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■ Ruina 廃都の物語

タイトル画面
作者 [ 枯草章吉 さま ]
ジャンル [ 探索RPG ]
容量・圧縮形式 [ 12MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクール2000 ]
必須ソフト [ RPGツクール2000 RTP ]
ダウンロード ダウンロード先

パーティ選択画面 戦闘画面 釣り画面 イベント画面 ピート画面 夜種王サマ画面

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 9 /10 10/10 7 /10 131/150 B
tiaki 10/10 10/10 10/10
ashigiku 9 /10 8 /10 8 /10
ckck 9 /10 9 /10 8 /10
赤松弥太郎 8 /10 9 /10 7 /10

 《 ES 》  ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:7

道を切り開く。運命を切り開く。それこそが冒険。

ハマリ度:9/10
非常に難易度が高く、ルートも攻略法も多彩なため、F12のお世話になるシーンが多発する。
それでも、いや、それだからこそついつい繰り返しプレイをしてしまう魅力が込められた作品である。
グラフィック:10/10
一部、他所からのフリー素材やRPGツクール95があるが、それほど違和感は感じさせない。
むしろ、作者自らが描いているのに、1ドットも共通点が見当たらない忍者姉弟とか、夜種王サマの世界観ズレっぷりなど、ネタ方面も兼ね備えた美しいグラフィックが多数存在しており、見た目でも楽しめる。
サウンド:7/10
悪くはない…悪くは無いのだが、RTPの楽曲がどうしても浮いてしまっている。

■ 序文:RPGについて

昨今、「RPG」と呼ばれるジャンル…世界を旅し、仲間を集め、死闘を潜り抜け、世界を救う…という冒険物語を、ほぼ一本道・ほぼ一読者視点でなぞっていくジャンルのことを、俗に「ロードムービー型」と呼ぶそうである。
(ライトプレイヤーが諦めない程度の)適度な障害を与えつつ、世界観や物語を説明するのに最適なジャンルであるため、商業・フリーに関わらず「RPG」の主流として存在している。
しかし、「ロードムービー型」には欠点がある。ゲームのゲームとしての面白さである「自分で物語を作り出す」という側面が失われるため、作り手側に類まれ無きストーリーテリング能力が無ければ、プレイヤー側がさめてしまい、哀れ「クソゲー」の烙印を押されてしまう。

本作「Ruina」も、個性的なキャラクターが多数登場し、数多あるダンジョンをアクションステージのように潜り抜けていく…という、「ロードムービー型」の側面がある。しかし、本作を少しでも遊んだ方ならば、「Ruina≠ロードムービー型」だと感じているはずである。
本作「Ruina」は、「ロードムービー型RPG」の魅力、「昔ながらのRPG」の魅力、「コンピュータ以前のRPG」の魅力、その全てをバランスよく配合した作品なのである。

■ Ruinaの「昔ながらのRPG」的魅力

Ruinaで、プレイヤーが操るキャラクターは、主に2つに分かれる。
一つは、己の使命や欲望を内に秘めたり…は全くしないで、強烈なキャラクター性で物語と主人公とプレイヤーを引っ張っていく、非常に「ロードムービー型RPG」的な仲間NPCたち。
もう一つは、名前に始まり、生まれや能力、職業、そして人生を全てプレイヤー自らの手で決定する主人公である。
主人公は、戦士型・盗賊型・魔導師型・僧侶型…と言うファンタジーRPGお馴染みの4タイプに分けることができ、しかも、その後のSPを利用したクラスチェンジにより、さらにバリエーションの高い成長パターンが存在する。
NPCと違って、個性的なセリフこそ無いものの、決して存在感が薄れることはない。まさに「主人公=プレイヤーの分身」としてのRPGが楽しめるのである。

■ Ruinaの「コンピュータ以前のRPG」的魅力

「コンピュータ以前のRPG」として、ずっと前、「CardWirth」のレビューで触れた「テーブルトークRPG」がある。
これは、ある意味「コンピュータRPG」よりもシビアな遊戯である。複数のプレイヤーそれぞれが持てる能力は限定的で、プレイヤー同士の協力が無ければ、魔物に蹂躙され、世界は崩壊し、バッドエンディングまっしぐら。一般的で否定的なイメージの「ゲーム」とは異なり、コミュニケーション能力が無ければ楽しめない遊戯なのである。
ただ洞窟の前の扉をくぐるだけでも、

