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■ ファラオリバース

ファラオリバース
作者 [ クロボン さま ]
ジャンル [ アクション ]
容量・圧縮形式 [ 140MB・ZIP ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

(補足)
2016.03.18:現在は、有料版の「ファラオリバース+」(980円)がリリースされています。無料版は公開を停止いたしました。

ファラオリバース ファラオリバース ファラオリバース ファラオリバース ファラオリバース ファラオリバース

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 9 /10 10/10 10/10 86/90 A
hoikoro 8 /10 10/10 10/10
赤松弥太郎 9 /10 10/10 10/10

 《 ES 》  ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:10

リターン・オブ・リターンオブエジプト

今回のイチオシ、「ファラオリバース」には、実は前作に当たる作品があります。以前にイチオシした「アクションモグラ」のことではありません。2代目の時代に一世を風靡し、そして、私が激辛を継ぐころにはすでにお星様となっていたアクションゲーム「リターンオブエジプト」です。
現在、「リターンオブエジプト」は正規の手段ではダウンロードできません。また、使用している作成ツールも、今は懐かしの「Click & Create」なので、現在のWindowsで動かすと色々な不具合が出てくる作品です。
赤松氏の「フリーゲーム あの人に聞きたい!」をご視聴の方はご存知でしょうが、「リターンオブエジプト」は、クロボン氏が別名義で作り上げた作品なのです。
本作「ファラオリバース」は、その「リターンオブエジプト」のセルフリメイクも兼ねています。一部BGMが「リターンオブエジプト」のアレンジであったり、「リターンオブエジプト」で当時のプレイヤーを苦しめた敵キャラが「ファラオリバース」でも再登場したりと、当時を知っている方はより楽しめる作品になっています。

もちろん、当時を知らない方でも、むしろ「アクションモグラ」も遊んだことがない方も、十二分に楽しめる作品です。
「アクションモグラ」でも見せたアクションを利用した謎解き、超巨大で初見殺しの数多い…しかし、何度か繰り返せば必ず活路が見出せるボス戦、可愛いキャラクターに似合わぬシリアスな冒険譚…などなど、初心者からヘビーゲーマーまでを魅了する作品に仕上がっています。

また、本作では「アイテムコレクションによる基本性能の向上」が「アクションモグラ」よりも顕著になっています。
新しいアクションを手に入れたら、既にクリアしたステージにも突入しましょう。今までは入れなかった箇所には、強力なサブウェポンが詰まっています。一部のサブウェポンは使用回数に限りがあり、消費すると二度と戻ってきませんが、その分緊急回避にふさわしい強力な効果が得られます。
…と言うか、これらのアイテムを再確認するために攻略サイトを調べてみたら、出るわ出るわ、今まで知らなかったアクションが。
攻撃連打でたまに耳回転が出ると思っていたら、この耳回転、攻撃ボタン押しっぱなしで出るガードでした。それを使いこなせていれば、今までジャンプ攻撃で何とか潰していた広範囲攻撃が、止まっているだけでノーダメージな代物になると言うものでした。
…と言うか、とあるボスでめっちゃ苦戦したと思っていたら、その直前に有効なサブウェポンが手に入れられたのね。普通に見逃してました。

「ファラオリバース」では、「アクションモグラ」以上にサブウェポンの使い道が重要になります。「アクションモグラ」ではある程度飛距離のあるショット形式だった通常攻撃は、「ファラオリバース」では近接攻撃になっています。上下と後方にも微弱ながら攻撃判定はありますし、ジャンプ攻撃は全方位に回転切りを出します。しかし、敵の中には、アウトレンジからの飛び道具、いきなり四方八方から襲ってくる飛行型の敵など、通常攻撃では対処しきれない構成も出てきます。
下手な縛りプレイをせずに、サブウェポンに頼りましょう。使い所さえ考えれば、どのサブウェポンも強力極まりないものばかりです。

「ファラオリバース」は、アクションの中では「簡単」な部類に入るでしょう。大抵の飛び道具は通常攻撃で相殺できますし、強力なボスキャラでも「攻略法」は分かりやすくなっています。攻略法も1パターンではなく、サブウェポンの組み合わせによって豊富にバリエーションがあります。
しかし、即死のデストラップなどの初見殺しも数多く詰まっており、「屍を積む」要素はどうしても出てきます。しかし、これが無ければ、「ファラオリバース」も「アクションモグラ」も「リターンオブエジプト」も、あそこまでのハマり度は無かったことでしょう。セーブポイントも多めに取られているため、とにかくリトライリトライです。

しかし、本作の通信、どこをどう見ても某メタルギアを思い出させる…。そこもクロボン氏の狙い通りなのかしら。

 《 hoikoro 》  ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:10

時代はモグラからウサギへ…!

