLが難しいマシンでは動作させるのはもっと難しいです。
フリーゲームらしからぬ美麗、故に重いエフェクトがバリバリ飛ぶ作品です。もっとも、そのエフェクトはクリック一つで飛ばせるため、「じっくり見てられっか」派（含む私）も安心です。

そして、18禁ノベルとして大切なシナリオ（性的な意味含む）も抜群です。各キャラの個性及び関係性という、萌えゲーとして不可欠…万一外そうものなら悲惨になる要素も、かなり考えて作られています。
本作のコンセプトは「百合（女性同士の恋愛）」の一点。その一点において、シナリオ・グラフィックが並々ならぬ力量を注ぎ込まれています。
小牧や万理乃の杏奈に対する感情は本当に恋慕なのか、（魔法が物理方式で存在している本作品の世界であっても）謎の存在である雅が学園に留まり続ける理由とは、そして、物語が進むにつれ深まっていく、絢子と杏奈の関係…。
時折挟まれるエロシーンも相乗して、グイグイとシナリオに引き付けられて行きます。

ただ、そのシナリオにも問題がないわけではありません。上の例の通り、本作品の恋愛関係の中心は、主人公…すなわちプレイヤー視点に立つキャラ・絢子ではなく、第一のヒロイン・杏奈です。
そのため、件のエロシーンも、ほとんどのシーンは絢子＝プレイヤーの介入外で行われます。
小牧や万理乃とのエロシーン、淫魔・ファティエットをくやしいでもクリムゾン状態にさせたりと、杏奈は無双の活躍を見せます（性的な意味で）。
その間、主人公の絢子と言えば、エロシーンを覗きに来る雅をとっ捕まえなきゃでもエロシーンも気になるキャ状態になったり、先制攻撃を受けて気絶してたりと、全く見せ場がありません。
むしろ、杏奈の方が、その魅力と行動力（性的な意味で）において、エロゲーの主人公と言うにふさわしいキャラです。

もちろん、こういう設定にしたのには理由があります。本作のストーリーは、主人公・絢子が開発（百合的な意味で）される過程を描いた物だからです。
絢子自身が攻略＝恋愛対象にできるキャラは、メインヒロインである杏奈と雅の二人のみ。唯一の選択肢となるラストで、どちらと関係を持つかを選択します。
ただし、それは単なるエロシーンにならないよう、序盤から徐々に盛り上げていく構成になっています。それが、本作のシナリオが最も力を注ぎこんだ部分だと感じています。
本作の舞台である7日間の中で、絢子は（当初は）奇妙な同居人に過ぎなかった雅、（当初は）単なる友達であった杏奈との気持ちの整理、そして、母との確執など、様々なものを乗り越えていきます。

このゲームを語るため、様々なものをネタバレしてしまった当レビューで、今更言うのもなんですが、百合系に抵抗を持たない方は是非ダウンロードして欲しい、そして、百合系が好みの方なら絶対にダウンロードするべきと太鼓判を押せる作品です。
シナリオ量は、2ルートのコンプリートで3時間程度、決してだれることのない、濃密な3時間を味わえる作品です。無論、性的な意味を含めて。

　《 DECOすけ野郎 》　 ハマリ度：９　グラフィック：１０　サウンド：１０

思えば遠く来たもんだ。

最初にプレイしたエロゲーは「ぽんこつ野球拳おまけつき」 「できるかなー！」でした。
（両方共今ではダウンロード不可能です）
あれから早や6年・・・エロゲーはここまで進化したわけなんですよな。しみじみ。

そういうわけで、このゲームは「ツルゲーネフへよろしく！」経由で初めて見つけたのでした。

「ふむ、なかなか面白そうなゲームじゃないっすか。早速だからプレイするか」
↓
1.1ギガでした
↓
「俺の貧弱なパソコンだと重すぎるぜ、ヘヴィだぜ・・・」
それでもなんとかダウンロードして、最後まで進めましたよ。

