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■ Frogatto & Friends

タイトル
作者 [ David White ほか ]
ジャンル [ 探索アクション ]
容量・圧縮形式 [ 97MB・ZIP ]
言語 [ 英語 ]
ダウンロード ダウンロード先

(補足)
参考リンク:JAKE氏による「Frogatto & Friends」ストーリーの日本語訳
(ネタバレが含まれます。ゲームクリア後に読むことを推奨します。)
2011.02.13:レビュー時点のバージョンはVer.1.0.3です。
2013.12.19:現在の最新バージョンはVer.1.3です。現在は有料($9.99)につき、ご注意ください。

最初の部屋 チュートリアル直後 橋の上の決闘 コインを集めよう! 外部マップ 凶賊ボス

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 9 /10 10/10 81/90 A
DECOすけ野郎 7 /10 9 /10 10/10
赤松弥太郎 9 /10 10/10 9 /10

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:10

英雄は儲からない。

ハマリ度:8/10
後述の通り、グラフィック・サウンドは共に世界観の盛り上がりに大きく貢献している。英語の会話・ストーリーも、それほど難しくないので、「だいたいあってる」程度に解釈するのは難しくない。
操作性も、非常に軽快である。スムーズに多彩な操作を楽しめる。
ただ、個人的には、妙に操作時にストレスが溜まるゲームであった。後述で詳しく語ろう。
グラフィック:9/10
SFC黄金時代を思わせる、非常に書き込まれたドット絵はまさに圧巻。ホノボノとしていながら、どこかシニカルさを感じさせる世界観は、このグラフィックが作っている。
2D描画なので、低スペックPCにも優しいのもGOOD。
サウンド:10/10
グラフィックと同じく、世界観を盛り上げるサウンドが揃い踏みである。
ogg形式で保存されているため、「KbMedia Player」などoggが再生できるプレイヤーを使えば、作業用BGMとしても使える。

今回紹介する「Frogatto & Friends」は、見ての通り、非常に美しいドット絵と音楽が味わえるアクションゲームです。
高難度が定評となっている海外ゲームですが、「Frogatto & Friends」においてはその説は成り立ちません。ミスっても、ノーペナルティでチェックポイントまで戻るため、復帰しやすくなっています。
初期は、「踏み付け」と「飲み込み」と言う貧弱な武装しか持たないFrogattoですが、道中の金貨を集めることで、ライフMAXアップから舌のリーチ増強、果てには、水色のアイテムをGETして使える銃器まで購入できます。
腕に自信の無い人へのフォローから、「アイテム未購入プレイ」といった縛りまで対応できるシステムです。
道中の金貨は、一度獲ると二度と復活しません。稼ぐためには、ストーリーを進めるルート以外に、隠し通路や、ストーリー進行と関係の無いステージを「開拓」する必要があるのです。このゲームを「探索アクション」とジャンル付けた所以です。

また、Frogattoのアクションは意外に多彩です。ダッシュ中に攻撃ボタンでスライディング、ジャンプ中に↓キーでスピン。しゃがみ中に左右キーで回転移動ができます。
ただ、どれも使い勝手と言う点では微妙です。道中にはしゃがみ移動しなければ越せない場所は(少なくとも通常ルートでは)ありませんし、スライディングには攻撃判定が無いし、スピンジャンプに至っては、橋を降りようとして暴発することの方が多いです。(レビュー時点のVer.1.0.3での話)
チュートリアルで説明されるジャンプと三角跳びさえあれば、エンディングまでは行ける構成になっています。

それほど多彩なFrogattoのアクションですが、「できる」アクションの割には、(レビュー時点のVer.1.0.3では)「利用価値のある」アクションが少なくて、不便さが目立つのも事実です。
強力な銃器ですが、コレが有効な間は飲み込みができません。そして、鍵など飲み込まなくては使えないアイテムが重要アイテムとして、そこかしこに点在しています。鍵を運ぶためには、銃器ゲージがゼロになるまで空撃ちするしかありません。
そして、鍵を運ぶ際にも注意が必要です。鍵を飲み込んでいる間は、踏みつけ以外の攻撃は使えません。前述の通り、銃器も使えません。飲み込んでひっくり返さない限り踏み付けが効かない昆虫類は「避ける」以外の対処法がなくなります。
加えて、間違ってダメージを受けてしまうと、Frogattoは腹の中身を吐き出してしまいます。鍵も例外ではありません。吐き出しの飛距離は、当てるのには不便なわりに、「置く」には遠すぎる(悪い意味で)絶妙な配分になっています。
ダメージを受けるような場所は、たいていイバラ地帯や崖のそばなど、飲み込みに行きにくい位置になっています。鍵が多くなる後半では、このせいで「自殺して鍵を取る前に戻ったほうがマシなんじゃないか」と思えてくるシーンが、しばしば発生しました。
しかし、このゲーム、親切な設計のせいで「自殺」がやりにくいんですよ。死ねる崖に行ったらチェックポイント通過して意味がなくなるし、かと言ってタイトルから「Load Game」をやると戻りすぎるし…。
結局、涙が出るほどの苦労をして、鍵を飲み直すことになりました。