今回は【ファラオリバース】というゲームをプレイさせていただきました。いつぞやのアクションモグラの作者様の新作です。

こちらも似通った操作性の悪魔城風アクションゲームであるリターンオブエジプトというゲームからのオマージュ要素が多く含まれているように思えます。
キャラクターの名前や武器等、マップなどから伺えます。

本作では呪いに掛けられたライバルと主人公が、その呪いに打ち勝つために聖杯を集めるというストーリーで構成されています。
アクションモグラの際にも思いましたが、ACTでありつつもストーリーがかなりしっかりとしており、連載方式でアップデートしていたというだけあって、コミカルでハードボイルドなかわいいウサギの繰り広げる冒険譚として、とても楽しめるものとなっております。

前作と比較して、アクションで求められる技量は決して低くはありませんが、難易度はすこし控えめであるところが伺えます。
即死トラップの周囲にはしっかりとセーブがあったり、一度死んでも復活できるアイテムがあったりします。
また、基本的にザコが全員強く厄介ですが、ボスよりも冒険に効果的なサブウェポンが複数存在し、これらを駆使することで楽に進行できます。
逆に、サブウェポン縛りでプレイすると苦戦することまちがいなしでしょう。主にボスで。

このゲームにはコレクションアイテム、というものがあり、入手するとステータスが向上したり、特殊な効果を発揮したりと、探索を促すような作りとなっております。
無探索では大きく苦戦した相手も、ある程度コレクションアイテムを揃えると簡単になったり
また、このコレクションアイテムそのものに意味深なメッセージがかいてあったり、そもそも意味深であったりと、これを集めることもゲームの主軸の一つとなっております。

ここまで上げた内容は全て悪魔城的な要素の集合体だといえます。
つまりは悪魔城風な内容に、悪魔城的楽しみが出来る完成度の非常に高いゲームであるといえるでしょう。

このように述べてきて、ではこのゲームの一番の魅力は何か、と聞かれればまず間違いなくこういうでしょう。
『グラフィック』

前作と代わり映えのないようなことをまたしても書き綴ってしまうことを大変申し訳なく思いながらも、やはりこれを書かないことには終われません。

最初から最後まで、最後というのはEDも含めての最後まで、このゲームのグラフィックには脱帽としか言いようがありません。
滅茶苦茶なめらかに動く敵やプレイヤー、ド派手なのに見やすいエフェクト。
ボスに至ってはどれもこれも本当にものすごく、特に一面のヘリと四面の心臓喰らいはすごすぎてため息が出ました。

グラフィックだけがゲームの全てではもちろんありません、ありませんが。
美麗、荘厳であるにもかかわらず、どこに攻撃が通るのか、どこから何がどう攻撃してくるのかがわかりやすい
ただ綺麗なだけではなく、プレイの見やすさにも結びついていて、もうなんというか言葉を失いました。

最近のフリーゲームのグラフィックが天井知らずになっているなかで、その頂点に君臨していると思います。
このようななめらかなドットが自分好みというのもあるのですがねー


・ハマリ度:8/10

難易度こそ高いもののプレイのしやすさや、道中で投げ出してしまいたくなるような理不尽さはあまりない。
むしろボスはもう少し強くてもいいと思うが、ノーダメージクリアの際には激しく泣かされたのでこのままで良いはず。
格好いいがかなり間抜けな主人公が、敵や仲間と話す軽快な会話はプレイ中に大きく印象に残る。
総じて、かなりハマり度の高いゲームである。

ただ、どうしても減点しなくてはならない要素が一つある。
このゲームにおいてコレクションアイテムの収集は必須であり、このゲームにハマったものなら誰もが100%回収を目指すが
最序盤に特殊な方法を取らないと入手できず、再入手は不可能なアイテムが有る
更にそのアイテムはステータスをアップさせる効果を持っているため、回収不可能なことがかなり痛い。
無念にも立ち尽くすウサギ

これだけはどうしても難色を示さざるをえないので減点した。

・グラフィック:10/10

内容は既に上記している通り、満点でこれ以下はありえない。
少なくとも自分はそう思う。

・サウンド:10/10

エジプシャンというような雰囲気のもので統一されており、とてもゲーム内容と合っていた。
ボス戦に燃えるようなBGMとして印象に残るようなものはあまりなかったが、SEとともに難点はなかったと思われる。

