■ 投稿レビュー アドベンチャー 14
僕と君の夏休み ある夏の日、山荘にて…… Normalize Human Communication the noose Devil's Tuning Fork
BLACK LABO (2) BLACK LABO 奥様は惨殺少女 (4) カノウセイ 奥様は惨殺少女 (3)

【 僕と君の夏休み 】

僕と君の夏休み
レビュワー [ SVSS ]
ジャンル [ なつやすみ恋愛アドベンチャー ]
作者 [ 僕夏製作委員会 さま ]
容量・圧縮形式 [ 298MB・ZIP ]
言語 [ 日本語 ]
ダウンロード ダウンロード先

―古い「記憶」と、

新しい「思い出」と。

初めてなのにこんな超大作をレビューしていいものだろうかと悩んでいましたが、
公開から半年以上たってもレビューが無いようなのでそれなら俺がやってやるぜぇー!と言う事で。

「本当にフリーでいいの!?」と言いたくなるような恐ろしいレベルのフリーゲームがちょくちょく出現する昨今。
3年かけて完成させたというこの「僕と君の夏休み」はそのような作品の中でもかなりぶっ飛んだクオリティを誇る作品です。
2ちゃんねる・VIPの有志によって制作されました。赤松氏がレビューされた「しぇいむ☆おん」以来の衝撃でした。

・あらすじ
主人公、夢縁 夏輝はひょんな事から夏休みを美富島で過ごすことに。
幼少期をこの島で過ごしたらしいのだが生憎その頃の記憶はすっぽり頭から抜け落ちている。
この島で迎えてくれたのは幼なじみだという小翠 紗耶。
彼女の両親が営む旅館で紗耶とともに半月を暮らす夏輝。
―これまでとは違う『なにか』を感じる夏休みがいま、始まる。

本作のシステムは、マップ移動タイプで会話中の選択肢はありません。
基本的に通い詰めれば個別ルートに入れるので難易度は緩め。誰のルートにも入らないノーマルEDが一番難しいと言われるぐらいです。
紗耶だけは特定の日に特定のキャラを尋ねなければバッドEDになる模様。

・ヒロインたち

小翠 紗耶
礼儀正しく快活で、島のアイドル的存在。家事全般を見事にこなし、料理の腕は一級品。夏輝に対しては多少暴力的なのが玉に瑕。
プレイヤーから見れば大変に分かりやすい王道のツンデレ。
常葉 もも
自分を産んだすぐ後に亡くなった母の後を継ぐため海女の修行中。いつも白スク(旧型)のロリ娘。
日本の家電並にコンパクトでパワフル、夏輝のことをお兄ちゃんと慕うボクっ娘。
常葉 あやめ
ももの姉で、こちらは父を手伝い猟師に。ライフルの扱いとサバイバル術に長ける。母が亡くなってからは一家の母親役もこなす。
誰にでも優しいナイスバディなお姉さん。
八幡 清理
高名な霊媒師の家系で次期当主。20歳まで各地を周り修行をせねばならないという掟があり、その途中で美富島に立ち寄った。
本物の神通力を持つ、芯のある朗らかな巨乳巫女さん。全年齢対象のはずだが個別ルートでは割と自重してない。
一条 楓
病弱で療養のために空気が綺麗な美富島にやってきたが、その甲斐もなく亡くなってしまい、幽霊となり病院付近でぼーっとしていた。
夏輝には何故か最初から見えた。生前の記憶は殆ど無い。幽霊として現世に留まるほどの強い思いがなにかしらあるはずなのだが…
幼い頃に死んだらしいのだが見た目は15、6歳ぐらい。幽霊だけど陽の光も平気など色々と規格外。なぜって?それは楓だから。
脳天気で天然ボケ、ちょっぴり頑固、純真無垢な女の子。

・シナリオ
何を書いてもネタバレになりそうで怖いので方向性だけ。
基本的にそれぞれが心に抱えた悩みを解決して告白、めでたくハッピーエンドという感じです。
ただし、楓ルートは違います。本気で涙腺を狙ってきます。楓の幼気さが沁みます。切ないです。楓に惚れた自分はかなりきました...

・難点とか?
難点なんぞほとんど無いわけですが重箱の隅に穴が開くまでつついて2点ほど。
1つ目はキャラごとに描いた人が違うため複数立ち絵が並ぶと多少違和感がある点。それぞれに可愛いので問題は無いんですけど。
2つ目は2ちゃんねるネタ・ヲタネタがかなりキツめという点です。まとめサイトすら見ないという人にとっては意味不明な表現が多そうです。
裏を返せばそれだけ大量の小ネタが詰め込まれているということなのでそのまま美点でもあるのですが。

さて、語り終わったところで、3点でまとめに。

・僕夏のここが凄い!その1 質
質に関しては私がグダグダ書くよりOPムービー(http://www.youtube.com/watch?v=ofmkgw3mS_A)を見ていただくのが早いでしょう。
はじめの方にも書きましたが滅茶苦茶にハイクオリティです。シナリオは素晴らしく、ヒロインはそれぞれに魅力たっぷり。
CGも綺麗。音楽は要所要所でしっかりと盛り上げてくれます。オリジナルサウンドトラックもダウンロードできます。

・僕夏のここが凄い!その2 量
開発日記によれば目指したのは一昔前の商業レベルとのこと...一昔前どころか今の基準で比べても並の商業作品は超えてません?
シナリオ的にはヒロイン5名分のグッドED+バッドED1名分+誰とも付き合えなかったノーマルED=計七つのED(+おまけのカオスルート)。
音楽に目を移せばサウンドモードに登録されるのはOPとヒロイン5人それぞれに与えられた歌詞付き(!)の曲を含め全37曲。
イベントCGは68枚で差分を含めると170枚ほど、内2つは滑らかに動くアニメーション。

・僕夏のここが凄い!その3 システム面
ここまでの質と量だと全キャラ見たくなるのが人情。それを影で支えるのがセーブやスキップといったシステム面です。
これがまた堅実で使いやすいです。一般的なセーブ&ロード・オートモード・既読スキップ・バックログといったものがあるのは当たり前。
クイックセーブ&クイックロード・イベントまるごとスキップ・イベントの先頭まで戻る・一つ前の選択肢まで戻る と至れり尽くせりです。
ちなみにこのイベントまるごとスキップは曲者です。便利ですが共通パートでも好感度次第で会話が変わる部分があるので迂闊に使うと見逃します。
おまけモードでCGや音楽と併せて手軽にすべてのシーンリプレイが可能なのも嬉しいポイント。

―ひと夏の新しい思い出と、

ひと夏では終わらない新しい思い。

僕と君の夏休み
 管理人コメント

画面右上の表示から、地名などのネーミングセンスに至るまで、数々の2ch(などWeb界隈の)ネタが散りばめられた作品です。そういうネタが嫌いな方は…と行きたい所ですが、そもそも、嫌いな方向けには作られていない作品です。
また、ネタ以外の部分もしっかり作られているので、どうか食わず嫌いを起こさずプレイしていただきたい作品です。
基本的に「5名のヒロインの内、一人のシナリオを追う」と言うスタンダードなギャルゲーノベルの形式を取っています。そのため、二股などの外道プレイや、己を鍛え上げるなどの柔軟性には対応していませんが、各シナリオには並々ならぬ力が注がれています。
まだ自分は全部見切れていないため、詳しいことはいえません。是非、自分の手で見ていただきたいと思います。