もう一つ不便さが目立つアクションは、肝心かなめの「攻撃」です。Frogattoの舌も銃器も、見た目の通り真横/真上にしか出せません。斜めの地形上では攻撃は外れ、こちらが一方的にダメージを受けることになります。
んで、「Frogatto & Friends」の道中は斜めの地形ばかりです。敵を飲み込むためには、まず、平らな地点まで誘導する必要があります。ちなみに、しゃがみ中は舌を出せません。攻撃ボタンを押しても反応無しです。
コレのせいで泣かされた場面がいかほどあったことか…。

どの要素にしろ、私の腕が原因な訳ですが、その事実が妙に受け入れ辛いんですよね。ここまで「一見親切」なシステムだと。
つくづく、ゲームの難易度調整は一筋縄ではいかないことを、「Hydorah」とは逆ベクトルで感じるゲームでした。

 《 DECOすけ野郎 》  ハマリ度:7 グラフィック:9 サウンド:10

無職のカエルが職を探すゲームです

イチオシレビューを書くの初めてなんだけど、何について書いたらいいのか・・・。
とりあえず、このゲームはEnglishが多いです。アメリカ産ゲームですからね。
しかし、いちいち辞書をひくのもかったるい。そういう人のために、とりあえず序盤のところだけを和訳しておきました。
こうすれば、英語の勉強にもなるし、進行もスムーズになるからバッチリだね!

【ものがたりは ここから はじまる…】
「ファアア、いい朝だケロ・・・ってもうお昼だケロ!?
・・・居眠りしちゃったケロ♪」

「パトー(同居しているカニ、出序盤だけ出てくる)、朝食はまだかケロ」
「朝食だと?・・・あのな、もう昼メシの時間なんだよ。お前はもっと早く起きる必要があるんだろうが」
「昼食はどうだケロ」
「ま、まだまだってところだな。もう少し時間がかかる」
「またあとで来るケロ」

「・・・おい」
「どうしたケロ?」
「あのなあ。今 日 こ そ は仕事貰ってこいよ?人手が足りていねえんだよ」
「ま、わかってんだケロ。やってみるケロ」

ということで、主人公の職探しの冒険が始まります。

【ざっくりとチュートリアル】

「・・・そうだケロ!街の途中にあるネネの家に寄っていけばいいんだケロ!」
「彼女なら何か知ってるかもしれないケロ!」
「ん?このクエスチョンマークは何だケロ?↑ボタンをおして見るケロ」

『こんにちは。おはようからおやすみまで暮らしを見つめるクエスチョンマークです。
チュートリアルの機能を持っています』

「おお、しゃべったケロ!」

『このゲームは、基本的に英語しか対応していないので、とりあえず日本語で説明をしておきます。
基本的に、ゲームの操作が分かっていればスルーして頂いても結構です』

「それじゃあ次の疑問符に行くケロ!」

『よお!セーブするときはな、月マークのドアに入ればいいんだ。Convenient Restroom・・・つまり、屋外トイレだな』
「何故トイレなのかケロ」
『まあ、そういう設定なんだよ。セーブファイルは1個しかないから、上書きするときは気をつけてくれ』
「誰かが入った後とかだったら嫌だケロ・・・」

『こんにちは。Frogattoさんは壁張り付きジャンプが出来るんだ!そのテクニックを駆使しないと後半は特に辛くなるからね!覚えておいたほうがいいよ!
ええっとね、やりかたは『N』というゲームと同じだよ!
壁に張り付いたらゆっくりと落下していくから、ポンポンとテンポよくジャンプしていけば
通常のジャンプでは届かない高さのところも行けちゃうわけなんだよ。』
「・・・なんか、説明が丁寧なようで雑だケロ。まあ、タイミングよくジャンプすれば飛べるから、それは習うより慣れろだケロ」