ゲームマスター(司会役):君たちの目の前には、硬く閉ざされた扉がある。さあ、どうする!?
盗賊役:もちろん、聞き耳・罠探知・鍵開けの3点セットだぜ!
戦士役:何が出てくるか判らない。武器を構えて、警戒しておくぞ。
僧侶役:周りに何かヒントがあるかもしれません。鑑定いたしましょう。
魔導師役:さあ、次はどんな魔法をクソッタレモンスターに浴びせてやるか…。

といった手続きが必要なのである。
「Ruina」の展開は、この「テーブルトークRPG」に近い。マップはキャラ単位ではなく関門ごとに区切られており、それぞれに的確な判断が求められる。

ある時は、閉ざされた鍵を開け、
ある時は、脅威を見つからないように潜り抜け、
ある時は、その脅威に対し先制攻撃を仕掛ける…。

プレイヤーの判断の個数だけ、違う展開が待っているのである。
もちろん、主人公一人の能力は非常に限定的。一人で潜り抜けるのは至難であり、やり込みに分類される。
読めない文献があるときは、鑑定能力を持つ仲間を、開かない扉がある場合は、盗賊能力を持つ仲間を、危険な場所を探索するには、生存術に長けた仲間を…という具合に、場面場面に合わせた仲間選択が最重要である。

■ Ruinaの「独自」的魅力

難易度の高い「Ruina」にとって、探索や戦闘をスムーズに進めるために、とにかく成長が必要である。ここに「Ruina」の大きな問題点、そして大きな魅力がある。
「Ruina」では、通常のRPGにおける「モンスター狩りによる成長」がやりにくいシステムになっている。そこらのザコ敵が落とす経験値や収入は、まさに雀の涙。それでいて消耗は激しく、戦法をミスるとジリ貧になりかねない。
真の成長要素は、マップ内の関門である。関門を潜り抜けたり、宝箱を開いたときに手に入る経験値やアイテムが、主な稼ぎ源となっているのである。
関門による経験値は、控えのキャラにも入る。ただ成長のためだけに、使い辛いキャラクターを連れ歩く手間を省けるのである。反面、使い辛いキャラクターを連れ歩く余裕など無いと言うことでもあるが。

決して力押しでは進めない分、ただ戦うだけではない様々な展開が楽しめるのが「Ruina」の魅力である。マルチな展開ばかりではなく、クリア後の特典も充実しているため、複数回プレイも楽しめる、いや、複数回プレイこそが本番なのである。
…というか、ただでさえ長めのストーリーなのに、複数回プレイを要求するなんて、なんて社会人泣かせなゲームであろうか…。

 《 tiaki 》  ハマリ度:10 グラフィック:10 サウンド:10

Do You Like "TRPG"? Yes!雛見沢!!

って違ぇぇぇ!!今回のは普通のロープレだよ!こんちくしょう!

・・・さて、本題に入ろうか・・・・

今回のゲーム、雰囲気といいシステムといいTRPGを髣髴とさせる物になっている。
たとえば、パーティ編成をするのは酒場だし、罠や鍵は盗賊でなければ対処不能・・・など。
ダンジョン探索時のシステムテキストもTRPGちっく。

・・・まぁあれだ、TRPG好きな人もそうでない人もやっちゃえよ!

 《 ashigiku 》  ハマリ度:9 グラフィック:8 サウンド:8

膨大なイベント

街で準備を整えつつ、冒険者は洞窟に向かう。

といった感じで物語が進んでいきます。
全般的に暗い雰囲気があるので、そういったものが苦手な方にはオススメ出来ないです。

特筆すべきは膨大な数のイベント。
MAP上に光る点、ひとつひとつにイベントがあり、
作者の文才が遺憾なく発揮されています。 同じイベントでも連れている仲間ごとに台詞が異なるなど、飽きを感じさせません。

システムも面白く作られていて、
普通に戦闘しただけではほとんど経験値が得られません。
キャラクターを成長させるには、
1.イベントで経験値を貰う
2.称号を身につけ、チェックポイント早期通過やTTEXPによるボーナス等のSPで強化
といったことが必要です。
特に2番目がこのゲームを面白くしている言っても過言ではありません。