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【 ある夏の日、山荘にて…… 】

ある夏の日、山荘にて……
レビュワー [ DECOすけ野郎 ]
ジャンル [ 密室推理ミステリ ]
作者 [ 三谷はるか さま ]
容量・圧縮形式 [ 9.87MB・ZIP ]
言語 [ 日本語 ]
ダウンロード ダウンロード先

ハマリ度:10 グラフィック:8 サウンド:8

日本の夏、緊張の夏(クローズドサークル的な意味で)

▼「夏というものは、来ると嫌がるものなのに去るとなんかむなしさを感じるものですな。」
▽「まあ、このレビューが読まれるのは何も夏に限った話ではないのですが・・・
夏らしい作品を読みたいあなた、このノベルはどうですか!」
▼「おー」

▽「伊豆の夏の日!」
(Yeah! Yeah!)
▽「山荘にて!」
(Yeah! Yeah!)
▼「ビーチに水着美女に温泉に・・・ムフフフ」
▽「あ、そういう要素は無いです」
▼「え」
▽「だって山だし・・・大嵐が起きて閉じ込められるし・・・立ち絵は無いし・・・殺人事件起きるし」
▼「うわーっ、なんだよーっ、別の意味で寒くなるわ!」

【あらすじ】

時は197X年、JRがまだ国鉄だった頃のお話。大学のサークル仲間8人が伊豆の山荘にて3泊4日を過ごすこととなった。
だが、一夜明けメンバーの1人が遺体で見つかった。それも、首を切断された状態で・・・。
誰が殺したのか?犯行の目的は?何故首を切断する必要があったのか?
別荘には電話線がしかれていない状態のため、山の麓にある警察まで車で行こうとしたのだが、
台風のせいで主人公達は陸の孤島に閉じ込められてしまう。次第に険悪となるムード。お互いを疑いだすメンバーたち。
「私」は事件を解決し、真犯人を探りだすことが出来るのだろうか?これ以上の悲劇を防ぐことが出来るのであろうか?

【やりごたえはかなりあります】

このゲーム、解決エンド、バッドエンド(特殊未解決エンド、死亡エンド、未到着エンド、狂乱・破滅エンド)も含め全部で36個(!)のEDがあります。
シナリオも、主に

とおまけも含めて5つもあります。ただし、「暗号編」「迷いの森編」は一度解決エンドを見てからでないと選択肢が追加されません。
『首吊りの館編』は『首切りの館編』が解決できなかった時のみ出てきます。
以上のシナリオをフルコンプリートしようとすると、軽く8~9時間くらいはかかります。

▼「なんちゅーボリュームやねん」
▽「あ、そうそう。うかつな行動をしたり、間違った行動を取った場合には死亡します。バッドエンドですが、狂乱エンドは、主に主人公が『もう嫌だ!私は部屋に篭る!』という行動を選び、狂ってしまった結末がこれだよ!といった感じです。
『迷いの森編』のみで出てくる破滅エンドは・・・死より恐ろしいことが起こります。」
▼「まさか、狐の化物に呪われるとか、怨念が入り込んだ地蔵に襲われるとか・・・人魚に食われるとか・・・。」
▽「全然違います。それと山には人魚は出ません。破滅の正体、それはプレイして自身の目で確かめてみるのが一番いいでしょう。
何故かここだけ他の編とは明らかにタッチが違う感じになっていますが(しかし、女性になんてことさせるんじゃ作者は)」
▼「・・・一番気になるのは『惨殺の館編』なんだけど。」
▽「基本的に一本道シナリオです。タイトル通りの結末になります」
▼「・・・聞かなきゃよかった」
▼「暗号編は」
▽「それは、ネタバレしたら面白みが半減するので、な・い・しょ。」
▼「なんだよーずるーい。」

【他のゲームにはない特異点とは】

それは「間違った推理をしても、それっぽい感じで進むので気づかない」
ということです。特にメインシナリオである「首切りの館」編。

主人公の冴え渡る推理!暴かれるトリック!そして明らかになる犯人!
・・・しかし、それも同じ大学サークル仲間であり、ミステリオタクの梶浦の

「いや、それは違うだろう」ですべてぶち壊しにされます。

梶浦ァァァァ!
てめェェェ!
こっちが数少ない証拠品とアリバイから必死こいて推理したんだぞぉぉぉぉぉッ!
邪魔すんじゃねぇぇぇッ!
っていうかそこまで分かっているんだったら犯人言えよォォォォッッ!

・・・それでも、梶浦は徹底的に推理に穴を開けていくわけです。冤罪にされかけていた人々にとっては梶浦は頼もしわけですが、
推理を砕かれた側としてはたまったものではないです。結局、その夜真犯人によって主人公(私)は撲殺されてしまいまして・・・ね。

▼「結局は迷宮入りするわけねんな」
▽「そうですね。だいたい、フリーゲームのバッドエンドってあーもう量産するのつかれたわー、もう即死でいいでしょ?みたいな感じ
なので、遊んでいて間違った選択肢を選ぶと「なんだ」って思ってしまうんですね。」
▼「その心理を突いてくるところが心憎い。心憎いねぇ・・・」

【欠点が無いというわけではない】

▼「一番の欠点、それは『既読スキップが無い』ということですね」
▽「ノベルゲームでそれは致命傷でしょう。結構分量あるんですから・・・」
▼「そうならないためにも、『多分、ここが分かれ道なんだろうなー』と思ったらセーブしておきましょう。
ただ、セーブの栞にも限りがあるので注意して使う必要があるってことですね」

▽「あと、選択肢を選んでもストーリーが分岐しない所も結構あったのよね。推理以外のところで『これはこうなのだろうか?』と思ってその後の選択肢の影響がなかったり」
▼「あと、文章が全体的に堅い。敷居が高く感じる人もいるかもしれない」
▽「それと、『首切りの館』って書くくらいだから、そういうグラフィックは当然出てきます。苦手な方は気を付けましょう。」
▼「・・・あなた、そういうゲームが好きなんですね。」
▽「いや、否定はしないですよ。テキストもそれほど生臭くはないし、精神的に辛くはないのでお子様にも安心して・・・。」
▼「出来るわけねえだろ!見せられねえよ!」

【総評】

▼「テキストが真面目で、堅苦しい感じもしますし、システム周りで不便なところもあります。
残虐な画像、テキストが登場します。が、全体的にかなり良質なミステリサウンドノベルと言って良いでしょう。
ボリュームはかなりあり、EDも数多く、推理も結構難しくやりごたえがあります。」
▽「しかし、犯行の理由が『ちょっとした誤解』だったとはねえ」
▼「今の時代だったら誤解が生じなかったとは思うのですよね。70年代という時代だからこそ、このような悲劇が起き得たかもしれないです。」
▽「どうしても進めない方は、作者のHPにある攻略のヒントとエンディングリストを見れば良いでしょう。
ただ、こういうゲームは自分で推理するから面白いんであって、それだけに頼るのは良くないでしょう。あくまで最終手段です。」

