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■ OFF(日本語版)

OFF
作者 [ Mortis Ghost さま]
ジャンル [ 探索ADV+RPG ]
容量・圧縮形式 [ 76MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクール2003 ]
言語 [ フランス語、日本語、英語、etc... ]
備考 [ 現在の最新バージョンは、1.2.2 ]
配布元 ダウンロード先

OFF OFF OFF OFF OFF OFF

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 9 /10 8 /10 125/150 B
牛人 8 /10 9 /10 10/10
hoikoro 7 /10 9 /10 8 /10
赤松弥太郎 7 /10 8 /10 10/10
みりん星 6 /10 8 /10 10/10

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:8

世界の全てを、浄化せよ。

今回のイチオシ「OFF」は、元々ベルギーで作られ、フランス語で語られる作品でした。まだフランス語版しかなかった時代にも、「すごい作品だ」と言う噂は聞こえていました。
その噂に惹かれてダウンロードしたものの、流石にフランス語は言語の壁が高すぎました。ZONE 0の時点で全く謎が分からなくなって投げ出してしまいました。
今回、日本語版がプレイできると聞いて、早速ダウンロードしました。最終まで進めて、「日本語でもここまで複雑な話、フランス語じゃ全く分からない!」と断言できる出来栄えでした。
本当に、翻訳者の皆様には頭が下がります。
雰囲気、グラフィック、サウンド全てに散りばめられたグロテスクと皮肉は、「ハマる人にはこの上なくハマる」と断言できます。数多くのファンを生み出した「ゆめにっき」と同様です。
ただ、ゲーム中の難解さとストレスフルさは、楽しみの妨げとなるレベルです。この点も「ゆめにっき」と同様です。私は、道中のストレスフルさのせいで楽しめなかった方です。

謎解き自体も難解ですが、これ単体では決してストレスフルにはなりません。ヒントは必ず近辺にあり、情報を隈なく拾っていけば解けるレベルです。
ただし、その「情報を拾う作業」中に襲ってくるのが、悪名高いツクール2003のデフォルト戦闘! ヒントを忘れないために手早く片付けたい所に、ウェイトゲージがチンタラ昇っていくのを眺める時間は、本当にストレスが溜まります。
戦闘自体は、オートでも済むヌルさの反面、物理で殴るオンリー=作戦や属性が役に立たないので、「ただ時間が奪われる作業」以上のものではありません。
レベル上げが必要なバランスの上、固定のイベント戦闘も多いので、この戦闘を避ける道は無いのが、更にストレスを溜めてきます。
ちなみに、ほとんどのバトルでは(ランダムエンカウントのザコ戦であっても)「逃げる」コマンドは使えません。

それでも耐えられたのは、ひとえに「次の展開」が楽しみだった以外に他なりません。それほど、演出面秀逸な出来栄えなのです。
全ての人々、全てのエレメントを犠牲にして「浄化」していくバッター、そして「あなた」…明らかに浄化を望んでいない、同じ顔だらけの民衆…それが帰着していく物語は、絶対にろくでもないだろうとは予測できていました。…しかし、結末は私の予想を遥かに超えるレベルでろくでもないものでした。良くも悪くも。
※ ちなみに、「浄化」後のZONEにも突入できます。更なるアイテムが落ちていますが、出会う雑魚も数段強力なので、仲間を揃えてから挑むべきです。

本当にツクール2003製でなければ、「奇妙な世界と驚愕のオチで魅せてくれる奇作にして傑作」なのですが、ツクール2003のデフォルト戦闘がガチでストレスになるのです。
ツクール2003を選択した理由は、やはり「ゆめにっき」の影響なのでしょうか。
ストーリーの難解さにしろ、結末のロクでもなさにしろ、ツクール2003の仕様にしろ、確実に人を選ぶ作品です。
雰囲気にのめりこんだ方は、ぜひ最後までプレイしてください。道中のストレスに耐えられなかった方は、どうかムリしないでください。

 《 牛人 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:10

とても奇妙だ。(お前もな!!)