TTEXPボーナスを貰うためには一回の冒険で多くのイベント&戦闘をこなす必要がある。
多くのイベントをこなすには多くのMPと多様な探索技術が必要。
MPは簡単に回復できないし、一回の冒険で連れてける仲間は二人まで。
外に出ればセーブ/HPMP回復/パーティー再編成が出来るが、TTEXPはリセットされるし、
HPMP回復は時間経過を伴い、パーティー再編成は一日一度まで。

といったジレンマの中から最善の一手を探すのがこのゲーム醍醐味です。
「ボスを倒したけど開錠持ちの仲間が死んだからリセット」なんてのはしょっちゅうです。

とまあ、内容としては問題は無いのですが、
ただ一つ難点を言えば、カーソル移動のつらさがあります。
初期状態だと遅いが、「速い」にすると対象を追い越すというなんとも歯痒い設定。
「特殊なキーを押している時だけ自由移動で、通常時はポイント間を上下左右キーでジャンプする」
といった風な設定が出来ればプレイ時のストレスもかなり減ると思いました。

全体的に見て、
ハマリ度は9
(最善の一手を探す楽しみやクリア後のお楽しみ等、半年は遊べそうな感じです。)
グラフィック・サウンドは8
(フリー素材もありますが場面に適したものが選ばれており、違和感はありません。)
をつけました。

最後に面白いゲームを制作してくれた作者様と、
それを紹介してくれた管理人様にお礼を述べて締めとさせていただきます。
本当にありがとうございました。

野菜最強。

 《 ckck 》  ハマリ度:9 グラフィック:9 サウンド:8

ちょっと冒険行ってくる

ハマリ度9/10
町に戻っても最終探索地点から冒険を再開できるシステムによって、『面倒臭さ』を全く感じさせないのは素晴らしいの一言。
ゲーム内の設定を謎解きに組み込んでいる点も評価したいが、その反面、世界観が無闇と広がり過ぎている気が。
グラフィック9/10
冒険の基本となるマップやそこかしこに挿入される一枚絵など、全体の絵柄が統一されておりグッド。
その分インパクトに欠ける面は否定できないが、それもまた今作の味と言える。
サウンド8/10
BGMの豊富さはゲームの雰囲気を上手く引き出しているものの、効果音には少々の物足りなさが。
料理スキル発動時、街の中は兎も角ダンジョン内でも専用BGMに切り替わるのも個人的にマイナス。

前置き

冒険の始まり

ゲーマーなりオタクなりが社会人になる過程で最も辛い部分は、娯楽に割く事の出来る時間が激減することである。
高密度の仕事を長時間に渡って要求される上、その疲労から睡眠時間も十分に確保しなければならないことを考えれば、自分のために使える時間というものは学生・フリーターと比べて格段に少なくなる。

こうなってしまった大人の多くは、その趣味自体から脱却するか、グッズやフィギュアといった即物的な方向に走ってしまう。
なにせ、金ならあるのだから。
少なくとも、クリアまでに何十時間と掛かるRPGを制覇し続け、週に40本近く放映される深夜アニメを余さず拝聴することなど、およそまっとうな人間に出来うる業ではない。

本題

胡蝶の夢

かくのごとき状況を迎えつつあった私にとって、今月のイチオシが「Ruina 廃都の物語」に決定されたことは僥倖であったといえる。

多くのRPGは、レベル上げという本筋とは関係ない部分に時間を食われ、最下層に待つボスを討つためだけにダンジョンへと潜らなければならない。
それらは基本的に冒険と呼べるものではなく(ゲームとして否定する意味ではないが)、ある種通過儀礼のようなものである。
無論、そこに苦痛を感じないよう工夫を凝らしているゲームも少なくはないのだが、戦闘システムの改善・改良や謎解き・仕掛けの盛り込みなどでは、根本的解決にまでは到達しえない。

雪山登山

本作品と他のRPGを比して見える最大の違いは、「ダンジョン一箇所一箇所の探索が冒険である」という点だろう。

例えば、鍵のかかった部屋に入るのであれば、ドアを「ピッキングする・蹴り破る・アイテムで開ける」といった選択肢から始まり、室内に異様な人物を見つけても「襲い掛かる・話を聞く・逃げる」という対処各種対処が存在する。
また、通路の途中で敵の群れに遭遇すれば「身を隠してから襲い掛かる」という行動も取れるし、雪山で遭難しかけた場合も「吹雪が止むまでしのぐ・強行突破」といった選択がある。