▼「いやー、初回作でこれだけのものを創り上げたのはすごいんじゃないんですかね。」
▽「実は、2作目があるんですよ!」
▼「え」
▽「今度は、『閉ざされた雪の中』をプレイすることにしましょう!
今度は雪中の旅館で殺人事件が起きますよ!」
▼「・・・そういうのは某少年探偵にまかせておけよ!」

(TO BE CONTINUED)


 管理人コメント

本作「ある夏の日、山荘にて……」は、次回作「閉ざされた雪の中」でも生かされている複雑なストーリー分岐、推理のトラップをこの時点でもフンダンに生かしている作品です。
END数はかなり多く、OPの時点で発生するバッドエンドなど、「分かってるな」と思わせる仕掛けも出てきます。
その分、トリックの巧妙さと選択肢の陰湿さも「閉ざされた雪の中」に勝るとも劣りません。殺人シーンが起こる前の平和な段階でも、推理のキーとなる選択肢が出てきます。しっかりと記録し、見られるものは全て見る姿勢で臨みましょう。
なお、本作では「閉ざされた雪の中」で取られていた「シルエットで表示する」描写が使われていません。即ち、死体のシーンは具体的なイラストで表示されます。苦手な方は、あらかじめ心してプレイしてください。

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【 Normalize Human Communication 】

のまひゅ
レビュワー [ wonder5 ]
ジャンル [ ADV ]
作者 [ 吉村 麻之 さま ]
容量・圧縮形式 [ DL不要・Flash ]
言語 [ 日本語 ]
Play ダウンロード先

そんな約束 私には守れません

みなさまお初お目にかかります。私はこの激辛レビューをずーーーっとROM専で見続けてまいりましたwonder5と申します。
私は行動力が無いもんで、レビューなんてしないだろーなーと思っておったのですが・・・
先日とても良いお話に出会いまして、無性に誰かに伝えたくなりこの度投稿を決意した限りであります!
稚拙な初レビューになると思いますが、よろしくお願いいたします。

さて、自己紹介はこの辺で・・・
紹介するのは「Normalize Human Communication」略して「のまひゅ」です。

ADV、というかノベルです。

フラッシュです。

選択肢はありません。

一本道です。

ホラーではありません。

グロ要素もありません。

恋愛でもありません。

2時間程度です。

・・・ただ、少女の遺影を取るだけのお話です。

そもそもADVをあまりやらない私、好きなジャンルはシミュレーション、ストラテジー、アクションな私が、なぜ初レビューでこの作品を選んだのか・・・
その辺りをご察しいただければ最高です。

気になったら上の作者様ホームページへ!!

作者様はほかにもノベルをたくさん書いていらっしゃる方です。おそらくそちらの作品も素晴らしいのではないかと・・・

是非ご堪能下さい。


 管理人コメント

本作品は、写真好きの大学生「佐古 慎平」と、彼に「写真を撮って欲しい」とお願いする少女「榎町 鈴乃」との交流を描いた物語です。そこには恋愛の情があったかすら分からないほど、ささやかな物語です。
撮ってきた写真が「遺影」だったと言うことも、(物語ではプロローグで書かれるとはいえ)後になって判明する事です。
同作者の「ごがつのそら。」と同じく、心情の変化を中心にすえた作品です。セーブができないFLASH作品だけあり、前後半の分割やチャプター機能も付随していますが、この物語は、最初から最後まで通して読んでいただきたいと思います。

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【 the noose 】

the noose
レビュワー [ DECOすけ野郎 ]
ジャンル [ 信頼できない語り手によるホラーサウンドノベル ]
作者 [ ZIGZAG さま ]
容量・圧縮形式 [ 22MB・ZIP ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ このゲームは、猟奇的・グロテスクな表現が含まれています ]
ダウンロード ダウンロード先

ハマリ度:8 グラフィック:8 サウンド:8

noose:1 輪縄, 引き結び、投げ縄・首つり縄などの、一端を引くと締まる結び方 2.(自由を束縛する)わな 3.絞首刑

「これはどういうゲームなのでしょうか」
「・・・まあ、人が数人死ぬタイプのホラー系というか精神的にずーん、と来るタイプのサウンドノベルですわ。続き聞きたい?」
「・・・もう嫌な予感しかしませんが、どうぞ」

「姉の視点から描かれるわけなんすが、ある日、姉は『弟』が大切にしていた日記に、

姉さんが僕を殺し
妹が僕を吊るし
僕が姉さんを殺した

と書いてあったのを発見するわけです」
「・・・意味不明ですな」
「さらに、その弟は数日前に亡くなり、亡骸は発見されず血塗られた帽子だけが戻ってきた。
そして、姉には妹などいなかった・・・姉は独りになってしまった、ということです。
しかし、家の中には誰かがいる。姉は記憶を無くしているみたいだ・・・というのがこの話の大筋なんですが」
「が、が気になりますな」
「一筋縄ではいかないわけですよ。これは」
「・・・どういうことなのでしょうか」
「まー、そのー、物語そのものは1時間で終わります。が、その後に来る変な疲労というか徒労が半端ない。
テキストが全体的に『狂 っ て い る』ということですね。ぶっちゃけ、この話のメイン視点となる
姉は壊れています。
どうにかしています。
はっきり言って世界観も姉以外の登場人物も壊れています。
というか、とある出来事をきっかけに壊れてしまった、もといもともと壊れていた、といったところでしょうか」
「何を言ってるのかわからねえよ!」
「つまり、内容的に人を選ぶ供述がある、ということですね。人を選ぶゲームである、と。」
「把握」

「よく考えたら、タイトルの時点で『嫌な予感しかしない』『どうしてこうなった』みたいな感じが満載ですからね」
「まあ、エンディングも2つありますが・・・ノーマルでもいやいやいやこれはノーマルだけど正直バッドじゃねえか、という感じですからね。グッドエンドは確かに本人は幸せそうなのですが、取り巻く状態はというと・・・」
「まあ、『赦す』道を選んだわけですから、それの点だけはグッドだったんじゃないんでしょうか。これ以上語ったらネタバレになるから後は適当に任せます。」
「結局、『子供は親を選べない』という事実は動かない、ちゅーことですね。親になることは、子供のその後の人生を変えてしまうこともある・・・てなことなんですね。大人になるということ、親であることの自覚を持たないとダメですね!」
「何まとめているんだよ!」


 管理人コメント

私も、Normal, Goodの両エンディングを見た上でコメントしますが、読むのに1時間弱ぐらいしか掛からないにもかかわらず、「ぐったり」感は確かに感じました。
初っ端から、赤字のモノローグが突如として入り、流れを妨げてきます。後半、記憶を取り戻すあたりでは、無くした記憶と現在の状況がオーバーラップし、より物語りは混迷を極めてきます。エンディング自体も、Good, Normal共に、後味の悪い部分が残るため、そこが心にしこりとなって「ぐったり」に繋がったのだと思います。
この「ぐったり」感こそ、本作の「味」とも言えるものです。恐ろしくてワケワカメな演出と共に、かなり人を選ぶ作品です。