『Frogattoの世界は危険だ。色々な悪い輩やクリーチャーが襲いかかってくる。逃げたりジャンプすることも出来る。
だが、一番効率が良い攻撃は・・・ずばり『舌』だ。
敵を舌で飲み込んで、そのまま吐き出す。それを敵に当てればアイテムとかが出てくる。
もし、敵に当たらなかった場合は、一定時間ひっくり返って硬直するわけだ。その間に踏みつけ攻撃が効く』
「中には痛そうな敵とかどう見ても舌で飲み込めないだろ、という敵とかがいるけど、そういうのは吐き出し攻撃で当てればいいってことだケロ。
・・・それにしても、ヨ○シーっぽいけど大丈夫かケロ」
『○ッシーはスピンジャンプ(ジャンプした状態で↓ボタン)とか出来ない』
「せっかく固有名詞を隠したのに、意味が無いケロ」

『あと、Frogattoのハートが全てなくなると気絶する。が、中間ポイントに戻されるだけだから、安心して遊ぶことが出来る。
このゲームには、残機数という概念は無いから、ゲームオーバーになったりすることはないわけだ』

『うおおおおお!来たか!薬局によくいる奴よ!』
「・・・薬局にはいないケロ」
『お前の舌はすんげえ能力を持っている!吐き出し攻撃で、吐き出す場所をコントロールできるんだぜ!
↑ボタンを押しながら吐き出すと高い放物線を描く。↓ボタンを押すと、短く飛ばすことが出来る。
あとな、お前の舌はアイテムを飲み込んで、そのまま持ち運びすることが出来るわけだ。
・・・主に鍵だけどな。はい、そんじゃあ次!』

『オウ、ウェルカム。噴水とか、他の水が出る場所はとても便利デース。そこから水を飲むと体力を全回復しマース。』
「どうせならコーラの方が良かったケロ」

『他にも覚えておいた方が得なことがあります。コインを集めると、街外れにある店でパワーアップできます。舌を伸ばすパワーアップを優先的にした方がいいでしょう。
あと、緑の蔦トゲに当たるとライフポイントが減りますが、敵も当たると死にます。活用しましょう。
アリ塚からアリが無限に出てくるところもありますが、そこは壊すことは出来ません。無視しましょう。
Frogattoは蛙だから、もちろん泳ぎは得意です。ただし、水中では一切攻撃できません。水中では敵は避けましょう。』
「ありがとうケロ!さて、街に出向くケロ!」

と、まあこんな感じに無職のFrogattoがそのうち飛行機に爆撃されそうになるだの街を支配する悪を・・・だの、そんな感じの話になるわけです。

【長くなったけど総評】

ハマリ度:7/10点
たしかに、良質なアクションだし、雰囲気も素敵ではある。
が、どうも「これから盛り上がっていくんだろうな」と思う前に「え、もうラストなのかよ」というちょっと物足りなさがある。ボスもそんなに強くはないし。
後半から鍵を探す「作業ゲー」になっている感じは否めない。

いいところを言えば、残機の概念が無いので「死んでもそれほど気にせずに遊べる」感じでそれほど進めるには苦労しないでしょう。
ストレスが貯まらず、テンポよく進む良質なアクションゲームです。

ただ、「一度遊んだら終わり」って感じでしたね。繰り返し何度でも遊びたいといった感じがあまりしてこない。
良くも悪くも「お手軽」なゲームといった感じ、ですかね。
グラフィック:9/10点
美麗です。どうやってつくったのか分からないけども、洞窟ステージや海ステージ、森の中
ステージは圧倒される美しさ、ですね。
サウンド:10/10点
音楽は、レトロながらも新しさを打ち出していっている。とてもフリーゲームだとはとても思えないレベル。ボス戦の音楽は案外地味である以外は、ステージの音楽は本当に素晴らしい。サントラ欲しい。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:9

カエルはいいなあ

◆あらすじとキャラクター紹介

Frogatto カエルの フロガットくんは、いま はやりの ニート です。
きょうも しごとがなかったので、おひる すぎまで ねていました。
「いけない、ねすごしちゃった !」