ウォォォン。こ、これがフリー公開だなんて・・・素晴らしいぜ！
それでも、このゲームを作ってくださった方々に対価を払いたいんですよ。本当に払いたい。
それくらい素晴らしい作品だったんですよ！！

「かなちゃんと魔法のぱんつ」とか「満開チラリズム」みたいなギャグ系のエロゲーを数多く作ってきたサークル「月のあくび」の人が制作に携わっていると聞いたので、そういうタイプのゲームかと思っていたんですが・・・
わぁお、思った以上にシリアスなお話でございました。
「他人と違う」ことを悩む主人公が「彼女」と「彼女」により少しづつ変わっていき、成長するという内容でして。
百合という要素があるから敬遠しがちな人もいるかもしれないけれども、そういうのはあまり気にしなくてもプレイは出来ると思うんです。
「ガチ百合」と名乗っているからには開始１０分もしないうちにそういうことになったりするわけでして、でも、この話は芯がちゃんと通っているわけですよね。そこがとても良かったです。

ハマリ度：9 / 10
掛け合い、日常、そしてシリアス。それらが全部噛みあってとても良く出来ていたと思います。
これだけのものを無料公開してしまう作者さんには頭があがりません。
・・・ただ「彼女」の一人である杏奈との話は決着がついたけれども、もう一人の「彼女」雅の方の話はぶっちゃけた話決着がついてはいないんだよねー。
過去の壮絶な話といい、あのあとどうするのかといい。
完全版が出るようであれば、そこの話も読みたい。
・・・無論性的な意味でもな！
グラフィック：10 / 10
作者さんは商業向けで活躍されていたということで流石というか、言うことが無いです。
立ち絵の綺麗なこと！グラフィックがよく動くこと。
（希望だけれども、完全版が出るようであればファティエットの出番をもっともっと増やして欲しい。あと、メガネキャラも一人くらいは・・・！）
サウンド: 10 / 10
BGMは種類が20種類よりちょっと多いくらいだけれども、どこも効果的な使われ方をしていましたからあまり気にはならなかったんですよ。
で、エッティーなシーンでもエロゲーそのものにありがちな「いやらしい音楽」ではなくて、その、まあ、なんというかちょっと違った感じだったのは良かったです。

【追記】
あとは（百合スキーの）赤松弥太郎さんがなんとかしてくれるはずだ！
頼んだぜ！

　《 赤松弥太郎 》　 ハマリ度：９　グラフィック：１０　サウンド：９

覚醒 ! 運命の鎖を解き放て !

◆ということで、封印を解いてみた。

……ずいぶん前にイタい目にあったはずなの。

いやね、今回の作品は「自分の過去と向き合って、これからの新しい自分に向かって一歩踏み出そう」という、とっても爽やかなジュブナイルなのだよ。
そこで俺もだ、過去の自分としっかり向き合って、爽やかなレビューを書こうと思って……

……自分の欲望のままに作った、ヤンデル電波無口妹を呼び出したの。

自虐ネタはほどほどにしなさい。話が先に進まないから。
なあに、かつて先人も通った道、まだまだ後輩には負けられないしね !
それでは登場キャラクターの紹介からどうぞ。

◆なぜだ ! なぜメガネを認めねえんだ !

おりはら あやこ 折原 絢子(おりはら あやこ) 　変態度 : ★★★☆☆
属性 : ドM、オカルトマニア、丸顔、ドジっ娘
性癖 : 覗き癖、立ち聞き癖あり。開幕早々緊縛に目覚める。弱点は乳首。

オカルトでドジっ娘、丸顔ときたらメガネ、これは常識でしょ !?

……主人公。ひかえめに言って、うるさいの。

やかましいわな。この作品ボイス入りだから、時々プレイヤーまでビックリすることもあるくらい。

……バカな犬ほどよく吠える……

いや、頭は悪くないと思うよ。バカだけど。
ここぞと言うときの判断力とか集中力、これが本来の彼女のパフォーマンスなんだろうな。だけど、それを活かせてないんだよね。
たとえて言えば、劇場版ののび太、みたいな ?
あと、バカに見えるのも、近くに心の底から信用してる人がいるからっていうのが大きいだろうね。

……だからって、のぞきは犯罪なの。市原悦子なの。

本人はうだうだ口実をつけてるが、言い逃れはできないね。
親友の鬼畜責めをのぞき見しながら興奮してるなんて、まったくのドM、ド変態じゃないか。
まあ、この作品の登場人物はみんなどっかしら変態だから、ランク的にはこれでも真ん中なんだけどな !