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【 Devil's Tuning Fork 】

Devil's Tuning Fork
レビュワー [ fordforest ]
ジャンル [ 音と反響のアクションアドベンチャー ]
作者 [ DePaul Game Elites ]
容量・圧縮形式 [ 28.7MB・自己解凍EXE ]
言語 [ 英語 ]
ダウンロード ダウンロード先

ハマリ度:7 グラフィック:10 サウンド:8

音を鳴らし、世界を見る。

今回レビューするDevil's Tuning Forkは、かなり独特です。

まずプレイスタイルから既に独特です。
そのままの状態ではフィールドの形すら見えません。真っ暗闇です。
そこで左クリック(もしくは右クリック)をすることでフィールドの形を浮かび上がらせる必要があります。
潜水艦のソナーみたいな感じだと思えば分かりやすいと思います。(分からない人はWikipediaを参照)
ただし、連続で使用していくと画面下のバーが減っていくので使いすぎると使える量にまで回復しないと音を鳴らせることが出来ないので注意。

次にビジュアルもかなり独特。
フィールドのテクスチャーが縞々(紳士的な意味の方ではないよ?)な模様が印象的だ。
左クリックで音を鳴らせばオレンジ色に、右クリックで音を鳴らせば水色になるのも面白い。
また右クリックで鳴らした場合、やや半透明になるのが偽の足場を避けるのに役立つ。

ストーリーに関しては英語が理解できる人なら、若干分かるかも?

変わったスタイルのゲームなので理解するには若干時間が掛かるかもしれないが、少なくともルールさえ理解すればトントンと進めれる。

ステージ数は多くないのでアクションゲームが得意な人であればあっという間に終わらせてしまうかもしれないが、それでもDevil's Tuning Forkの体験は新鮮に思えるかもしれない。


 管理人コメント

クリックで出す「音波」で道筋を見つけていく当ゲームですが、左クリックのオレンジ色の音波と、右クリックの青い音波では、その性質に若干の違いがあります。
左クリックで出す音波は、左クリック押しっぱなしで音波砲となり、ベルなどのスイッチを操作できます。ノーマルで出しても、青い音波より範囲が広いので、遠くまで見渡す場合に便利です。
右クリックでは、最大範囲ほど短いものの、押しっぱなしで音波を出し続けることができるので、近場の落とし穴を見渡しながら移動するのに便利です。右クリックの音波では、上に乗ると落ちてしまう偽の床を見つけ出すこともできるので、タイルのある地形では必要不可欠です。
後半になるにつれて、鏡とドラの謎を解くために位置取りが重要になるなど、細かい操作が強いられます。うっかり変な場所に行ってしまっても、Escキーでのメニューからチェックポイントに戻れるため、めげずに再度挑戦しましょう。

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【 BLACK LABO 】

BLACK LABO
レビュワー [ SPITⅨ ]
ジャンル [ 探索型脱出ホラー ]
作者 [ Xyilishoot さま ]
容量・圧縮形式 [ 10MB・自己解凍EXE ]
言語 [ 日本語 ]
ダウンロード ダウンロード先

ハマリ度:10 グラフィック:8 サウンド:9

敵の位置を予測していかないと死にます

ええと、はじめまして。初めてレビューを投稿するSPITⅨという者です。
このゲームの魅力やポイントを精一杯伝えようと思いますので、しばしお時間を頂きたくお願い申し上げます。
熟練レビュワーの方々に於きましては、未熟者が賢しらに語る愚をご笑覧いただければと。

とある研究所に閉じ込められた女性が脱出を目指すというストーリーですが、大抵のMAPは暗く、懐中電灯が無いとうまく歩き回れません。
しかもこの研究所。「被験体」と呼ばれる凶暴な怪物が徘徊しており、彼ら(彼女ら)に捕まるとひどい目に遭います。
プレイヤーは被験体に見つからないように、見つかってもうまく振り切って脱出を目指すことになります。

1.敵の特性

さて、このゲーム、他の探索型脱出ホラーゲームとは決定的に違うシステムが存在します。
それは『敵の位置が予測できる』点です。
よくある探索型脱出ホラーゲームでは、敵はランダムで出現したり、あるイベントをこなすと出現したりしますが、このゲームでは被験体の位置がちゃんと計算されています。そのため、最初を除きイベントで出現したりすることは皆無です。

例えば、西側の廊下で被験体の足音を聞いたなら、そこから東の方向にある廊下に移動してもその被験体はいません。
被験体は何か物音を聞かない限りゆっくりした速度で徘徊するため、しばらくは東の廊下は安全という事になります。
ただし被験体は複数のMAPを徘徊していますので、徘徊ルートによっては東の方向の廊下に移動することだってあるわけです。
被験体の位置、徘徊ルートを予測し、できるだけ遭遇を避ける工夫が必要となります。

遭遇を避ける工夫として、敵の感覚から自分自身を外すことが挙げられます。
被験体は『音』を探知してそこに走って行き、『視覚』をもってプレイヤーを認識します。
被験体がいると予測されるエリアで「走って足音を立てたり」すれば、彼らはプレイヤーの方に非常に速いスピードで駆け寄ってくるでしょう。
また、「懐中電灯をつけていたり」すれば、彼らは遠くからでもその光源、つまりプレイヤーを認識するでしょう。
ランプや電灯で明るくなる(或いは明るくする)エリアも存在しますが、懐中電灯の方がプレイヤー自身が光源となっている点で彼らに非常に視認されやすくなります。
大きい音の出る物を利用すれば、その音を察知した被験体はそこに走って行き、その音を止めるでしょう。
これを利用して、しばらくの間被験体にその周辺を徘徊させれば、自分は離れたエリアで探索をすることも可能になるはずです。

被験体の位置が予測できる代わりに、被験体に見つかってしまうと非常に厄介なことになります。
一定時間被験体の視界から外れないといけない上に、彼らは非常に素早く、しつこいです。
一応申し訳程度に安全地帯はあるものの、中盤以降はそこまで逃げる前に別の被験体に見つかってしまう可能性も高く、そうなったら高確率で捕まります。
プレイヤーを見つけたら、徘徊ルートを逸してでも追いかけてくるあたり、本当にしつこいです。
もし撒いたとしても、しばらくの間彼らはプレイヤーを見失った近辺を執拗に警戒するでしょう。

被験体に捕まると、LIFEと言うHPみたいなものをごっそりと持ってかれた上、這いずりでしか移動できない「骨折」や放っておくとLIFEがどんどん減る「出血」となります。
その代わり、プレイヤーは死んだふりをすることにより一時的に被験体の目をごまかしている状態となります。
速やかに部屋に移動して治療したいところですが、死んだふりをした人間が動いたら当然見つかります。かと言っていつまでも死んだふりをしていると、出血多量により本物の死体になってしまいます。