 本作の主人公Frogattoですが、どこぞのカエルと比べるとえらい俗物です。
 戦う理由が「報酬になんでももらえると聞いたから」というわかりやすさで、お金をもらえる方になびきます。
 忠誠心はかなり低いです。あまり物事を深く考えない性質で、トラブルメーカー的な面が強く出てます。
 しかし、どこか愛嬌があって、憎めないキャラクターです。本作のキャラはみんなそうですけどね。
Pato だいどころに きた フロガットくんは、パトさんに ききます。
「あさごはんは ある ?」
「もう たべて しまったわ」とパトさん、あきれています。
「それよりフロガット、きょうこそ しごとを さがしてきなさい。
 おかねを かせがないと いけません」
「はい、はい。」フロガットくんは なまへんじ です。

 しっかしPatoとFrogattoって、どういう間柄なんでしょうね ? 日本語なら言葉遣いである程度推理できるんですが……
 ボクには母親に見えて仕方なかったので、上の訳ではそうしてみました。
 しかしカエルの子がカエルなら、カエルの親もきっとカエルじゃないか、とも思うわけで。メイド説も捨てがたいですね。
Berd 「わかってるよ !」フロガットくん、しかたなく まちへと でかけます。
でも、そこに いちわの とりが やってきました。
「どいてよ。ぼくは まちに いくんだ !」とフロガットくん。
「その まちが たいへんなんです ! ミルグラムの ヤクザに おそわれてます !
 たすけて ください ! たすけて くれたら、なんでも あげますから !」
「な ん で も だって ?」
フロガットくんの めのいろが かわりました。
「よし ! まちを たすけるのが、ぼくの つぎの しごとだ !」

 よく見て下さい。この鳥、シテヤンヨ種です。か、かわいい……。
 この脚で空を飛ぶとか、少年特有のあのニオイを青空中に発散させているんでしょうねぇ。
 かなりオッチョコチョイなところがありますが、悪い子じゃないんで、「もうお前がやれよ !」と短気を起こさないで付き合ってくださいね。

 こうして、アリ一匹でもダメージを喰らってしまう、貧弱無職のFrogattoの大冒険が始まるのです……。
 (※英語が苦手な方は、有志の日本語訳もご参照ください。)

◆アクション紹介

 本作は、古き良きNINTENDOの遺伝子を色濃く受け継いだジャンプアクションです。
 その爽快感を支えているのが、なんといっても多種多様なFrogatto自身のアクション。
 パッと見ヨッシーっぽくも見えますが、マリオやサムスのようなアクションもあり……全体で見ると、とてもカエルっぽいアクションに仕上がってます。
 タイトル画面で練習できるので、まずはじっくり味わってみてください。

基礎アクション1

 まずは基本アクション、歩行、ジャンプ、ダッシュ。
 ダッシュも歩行もカエルらしからぬ速さを誇りますが、慣性が全く働きません。ボタンを離すとピタっと止まる、実にカエルらしい挙動です。
 ジャンプはカエルだから得意な方です。と言ってももともとの身長が低いので、せいぜい画像程度の高さどまりです。リフトから降りる時などは、よくタイミングを見計らう必要があります。

基礎アクション2

 攻撃は、基本敵を飲み込んで吐き出すことで行います。ヨッシーの元ネタは自分だと言わんばかりです。
 しかし、これが結構クセモノで、Frogattoの腹の中に収まる大きさの敵しか捕らえられません。
 終盤では大型の敵が闊歩する中、「弾」になる小型の敵がいない、ということも……。
 初期状態では射程が非常に狭く、さらに多少の高低差があると捕まえられなくなってしまいます。
 ジャンプ中も使えますが(ジャンプ中は、上下方向には舌を伸ばせません)、捕まえるには、なかなかの熟練が必要です。

 ですので、ショップにたどり着いたらまず、Toungue Extenderを買いましょう。
 自機の射程がぐっと伸び、これだけで攻略難度がだいぶ下がります。

基礎アクション3

 カエルですから、水の中は時間制限無しで泳ぎ回ることができます。
 しかし、当然ながら水の中では敵を飲み込むことはできません。なので、敵からは逃げ回ることになります。

 なお、敵や鍵を飲み込んでいる最中、いわゆる「カエル腹」状態では、身重で泳ぐことができません。
 しかし、地上の敵は泳ぐことができず、水の中で吐き出すと即死します。役立つテクニックの1つです。
 もし鍵を飲んでいる最中に水に入ってしまったら……しかたないので、一度吐き出しましょう。マップから出れば鍵は復活します。