そしてEDテーマがスタッフロール含め格好良すぎる。


リターンオブエジプトも同様にクリアしたかったのですが、高い難易度に加え、何故か設定しても解除されるフルスクリーン
何故か設定しても死亡する度に初期化されて爆音になる音量調節がどうしても乗り越えられず、あえなく断念しました…申し訳ありません…。
そういえば本作には女性キャラクターが登場いたしません、少し残念ですね。

ビリケンさん、エジプトで爆発物になる。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:10

どんな星無き夜でも 傷だらけで前進するんだ

 ジョナサン・バンフィールド。
 自らの体の呪いを解くため、危険なエジプト遺跡群に乗り込む……

ジョナサン
「パーフェクトボーナスが相手なら、死村拳を使わざるを得ない」

 アンドレ・ベタンクール。
 ジョナサンの親友、そしてライバル。
 ジョナサンと共にエジプト遺跡群へ。

アンドレ
「そこら中で派手にやってやる」

 今、最強のファラオに挑む!
セフル1世
「ぐわあああああああああ!!!」
「だああああああああああ!!!」

ナイル湖
 ジョナサン冒険記
 ファラオリバース

◆今月のメガネ萌え

ジャック

 いっけなーい! 羽虫羽虫!
 ワゴンで砂漠を急ぐ僕はごく一般的なメカニック!
 強いて違うところをあげるとすれば、CIAをハッキングしたことがあるってとこかナ―
 名前はジャック!

 そんなわけで、伝説のオアシス・アムシェアにやって来たのだ。
 だけどドジっ子、メガネっ子!
 通信機材の上にコーヒーをこぼしちゃってもう大変!
 ワゴンがゆさゆさ揺れてるし、一体僕、これからどうなっちゃうの~!?

ジャック3

 実に1年8ヶ月ぶりとなりますこのコーナー。元気よく行ってみましょう。
 前作のナビゲートキャラが、尖りすぎてるというかあんまりにアレだったので、今作はずいぶん丸くなり、常識的なキャラをナビゲーターに据えています。
 常識的と言っても、ズレてはいるんですが。しかし本作の登場人物、全員どっかズレてるので問題ありません。
 みんなズレてる中でちょっとずつズレた会話をする、本作のイベントの楽しさはそういうユルいところにあります。

 比較的ツッコミ役をやることが多いメガネっ子です。
 やや自意識過剰気味のジョナサンが、いちいちツッコミどころ満載なことを言うのが悪いんですけどね!
 とはいえ、ドジっ子で天然気味な彼がツッコまれる機会もだいぶ多いので、そこはイーブンイーブン。
 さすがジョナサンが人間だった頃からの親友、息の合った漫才です。
 プレイヤーへの「やらされている感」の軽減という役割を、見事に果たしています。
 前任者はそこがサッパリでしたからね! まったくアイツはもう。

 苦手なものは虫。アルコールも得意ではなさそう。
 見た感じ、脚がぞわぞわするところよりも、目の前でブンブン飛び回ったり、目の前めがけて飛んできたり、不意に腕に止まったりするのがダメなんじゃないかなあ。
 一方で大好物はコーヒー。いつも飲んでます。
 なんだけど、あまりこだわりがあるようには見えず、使っているカップもプラカップ。
 きっと前々からカップを落として割っちゃうことがよくあって、もうプラカップ以外は信用してないに違いない!
 なにそれすっごい萌えるんですけど!

 メガネを外せば美男、みたいなパターンでも無く、むしろ素顔もかなりかわいい系!
 いやあ、ついてっきりメインヒロインは彼だろうと思い込んでたんですけどねえ。
 案の定カメがメインヒロインだったね! ざーんねん。

 今回は評点を早めにやっちゃいましょう。

ハマリ度 : 9 / 10
 前作からわずか1年あまり、楽しみはそのままに、数々の難点を克服した。「作品が用意した楽しみに合わせる」のではなく、「プレイヤー自身が楽しみを見つけ出す」方向へと進化している。
 残っている不満点はセーブデータが1つしか取れないこと、その割に時限アイテムが存在することくらいか。
 しかしそれだけに、カウントダウンが「残り2日」でクリアしてしまうこと、隠しダンジョン等もなく、アイテムコンプの報酬がスタッフロールオプションだけ、と、〆切さえなければもっとやりたかったんじゃないかと思わせてしまうところは残念でならない。
グラフィック : 10 / 10
 前作で指摘した変わり映えの無さを見事に克服。ドット絵・ペイント絵いずれの美しさをも満喫させてくれる。
サウンド : 10 / 10
 MMF勢としてクロボンさんと並んで有名な、あのPEPOさんの作曲。ピストンコラージュの印象が強い氏が、シンセサイザーでフルパワーを発揮している。
 リターンオブエジプトからは「秘められた力と共に」ともう一曲、もちろんフルリメイク。プロローグのモチーフを6面で再登場させる等、全体の構成にもこだわりが光る。