以上の「敵の位置が予測できる代わりに、見つかったら非常に危険」というシステムは、他の探索型脱出ホラーゲームにはあまり見られない要素であり、「被験体なんてランダムで出現するんだろ?俺の神テクで撒いてやんよ!」と意気込んだ方々が死屍累々となっております。
このレビューを読まれました読者諸兄に於きましては、この点を十分留意してプレイするようお勧めいたします。

2.アイテムの特性

このゲーム、ありがたいことにアイテムは豊富に見つかります。
特に回復、治療系のアイテムはそこら辺をちょっと開ければ余るほど見つかるでしょう。
組み合わせなければ使用できないアイテムも多いですが、組み合わせる相手のアイテムが同一、または近くの棚に収納されている場合も多いです。

問題なのは、そのアイテムが持ちきれないことです。
14個までしか持てないので、アイテムの取捨選択は慎重に行いましょう。
その代わり、アイテムが保管してある棚などはアイテムを保管することもでき、倉庫代わりにもなります。
要はあちらこちらにアイテムの詰まった倉庫が点在している・・・・・と思っていただければ結構です。

さて、アイテム関連ということで、こちらが管理しなければならない主人公の健康状態についてお話いたします。
これらは全部、メニュー画面で確認する事ができます。ひとまずの安全が確保された部屋などでしか開けませんが。

STAMINA-主人公の疲労度を示し、これが無いと走れなくなります。走れない状態で見つかったら・・・・・お察しの目に遭います。
LIFE-主人公の生命力を示し、これが尽きると死亡します。被験体に捕まるとここに大ダメージが行き、更に出血のステートで急速に死へと向かって行きます。

その他に主人公が発症するステートは多く、時間経過で発症するものも多数あります。
走りすぎればスタミナ減少が大きくなる「水分不足」を発症するでしょうし、敵の足音を聞きすぎれば神経がまいって足音を探知しにくくなる「神経疲労」を発症してしまうでしょう。

アイテムは探索に必要な鍵やレポート、生活用品を除けば、ほとんどがこのステート治療や主人公の健康状態を良くするものが揃っています。
骨折は「固定ギプス」で治せばいいでしょうし、出血は「止血用具」を使えば収まるでしょう。止血用具は消毒済みの方が効果は高いです。
また、汚れていない注射器に鎮痛剤や精神安定剤を充填すれば、LIFEの回復や神経疲労の回復に効果があるでしょう。
冷蔵庫を漁れば生ハムやベーコンが見つかるはずです。食料はスタミナ回復に貢献してくれるでしょう。
これらの回復アイテムはそこら中で見かけます。無くなったらそれらを保管した場所まで取りに行くこともできます。
敵の位置が予測できていない場合や、敵が保管場所の近くを徘徊中の場合、その行為自体が危険なのですが・・・・・。

アイテムの取捨選択や保管場所に気をつければ、アイテムに困ることは恐らく無いと思います。
ワンポイントアドバイスとしては、最低でもこれらのアイテムは常備しておくことをおすすめします。

その他、水や食料、精神安定剤等は気がついたときに適宜補給しましょう。

3.評価について

このゲーム、非常に作りこまれています。ツクール製でどうやったら敵の徘徊行動や位置の計算をあんなに細かくできるのかと驚嘆するばかりです。
一部エリアを除き鍵探しばかりですが、雰囲気はシステム面とエフェクト面で二重に凝ったつくりとなっております。
特に照明効果や血糊の演出には舌を巻くばかりです。
キャラチップやマップチップはツクールVX系統のデフォルメをされております。登場人物がリアルということはありません。演出はやたらリアルですが。
サウンドはBGMは発見時以外鳴りません。と言うか、鳴らないのが一番です。これで下手なBGMが鳴りっぱなしだったら雰囲気ドツボです。
無音、暗闇の中の恐怖が十二分に体感できるかと。
ランダムモードも搭載されており、スネークプレイ、若しくはサバイバル好きな方は特にお楽しみいただけるかと。

描写ですが、血糊とか出血とかは容赦なく出てきます。
しかし、主人公がピーされるとか、聞いてるだけで内臓がせり上がる猟奇表現はございません。事後のブツを除いて。
被験体に捕まっても、黒画面に血しぶきが散るだけで、あとは血まみれの死んだフリした主人公と殺った気になってる被験体が表示されるだけです。
最も出血ステートによって画面全体に血がかかり、主人公が倒れていたりと「やばい見つからないように逃げないと死ぬ」という恐怖感は十分です。

惜しむらくはやはりキャラチップが過度にデフォルメされていた点です。まあ、VX使うのならしょうがない。
後は敵を避けるテクがやたら凝ってる割には、鍵を開けたら次の鍵がという鍵ゲーだったことでしょうか。アイテム調合を使った謎解きは存在しますが、もう少しイベントが欲しかったところでしょう。エンディングもなんか釈然としなかったですし。


 管理人コメント

同じ作品のレビューが連続しますが、あまりにも微に入り細にうがった熱いレビューだったので、分割して掲載いたしました。
被験体の行動には一定のパターンがあり、いない部屋から探索する…と言うのは、私の拙いプレイでも分かるのですが、問題は、その行動パターン自体が分からない所。初めの内は、足音センサーが反応した場所から遠ざかるぐらいしか対処のしようがありません。
対処しやすくする光源の確保ですが、懐中電灯だけに頼っていると被験体に発見されやすくなります。ランプがある場合はオイルとライターで火をつけて光源を広げ、できる限り懐中電灯の使用を控えるようにすれば、より生き残る確率は高くなります。(ちなみにこの方法は、説明書で作者自身が解説しています。)

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【 BLACK LABO 】

BLACK LABO
レビュワー [ DECOすけ野郎 ]
ジャンル [ 探索型脱出ホラー ]
作者 [ Xyilishoot さま ]
容量・圧縮形式 [ 10MB・自己解凍EXE ]
言語 [ 日本語 ]
ダウンロード ダウンロード先

ハマリ度:10 グラフィック:9 サウンド:8

被験体怖ぇぇぇぇぇぇぇ!