 オーソドックスなツクール2003製のRPGです。操作性も定番です。
ゲームとしては謎解きの比率が高く、その難易度も高いです。
ゲーム性の面ではあまり書くことはありません。オートでも戦闘は乗り切れますし、上述の謎解きが難しいものの、いつものRPGです。

 この作品の特筆すべき点は、作品の雰囲気と物語でしょう。
多くは語られないテキスト。心象風景のようなグラフィック。つかみどころのないサウンド。
そして、それらからなる、奇妙かつ不可思議な世界観。
筆舌に尽くしがたいとはこの作品のことでしょう。

 万人向けとは言い難い。しかし、プレイするべし。それしか、この作品を言い表す事はできません。

グロ要素はあるのに、エロ要素はない。

ハマリ度:8/10
面白い
グラフィック:9/10
絵としては素晴らしいが、プレイし辛い部分もあり
サウンド:10/10
中毒性あり

 《 hoikoro 》  ハマリ度:7 グラフィック:9 サウンド:8

全てOFFにする

OFF】今回レビューさせていただきました
フリゲ2014において接戦の末に第一位を獲得したゲームが、まさか日本語訳された海外のゲームだとは思いもしませんでした。
まずプレイし、最後までプレイし終わった後にふと気がつくことがありました。

このゲーム
死ぬほど翻訳難しそうなのによくここまで…!!

これを取り上げて、このゲーム凄いよ!!と言いたい気持ちも大いにありますが、それはゲームそのものとは異なるので割愛いたします。

まずこのゲームは王道とは全く事外れた邪道も邪道な謎解きRPGでした。
プレイし終え、全てのEDを見終えたとしても、完全な意味で理解できたことは本当にひとつもないのではない、といえるほどです
主人公の存在から、仲間、猫、目的、世界、本当に何一つ理解できません。
理解ではなく推測することで楽しむゲームだといえるでしょう。

それらは偶然にも、前回レビューさせて頂き、フリゲ2014では僅差で第二位だった【ムラサキ】と重なる部分が多いです。
しかし、OFFは更に更に説明が少なく、大団円だったりスッキリする要素は皆無のゲームでした。
似たような部分が多いと同時に、本質的には全く真逆だといえる、面白い対比なのではないでしょうか。

ゲーム内容を言わせていただくと、ひたすらに考えさせられる内容となっております。
ストーリーに悩み、謎解きに悩む、解けたら次、という形です。
極僅かな部分でも、適当に読み飛ばすとストーリーや進行が簡単に詰みます。
謎解きも、どれもかなり手が込まれた謎解きとなっており、謎解き中の謎解きには関係ない部分もストーリーには深く関係しているという、文章にするとわけのわからない事が全編通して起こります。
このゲームをプレイする際には、ぜひとも"集中"を忘れる事なかれ、です。

サウンドはどれも不快感や疑心感を煽るようなものになっています。
当然それらこのゲームに合わせられてそうなったもので、意図的に嫌な気分にさせられる、というこのゲームの邪道さがよく分かる良い仕様であります。

ただ、プレイしていて気になる、目につく部分もその分多く含まれていました。
とても気になった部分だけ上げさせていただくと、
決して簡単とはいえない謎解きの最中に、高いエンカウント率で敵と遭遇し、更に討伐にもなかなかの時間がかかるという仕様があります。
これは、はっきり言って自分にはとてもつらく、更に謎とその答える場所までの道中もかなり長い為、メモらないことにはとても覚えていられませんし、メモっても謎が解けず何度も右往左往しました。
コレが自分にとってはプレイしていて最も気になった部分です、謎>ストーリー>細部の順に忘れてしまい、覚えていられませんでした。
また、BGMが戦闘中何度もプツッっと切れることがあり、長い戦闘時間においてとても気になりました。

・ハマリ度:7/10

独特な世界観、意味深で想像を促す言い回しが素晴らしく、ハマる人にピッタリとハマる、異色でありながら多くのプレイヤーの心をつかむ設定には度肝を抜かれました。
二次創作栄えする作品であると同時に、抜きん出たオリジナリティが素晴らしいと思います。
しかし、快適にプレイ出来たとは言いがたく、ここをこうして欲しいという場面も少なからずあったことで、この点数です。

・グラフィック:9/10

敵一体とっても素晴らしい出来栄えのグラフィックで、この世界の歪んだ雰囲気を的確に表していました。
一枚絵の意外とおちゃめなバッターが結構好きです。

・サウンド:8/10

意図的に不快で不安を煽るようにしたのであろうBGMが、世界の異物感・混沌感を大きく強めています。
説明書通り、サウンド抜きにしてはこのゲームの独特の雰囲気は決して味わえなかったと思います。


