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■ EXTRAPOWER GIANT FIST

EXTRAPOWER GIANT FIST
作者 [ LUCKY LAMP PROJECT さま ]
ジャンル [ 横スクロールアクション ]
容量・圧縮形式 [ 416MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールVX Ace ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

(補足)
2018.09.09:現在の最新バージョンは1.02

EXTRAPOWER GIANT FIST EXTRAPOWER GIANT FIST EXTRAPOWER GIANT FIST EXTRAPOWER GIANT FIST EXTRAPOWER GIANT FIST EXTRAPOWER GIANT FIST

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 9 /10 9 /10 110/120 A
ジョウ 9 /10 8 /10 10/10
牛人 10/10 10/10 10/10
赤松弥太郎 8 /10 10/10 9 /10

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:9

勇者はうろたえない。ただ、その手を差し伸べるのみ。

初めに。1か月前のイチオシ告知時に「かなり高度な操作を求められるアクションゲームになっています。」と評したことは不正確だったかもしれません。
正確には、「このゲームはガードが最重要だから、ガチャプレイは卒業しろ」です。
本作のガードはかなり強力です。大抵の攻撃はノーダメージに抑えられるうえ、ガード中にタイミングを合わせて弱攻撃を押せば、掴み技に移行できます。
この操作仕様のおかげで、「飛び道具を掴んで投げ返す」というタイミングの難しい技が出しやすくなっています。
ただし、この強力なガードも(当然のことながら)攻撃モーション・ダメージモーションをキャンセルして出すことはできません。通常のベルトアクションのように「殴られたらメガクラッシュで追撃を回避」というダメージの抑え方はできません。頑丈なゾフィと言えども、無防備にダメージを食らうと驚くほどにライフゲージが目減りしていきます。

本作はガードが強力な代わりに、移動による回避は弱いバランスになっています。奥行きのない完全サイドビューである上、ゾフィではジャンプ回避もできません。移動回避手段である「前転」も「ブレイブガード」も、ガードボタンを押さないと発動できません。
通常のベルトアクションのように「攻撃を振って敵が近寄るのを待つ」が通じるのは1-1序盤だけです。1-1ボスであるゾウの時点で、「届かないのに攻撃を振ったり、うかつに近寄ったりしたら、突進攻撃で無効化される」という手痛いお仕置きが待っています。
そのゾウを何とか撃破したところで、本作の「ガードが最重要」を痛烈に学ばされる1-2:ブラックベリー戦が待っています。
ブラックベリーの攻撃は、本作のガードを完全理解していないと、冗談抜きでクレジットが雲散霧消するほど強力です。

バージョン1.02になったことで、ブラックベリー戦前に「下手な攻撃は効かないから、ガードを使って防いで!」というアドバイスが(メッセージでちょろっと)表示されるようになりました。
しかし、その説明で今までガチャプレイで乗り越えてきた初心者プレイヤーが落ち着いてガードできるようになるかというと、かなり疑問です。ガチャプレイというのは一種のパニック状態であるためです。
アクションゲームに向いていないプレイヤーは、望んでいたコマンドが出ない、体力ゲージが半減したなど、慣れた人にとっては「些細な事」で簡単にパニックに陥ります。
また、初心者は、コマンド表を記憶することのみに全集中力を使ってしまい、「技の使いどころ」にまで意識を向ける余裕がありません。
そして、そんなパニック状態に陥った初心者に対して、製作者側のできる対策は「ゲームオーバーにして出直させる」しかないのが現状です。RPGのように「ゲームプレイを継続したまま立て直す」ことがシステム上難しいのがアクションなのですから。一旦ゲームから離して、落ち着いた頭で攻略法を考えさせるのも、またアクションを学習させるための手段なのです。

ただ、この「アクションを学習させる」面において、「EXTRAPOWER GIANT FIST」は割と不自由です。操作方法はメニューで「教授の部屋」を選択しないと教えてもらえません。
うかつにタイトル画面でボタン連打して「最初から始める」に突入してしまうと、「アイテムは掴み技で拾って!」というアドバイスに「えっ、掴み技って何ボタン!?」となってリセットする羽目になります。
エース教授の講義は非常に分かりやすいですが、ゲームプレイ外での説明なので、実戦で復習しておく必要があります。幸い、エース教授の教えてくれるテクニックは、1-1の時点で役に立つものばかりです。落ち着いてテクニックを利用できるよう、反復練習をしておきましょう。

