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■ スティール・ブルー

スティール・ブルー
作者 [ ArioGarden さま ]
ジャンル [ 経営SLG+ノンフィールド型RPG ]
容量・圧縮形式 [ 978MB・ZIP ]
製作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

スティール・ブルー スティール・ブルー スティール・ブルー スティール・ブルー スティール・ブルー


(補足)
2019.06.10:現在の最新バージョンは、1.05です。
レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 10/10 9 /10 54/60 A
赤松弥太郎 8 /10 10/10 9 /10

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:9

盗られたのは恋心!? それとも人生!?

本日のイチオシ作品「スティール・ブルー」は、ArioGarden さまお得意の乙女要素を散りばめた、それでいてゲームは本格的難易度の作品です。
返済期限も金額も厳しい借金、それを稼ぐための効率のいい依頼、稼ぎの途中で襲い掛かってくる敵性生物への対処、それらをこなすとなると、とても弟や船員たちとの交流を楽しむ暇はありません。
何しろ、冒険で最初に大切な「戦闘能力」を育成すると、完全にボッチになります。料理・操縦・整備など、仲間たちとの交流も育てられるスキルも育てれば色々と便利なものですが、それよりも先に「戦闘能力」は重要となります。
何しろ、戦闘能力を鍛えていないリラでは、取り柄の魔法がシリウスたち男勢の通常攻撃にすら劣る威力。魔法職ゆえの耐久力の低さも相まって、戦闘時にはほぼお荷物となってしまいます。本作では、依頼解決では金は貯まっても経験値は手に入りません。経験値は戦闘で鍛えるしかないのです。
本作の戦闘バランスは「かなり厳しい」に入るものです。魔法職のリラどころか男勢ですら、イノシシやオオカミ相手では2~3撃で倒れてしまいます。序盤は何一つ装備が売られていないため、不足しているレベルを装備で埋めることすらできません。そのため、序盤の戦略は「1匹だったら全力で叩く、複数だったら全力撤退」とならざるを得ません。「相手に攻撃させない」が重要なバランスであるため、3対1でもギリギリ、うっかり複数体と殴り合うと1ターンで戦線崩壊もあり得ます。

そして、本作のイベント及び攻略要素は、こんな殺伐としたメインコンテンツの「癒し」として機能しています。少し触れただけでも、本作のストーリーは「キャラの魅力」に全力を注いだことがうかがえる仕上がりになっています。
Live2Dのように生き生きと動き、ボイス付きでしゃべるキャラクターが、メインの仲間のみならず、ライバルや一期一会のNPCまで含めて30名以上!! 並みのコンシューマゲーム以上のキャストです。
好感度を上げられるキャラはほんの一部ですし、1周目では個別ENDを迎えられないキャラクターまでいます。キャラクターに力を注いだ割に「キャラの攻略」に関してはボリュームが少なめなのは、本作が本格的な育成+経営SLGであり、本格的なファンタジーRPGであるためです。仲間たちの魅力は、会話よりもむしろ探索・戦闘・スキル育成の中で自ずと感じられるような仕掛けになっています。

か弱い自分を、時には頼もしく守り、時には厳しく叱咤し、そして時には背中合わせで戦う…日々の中で頼ってきた彼らに心強さと恋心を感じることでしょう。
本作は1周7~8時間とRPGとしては中編ですが、乙女ゲーADVとしては長丁場の部類に入ります。まず1周目は、キャラクターへの恋心は脇へ置き、まじめに育成と金稼ぎに励みましょう。その中で、最初は分からなかったキャラクターの魅力が、攻略対象のみならず、攻略対象外のNPCに至るまで分からされる仕掛けになっています。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:9

何故鳥たちよりも早く飛ぶのだろう 何故雲よりも高く舞うのだろう

 レグルス船長に一目惚れした同志の皆さんに、まずお知らせがあります。

レグルスの人物情報

 こちら、メニューの[人物情報]から見られる攻略のヒントです。
 レグルスの場合、ここに書いてあるキャラのエンディングを見ることが攻略の前提条件になっています。

シリウス・サディル・エルナト・ツィー・アルフェッカ

 メインキャラ全員ですね。
 どう見ても隠しキャラポジの、某借金取りさんと同条件の待遇。
 ストーリーに期待は高まりますが……つらいところですよねぇ。

 これが前作だったら、全員攻略はとても楽だったんですよ。
 ルート分岐することがないので、全員並行でイベントを進め、最後に微調整すればOK。二股エンド全種類コンプリートも楽々でした。
 しかし本作はルート分岐があります。
 中盤、所属ギルドを決めるイベントが実質のルート分岐で、シリウス・サディル・ツィーは並行攻略できなくなります。
 エルナトはこの3人と並行攻略できますが、アルフェッカは、その4人のエンディングを見ないと攻略できません。さらにレグルスはその後、という順序なので……
 少なくとも4回、後半の1年9ヶ月をプレイしないと、そもそも土俵の上にさえ立てないのです。