全てを終えた後でも、わからないことのあまりの多さに圧巻し、意味を頭のなかで整理反芻しても全然足りず、クリア後もゲームが続いているような気分にさせられるゲームでした。
独特すぎる世界観、この世のものとは全く違ういびつでバランスのとれたデザイン、謎をたくさん残したままのED等、これまた以前レビューした【排気ガスサークル】とも似通う部分が多いゲームだと思いました。

おのれスペースエイヴめ!ゆ"る"さ"ん"!!

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:7 グラフィック:8 サウンド:10

光なき場所で見ていたもの 孤独の真ん中聴いてた

ハマリ度 : 7 / 10
 戦闘のつまらなさがかなり致命的。毒等の回復さえ怠らなければAボタン連打で突破できる割に、戦闘時間が長引きがち。ツクール2003のデフォ戦闘を採用するなら必須の、敵の素早さをばらけさせる処置を行っていないので、序盤は気付いたら死んでいることもよくある。パーティメンバは無機物なので愛着を抱けず、育てる甲斐がない。
 加えてエンカウントもツクール2003デフォルトをそのまま採用したため、体感的に非常にエンカウント率が高く、ストレスを倍加させる。謎解きのほとんどが、遠い場所にヒントが置いてあったり、離れた場所にスイッチがあったり等、歩数を稼がせる作りになっていることでさらに倍率が上がる。
 ザッカリーが初登場シーンで「アクションをたっぷり、ナゾトキは少なく」と言っていたが、仮にそれが作者の意図であるとしたら、このストレスフルな作りがすべて意図されたものであることを意味する。さすがにそんなことはないと信じたいのだが。
グラフィック : 8 / 10
 いかに素晴らしいアートワークであっても、使用できないアイテム名の字と背景色をまったく同じ色にした点で、ゲームのグラフィックとしては大幅減点を免れない。なぜ一目見ればわかる問題を解消しようとしなかったのか。
サウンド : 10 / 10
 サウンドについては文句なし。(ほぼ)全曲書き下ろしの前衛曲は、作中イメージと深く結びつき脳裏に焼き付く。要所要所の効果音の使い方も見事。

 未クリアの方に向けて、あらかじめ断っておきますが。
 本作の結末にカタルシスはありませんからね。
 全く救いのない結末を迎えたとしても、悲劇であるなら、なにがしかの人生に対する感動があって、お客さんはスッキリして帰るわけです。
 ところが本作の終わらせ方、作り方は、そうした浄化作用を一切拒否しています。それはもう意図的に。
 プレイした後のもやもや、一種の「胸くそ悪さ」を追求しているこの作品を、はたしてあなたが受け止められるかが問われます。
 「ゲームはプレイヤーに娯楽を提供しなければならない」という意見もあるでしょうが、ボクは個人的にあまりこの意見には同調しません。誰かがそれを好むなら、他の人から見て娯楽とは思えない悪趣味なものであっても、供給される価値はあるはずです。しかもこの作品、だいぶ幅広いファン層を持っているというデータも出ましたし。
 だけど、好き嫌いがハッキリ分かれる……しかも終盤になってからの展開で好みが大きく分かれるので、ボクとしてはあまりみんなに「まずやってみろ」と言うのは憚られます。
 いや、ボクは嫌いでもないんですけどね。

 本作がメタフィクション要素を扱っていることも、好みが分かれる要因になっているでしょう。
 ボクはメタフィクションは好きなんですけど、いかんせんメタフィクションってフリーゲームではありふれた表現手段なんですよ。激辛のイチオシ一覧に目を通せば、メタフィクションの名作がたくさん見つかります。
 これには要因がいくつかあって、