本作の流れは、反復と周回を重視したアーケードゲームのような構成になっています。「セーブファイルは1個しかない上、ゲームオーバーになると消える」という仕様も、アーケードゲームの流れを実現したものになっています。
そして、本作の強化要素は、ゲームの周回によってのみ購入可能です。ゲーム中に得た資金をエース銀行に預金して持ち越す仕組みになっています。
エース銀行から購入できる強化要素は強力です。コンティニュー回数の増加、新プレイヤーの開放、ゲーム中のBGMのサウンドテストなどなど、EXTRAPOWERシリーズファンなら購入したいと思える商品が揃っています。

「ATTACK OF DARKFORCE」「Star Resistance」と同様、本作「GIANT FIST」も、「やり直すほど先に進めるようになる」絶妙な難易度調整になっています。
まずは、ガード中に余計な攻撃ボタンを押さないよう、落ち着いてプレイできる精神力を鍛えましょう。

 《 ジョウ 》  ハマリ度:9 グラフィック:8 サウンド:10

この面白さはDNAに素早く届く

2018年夏、ついにEXTRAPOWERの第三作目が公開されました。その名も"THE GIANT FIST"!
今作は"ATTACK OF DARK FORCE"でも活躍を見せたゾフィに大々的にスポットを当てた、ずっしりとしたアクションゲームとなっています。
その面白さと言ったら、夏風邪を蹴破ってでもプレイし続けられるほど。
今でこそEXTRAPOWERにはガンに効果が無いものの、そのうち効くようになるとまで言えるほどの大作となっています。

今作GIANT FISTは、主人公"ゾフィ"の強さに酔いしれるためのアクションゲームであるとも言えるでしょう。
本作のゾフィは後に開放できる隠しプレイアブルキャラと違い、全くジャンプができません。
そのためにあっという間に取り囲まれたり、弾幕の十字砲火に晒される事となります。
では、どうやって切り抜けるのか?威風堂々と周り全員を殴り飛ばしましょう。
そして弾丸が飛んで来たら、掴んで投げ返しましょう。解決方法はそれだけです。

敵の弾を投げ返すということはそんなに難しい事ではありません。前作"STAR RESISTANCE"でも"掴み"はありましたが、
状況を読まずに掴んでばかりいると逆にピンチに陥ってしまう・・・なぜか?
それは彼らがゾフィでは無かったからです。ゾフィの掴みはとにかく便利。ローリスクハイリターンな仕様となっています。
動物をなだめる、悪党を投げ飛ばす、ドラム缶を投げる、アイテムを拾う。そして、敵の遠距離攻撃を投げ返す!(超重要)となっています。
遠距離攻撃の投げ返しに関して言えば、タイミングは優しい部類に入るのでまずは落ち着いてガードしましょう。後は掴むだけです。

本作、GIANT FISTはプレイヤーの腕前以上に、プレイヤーがゾフィをどれだけ信頼できるかによって難易度が変化するとも言えるでしょう。
ゾフィを普通の人間と思っている以上クリアはおぼつかないでしょう。思い出してください、ゾフィは勇者なのです。
それも剣もペンも銃口にも頼らない、拳一筋の勇者なのです。皆さんが想像できる範囲内の驚異的な力なぞ、ゾフィにとってはただの常識です。
弓矢やナイフ、槍なんて投げ返せて当たり前、銃弾を掴んで飛ばす程度のヒーローなんていくらでもいるんですよ。
バズーカなどの兵器も所詮人間が作り出したものでしかありませんので朝飯前。それどころか丸太も大岩も、象も炎もなんてことはないのです。
では何が投げられないのか?と言われたところで逆に皆さんに聞きます。風圧や光や粒子と言った概念を投げるヒーローを見たことはありますか?
僕は見たことがありません。そう、勇者ゾフィ以外には。 oh my god!えっ?こんなものまで!?
本作においてゾフィが投げられないのはマシンガンなどの連続弾と、ブラックベリーなどが使う魔法剣、ラスボスと地球ぐらいしかありません。
それ以外は基本的に投げられると思っていただいて結構です。投げ返しはコインボーナスも発生するので積極的に狙いましょう。
本作攻略のコツはこんな感じです。とにかく初心者はガードと投げを主軸としましょう。さて、そろそろシナリオの魅力について語ります。