 一人一人魅力的なキャラクターではあるのですが、こうもプレイ時間がかさむと、どうしても効率を重視せざるを得ません。
 分岐前のセーブデータ作成でできる限り稼ぎ、後半の手間を減らすことは特に重要でしょう。
 実質一回しか通しプレイできず、ツィーとエルナトしか攻略できていないボクですが、その中で得たノウハウはお伝えしたいと思います。
 例によってネタバレ全開です。システムの手探り感を楽しみたい、という方は読まないでください。
 ストーリーについてのネタバレは最小限にとどめたので、その点はご安心いただければ。

◆基本的なゲーム仕様

 どこにも明記されてない、でも重要なこと。

  1. 本作のプレイ期間は3年です。
    1年目4月1日からスタートし、4年目4月1日でエンド。所属ギルド決めは2年目7月1日です。
  2. 借金返済額とタイミングですが、「1年目7月1日に4000G、10月1日に8000G、2年目1月1日に2万G、4年目4月1日に40万G」です。
    3年目1月1日に40万返せ、という話がありますが、ブラフなのでご安心を。
    実は、踏み倒してもストーリーは進行しますが、何か良からぬフラグが立つようです……。
  3. 本作の乱数は、状況再現するものと、しないもの、2種類が併用されています。
    朝のランダムイベント、会話内容、デート発生、同行可否、いっしょに訓練可否、スクラッチは状況再現することが確認できました。
    たとえば、お目当てのキャラに同行拒否されてしまった場合、セーブデータからやり直し、他のキャラに話しかける等で乱数を進めると同行してくれる場合があります。
    スクラッチは顕著にその効果が出ます。しかしハマりすぎるとボクのように、プレイ時間が溶ける本末転倒な結果になります。手を出さないのが賢明でしょう。
    逆に、デートの内容は状況再現しません。確実にデートに誘ってくれる状況を整えて、何度もやり直すことで、パフェコミュを取ることが可能です。
  4. ギルドの依頼、そして船員の依頼は1年でローテーションします。記憶 or 記録しておくと有用です。
    ギルドの依頼は2年目序盤で一部解禁、さらに所属ギルドを決めるとそこの依頼が全解禁されます。しかし、もともとの依頼内容は変わりません。

◆育成ステータスの意味と方針

 これまた明記されていない情報ですが、超・重要。
 効率プレイの視点でしか語っていませんし、ヤリコミ度もまったく低いので、間違っていたら申し訳ありませんが……
 料理以外のステータスは半分より上げる必要性は薄いと思われます。
 実際操縦と知識を上限まで上げましたが、目に見えた効果はありませんでした。
 強いて言えば、デートの時ネタにできる、くらいかな?

 本作のステータスは、内部的には100がMAXのようです。ゲージは10段階で上昇します。
 ゲージの形が独特ですが、慣れれば☆型のゲージの現在位置はわかりやすいと思います。真ん中でちょうど半分、50です。

