■ 投稿レビュー アドベンチャー 60
邪那子供養 Eternal Home Floristry

【 邪那子供養 】

邪那子供養
レビュワー [ ノコモコ ]
ジャンル [ 短編ADV ]
作者 [ 紫蘇漬け さま ]
容量・圧縮形式 [ 18MB・ZIP ]
製作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

決して珍しくはない「題材」だがこう料理してきたか。

勉強はできるがネクラで進路に悩む女子高生・栗川。
そして、栗川を見下しながら充実した日々を送る邪那子。
二人は将来どういう道を歩むのか、

要するには「ガリ勉タイプの人間」と「それを見下してイジメる人間」との
リアルでも漫画やドラマでの創作でも決して珍しくはない「題材」をとりあげて作った作品ですね。

さて、ゲームの前半は栗川の視点で話を進めますが、
ゲームの後半は、邪那子の視点で老人ホームの探索が始まります。
栗川のパートはただ文字を読み進めるのが主な作業なので、
ゲームの実質主成分は邪那子パートにあると言えるでしょう。

個人的な考案としては、邪那子の視点で化け物が追いかけてきたりは実は栗川の妄想というか願望の具現化いうこと。
客観的に見て栗川の思想もたいがいやばいなと感じました、
サイコパス的な人間は普段から善人であることをかなり気にかけているという心理学の説あるけど
それに当て嵌まるのかはどうかとして独善的な考えであることは間違いないので


 管理人コメント

本作を初め、紫蘇漬け氏の作風は「アバンギャルド」を体現したかのような和ホラー+パンクな短編作品ばかりで、10年以上も前から今現在までコンスタントに作品を作り続けている作者でもあります。
※ ついでに言うと、本作「邪那子供養」は2014年作と古めの作品となります。
その独特な作風から、モノによっては「オカルト禁断症状」シリーズなど、ギャグに振り切った作品もあります。しかし、本作「邪那子供養」では、ルサンチマンと世の残酷さをストレートに噴出させたシリアス目の作風となります。
なお、本作にはエンディングが3つありますが、その分岐点は邪那子パートの終盤のみ。邪那子パートの「あの未来」しか、栗川も邪那子もたどり着けないのです。誰も彼もがねじ曲がったまま進んでいく物語、響く人こそプレイしてください。

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【 Eternal Home Floristry 】

レビュワー [ びーな ]
ジャンル [ フラワーアレンジメント ]
作者 [ Deconstructeam さま ]
容量・圧縮形式 [ 23MB・ZIP ]
言語 [ 英語・スペイン語・日本語 ]
配布元 配布元

技術の発展と引き換えに、多くのものを喪った大都市。主人公、ゴードンはそんな町で殺し屋を稼業としている。しかしあるきっかけから片腕を失い、都市唯一の『本物の』花を扱う花屋、『永遠なる家』に匿われていた。花屋の主人がゴードンを匿う理由ははっきりとしないが、それに恩義のようなものを感じたゴードンは、老いたこの主人のために、花屋を手伝えないかと申し出る――。

これはスペインのインディーゲームスタジオが開発した、短編ADVです。このどこか倦んでしまったような大都市では、模造品ではない『本物の花』は、ただ希少性や美しさだけでない意味を持っています。それは、その香りが神経伝達物質に強く作用する……つまり強い感情を想起させるということ。たとえば愛憎入り交じる関係の片方に、その憎悪を増すような花を贈れば、間もなく悲劇が訪れることになるでしょう。
様々な感情にかかわる5種の花から3種を選び、ゴードンはフラワーアレンジメントを作ります。どの花も無尽蔵に使える訳ではなく、土がすっかりやせ衰えた花壇に残っている花は数本ずつ、合計で13本しかありません。主人から聞いた依頼人の人となりや関係性を鑑みて、贈るべきと感じたものを組み合わせていきましょう。あなたの選んだもの次第で、美しい奇跡も、悍ましい惨劇も起こり得ることはお忘れなく。

この物語は、4つの仕事を終えるとエンディングに向かいます。そう、4つです。つまり、花壇には花が一本残ることになりますね?
テキスト量は決して多い訳ではなく、しっかり読み進めても1周はサクっと終わるボリュームです。花の組み合わせを変えて何度も遊んでみたくなる、そうやってこの世界の、ゴードンの、花屋の主人セバスチャンの背景を知りたくなる良質なADVです。ぜひ、あなたなりのエンディングを探してみて下さい。


 管理人コメント

裏社会のうらぶれた花屋が舞台、登場人物はほとんどが中年以上の男性、物語全体から鉄さびの匂いが漂うハードボイルドな世界ながら、物語は相当に「詩的」です。
5種類・13本の花は、それぞれに特徴的な花言葉があります。3本を組み合わせてメッセージにすることで、4つの仕事に与える影響が変わります。
不和を煽る花言葉、決意を見せる花言葉、そして、愛を告白する花言葉…。花の組み合わせ1つ1つに、セバスチャン(花屋の老主人)が独自のコンボ名を名付けてくれます。
花の数に限りがあり、半数以上が不吉な花言葉を持つ花である以上、どこかで「不吉な花言葉しかないコンボ」を使わざるを得ません。誰に不幸を押し付けるか、誰に愛を誓うか、誰もが幸せになれないからこそ、本作の詩的でハードボイルドな世界観が際立つのです。
本作に日本語訳が実装されていて助かりました。様々な意味で「文脈」が重視される本作の物語は、外国語で読むと細かいニュアンスを見落とす可能性があるからです。

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