通常のRPGであればどうということも無く通り過ぎるような道も、このゲームにあっては未知なる探索地の一部として扱われるのだ。

それでいて、ゲームの進行を面倒と感じさせない点が素晴らしい。
プレイヤーに再三の選択を迫るゲームというものは、得てしてその繰り返しに苦痛を感じるものだが、今作品はそこにバリエーションを持たせ、パーティーメンバーとの掛け合いなどを用意することで楽しさを増す方向での調整がなされている。

通常の型と異なるゲームでありながら、これほどまでに煮詰められた作品はそうそう無い。

最後に

私のクリア時間は9時間弱であった。
ゲームオーバーやリセットを含めても、総プレイ時間は15時間前後といったところだろうか。
世界観や各種設定などの密度を考えても、十分社会人に優しいゲームであろう。

システム的には所謂ゲームブック的RPGというものであり、個人的には、ページをめくるあの興奮を覚えている世代にこそプレイして頂きたい作品である。

彼女の好きな花は薔薇だそうです

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:7

挫けそうな時 そばにいる笑顔

世界地図  「本作の一番の売りは ?」と聞いたとき、返ってくる答えは人それぞれでしょう。他のレビュワーの皆さんも、色々と書いていたはずです。
 しかし、私があえて言いたいのは、「売りになっていない部分にこそ、本作の魅力がある」ということなのです。
 →をご覧下さい。本作の世界地図です。大小7つの国の位置と、それぞれの歴史を知ることができる非常にムダなアイテムです。えっムダ ?
 その通り。本筋にはほとんどまったく関係しない設定です。(続編でも作られれば話は別ですが、その望みは薄いものと思われます。)しかもこの地図、コレクターアイテムじゃなく、序盤から投げ売りされているんですよ。
 本作は、こういう「ムダ」な設定が、妙に細かいところまで決まっていたりします。別に、深みが増した、ということもなく、ただ思わせぶりなだけ、とも言えますが、まあ、いいじゃないですか。
 概略だけ見れば、王道あっさり風味の作品です。しかし、こうした「ムダ」なもの、言い換えれば作者の遊び心にあふれているからこそ、本作は人を引きつけるのです。

 ……さて。
 本作最大の遊び部分と言えば、なんといってもキャラ同士の会話です。

 役に立つ話は全体の1割もありません。ほとんどがしょーもないムダ話です。ムダ話だからこそ、その時々に違う、そのキャラならではの反応を聞いているうち、自然と愛着もわいてくるものです。
 しかし戦闘が比較的厳しい本作の場合、キャラクター性より性能を重視してパーティを組まざるをえません。本作は断じてキャラ萌えゲーでは無い、はずなんですが……。
 激辛に私がいる限り、そうは問屋が卸さないってもんです。

 キャラが多いので、断腸の思いで女性PC5人に限定させていただきます。
 さあ、祭のはじまりだ !!

ネル
 まずはネル。最初に仲間にできる女の子ですね。
 ピンク髪たぶんアニメ声、夢は魔法少女になることです。町はずれの賢者の庵に押しかけて、見よう見まねで魔法を覚えています。……が。
 近ごろの魔法少女枠って、プリキュアじゃないですか。岩をも砕くパンチ ! 鋼も砕くキック ! ……つまり、そういうことです。魔力低すぎ。
 かくして、今日も元気に大剣をぶん回し、ドアを蹴破り進むネルさんなのですが、意外とドメスティックだったりします。最初は料理ができたり、薬を調合できたりする程度なのですが、しまいには炉もないところで刀を鍛えたり、いろいろ神がかってきます。
 洞窟探索では攻めに守りに活躍するのですが、結構損をするキャラかもしれません。はしゃぎがちでいい加減な性格……と言ってもそれを上まわるキャラがごろごろいますし。正統派、ってーか他のキャラが濃ゆすぎなんですが、埋没しがちです。
 むしろ他のキャラとの絡みで、その個性が見えてくるかもしれません。