知識
本作の最重要ステータス。50まで上げると採集品の質と量が飛躍的に向上します。
1年目8月に解禁されたら、速攻で半分まで引き上げることを強く推奨します。稼ぎにとても大きな差ができます。
それ以上上げると入手率が上がるのかもしれませんが、体感ではあまり変わらないような?
操縦
これも重要ステータス。50まで上げると、短距離の移動日数が半分(小数点以下切り捨て)、大陸間移動日数も(イベントを除き)3/4になります。
何かにつけて期限に追われる本作で、往復6日掛かっていたところが、2日で済むようになる、というインパクトは大きい。知識の次に優先するべきでしょう。
これは断言しますが、MAXにしてもこれ以上移動日数は縮みません。育成イベントはレグルスルートまで取っておきましょう。
料理
鍛えると料理が手に入る、という効果の方がメインのステータスです。
ただし中盤以降、朝のイベントでシリウスに朝食係をムチャ振りされるイベントが発生します。好感度稼ぎのチャンスです。
というか、抜きおむすびとかでお茶を濁すと、みんなの反応で胃が痛くなってくるので、せめて30くらいまでは上げておきたいところ。
あるサブキャラの攻略条件になっています。MAX近く要求されるので、シリウスと並行攻略しましょう。
戦闘訓練
50まで上げると、敵との遭遇率が上がるという効果があります。ノーリスクで逃走できる本作では、純粋にメリットです。
ただし、討伐依頼は取り溜めしておくことができません。
ノルマ達成したら都度ギルドに戻らないといけないのですから、操縦とどちらを優先するべきか、自明ですよねぇ。
リラのステータスがほんのり上昇する効果もありますが、リラは防御し続けて弾除けにするのが基本運用でしょう。
個人の戦闘力が生かされる機会は、11月ブルトニアで開催される剣術大会に出場する時だけです。割と素早さが重要ステータスになります。
整備
使用するリヤン石の量が減る、らしいです。
それに何の意味があるのか?
イエロニアに行けば、999個買っても9000Gしない、安価な消耗品ですよ? はした金じゃありませんか。
まったく魅力を感じなかったので、最初から上げておらず、詳細不明です。
錬金術
アイテムがランダムで手に入るので、育てればいろいろ出てくる、のかもね?
これまた魅力を感じなかったので、全力でスルーしてしまいました。アルフェッカ攻略時の楽しみに取っておきます。

◆戦闘時のキャラ短評

 最初に言っておきます。本作はRPGです。
 ルート毎のラスボスをRPG的に倒さないと、エンディングには到達できないのです。
 おそらくは、リラ + 攻略対象 + 助っ人一人の構成で挑むことになるでしょう。
 本作では、レベルアップによるステータス上昇はさほど見込めませんが、スキル解禁の効果が大きいです。
 育成すると大化けするタイプも多いので、見ていきましょう。

 まず、ザコ掃討性能が高いのが、シリウスとツィー。どちらもレベル5で全体攻撃を習得します。
 特にツィーは、初期から回復スキル持ち、さらにリラの対属性である水属性なのも高評価ポイント。
 リラが焼き、ツィーが舞えば、だいたいのザコが落ちます。
 シリウスは火力がいまいちですが、燃費がとても良く、全体攻撃2回撃っても、テント1日で回復できるのがありがたいです。

 強い強いと言われるエルナト、苦労して好感度を上げて同行させても、いまいち火力が出ないと思ってませんか?
 レベル8で単体大ダメージスキルを獲得するので、育ててみてください。
 ここまで育てると、火と風、2属性が使えるのもポイントが高いです。
 レグルスは初期から大火力スキルを持っており、レベルを上げると妨害スキルを覚える、らしいです。
 初期状態でも十分アタッカーとしてやっていけるでしょう。

 アルフェッカは回復特化。全体回復という希少スキルを初期習得済み……ですが。
 正直ザコ戦闘ではあまり出番がありません。戦い終わってからテントで回復、がセオリーですし。
 この上なくボス特化とも言える気がします。全体攻撃の攻め手が厳しいボスたちでも、アルがいれば安定度が増すはずです。
 この中で一番ガッカリするのが、サディル。
 単体特化かと思ったら、レベル5で覚えるのが状態回復と攻撃力バフとか、どうすればいいのか、とも思いましたが。
 状態回復も攻撃力バフも、とてもボス向きのスキルとも言えるので、そこで粘っていきましょう。まあ、腕輪によるSPブーストが必須そうですが。

 リラは、上にも述べたとおり、防御し続けて弾除けになるのが基本の立ち回りです。
 ただ、レベル5になれば全体火属性を、レベル8になれば蘇生を覚えるので、リスクを負ってでも打って出る場面は増えます。
 一応3属性使えるので、腕輪によるHPブーストは必要ですが、万能アタッカーにもなれます。

◆ルート分岐前の行動指針

 基本をおさえて、いよいよ共通セーブデータ作りについて説明します。
 なお本作は、スチルが表示されるイベント終了時、セーブ先のスロットが1に戻ってしまう問題があるため、スロット1には何もセーブしない方が良いです。

◆1年目春(4~6月)

  1. 主戦力のレベル上げ
  2. ラシャン山の解放
  3. 操縦スキル育成

 上2つができていれば、ノルマはとうにクリアできているはずです。

 ラシャン山を解放するまでは、イモモ討伐依頼を受け、ルミュールの森に行き、イモモ3体を倒してはギルドに戻り報告、を繰り返すだけです。
 くれぐれもツィーの忠告を真に受けて、リヤン石を稼ぐまで粘ったりしないように。店で買えばいいんです、あんなものは。
 エッグヘッドは若干強いですが、3人がかりならレベル1でも問題ありません。ここでレベル上げしないと次が苦しいので、基本逃げずに倒しましょう。
 卵は船員依頼にも出てきますし、手軽に料理できる貴重な食材です。
 さすがにエッグヘッド×2 + イモモのパーティは、レベル1だと全滅の危険性もありますが、レベルが2になっていれば十分戦えるはずです。
 もちろん、戦闘が終わったら即テントで全快させることをお忘れなく。