このゲーム、な め て い ま し た。
ごめんなさい。め ち ゃ め ち ゃ 怖 い で す。

最初にプレイした時は、「アイテムをいろいろ合成して使う」のがバイオハザードっぽく、「被験体」からひたすら逃げまわって探索しながら謎を解いていく点では「青鬼」ぽいのかな、と想像していましたが、全くの別物でした。

まあ、その、よくある探索型ゲームなんですよ。ラボ、もとい研究所に閉じ込められた研究員の女性が「被験体」の猛攻を降りきって研究所から脱出する、というよくあるお話なのですが・・・。

あれほど足音が怖いと思ったことはなかった。ヤバいよ、被験体マジヤバい。
被験体に遭遇してしまった時の怖さはマジパネェっす。「はうあ!」とか「おおおを・・・」とか「あわわわわわ」やらなんか変な声ばかり出てしまうんですよ。

うーん、本当に怖いゲームをやったときは「怖い」ということを書くくらいしか
出来ないな。それ以外は恐怖に支配されていて書けん。どうしよう。
・・・アドバイス的なことでも書くか。作者のHPや説明書にも書いてるのとあんまり
変わらないけども、読まない人だっているわけだしなー。
いや、これはアドバイスなんだけれどもちゃんと説明書を読んでいないと死ぬぞ。マジで。

【このゲームで生存するためには】
まず、他の探索型ホラーゲームとは違うところがあります。
「見つかったら逃げる」という戦法は通用しない、ということです。特に後半。
これはどういうことなのか、説明していきましょう。

1.主人公のステータスが減るから
主人公は、行動することによってステータスが減ったり、マイナスステータスがついたりすることがあります。無駄に行動することが、このゲームではじわじわと「死」につながっていくのです・・・!
このゲーム、デフォルトで走れるようになっているのですが、走り過ぎると水分不足になり、スタミナが減ります。走っていると足音がハデに聞こえ、被験体にかなり高い確率で発見されやすい、という嫌なこともあったりするのです。

2.安全地帯が後半ではかなり減るから
序盤ならともかく、後半はほとんど安全地帯が無く、「逃げ切れる」保証はあまり出来ません。

3.「被験体」のスピードは早く、AIの頭がいいから
侮 っ て い ま し た

つまり、出会ったとしても「慌てず」「懐中電灯を消し」「Shiftボタンを押し、足音を出さず」「相手の足音、相手のいる場所を把握しながら」「慎重に動くこと」が大切なのですね。見つからずに進むステルスアクション的な要素が非常に高い、ということです。

そして、もうひとつ重要なこと。それは「アイテムの消耗に気を配る」ということです。
特に懐中電灯。バッテリーの残量はちゃんと確認しておいた方がいいでしょう。
もし、バッテリーが切れて予備も無い場合は・・・\(^o^)/

【ステータスに気を配ろう】
このゲームで生存するためには、(主に)マイナスステータスがどのようなものであるかを知っておく必要があります。

-骨折・出血
被験体に嬲られた結果がこれだよ!

1回襲われただけでは主人公は死なない場合もありますが、ヒジョーに危険な状態です。
特に、骨折は移動速度が大幅にダウンします。骨折は固定ギプスで、出血は止血用具で治せます。この状態になったら速攻で治療しましょう。もう1度被験体に襲われたら\(^o^)/です。

-水分不足
走ったり、後述の粉塵などが原因でこの状態になります。スタミナが減少し、最悪の場合は走れなくなり
移動速度がダウンします。水を飲みましょう。

-神経疲労
被験体の足音で蓄積されます。このステータスになると、被験体が出てきた時に足音センサーが見難くなったり、最悪の場合は作動しなくなったりすることがあります。
精神安定剤を摂りましょう。

-粉塵
地下エリアに長期間いることでこのステータスになります。水分不足を引き起こしやすくなります。
水を飲みましょう。

-血液硬化
このゲーム唯一のマイナスじゃないステータス。出血ダメージを受け付けなくなります。

【もし「被験体」に遭遇してしまったら】
しかし、以上のことを気をつけても遭遇してしまうことがあります。
これは、もう仕方がないですね。
不意打ちで襲ってくることもあるので、その時には逃げ切れなくて捕まる場合もあります。
・・・ただ、その後どう行動するかで生死の分かれ道となるので注意しましょう。

使える時は、懐中電灯よりも電灯やランプ(オイルやライターが必須である)を使う事がよかったりします。
懐中電灯は被験体に発見される確率がかなり高いからです。

もし、どうあがいても「これ・・・詰んでいるんじゃね?」と思ったら、潔く諦めた方がいいでしょう。
そういうことになると困るので、セーブする箇所は気をつけた方がいいかな。

【追記】
「どーしても進めない」という方は作者HPの「上手く先へ進めない方へ」の項目を読むといいでしょう。ただ、攻略法が載っているわけではありません。
それは自分で考えましょう。
それでもダメな場合は「セーフティ版」なら上手くいけるはずです。
通常版に比べて、難易度が下がっているのでやりやすくなっているはずです。
(ちなみに、今作のレビューは「通常版」をベースにしています)


 管理人コメント

私は「セーフティ版」から始めてみましたが、「セーフティ版」でイージーになった要素は、「神経疲労」が無くなった(足音センサーの性能が劣化しない)こと、発見された瞬間に攻撃されなくなったこと、回復アイテムが強化されたことの3点です。
「セーフティ版」でも、被験体に発見されない行動が最優先される点は、通常版と変わりありません。ダメージを受ければ、最悪で一発死、生き残っても骨折や出血で移動力が激減してしまいます。
一応、ハマり防止のために、被験体が出てくる場所ではセーブできないようになっています。しかし、被検体の行動範囲は非常に広く、予測はほぼ不可能。セーブした部屋を出た瞬間、目の前に…なんて事態も起こりえます。
セーブは必ず複数取りましょう。

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【 奥様は惨殺少女 】

奥様は惨殺少女
レビュワー [ DECOすけ野郎 ]
ジャンル [ たぶんギャルゲー、おそらく猟奇ゲー、きっと純愛ゲー系サウンドノベル ]
作者 [ 神波裕太 さま ]
容量・圧縮形式 [ 71.3MB・ZIP ]
言語 [ 日本語 ]
ダウンロード ダウンロード先

ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:8

惨殺の先には、一体どんな真実が待ち構えているのか?

▼「すでにレビューが3つも登録されているが、大丈夫か?」
▽「大丈夫だ。(方向性が違うので)問題ない」

【このゲームの概要について】

▼「このゲームの目的は(中略)無事7日間を遂行することだ!」
「まあ、いろいろ罠があったり選択肢があったりしますからそれを選んでいきます。」
▽「主人公と、中学生の奥さんのラブラブな新婚ストーリーが存分に楽しめるぞー!」
▼「・・・いや、その、『惨殺』ってところが既に・・・ねえ・・・。
明らかに語弊があるだろ常識的に考えて。
あ、あと赤い選択肢を選んだら大変なことになりますよ。
 赤い選択肢自体は意味があるものなんですよ。
その、ストーリー追っていくうちに理解できるはずですからね。その意味を知ったときは・・・これ以上は言えないです」
▽「中学生の妻、さゆりさんは家事万能!手作り料理もレストラン並、いや、それ以上のウマさ!そしていつも包丁を手放さない!」
▼「何で包丁を離さないんすかね・・・変じゃないですか?」
▽「まあ、ヤンデレ妹も常に包丁離さなかったのでそういうのはよくあることなんでしょうね」
▼「それゲームじゃねえだろ・・・って何で中学生が妻なんですか!
おかしいですよ!条例にひっかかりますよ!」
▽「・・・知らんがな。」