ラッキーポイント : 決戦の前にフランに話しかけると吉

キレハ
 続いてはツンデレ姫、キレハです。
 序盤、遺跡に閉じこめられていたところで出会います。「無様なものね」なんて言っちゃってますが、自分も罠にハマったなんて口が裂けても言えません。あまりに高飛車だからって同行を断ると、どこかへ行っちゃいますが、自力じゃ出られないんですよね彼女。きっと、顔真っ赤にしつつ主人公の後をつけて脱出したに違いないので、どうか邪険にしないでやって下さい。
 誇り高き遊牧民の家の出身だそうです。自炊生活が長かったのでしょう、料理は抜群の腕前ですし、探索スキルも高いです。意外と社交性もあるし、ここだけ見ると割と普通の人……なんですが。
 ……その。そこら中で臭いをかぐのは、はしたないと思うんですが。ひょっとしたら目よりも鼻を頼りに生きているのかもしれません。
 あと、洞窟の奥深くにいるのに、どこから草原の仲間を呼んでるのか、すごく不可解です。特に馬とか、普段どこに隠してるんでしょうか。
 正統派ツンデレですが、無口な主人公に対して苦手意識があるようです。能力的にはパッとしない、使いにくいキャラですが、ぜひ、男主人公で攻略してみてください。

ラッキーポイント : 高い木に登ると吉

エンダ
 竜人エンダ。激辛的には大本命の登場です。
 年齢は生まれたてほやほや。主人公達の見ている目の前で卵からかえりました。前世は数千年生きたドラゴンで、その時の記憶も若干残ってます。マジュニアですね ! ……え ? 萌えない ?
 もうともかく元気です。元気だけが取り柄のネルが思わず老け込むくらい元気です。元気なので、ぱんつはきません。
 そんな格好でお菓子をおねだりされたら、誰でもあげちゃいますよ。人間として当然の行動です。ケダモノ ? ケモノ ? いいじゃないですか、朝飯前に虫を捕まえて食べるくらい !
 こんなかわいい子と一緒に旅をしたいと考えるのも、当然のことです。しかしイマイチ使いづらいと思ってませんか ? 嫌がって何も装備してくれませんからね。
 実はこの子の装備、各所に封印されたドラゴンを倒すことで手に入ります。さらに、すべてのドラゴンを倒すと、秘めていた力が覚醒、エンダ無双が始まります。100人単位で敵兵を薙ぎ払う……本当に大人げないですね。
 あと1つ。エンディングは大きく2種類あるんですが、そのうちの1つで彼女の立ち絵原画が出ます。もちろん、ぱんつはいてません。……皆さん。是非ともがんばってください。

ラッキーポイント : 真の変態に負けると吉

フラン
 メイド忍者。……って、一言で済ませないでくださいよ作者さん !
 メイドで、忍者。ドジっ娘属性は標準装備です。ついでに天然で、さらに小動物系でもあります。みんなの妹分的存在ですね。
 ……まあ、天然ボケと言うより「なんかズレてる」(キレハ評)と言った方が適切でしょうか。領主の命令で遺跡探索に加わっているのですが、何か緊張感の方向性が違っています。なんと言うか、ピクニック気分なんですよ。
 しかしさすがにプロ、仕事はしっかりしてます。本作の盗賊系は、防御を捨てて攻撃に特化しており、切り込み隊長の役割を担います。探索面でも解錠など優秀なスキルを持っており、ぜひパーティに加えておきたい職業です。
 さらに、彼女は忍者でメイドです。よく気がつきますし、掃除洗濯などの家事も優秀です。もちろん、料理だってできます。ほら !

料理を作れたらいいですね。

 「作れたらいいですね。」って、なんじゃそりゃー !!
 ……ごほん。
 キレハと並び、まとも(?)な恋愛エンドが用意されています。男主人公で攻略してみましょう。

ラッキーポイント : ネルと一緒にお化けが出る場所に行くと吉

テレージャ
 さあご一緒に。メーガーネ !! メーガーネ !!
 今度ばかりはメガネには興味ありません、とは言わせませんよ。なんと言っても彼女、神官です。序盤から最終戦まで必要不可欠な戦力ですからね。連れて行くに越したことはありません。
 ひ弱そうに見えて、装備もかなり優秀です。また本作の神官は神の加護により、防御時ダメージ3/4カットという特殊能力があり、そう簡単には倒されません。有用な補助技能も持っている上、何しろMPが高く、安心して後方を任せられる性能です。仮に主人公が神官だったとしても、彼女はそのサポートとして十分役に立つことでしょう。