……変態ど真ん中……

そうは言っても、本作の中では彼女が一番安定感があるし、一番心配いらない娘ではあるかな。
ただバカ、打たれ強いってことはつまり、反省がない、物事が見えてないってことでもある。
今まで目を背けてきたことにちゃんと向き合う、これが彼女にとっての次の一歩ってことだな。

……屈折してるの。

いえいえそちらこそー。
だいたいこの程度なんてかわいいもんだよ。次の人なんて……

あみしろ あんな 網代 杏奈(あみしろ あんな) 　変態度 : ★★★★☆
属性 : ドS、お嬢、会長、ツンデレ
性癖 : タチ一筋。緊縛技能Lv2。乳首大好き。

ドSで会長でツンデレなんて、メガネをかけてない方がおかしいとは思わないかね !?

……メインヒロイン……メインヒーロー ?

うむ。一言で言うと、漢だね彼女は。
みんなの期待を受けて、自分の正義と信念で行動する孤高のヒーロー。こりゃあ惚れられるわな。
特撮オタの俺は「みんなまとめて愛してやる !」の人を思い出したね。・・・・すごい漢だ。

……兄の半裸はみっともないの。

半裸だったら何が悪い ! だって本当にすごい漢なんだぜ ?
大胆不敵で傲岸不遜に見えるけど、とんでもない器の大きさと思いやりの深さは序盤からもわかるんじゃないかな。
だけどここまで重度のヒーロー症候群だと救いがない……それって「やせ我慢」でしょ。
いくら器が大きいからって自分の欲望押さえつけてたらグリード化しちゃうよ。

……日本語でおk。

んー……ここからは、多分みんな自身の目で確かめてもらった方が良さそうだ。
彼女の思考体系は、男性にはよくわかるんじゃないかって気がするね。むしろ女性はわかりにくいかも。
もう一度読むときは、杏奈が何を考えていたかに注目して読むのがオススメの楽しみ方だね。
この作品は非常にしっかりしてるから、ストーリーが進むごとに追いつめられていく様子が読み解けるよ。

……自業自得なの。

そう言ってくれるな。漢ってのは生きにくいものなのさ。
まあ、男だからって漢じゃなきゃいけないとも思わないんだけどね俺は。

あおと みやび 青砥 雅(あおと みやび) 　変態度 : ★★☆☆☆
属性 : 幽霊、最終兵器
性癖 : 天性の覗き魔。得意技は放置プレイと乳首開発。

イマイチ属性が弱いなーメガネかければそれだけで属性が増やせそうなんだけどなー
まあアレか。サブヒロインだし、幽霊だけに薄いってやつか。

……誰がうまいことを言えと言ったの。

ごめんなさい……
誤解の無いように言っておくけど、キャラは濃いです。もんのすごく。
どうしようもなくトラブルメーカーだけど、どことなく憎めないってキャラ立てには成功してると思う。
ただ、人間的にねじくれた変態ばっかりの本作だと、のぞき一本ではちょっと弱いんだよね。

……でも、のぞきは犯罪……。

幽霊だから触れることもできず、代償行為としてのぞきをやってる……のかと思いきや、そんなことは全然なかったぜ !
「触れられない」のは確かにそうなんだけど、のぞきはまた別、というのがミソなんだよね。
PCで盗撮動画見て満足するような似非ではなく、のぞきという行為そのものに執着し、「のぞき道」なんて提唱し始める筋金入りだ。
生前からのぞきに励んでいたのが窺い知れて絶句するね。

……変態ばっかりなの。フケツなの。

それは偏見だヨ ! 変態だってお風呂に入れば清潔だヨ !
まあ、一番変態じゃないのが淫魔って時点で、この作品のヒエラルキーはどうかしてるわな……。
ちなみに俺の独断で、最強の変態は久坂 万理乃(くさか まりの)ちゃんに決定 ! あの娘は危険よ ! 小動物の皮を被ったド変態よ ! メガネをかけてる久坂さんをはるかに上回ってるわ !