【ただのヤンデレゲーかと思っていたら…】

▼「全部で21のDEAD ENDと5つのエンド、そしておまけシナリオが待ってるぞ!」
▽「・・・まあ、どうあがいても死ぬことが多いですからね。っつーか死にすぎだろ、主人公。刺されすぎだろう。切られることは少ないけどな!
むしろ、俺は主人公にキレそうかもしれない。・・・でも、全部エンド観ないと意味わかんないですよね。
全部見たところで分かるとも限りませんが。コンプリートしてやっと『なんという!』となりますからね」
▼「どういうことですか、それは」
▽「やればわかる。 殺られればわかるはずだ!
▼「・・・もう嫌な予感しかしませんよね」
▽「先に『料理』を遊んでおくとまた話が分かりやすくなるYO!」
▼「あれは(相当に)グロいですよ。おーっと、丸皿カバーの中から何が出てくるのか・・・?」
▽「中身を見ちゃ駄目だー!」
▼「大丈夫大丈夫、中身は見せませんよ。っていうか、公式サイトでは

『ジャンル:ギャルゲー、中身はほのぼのとした新婚さんラブラブちょびっとグロホラー』

と紹介されてますが、ちょびっとどころではなくなっていますよね。グロ方面で。」
▽「まあ『料理』の1000分の1くらいは薄められてはいるとは思いますが・・・暴力描写、残酷描写、は結構ありますからね。
注意した方がいいかもしれませんね。・・・中身も出ちゃったりしていますし。」
▼「ステーキの中身はもちろんミディアムレア!肉はスーパーの特売だが味は美味しいぞ!」
▽「もう肉の話はいいよ!」
▼「こんな調子だが、最後まで、必ず最後までプレイすることを推奨する!既読スキップが無いのと、
選択肢でセーブできないのがバッドポイントだが・・・細かい事は気にするな!」
▽「さゆりへの愛情で乗り切れ!あとムフフなシーンもちょっとだけあるよ!

※ここから、物語の核心に関わるネタバレがあります※

▼「しかし、プレイしていくたびに印象が変わっていくゲームというものもそうこんなに無いんじゃないんでしょうかね。」
▽「そうですね、それじゃあDEAD END以外のエンディング5つについて説明しましょう。

▼「「最悪な赤の目覚め」か「トゥルーエンド」を出すには好感度を最低・最高のまま保たないといけないんで、初見で狙って出すのは難しいんじゃないんでしょうか。」
▽「初見はノーマルエンド『平凡な日常』にる人が多いと思います。よくよく考えたら最初は「ほのぼの」だと思っていたんですが。
いやあ、いざ全部遊び終えてから振り返ってみると怖いですよね。」
▼「うん、あれは結局『夢』でしかないわけだからね。「幸せの夢」もあまり変わらないわけですし。」
▽「『私の罪、あなたの罪』では赤い選択肢の真意、そしてバッドエンドの真意が全て分かります。白い粉怖ぇぇぇぇぇ!」
▼「今までは興味本位、面白半分で赤い選択肢を選んだいたけど、もう選べないですね。後述の『最悪な赤の目覚め』とも一応繋がりはありますが、
本当にさゆりがかわいそうだ。」
▽「あ、あと主人公の言動や物語の真相を大分解明する形になってるから、ネタバレが嫌な方は引き返すことを推奨します!」
▼「遅ぇよ! っていうか、もうここまで読んで引き返す人はいないよ!」

▽「そして『最悪な赤の目覚め』。これは『料理』との繋がりがかなり深いわけなのですが・・・。『私の罪、あなたの罪』ではさゆり視点だったのが、今回は主人公視点になっています。これは確かに『最悪』ですね。」
▼「『料理』で狂ってしまった主人公が、最後に見た夢、ということでしょうか。結局現実には戻れたのですが・・・。」
▽「現実に戻るのはトゥルーエンドとこれだけですからね。最悪な形でもどるか、これ以上無い最高の状態で戻る、か。」
▼「このゲーム、やってると赤い字が怖くなりますな。」
▽「最初は『そこで赤い字とかwww』と笑ってみていたりしていたけど、『もう赤い字はいいです・・・ごめんなさい』に最終的になりますからね。
赤い字が出るともう嫌なルート直行でございますよ。」

▼「まだまだこのゲームは終わりませんよ!おまけシナリオもありまして、白シナリオと黒シナリオがあります。
まあ、具体的な内容には触れませんが、黒シナリオを見るとキャラへの印象が大分変わってしまうというか、さゆり、みゆき、と主人公の関係が分かります。」
▽「・・・みゆきは死んでも仕方が無いレベルだな。」
▼「まあ、すでに白シナリオの「○分間クッキング♪」で肉じゃがになってますけどね。BAD ENDでも鍋の具材にもされていますし。
みゆきは、フリーゲーム界でもトップレベルの極悪女ですよ。」
▽「そこでまたさゆりの過去の事実が明らかになってしまうわけなんですよな。何も悪い事してねぇのに・・・。さゆりは悪気がなかったというのに・・・」
▼「そして、黒シナリオ2つ目ではみゆき株がどうしようもないくらいに暴落します。・・・っていうか、怖いわ。
一番怖かった。そして腹立たしかった。何が女王だよ!てめえ!おい!何様のつもりなんだよ!」
▽「まるでジンバブエドルみたいですわ。もしくは山一證券。それくらい暴落している。」
▼「みゆきの一方的な、理不尽な、あまりにも身勝手すぎる独白が内容を占めるわけですが、すべての原因が分かります。
そして、『私の罪、あなたの罪』で出てきた白い粉の正体とかも。本当に嫌な気分になりますが、どうしても見ないといけないんですよ。辛いですが。」
▽「残虐描写やグロテスクなことよりも怖いのは人間の心の奥にあるどす黒い悪意ですな・・・。」
▼「だからこそ、ここまで極限まで追い込まれたらからこそ、最後のトゥルーエンドでいっそうグッと来るわけですよね。私は猛烈に感動しているッッッッ!!」
▽「主人公とさゆりの今後の未来に祝福あれ・・・」

※ネタバレ終了※


 管理人コメント

しかし、こうして4thレビューまで来る現状を見ると、あくまで「料理」のスピンオフ作品である「奥様は惨殺少女」が、どれだけ物語と仕掛けが盛り込まれた作品であるかがよく判ります。
それだけ、あくまで短編・コンプリートまで30分と掛からない「料理」が、どれだけの話題や人気を集めたかのパラメータでもあります。
「奥様は惨殺少女」で、また話題が上がったせいか、現在では、更にスピンオフし、「きゅうけつきのよみち」とコラボした作品「きゅうけつクイズで逃れろ料理!」までできています。
こちらは、いわばカルトクイズで、上の3作品だけでなく、「包丁さんのうわさ」など、全「たぶんおそらくきっと」作品のプレイ経験が必要となります。他の作品をプレイした上で、手を出してください。

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【 カノウセイ 】

カノウセイ
レビュワー [ DECOすけ野郎 ]
ジャンル [ ソリッドシチュエーションホラー(ちょっと推理+RPG) ]
作者 [ 八久斗 さま ]
容量・圧縮形式 [ 1.21MB・ZIP ]
言語 [ 日本語 ]
ダウンロード ダウンロード先

ハマリ度:8 グラフィック:5 サウンド:7

「僕が、あの時自分の意志を貫いていたら・・・こんなことには・・・ならなかったはずなんだ・・・」

【ストーリー】
電車に乗ったはずの6人は、人身事故に巻き込まれる。襲ってくる人間でないモノ、おかしくなっていく空間、次々と死んでいく仲間。どうして死んでいくんだ?