今年の酷暑は本当にひどく、映画館に行く気すら起きない・・・と言う人に勧めたいのが本作です。本作をプレイしていて感じたのは映画的だという所。
STAR RESISTANCEの時点よりも、更にパワーアップしたサウンドがシナリオにとてもマッチしています。
映画の序盤には勇者の実力見せとして大自然を感じさせるBGMとともに駆け回り、そして風の謎を追い世界を駆けていくのです。
核心に迫るとともに緊張感も増していくBGM。どんな謎が待ち受けているのか、探求心が込み上げていきます。
特に"EXTRAPOWER AOD"をプレイしたことのある人なら「ああ!この場所だ!あいつらだ!」と感動する事でしょう!
そして、それだけではなく話が進むにつれゾフィも強化されていき、何より自分の腕前が上達していきます。
そう、あなたはもはや観客なぞではありません。れっきした俳優・・・いえ!勇者です!
序盤の慌ただしいプレイも忘れ、落ち着いた動作がなじんでいくことでしょう。あなたが強くなるたびにゾフィもあなたを信頼していくのです。
そう、このゲームではゾフィがあなたを強くしていくのです。このフィーリングはアフリカ人でも日本人でもアメリカ人でもソビエトロシア人でもシャークン星人でも悪魔でも変わりません。誰もが戦艦のごとき不敵な勇者となっていくのです。そしてその信念は不死鳥の如く!
皆様、ぜひこのゲームにて風の謎を暴いてみてください。クリアしたころには映画を見たような満足感、強くなった自信が味わえるでしょう。
さぁ、やろうぜ喧嘩!


・ハマリ度:9/10

EXTRAPOWERが持つ引き込みの強いシナリオは本作でも遺憾なく発揮されている。
STAR RESISTANCEで話題となった背景によるストーリー描写はなりを潜めたが、その分詳しいシナリオ解説やジョークなどを取り揃え、前作とはまた違った魅力的なストーリーが楽しめる。
アクションゲームとしては序盤は戸惑う事も多く不安を感じてしまうが、ガードの強さを活かしていけば的確な判断が下せるようになっていくだろう。
攻撃は自身・敵共に当たりやすいのでガードと攻撃のタイミングを見極めるプレイを求められていく。
最初からあれこれできるのではなく自分の実力に合わせて少しずつコンボやパターンを見つけれるのが楽しい。
また追加キャラはゾフィと全く違った性能を持っていて、キャラが違うだけでまるで違うゲームのようなやりがいが感じられる。

・グラフィック:8/10

従来のEXTRAPOWERが持っていたクラシカルなPCゲームの雰囲気を残しつつも、より洗練されたグラフィック作りとなっている。
いささか限界かと感じられていた顔グラフィックも本作で一新された他、過去作に登場したことのあるキャラ・今作新たに登場するキャラどちらとも魅力的に仕上がっている。
パワフルなゾフィや新ライバルの軽快な動きなどに目が行くところだろう。

・サウンド:10/10

EXTRAPOWER最新作として特に進化を感じられる部分がBGMの演出力と言える。
ステージや場面にフィットしたBGMがとても心地よく本作のただでさえ魅力的なストーリーと爽快アクションに、より強力なターボが加わった。
AODから引き継がれた曲もアレンジが加えられ、現代商業作品でも通用するものとなっている。
そして、このEXTRAPOWERシリーズを象徴するあの曲もGIANTFISTでは新たな装いで登場。
まるで映画のような編曲でプレイヤーを驚かせてくれるだろう。
もちろん、STAR RESISTANCEから導入されたボイスも今作でよりわかりやすく、より迫力のあるものになっている。

 《 牛人 》  ハマリ度:10 グラフィック:10 サウンド:10

勇者ゾフィは最強の戦士さ

 横スクロールアクションゲームです。そこそこ難度は高いですが、操作に慣れ、仕様を把握すればクリアできるレベルです。

 操作方法のすべてが開示されているわけではなく、例えば、方向キー2回でダッシュとか、ある程度手探りで把握していく必要があります。
特に留意すべき点は、主人公ゾフィは勇者なので、ほとんどの物を掴んで投げられます。かなり巨大なギミックも掴んで投げます。
「これ投げれんのかよ!」という突っ込みもまた本作の醍醐味でしょう。立ち掴みとしゃがみ掴みで射線が変わる等も重要です。
また、主人公ゾフィはアイテムで強化できますが、一度使うとなくなるアイテムもあり、
コンテニューするよりセーブしたところからやり直した方が楽になるなど、ゲームの仕様も自分で把握する必要があります。
しかし、全体的にはプレイヤーの習熟による難度低下の部分が多いため、とにかく慣れる必要がある作品となっております。

 なお、多くの隠し要素はコインで解放する必要があるます。
そのため、やりこみは作品中でも言及(ぶっちゃけ)られていますが、コイン稼ぎがメインとなります。
コイン稼ぎは完全にプレイヤーの技術に依存しますので、本作の肝は、プレイヤーが操作慣れしてからの俺TUEEEであるといえます。