 さて。「メガネの差は能力の差ではない !」と言う同志諸兄。その点においても、テレージャは非常に優秀ですぞ。
 彼女は尼僧院出身のお嬢様であり、考古学者であります。遺跡にかける情熱たるや他のメンバーの比ではなく、心からの愛が言動からあふれ出ます。好きなものに没頭する、それになんの咎がありましょうや。彼女を変な人呼ばわりするメンバーの良識を疑うっ !
 非常に頭と口の回転が早く、特に終始ボケっぱなしの騎士アルソンとはいいコンビです。歯に衣着せぬ、イヤミのないツッコミを間断なく浴びせます。なにしろボケ役の多いこのメンバーです。彼女の存在は貴重と言えます。
 とはいえ、ただ辛辣なわけではありません。物静かで顔見知りの少ないキレハとも仲よくしており、そのさりげない気配りに彼女の人柄は現れています。仮にさりげなさ過ぎて気のせいと思われようともっ ! 私はその自然さこそが彼女の優しさだと信じて疑いません。

 ……ん ? 「大切なことを説明していない」? ……もしかして、君は何かね。彼女のメガネはメガネではなく、拘束具だと言いたいのかね。
 だとして、それがなんだね ? まだ君はそんな小さなコトを言うのかい ?
 私にはわかるなあ、彼女の気持ちが。薔薇や百合の美しさを愛でることが罪だろうか ? 否。もし罪があるとすれば、それは美しく生まれついた薔薇や百合にあるのではないだろうか。
 だからもし彼女が、「アルソンはいつもツッコまれて可哀想だから、たまには突っ込ませてあげよう」と妄想したところで、そこにはなんの罪も無い ! 例えばそう、アルソン×テオルとか ! ……いや、メロダーク×シーフォンも捨てがたいな……
 ねえテレージャ。どっちがいいかな ?

ラッキーポイント : 廃都物語 第3巻を読むと吉

 ……さて。
 程よく混沌としてきたところで強引にまとめましょう。
 本作最強の味方は誰か。間違いなく主人公です。主人公として転職の特権が与えられていますからね。職業ボーナスを積み重ねた結果、同じレベルの仲間と比べてステータスに1回り以上の差が付くこともよくあります。
 本作の仲間は、戦力の上では、主人公のサポートに過ぎないのかもしれません。
 この仲間達とどう付き合っていくかは、プレイヤーの皆さんに委ねられています。この作品、主人公1人旅も可能ですからね。
 データだけの存在として付き合っていくのも、それはそれでいいでしょう。
 しかし、例えばキャラクター性という、本作にとっては脇道に入り込むとき、
 本作はまた1つの迷路(ダンジョン)を見せてくれるに違いありません。

ハマリ度 : 8 / 10
 クリック型探索とTTEXPシステムを中心とした手堅いシステム。戦闘もステータス補助・属性補助などツクール2000デフォならではの楽しみがある。
 キャラクター・ストーリー等、全般的に目だって斬新なアイディアはないものの、しっかりと統制がとれており、好感を持った。
 ただ欲を言えば、あと一歩、プレイヤーを遊ばせる何かがほしかったように思う。
 例えば、「TTEXPが100%を越えても、もう1ランク上のボーナスポイントを狙える」ことは示唆されるが、肝心の1ランク上のボーナスポイントがわからないのではリスクが高すぎ、挑戦できない。せっかく探索に自由度のあるシステムなのに、「用意された探索ポイントをTTEXPが100%になるまでクリックする」という遊び方になってしまう。
 つまり、少々統制されすぎている。情報の見せ方、プレイヤーへの気づかせ方にもう一工夫あれば、ともったいなく感じた。
グラフィック : 9 / 10
 妥協のない描き込み。ところどころで使われているツクール95素材も親和性がある。
 減点理由は、テレージャのメガネに対するあまりにぞんざいな扱いがメガネ神様の逆鱗に触れたから。……というのは半分冗談。
 立ち絵と顔絵のイメージの違いが若干目立つ。男性視点で見て、男主人公の顔絵にイマイチ魅力が感じられないのも辛いところ。
サウンド : 7 / 10
 初期バージョンではかなりの部分がツクール2000のデフォ素材だったが、現在は大幅に増強。設定で戦闘音楽のバリエーションも選択できるようになった。
 しかしその結果、統一感が無くなったように感じる。以前は構成要素として機能していた2000RTPの雰囲気が、現在は異物になってしまっている。

 アルソンを取り上げなかったことがマジ断腸の思いの赤松でした。……もう、実際見てみてよ。スゴイから。

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