■ 三代目レビュー RPG 6
怜子が来る!
~夜の学校編~
FUTURE CITY
-未来都市-

【 怜子が来る!~夜の学校編~ 】

怜子が来る!
ジャンル [ 学園RPG ]
作者 [ 錆十(さとう)エンジ さま ]
容量・圧縮形式 [ 109MB・ZIP ]
製作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

女子高生は危険がいっぱい!

寺馬(てらうま)怜子(れいこ)は、多忙な女子高生。テスト勉強を終え、頼まれた買い物を控え、帰宅の途にあった。
しかし、昇降口を出る直前、突然の停電に遭い締め出される。物音を聞いた彼女の目の前に出現したものは…。

怜子が来る!

大量の悪霊であった!
廊下を完全に防がれ、逃げることなど不可能な状況!! 「えっ、この状況から逃亡アクションですか!?」と絶望していた私ことESの目の前で繰り広げられたのは…。

怜子が来る! 怜子が来る! 怜子が来る!

気合一発で悪霊の軍勢を吹き飛ばした怜子の雄姿!!!
そう、怜子を初め寺馬家は退魔の血筋。しかし、圧倒的な『暴』を見せつけた怜子を目の前にしても、扉を閉ざした悪霊は引き下がるどころか逆に挑発にかかる始末。
無礼(なめ)た奴は滅す!!!」怜子は、群がる悪霊を見敵必殺(サーチアンドデストロイ)しつつ、悪霊の大元を探すため、学園じゅうを奔走するのであった。

本作は、その第一印象を真っ向から裏切る、レベル上げも装備もある短編RPGです。
そう、小規模かつ簡単な謎解きはあるものの、本作の基本はレベル上げと装備集め。
本作は、階を上がるほど敵キャラが強化される仕様になっています。そのため、低階層である程度のレベル上げは必須。「悪霊を物理で黙らせられる」意味では超強い怜子ですが、流石に初期レベルで上階層の悪霊に挑むとかなりの消耗は免れません。
回復アイテムも道中で手に入りますが、道中で拾える「飴」は回復量が低め。回復量が高い「飲み物」は、自販機から購入する必要があります。悪霊からカツアゲした金で。
また、経験値稼ぎもそれほど手間はかかりません。基本的に「階層をざっと一周する間に、目の前にいるザコを殲滅する」だけで十分にレベルアップします。
レベルアップで得られるスキルも強力な物ばかり。特に、初期で覚える「瞑想(HPほぼ全快!)」と中盤に覚える「握りしめる(ダメージがほぼ2倍になるバフ!)」は、多勢相手のザコ戦から強力な中ボス・ラスボス戦まで幅広く使えます。
ザコ戦もボス戦も「手数を減らす」が重要なバランスであるため、1ターン費やしても5ターン以上はダメージ2倍が続くバフ「握りしめる」や、状態異常スキル「目潰し」「かち割り」は非常に強力です。

そして、この物騒極まりないスキルを見ての通り、怜子は非常にアグレッシブ。果たして、怜子の物理は悪霊の大元に通じるのか!? 当然、全年齢作品なので通じるのですが。
30分程度で遊べるシナリオ量に限界までギャグを詰め込んだ本作、割と隅々まで詰め込まれているため、ぜひ虱潰しに探ってください。

怜子が来る!

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【 FUTURE CITY -未来都市- 】

FUTURE CITY -未来都市-
ジャンル [ SF探索アドベンチャーRPG ]
作者 [ Twi☆Light さま ]
容量・圧縮形式 [ 305MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールMZ ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ 12歳以上推奨 ]
配布元 配布元

輝かしい未来…それを作るはずだった暗黒の揺り籠

近未来、増えゆく人口を賄うため、人は海底に新天地を求めた。
しかし、せっかく築き上げた海底都市は、謎の怪物によって壊滅的打撃を受ける。
その事態を解決したのは、特殊兵器を駆る、たった数名の女子校生だった。

FUTURE CITY -未来都市-

…それが5年前の話。
その間放棄されていた…と見せかけて極秘研究をしていた海底研究所の連絡が急遽途絶えた。
事態を重く見た政府は、5人の調査隊を派遣する。取り残された研究者たちの救助、そして研究データの保護のため。
「あなた」は、その調査隊の新人となる。電力さえ乏しい研究所の中、自らのライトを頼りに進む調査隊。しかし、彼らを謎の怪物が襲う。
5年前に殲滅したはずの怪物が、何故この研究所にいるのか? 生存者はいるのか? 研究データの真相は? 信用できるのは誰なのか?
数々の疑問を抱えながら、調査隊は生存のため突き進む。

FUTURE CITY -未来都市-

本作のジャンルは、作者様の自己申告としては「RPG風の戦闘はあるが、レベルアップは無いため探索アドベンチャー」となっています。しかし、当サイトの基準では「レベルアップは無くても、戦闘および強化イベント(装備を拾うなど)は存在するため」【RPG】に分類しています。
本作の特徴は、その独特なグラフィック。「昭和~平成初期のOVA風」とも言えるグラフィックは、「5年前の主人公」である少女たち、本編の主人公である年齢・性別も様々な調査隊、そして「敵役」の怪物たち…様々なキャラクターを彩ってくれます。
そして、本作はSFホラーサスペンス。それを盛り上げるため、マップは暗めになっています。しかし、それが探索の邪魔にならない配慮も随所に施されています。
必要なアイテムは「EVENT」と矢印が付いていますし、マップは単純な分かれ道。謎解きのヒントを探しに、同じマップを何度も往復する必要はありません。
戦闘難易度も、回復手段がアイテム・スキルと豊富なので、割と簡単です。しかし、メイン火力たる主人公のスキル「グレネード」がMP制。それを回復するためには拠点に帰還する他ありません。強化装備を手に入るイベントも割と隠されているため、気づかずラストまで進んでしまう可能性もあります。
アドベンチャー部分を進めるにしろ、RPG戦闘の難易度を下げるためにも、「分かれ道は両方とも見ておく」レベルの隈なき探索は求められる難易度です。

さて、本作をプレイしているとどうしても気になる「5年前の事件」。作者のTwi☆Light さまは多作な方ですが、「5年前の事件」に当たる作品は(2023.12.24時点では)存在しません。
同シリーズである「FUTURE CITY2 -未来都市2-」は存在するものの、「2」は「1」よりも未来の話。しかも、両者のストーリーを照らし合わせると、百年単位も未来の話となります。
「1」「2」ともに、1時間弱で楽しめる掌編です。両方合わせてお楽しみください。2作が物語るミッシングリンクに関して色々と想像をめぐらすのもいいでしょう。本作は二次創作も推奨されているシリーズです。

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