 こんな話を耳にしました。
語り過ぎることで底の浅さが露呈するから、あえて言及しないことで、表現を避けて、消去法で、格好つけている作品が多いと・・・
そんな世の中に、ガチンコで殴り込みをかけていくのがEXTRAPOWERシリーズであり、本作はシリーズ第3作目です。
今回も竹を割ったかのようなEXTRAPOWER節が光ります。
「なぜ銃弾を食らって生きている。」「鍛えているからさ。」
「結局、殴り合ったけどね。」
「そうさ。なぜ疑う?」「お前の目に覚悟と信念の輝きがある」
「ウルフパンチは・・・俺の・・・プライドそのものなのさ。」
「お前は何故そんなに強いのだ・・・」「・・・ゾフィも勇者だからさ。」
気持ちの良い、清々しいセリフ回しは作品に色を添えます。

 また前作前々作登場キャラクターの再登場もシリーズのファンとてはうれしい限りです。
BGMもEXTRAPOWERアレンジとでも呼ぶべき楽曲があり、1つの世界を織りなしているといえます。

 難点として、キーボード操作で重要なキーであるシフトキーが効かなくなることがあります。
NumLockが関係していそうですが、ボス戦でのガード不能は死に直結します。
操作方法や仕様含め、リードミーの充実が待たれます。


(管理人補足)
「EXTRAPOWER GIANT FIST」では、「教授の部屋」でキーコンフィグができます。
キーボードで操作する場合、連打すると固定キー機能が発動してしまうShiftは操作系統から外し、ASDキーを弱攻撃・強攻撃・ガードに割り当てるのがおススメです。
なお、「EXTRAPOWER GIANT FIST」のメニューや店画面は、全ボタン(行動にアサインされていないボタンも含む)が決定キーとなります。キャンセルする場合は、「EXIT」にカーソルを合わせてボタンを押してください。

ハマリ度:10/10
EXTRAPOWER節全開でした
グラフィック:10/10
ドット絵が動くだけでおなかいっぱいです
サウンド:10/10
いつものEXTRAPOWERな楽曲です

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:9

君だけに見える 明日へ走れ

 作者さんは「前作の反省から、まず低難度を目指したのに、プレイヤーの反応を見るとそうでもなかったらしい」とお悩みのご様子です。
 かつては、表現したいものを表現することに集中している印象のあったLUCKYLAMP PROJECTが、その姿勢を変えること無く、どのようにプレイされるか意識できるようになったのは、クリエイターとしての進歩だと思います。
 念のために言っておきますが、本作を含むシリーズは3作品とも、十二分に魅力的な作品です。前作は相当難度高めでしたが、本作の難度は、(人によって感じ方は違うでしょうが、)決して理不尽ではありません。
 ただ、初見プレイヤーにとってはちょっと辛いのが、かなりの理解力の高さを要求してくるところです。
 ボクのようににぶい人だと、まず、その理解に至るまでの時間が必要になります。その後自分の想定に操作が追いつかないことに苦しむのです……。

 今回は、皆さんもゾフィでラスボスを攻略できるようになってほしいと思い、ボクの所感を書いていきます。
 あくまでメモ程度ですが、何かの助けになれば幸いです。きっと詳細な攻略は、ボク以外の誰かが書いてくれるでしょう。
 なお、ゾフィの攻略だけに留まっているのは、ボクの腕前がまだその程度であることが原因で、それ以上の意味はありません。
 レバガチャ勢には、ウルフのコンボパターン構築とか、ブラックベリーの9種の魔法の使い分けとか、とてもとても難しくて……
 逆に言えば、レバガチャ勢のボクでもゾフィクリアはなんとかできたということです。頑張っていきましょう。