◆フリーゲームと〆切について

 さて。評点で触れた「〆切」という問題について、もう少し徒然に書いて〆としましょうか。
 本作が連載されたニコニコゲームマガジンが、商業化のためのアマチュア作者試金石として企画されたことは、周知の事実でしょう。
 しかし旧ebは、それこそASCII時代から一貫して、商業ゲームのための人材発掘事業は行ってきたわけです。
 ebコンも、その下位コンテストであるコンパクも、最終的にはebレーベルでのゲーム販売を目的としたものでしたし。
 連載ゲームという手法も、TechWinで既にやっていたことを往年のフリーゲーマーなら思い出すでしょう。たとえば魔王のアクジとか、Brave Gearとかですね。
 やっていることは決して新しいことでは無いのです。
 ただ、本作をその2作と比べると、連載間隔と作業量が釣り合っているようには思えません。
 本来、これの2倍くらいの時間をかけて連載するべき内容じゃなかったでしょうか。

 この定期連載という方式は、実にプロフェッショナルな方法なのです。
 そこには守るべき〆切が厳然として存在します。
 プロにとって、最優先するべきは〆切です。
 質を落としてでも、量を減らしてでも、必ず〆切を守らなければならないのです。

 しかし、アマチュアイズムとは、〆切至上主義への反発から生まれたものでは無かったのか。
 〆切を拒否したアマチュアにとって最優先するべきは、己の満足であったはずです。
 それはしかし、非常に厳しい道でもありました。まず完成させることが難しいのです。
 どうしても自作品に満足することが出来ず、エターナルという名の壁に阻まれてしまった人もいました。
 妥協を続けた末に投げやりになってしまった人も同様に、作品を完成させることが出来ませんでした。
 ごく一握りの、セルフマネジメントを体得した人だけが、作品を完成させられたのです。
 しかしこのセルフマネジメント、机上の勉強だけでなんとかなるものでは無い。何よりも経験が必要なのです。
 「まずは小品から完成させろ」と皆がこぞって言うのは、これが理由です。

 アマチュアには〆切に対する意識が無い。
 そのことが商業化にあたっての壁になることは、ebも角川も知っていたことでしょう。
 しかしその〆切至上主義を植え付けようとする態度が、アマチュアに対して試金石として振る舞うその態度が、尊大に見えるのはボクだけではありますまい。
 ニコニコゲームマガジンで連載を持つ作者さんは、誰もが実績のある、優秀な作者です。
 彼らは全員、〆切以上に厳しく自分を律する方法を、既に見いだしている人たちなのですから。

 ボクは昔、夢見てしまったのです。在野のゲーム作者が、いつか「プロ」のゲーム制作者を凌駕する夢を。
 〆切と組織に囚われて作られた「プロ」の作品を、しがらみから解き放たれた純粋愛が上回るその日を。
 しかし今、かつてゲーム会社でプロデューサーをやっていた人材までもが野に下り、ゲームを自らの手で作ろうとしている姿を見ると、もしかしたらそんな時代が来てしまうのかも知れないという恐怖を覚えるのです。
 今のボクはそれが怖い。だって、〆切がゲームを殺した未来、なんて悲しすぎるじゃないですか。
 もうちょっと、なんとかする方法があるに違いないんです。
 プレイヤーの側の態度にも、これを打開するカギがあるのかも知れませぬ。

 え? 大言壮語する前に、自分が原稿の〆切を守れって?

 …………。
 ……………………。

 えー、何が言いたいのかというと、本作は腐女子の皆さんにも是非オススメ、ということですね。
 何せ本作、女という不純物の無い純粋男の世界ですからね!
 ああ、もう色々と箸が進んでしまう……おかずおいしい……ごはんおいしい……
 アクションが苦手な方も安心してください。本作は存分に遊びやすい。
 ボクのためにももっとやおい成分を充実させていただきたい。ケモホモはシルセカの専売特許じゃあ無いというところ、見せつけてくださいよ!

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