 船員が同行を渋る場合は、上に書いたとおり、会話やお誘いの順を入れ替えて、うまくいくやり方を探ってみてください。
 できればシリウスとツィーに同行してほしいですが、無理ならサディルでも構いません。今時点で2人では絶対に行かないこと。
 同行による好感度上昇は微々たるものです。船内での会話と訓練、船員依頼がメインだと心得ましょう。

 ラシャン山が解放できたら、遠征を止め、船員コミュと育成に専念しましょう。
 先々のことを考えて、できるだけ頑張ろう、と焦る気持ちもわかりますが。
 序盤では、進行するほど有効な稼ぎ方が次々解放されるので、今頑張るより後で頑張る方が有利なんですよ。
 今作っているのは共通データですから、もちろん全員に満遍なく話しかけて、レグルスに操縦を教えてもらい、次の返済期間に備えましょう。

◆1年目夏(7~9月)

  1. ノルマの達成
  2. 知識育成
  3. 主戦力のレベル上げ

 ラシャン山のオッカム討伐依頼を受け、まずは山とギルドを往復します。
 タカピーが落とす鳥の羽も、船員依頼で有用です。慢心せず全快していれば、現時点で恐れる相手ではないでしょう。
 7月27日に帰途につけば、8月1日のイベント発生にぴったり間に合います。

 先も述べたとおり、知識は最重要ステータスです。
 なんなら、8月1日から知識が50に上がるまで、船の中で缶詰してもいいくらいだと思います。
 その後でラシャン山に籠もっても、ノルマ達成に十分な素材は手に入れられるでしょう。それくらい強力です。

 このあたりになると、そろそろ各キャラ第1段階のイベントが発生したり、朝の訓練のお誘いが掛かったりし始めます。
 訓練の誘いを断ると好感度が下がってしまうので、痛し痒しなのですが、今回ばかりは知識の育成に集中すべきでしょう。
 会話をすれば、下がってしまった好感度分は取り戻せるので、アフターフォローは忘れずに。

◆1年目秋(10~12月)

  1. ノルマの達成
  2. 装備・アイテム調達
  3. クリスマス聖夜祭と年越し

 初心者最大の壁、でしょうか。ノルマがキツイ上に、今までとは稼ぎ方のセオリーが違います。
 グラソン氷窟を探索し、鉱石を鉱石商人ミネラーネに売る、というのが主軸となります。
 ここで猛威を振るうのが知識。まだ50にしていなければ、洞窟に入る前に50まで上げましょう。
 グラソン氷窟の鉱物、特にアルジャン銀の産出量が倍増します。

 アルジャン銀は、ミネラーネよりギルドの方が高く売れますし、サディルも11月に個人的に依頼してきます。
 が、ギルドに売るのは後でもできるので、ちょっと待った。
 アルジャン銀以外の鉱石を売り続けていれば、おそらくはミネラーネの第1段階イベントが発生し、アルジャン銀を要求されるので、納品しましょう。
 サディルの依頼は……安いんだよなあ。好感度を少しでも上げたいならどうぞ。

 ここは稼ぎどころですし、ノルマもキツイので、聖夜祭に街へ帰るのを期限に、それまで粘って可能な限り稼ぎます。
 さらに言うと、イエロニアは物価が最安なのです。
 ブルトニアのアイテム価格を100とすると、イエロニアは95、レドニアが120、次に訪れるグリーニアはなんと190というぼったくり価格です。
 よほどメガネが好きとか、偏執的な性癖の持ち主でない限り、グリーニアで買い物するのはオススメできません。
 余裕があれば装備品、そしてリヤン石を金の許すまで買いだめしておきましょう。

 リース交換、シリウスは弟のよしみで必ずリラにリースをくれます。
 そしてリラさんは、もらったリースを他の人に横流ししてもなんとも思わない鉄面皮の持ち主た、多分そういうイベントなんですよきっと!
 よって購入するリースの数は、4つあれば十分です。
 送り火イベントによるボーナスは、そこまで大勢に影響を与えるものではありませんから、お好みでGo。
 好きな男の腕の中で違う男の夢を見てもいいのよ?