三角飛び

 そして、三角飛び。
 チュートリアルでたたき込まれる、最重要テクニックです。これができないと始まりません。
 格ゲーにしろ、アクションにしろ、三角飛びがうまくできなくて泣いたのは、私だけではないはず……
 しかし心配ご無用。Frogattoは非常に長時間、壁に貼り付きつづけることができます。カエルの面目躍如といったところです。
 おかげで、せまい壁の間を連続三角飛びで駆けるように登る、あの爽快感をみんなで味わえるというわけです。

 ただし、「カエル腹」状態では、壁に貼り付くことができません。
 どのタイミングで敵を吐き出すか、鍵を上に運ぶにはどうすればいいか……アタマの使いどころです。

応用アクション

 他のテクニックもいろいろありますが……あとはどうぞ、実際に探して試してみてください。
 驚くべきは、これだけのアクションが2ボタンで、わかりやすく実装されていることですね。

 多種多彩なアクションを駆使して、多様なステージを駆けめぐる……
 正道のアクションを、どうぞたっぷりと堪能してください。評点。

ハマリ度 : 9 / 10
 操作性の良さはフリーゲームとしてトップクラス。ほとんどストレスなく遊べる。
 不満点は3つ。
 1つは、コイン集めについて。特にCrevice村は、クリアしてしまうとほとんどのコインが手に入らなくなってしまう。
 本来初心者救済のアイテムのために、ある程度慣れないと集められないコインを集めなければならないのは考え物。アイテムも何も手に入れず、コインの所持枚数を競うような遊び方しか考えていないように思われる。
 もう1つはストーリー面の脆さ。本作で一番盛り上がるのはCrevice村で、そこから先はイベントもほとんど無くダンジョンが続くため、かなり長く感じる。
 かわいいグラフィックの割にはメタなギャグが多いのも特徴で、特にエンディングについては賛否両論ありそうに思う。
 最後のプレイデータ送信の使用については後述。迷ったが、このポイントは評価対象から外している。
グラフィック : 10 / 10
 問答無用のキャラのかわいさ、そしてマップの美しさ。
 ここまでのドット絵にはそうそう出会えるものではない。文句なしの満点。
サウンド : 9 / 10
 選び抜かれた十数曲の書き下ろし楽曲はいずれも高品質、メリハリも十分きいている。
 しかし、現行安定版ではボツになっている多数の楽曲まで同梱されているのはいかがなものか。MIDIならまだしも、音楽だけでアーカイブの90%近くを占めている本作の場合、ボツ曲を外しただけで容量が半分未満になったと考えると、首をかしげざるをえない。

◆スパイウェア疑惑について

 さて……やはり、この話題については一言触れておかなければならないでしょう。
 まあ、日本では過去の事件もあってか、ちょっと神経質になりすぎじゃないかとは思いますけどね。
 「品質向上のため、匿名でプレイデータを送信します」とダウンロードページに明記してあるわけですから。
 オープンソースである以上、送信されているデータは明らかですし、悪意あるロジックが仕込まれていないことも簡単に証明できます。

 だとしても、送信停止のオプションもなく、全自動でプレイデータを送るのはマナー違反でしょう。
 送信を停止するには、ネットの接続を切るとか、当該部分を削除した私家版ビルドを作るとかしかないというのは、さすがに横暴すぎやしませんかね。
 注意書きは書いてあるとはいえ、特にボクらのような非英語圏の住人の場合、うっかり見逃しかねません。見逃したら最後、プレイヤーは本作がデータを送信していることに気づかない可能性も高いのです。
 ブラックと呼ばれる企業でも大概は、フィードバックデータを送るか、インストール時に選択できるようにしているご時世なんですから。

 幸い、本作は現在進行形で開発中です。
 現在開発中のバージョンでは、かなり大がかりなバランスの調整が入り、演出がさらに強化され、実績システムも導入され、新しく1面クリアミッション型の「アーケード」モードも実装されるようです。
 これで日本語翻訳とか、プレイデータ送信停止オプションとかがつけば、皆さんにも気軽にお勧めできる名作になるのですが……。
 プレイヤーの声を受け、本作が今後どう成長していくか楽しみにしつつ、今回のレビューはここまで。

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