などなど。
 しかしこれ、フリーゲームのプレイ歴が長くなるほど、たくさんのメタフィクションを目にしているということであり、メタフィクション好きであればメタフィクションと聞いただけで期待値が上がるという現象がおこります。少なくともボク自身は自覚ありです。
 そこへ、本作は開幕時に「プレイヤー本人の」名前を聞いてくる。これはメタフィクションを始めるという合図なので、身構えてゲームを始めます。開幕早々に第4の壁を破壊してくるキャラもいるので、期待は高まります。
 ただ本作、せっかく聞いたプレイヤーの名前が有効に活かされているとは思えないんですよボクには。
 バッターがあまりにプレイヤーから独立したキャラクターとして作品世界に存在するせいで、最後の最後、あのシーンでプレイヤーを引きずり出そうとしても、それまでの積み重ねがあまりに乏しく、上滑りしているようにしかボクには感じられません。
 あまりフリーゲームをプレイしていない人には目新しさがあるのかもしれませんが、プレイした数がだいぶ多くなってくると実にありふれた陳腐なやり方にしか見えないわけで、そこでエンディングに対する評価も大きく変わってしまうかもしれません。やろうとしている手の内がわかってしまうだけに、もうちょっとうまくやれなかったのか、と思っちゃうんですよね。

 じゃあ、この作品はどこに期待したらいいのか、というところなんですが。
 これがねえ、戦闘が楽しいとか、謎解きが面白いとか、そういうことならいいんですけど、ねえ。
 ここまで戦闘が鬱陶しいと、鉱山あたりで投げ出す人が絶対いると思うんですよ。ボクも迷いましたもん。

 でも、鉱山より後の方が面白くなるのは間違いないです。
 ボク個人の体験で言えば、投げ出さずに続けられたのは、「このあと、どんな世界が広がってるんだろう」という期待感でした。
 そして、その期待については裏切られませんでした。グラフィックも音楽もいい仕事をしていますし、マップも丁寧に作ってある。
 自分の目で見る価値は十分にあると思います。

 ただし、戦闘でイライラさせられるのは、最後までずっと変わりませんからね。
 逃げようとすると袋叩きに遭うし、戦ってレベルを上げるとただの障害物撤去作業に行き着いてしまう。
 本当に惜しいんですよ。これで戦闘や謎解きが面白ければ、「こんなに胸くそ悪いゲームはなかなかない」と絶賛できるんですが!!
 プレイヤーがただ、ストーリーを先に進めるためだけにプレイし続けている状態で、バトルをただ作者に要求されている作業と考えてしまうから、あのシーンで「お前(作者)がこんなゲームをやらせてるんじゃないか」と思っちゃうんですよ。そこが多分最大の問題点です。
 そういう逃げ道を作らせないためにも、「楽しんだプレイヤーも同罪なんだよ」と図々しく振る舞う根拠が必要なんです。「お前、さっきまで喜んでバットぶるんぶるん振り回しておきながら、なんだ」と言えるくらい、プレイヤーにとって楽しいバトルじゃないと意味がないんです。

 あらゆる意味で、つまらないと思ったら、その瞬間にプレイをやめることが奨励されるゲームです。合う合わないがあまりに激しい代物です。
 これはフリーゲームすべてに言えることですが、他にどれだけたくさんの人が勧めていようと、自分に合わないものはハッキリ存在するんです。それは自分が悪いってことでもないし、他の人すべてがオカシイということでもない。
 逆もまた然りですからね。

 この作品が、昨今のホラーアドベンチャーの枠組みで紹介されたのは、良し悪しどちらもあったと思います。
 比較されるべきはむしろ、より古典的な作品じゃないか、と個人的には思います。
 Nepheshelとか、その頃はこういったメタフィクション、結構流行ってたんですよね。アートワークこそ2008年のベルギーらしいハイセンスなものですが、作品の作り自体は、ボクにとっては割と昔を思い出させるものでした。
 2015年の今は、ベルギーでももっと洗練された表現も出てるんじゃないかなー、と期待してます。言語の壁は分厚くて、ボク自身はまったくわからないのですが。

 《 みりん星 》  ハマリ度:6 グラフィック:8 サウンド:10

脳内補完……あくまで私の

フリゲ2014を1位とった作品ということで私もプレイしてみました。「没入感半端ねえ!」と思いながらクリアしました。
しかし、クリアして「?」、隠しED見て「……」
どうも不完全燃焼になってしまったので、勝手に頭の中で回想を作た結果がこのイラストです。相変わらず下手ですが。
優しい世界を夢見ていたのに、結果を追い求める苦しい世界になったなんて、なんたる皮肉。ジャッジはどんな思いでバッターを導いたのでしょうか?

OFF

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