……あと、乳首ばっかり……

そこはまあ、その、いいではないか。
きっと宗左近先生も草葉の陰でお悦びのことだろう !

◆おまえほどの変態がなにを迷うことがある !

というわけで本作、キャラの掘り下げが本当に素晴らしい。プロットも無駄なく、キレイにまとまってる。
音楽も超絶クォリティで自作効果音も豊富、原画もエフェクトも美麗、そして層の厚い声優陣と全体的にトンでもないシロモノなのは間違いない。
俺のイチオシはなんと言ってもおみくじシステムだね ! ああゆう遊び心は大切にしてほしいなあ。

……でも満点じゃない……メガネじゃないからなの ?

誓って言うけど、それで点数は下げません。
ただ、どうしても引っかかった点が2つあって、ちょっとね。

……兄の乳首が引っかかったの ?

まず1つめ。魔法科学と超魔法科学の区別について。
そう、この作品オカルトがテーマなのに、魔法が使える世界観なんだよね。
こいつはちょっとした冒険だ。魔法、それは未知への冒険 !

……なんだか混じってるの。

こいつの問題点は、プレイヤーから見ると何が魔法で出来ることで、何がそうでないかがよくわからないんだよね。
だから魔法で説明が付かない雅って存在がどれだけヤバいものなのか、伝わって来づらいんだ。
まあ絢子とは文字通り次元が違う実力だから、絢子がそのヤバさを実感し切れてなくても無理はない。
でも、オカルトマニアなら、何が超常現象で何がそうでないかについては、我々よりはよく知ってるはずなんだけどな。

……これは戦闘マンガじゃないから、そんなことどうでもいいの。

ん、確かに。それに説明を完全に放棄してるってワケでもないからね。
ただ主人公とプレイヤーの視点がちょっとズレる違和感は残ったかな、といった程度。
2つめの方がそれより深刻だな。
この作品が戦闘マンガじゃない。じゃあ本当は何だ ?

……エロゲー。

この作品はストーリー第一で作ってはいるけど、いわゆる「泣きゲー」みたいな割り切った作りはしてない。
エロにも力を入れてるんだが、ストライクゾーンはかなり狭めに設定してて、

といった感じ。
そこはこだわったポイントだって、本人があとがきで書いてる。だから批判すべきポイントじゃないよな。
他人におもねらず、好きなものを好きなように書くっていうのは、いかにもフリゲ的だし、俺はいいと思ってる。

……じゃあ、何が不満なの ?

淫語の使い方。
これはかなり致命的だと思ったね。

……だめぇ、そこくちゅってぇ、くちゅってしちゃああ……

棒読みありがとう。
酷なようだけど、俺はオープニングのこのセリフの刹那、やめようかコンマ1秒考えてしまった。
なんかダメなんだよね、このわざとらしさが。声が入っちゃうと特に。

……兄は、ボイスは好きじゃないの。

個人的嗜好を言うなら、確かにその通りだね。
だから、何割かは俺の感性の問題もある。声優にも問題点はあるだろう。
でも淫語は大好きだから言いたい、最大の問題点はテキストだね。
淫語って、それ自体で効果を持つものじゃないんだ。
羞じらいを乗り越えてそれを口にしてしまう、過程のところにポイントがある。
だからこそ、使いどころは慎重に選ばなきゃいけない。しょっちゅう出てきたらはしたないだけだ。

……あれで思いっきりナカをぐちゃぐちゃされたい、切実に、とか ?