◆2年目冬・春(1~6月)

  1. 捜し物の発見
  2. 好感度上げとステータス育成

 ここでようやく、借金のプレッシャーから少し解放されます……が、まずはイベントのノルマ達成です。
 ギルドへの納品物が多く採取できるラーゴ湖に向かい、ひたすら探索します。
 この捜し物は「探索」を実行した回数によって発見されるので、街に戻らずひたすら探索しましょう。
 テントで多少休んだとしても、バレンタインスイートデーまでには帰れるはずです。

 スイートデー当日、台所で一人訓練をすると、チョコが手に入ります。
 おそらく唯一の単独訓練実施シチュエーションです。
 さすがのリラさんも、弟と一緒にバレチョコ作るほど無神経ではないようで、とても安心しました。

 このあとは、自由時間がしばらく続きます。
 各キャラのイベントを進めるなり、レドニアに帰郷したり、ついでに春の「マカ」を見たりしましょう。
 基本、対象キャラに話しかけず、メニューの[人物情報]に書いてある場所に行けば、好感度次第でイベントが発生します。
 街や船以外の場所は、2人きりで向かうとイベントが発生する場合がほとんどです。
 現在、所属ギルドが条件と書いてあるイベントも、所属決定前に一部進められるようですが……おそらく記述誤りでしょう。
 指定されたギルドに所属しないと、いずれ詰まります。

 ここでひとつ注意を。
 CGやサブキャラ含めたコンプを目指すなら、この時点でツィーの好感度を、♥の半分まで進めないようにしましょう。
 サブキャラの1人に、緑のギルド所属かつツィールート並行不可という、面倒くさい条件の方がいます。
 好感度が半分以上あると、気をつけないとツィールートが進行してしまい、フラグが折れてしまうのですよ。

◆そのあと

 ここまでで、順調に金と好感度とステータスを稼いでいれば、きっと誰の攻略にも対応可能でしょう。
 バトラテールですか?
 グリーニアにしか所属したことありませんが、あんなもの、120Pも稼げば1位になれる、甘っちょろいもんですよ。よほどサボっていても獲れる。
 借金のノルマも、決してきついものではありません。
 だいたい3年目の夏には、大勢は決しているはずです。それぞれのラスボスに向けて仕上げていきましょう。

 ネタバレが嫌いな方の言い分も、わかりますよ。
 「最適解を手探りする過程が、本作の楽しみじゃないか」という言い分には、頷けます。
 しかし、周回プレイして長く遊ぶ前提の本作で、タネが割れたら面白くないような作り自体、問題があるのでは?というのが、評点の趣旨です。

ハマリ度 : 8 / 10
 ここまで大ボリュームの乙女ゲーというだけで希少価値が高い。攻略対象は17人に及び、やり応えは十分。メインキャラのストーリーはテーマに沿って進んでいて、読後の爽快感・達成感もひとしおだ。
 実は1年目のチュートリアルが一番厳しい作りで、まさにスティールブルーを体験させてくれる。一方で、2年目以降のバランスはぬるめで、余裕を持って借金返済できる割に、攻略できるメインキャラは絞られており、ともすると退屈。この落差の激しさは、何度もプレイする前提の本作だと気に障る。ここまでプレイ時間が長いと、いくら優れたストーリーとはいえ、それだけで目新しさを担保するのは厳しいだろう。
 返済期日は画面に表示されるが、返済額はわからない、討伐依頼達成まであと何体かわからない、荷物は届先を表示して欲しいのに依頼主しかわからない等、かゆいところに手が届かないUIも気になる。イベント回想やセーブデータの少なさは、その次の問題。
グラフィック : 10 / 10
 無事一枚絵の回想モードが付いたので、これは文句なし。一枚絵・バストアップ・キャラチップ・マップ・そして敵キャラに至るまで、ひとつの世界の輪郭を作っている。
サウンド : 9 / 10
 声優をここまで大量投入し、長尺のストーリーのハイライトだけでもボイスを付けたことに感嘆する。平均レベルも十分高い。
 音楽について、フィールド音楽が数秒しか流れなかったり、テントに入るとマップ曲が途切れてしまったり、ちょっと切り替わりが多い印象。もう少し溜めて聞ける場面が、操作中に欲しかった。

 恥ずかしながらまだ2人しか堕としてないので、是非レグルス船長攻略までは続けたいですね。
 あの押しても引いても動かない船長の尻を着火・炎上させてやりたい。
 なかなかこじらせた男子がそろっておりますので、どうぞお楽しみに。

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