「生きて帰りたいなら、誓え。
今後一切の過ちを犯さないと、誓え。
悪の一切存在しない世界にすると、誓え。
誓うことが出来ないなら、死ぬだけだ」

この言葉が意味するものとは何なのか?そして「可能性には死を」とは何なのか?
全ては最後に明らかになる…。

【レビュー本文】
一発即死型ホラー推理アドベンチャーゲーム(ちょっとだけRPG)。
このゲームの目的は、6人全員で生還する、ということです。当然バッドエンドの数もそれなりに
あったりします。初見でクリアするのは、多分無理でしょう。死んで覚えるタイプのゲームです。

基本的に、電車内に閉じ込められて脱出できない6人+電車外で捜査する警察の2パートに分かれていて、選択肢を間違えたり、とある選択をしなかった場合には「死」あるのみ、という厳しい感じのゲームでございます。電車内の装置をうまく活用したり、普通とは違った行動を取ること、つまりは「過ち」を犯さないことがこのゲームの攻略のコツなのではないのでしょうか。2週目以降はスキップがついていたり、バッドエンドになったあとでもヒントが貰えるので割合・・・親切設計?な作品でしょう。

作者の考え、思想がかなりブチこまれてる作品なので合わない人は合わないかもしれません。
あ、あと残酷描写が結構あります。ドット絵の死体は…グロテスクですよね、はい。

続編の「カノウセカイ」のジャンルは一本道のサウンドノベルに変わってます。内容ですか?
このゲームを遊び終えてから読むことを推奨します。

このゲームを遊び終えた後に、貴方に残ったものは何でしょうか?
俺?シルバーシートには座らないようにする、ということでしょうかね。あと電車内では音量に気をつける事とか、携帯電話を使用するときは電池残量ぎりぎりでメールを送るべし・・・くらいでしょうか。


 管理人コメント

このゲームの「上手い」と思える点は、「怪しいところを全て調べる」「選択肢は全部出す」などのプレイヤー心理を、死亡フラグにしている点です。おそらく一発目では全員死亡ENDになると思います。
ただ、それが行き過ぎたせいか、一部分で「いや、非常事態でそりゃ無いやろ!法律には『緊急避難』っつーのがあるんやで!」と思えてくる物もあります。ラスボスの行動論理が「ガッチガチの、一つのほころびすら許さない正義」なので、それを体現したフラグと言えば、一応納得はできますが…。
モンスターを倒すと獲得できる「キオク」から、登場人物のエピソードが語られます。本編自体では、なかなか各キャラのエピソードや人となりまで語られることが無いため、この「キオク」からキャラクターを深めていきましょう。
作者・八久斗 さまの作品の中には、 「ゼノンとバシ」シリーズ・「調味料」シリーズのようなコメディ、「てあるぴじ」と言う、一見レトロっぽいゲームなど、多数のゲームがあります。色々とプレイしてみてください。

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【 奥様は惨殺少女 】

奥様は惨殺少女
レビュワー [ ヒルカメレオン ]
ジャンル [ 即死系惨殺AVG ]
作者 [ 神波裕太 さま ]
容量・圧縮形式 [ 71.3MB・ZIP ]
言語 [ 日本語 ]
ダウンロード ダウンロード先

ハマリ度:7 グラフィック:6 サウンド:6

丸見えの地雷を踏む心理

最初に言ってしまうと、このゲームはすでにAXL氏赤松弥太郎氏の手によってレビューされています
なので正しいレビューを読みたい方はそちらのほうに行ってもらったほうが無難かもしれません

某日、某フリーゲームサイトにて
「ふ~ん、即死系ノベルか。おもしろそう………
何っ!ヤンデレ要素ありだとっ!? DL開始ッ!!」
こんな真性のダメ人間的理由で始めたのですが、これがなかなかに面白いゲームでした

まず主人公の大志は将来有望なサラリーマン
今日も仕事を終えて家に帰ると、中学生の幼な妻、さゆりが包丁を持って玄関までお出迎えです
……OK、ちょっとポリスメンのとこ行こうか。いろんな意味で
そんな私の心の声をみごとにスルーして話は進みます
そして開始一分ちょっとで、さゆりの会話から一発目の選択肢が登場

「お風呂にする?
 ご飯にする?
 むしろ私?
 それとも……
 みゆきにする(本当に赤字です)?」

えー、今見たものを簡単に言うならば……
ライトアップされたクレイモアだらけの地雷原 とでも言いましょうか……
あとみゆきって誰よ
まあ怖いもの見たさで選んじゃいますけどね

ドスッ ギャー

あ、死んだ

このゲームは、一回一時間弱程度の長さのわりに非常に選択肢が多いです
そして、その選択肢の全てにみゆきというライトアップ地雷が埋め込まれています
まあライトアップされているので回避は難しくないんですが、この地雷の厄介なところはエンディング
ハッピー1、ノーマル2、バッド2の5つのほかに、どうやって死んだのかもバッチリ記録されます
その数、21種類
コンプリートを目指す人にとって、5エンディングを迎えた後は死に場所を求めてさまようことになるでしょう

これだけ聞くとネタゲー以外の何物でもない様に聞こえますが、シナリオはきちんと作りこまれていて
「何でさゆりは中学生なの?」「なんでいつも包丁持ってんの?」「何でこんなに死にやすいの?」「みゆきって誰?」
ちゃんと答えが用意されています
ただし難易度がかなり高いのが玉にキズ、それでもまずは攻略サイト無しでやってみましょう

それと絵がちょっと……と言う方もいると思いますが、作者さんいわく、わざとちょっと崩しているんだそうです
やってるうちにだんだんと癖になってくるんですよ、この人の絵
筆者も最初は絵で敬遠してましたけど、やってみるとちっとも気にならない。というか愛着が湧いてきます

さあ、レッツプレイ!

ドスッ ギャー

あ、また死んだ


 管理人コメント

3rdレビューになって、やっと私も本作および前作「料理」のプレイに踏み切ることができました。(ちなみに、「さゆり」も「みゆき」も、「料理」の登場人物のデフォ名から取られています。)
マジモンのホラーである「料理」をフォーマットに、OPソング付き・登場人物の若返り…などを加えた、いわゆる「ギャルゲー」のフォーマットに落とし込んだ作品です。
「料理」から先にプレイした私の「奥様は惨殺少女」の第一印象は、「どうしてこうなった!」でした。あまりの変わりようと、あまりにもベタベタなギャルゲー要素が散りばめられていたので。
しかし、展開が進むにつれ、前作「料理」の面影が徐々に浮かんできます。序盤のベタベタな展開も、あえて過剰なディフォルメを効かせたグラフィックも、作者の計算の上であることがよく判ります。

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