あのあたりの流れは萎えたなあ……。
エロシーンにはいると、地の文章も含めてこういう露骨な表現だらけになっちゃうんだ。
それが絢子におっさん臭さを感じさせる要因になってるのは否めない。
杏奈や雅も含め、露骨な表現に対する抵抗感が全然無いから、日常会話の中にまで淫語が出てくるような状態だ。
正直、作者がマジメにやってるのかどうかわからなかったよ。

……でもそれは、実は作者のプレイヤーじらしなの。

なっ !?
……ああそうさ、確かに最後のエロシーンは文句なし、素晴らしい出来だったよ。
杏奈パートの、本当に愛し合ってるからこそ、なかなかかみ合わない2人は見ていて微笑ましかったねえ。
でも俺は雅パートの方が好きかな。異種姦バンザイ !

……だったら、なんの文句もないはずなの。

それって、最後のシーンを引き立てるために、わざと萎えさせる要素を入れておいたって話 ?
信じられないな……それに、もしそうだとしても、支持はできない。

◆せめて奥義で葬ろう

というのは、スタッフのあとがきを読んだときの違和感があるから、なんだよね。
特にフリーゲームにも携わってるひなたさんが、一番フリーゲームに対して辛辣な考え方をしてたのはショックだったかな。

……でも、間違ったことは言ってないの。
……なんでもタダになったら、おまんま食い上げなの。死んじゃうの。

食うために同人やってる、ごく一握りの人たちにはその考え方も通用するかもね。
でも、ほとんどの人には通じない。儲からないとか、本業があるから死ぬ気でやらなくてもいい人にはね。
食うことに直結しない同人なんて、完全に売り手市場さ。
売り手がどんな値段で売ったって問題ない。需要と供給で決定されもしない。クォリティーなんかまったく関係ない。

……アナーキーなの。

質の低い商業ゲーが「フリゲ並」と呼ばれるのと同じくらい、質が高いものはフリゲであっちゃいけないって考えにはイラッと来たんだよね。
フリーの世界は全然甘くないよ。wataさんの言うとおり、フリーにはフリーの厳しさがある。

……つまらなければ途中でやめちゃうってこと ?

他の手段と違ってゲームは、相手に確実に時間を取らせるからね。
これが動画なら数十分程度、小説やマンガでもせいぜい2-3時間くらいで楽しめるだろ ?
それがゲームだと数十時間単位で時間を食うコトなんて、ザラにあるんだ。
これが身銭を切ったゲームだったら、「その分の楽しみが回収できるまではやろうか」って思えるだろうね。
でもフリーはそれがない。開幕数分でゴミ箱直行なんて全然珍しくない。

……それじゃあ、お金取った方がずっと楽なの。メリットないの。

メリットのためにフリゲを作るんじゃないからね。
ただ、作者にとっても魅力があるとしたら……「お金と話をしなくていい」ってことじゃないかな。

……寂しい人 ?

自分で価格を決めるってことは、その分の仕事をするって意味になる。
「この作品は○○円だから、せめてこのくらいまでは頑張らないと」みたいな義務感が発生する一方で、
「この作品は所詮○○円だから、これ以上頑張ったら精神的に赤字だ」みたいな妥協も発生するんじゃないかな。
それは結局、金額ってフィルタを通して、創作を管理してるってことになる。良し悪しだけどね。

……じゃあ、フリーゲームはどうするの ?

フリゲは間に挟まる物がないから、その分純粋に自分の創作意欲と向き合うことになるね。
そこにあるのは、自分自身と、完成を待っている人たちの気持ちだけだ。
自分に甘い人なら、本当にテキトーに終わらせてしまうかもしれない。
だからこそこの作品が、創作意欲の高い3人の手でフリーゲームとして制作された以上、クォリティが高くなるのは当たり前の話だと思うんだ。
それは誇りに思っていいんだ。

……フリーじゃなかったら、違ってたの ?

さあ、それはどうだろうね。
プレイヤーとしては、この作品がフリーで公開された幸運に感謝するしかないんじゃないかな。
あと、俺たちの感想が、作者さん達を支えてるって自覚、かな。
ってところで、今回はお開きにしようか。

……次もあたしを呼ぶの ?

安心しろって。そんなにちょくちょく呼ぶつもりはないよ。

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