◆マニュアルでは教えてくれないこと

 個人的に、それくらいは教えてくれてもいいんじゃないかと思うところもいくつかあるのですが。

  1. イベントはQキーでカットできます。
    繰り返しゲームオーバーになってしまうボクたちにとっては最重要項目です。
    何回見てもEXTRAPOWERらしさ溢れる、素晴らしいストーリーですが、さすがに連打する指が疲れてしまいますからね。
    ちなみに、プレイ中にQキーを押すと、終了選択肢が出ます。キャラセレ中ならタイトル画面に戻ります。
  2. ラッキーランプ 道中で、ランプから魔神が出てくるのを目撃するかもしれません。
    なにやら怪しい電波を出してくるので、思わず身構えてしまいますが、これはプレイヤーを超・強化してくれるラッキーイベントなので、逃げないように。
    チーム名の由来にもなった、ラッキーランプというアイテムです。超絶技ゲージ回復が一定時間高速化、(ほぼ)使い放題になります。
    また、後述する「超絶能力」も、HP制限無く使用可能になります。
  3. 階段は↓↓で下に降りることができます。
    さる高名なヴァンパイアハンターのように、階段に乗ったら前後にしか移動できないと思いがちですが、さにあらず。
    これを知っていると、ピラミッドとラスト前のダンジョンが非常に楽になります。
    なお、はしごは途中で降りる方法が(多分)ありません。防御の堅いゾフィが一番無防備な時間です。気をつけましょう。
  4. 作者さんから教えてもらいました。はしごは→→で右に飛び降りることができます。
    これを知らないとステージ3-2でかなり苦労するハメになります……同じ轍を踏まないように。
  5. 終盤のボスが、「EXTRAPOWER」という暗転カットインと共に、大技を仕掛けてくることがあります。前作で「超絶能力」と名付けられていた、いわゆる超必殺技です。
    これ、ゾフィも使えます。
    使用条件は、体力が減少していて、石版が黄色く点滅しているタイミングです。
    一度使用したあとは、一定数敵を倒すか、ステージクリアするか、商人と出会うことで再使用可能になります。
    ボスですら消し炭にできるほどの威力があるので、初心者であるボクらが使わない理由は、何一つありません。
    なお、これについてはコマンドは秘密という伝統があります。
    ガチャガチャしてると出るかもしれない程度のコマンドなので、ぜひ自力で探してみてください。
  6. 本作は全7章、15ステージ構成です。
    全部通しプレイをすると、イベントを飛ばしても2時間程度、初見ならその倍はかかるでしょう。
    本作はセーブポイントは数多くあるので、ステージの制限時間を見ながら、中断セーブをするかどうか見極めましょう。

◆勇者ゾフィについて

 ATTACK OF DARKFORCEの第一話から登場したヒーローですので、既プレイの方はよくご存知でしょうが。
 本作で明かされた情報とあわせて、プレイしたことのない方と一緒に振り返りましょう。

ゾフィ  アフリカ大陸の出身で、作者によれば30歳前後とのこと。火の鳥エターニャの教えを受けた勇者です。
 何度でも言いますが、火を吐く鳥に頭を焦がされた宇宙警備隊隊長とはまったく無関係です。
 森の民ドゥーバ族の血を引いていますが、一族とは絶縁状態にあります。エターニャに育てられる前、赤ん坊の頃のゾフィの出生はまだ詳らかになっていません。
 同じくエターニャに助けられ、200年の時を生きたライオン・キングレオと、かつてゾフィが救出したデビッドとマリーアン。
 そして、自称「ロマン溢れる粋な考古学者」、勝手にゾフィに付いてきているエース教授を合わせた4人と1頭で旅を続けています。

 普段は寡黙で冷静、自制的な印象が強いゾフィですが、己に戦いを挑むものに対してはどんな理由であれ、無益な戦いだと避けることなく、全力で対峙します。
 それも、彼の真摯さなのかもしれません。
 年端もいかないデビッドとマリーアンの勇気に敬意を表すことも、宿敵ブラックベリーの実力を率直に認めることも、すべて彼の懐の深さから出る態度なのでしょう。
 そして、拳をぶつけ合えば必ずわかり合えるという、自分の実力への絶対的な自信がなければ、できないことでもあります。
 彼は勇者ではありますが、なんの使命も帯びていません。エターニャの使い走りなどではありません。
 彼が従うのはただ一つ、己の信念だけ。それを貫き通す強さを持っています。
 しかし、己の信念のみに生きることは、どこまでも孤独な道なのです。

 そんなゾフィを前に、皆さんに言えることはただ一つ。
 勇者を信じろ。これだけです。

 ゾフィは、跳べません。
 フライングボディプレスが店で購入できますが、その高さは、せいぜい腰上あたり。他2人の操作キャラのように、易々と身長の倍以上をジャンプし、敵の頭上を越えることなどできません。
 しかし、それの何が問題でしょうか?
 彼には、すべての攻撃を受け止める覚悟があります。
 「ガードできない技は無いし、ガードすれば全くダメージを受けん」と、教授が明言しているではありませんか。信じろ。
 上下段と裏表を間違えなければ、鉛玉であれ妖術であれ、岩をも砕く破壊光線であれ、ガードすることができるのです。削りダメージ? そんなものは無い。
 言ってしまえば、「攻撃は最大の防御」とは、攻撃しなければ生き残れない弱者の論理です。
 耐えて、耐えて、耐え抜く力をこそ、真の強者は持っているのです。

 どうしても敵に囲まれ、乱戦気味になってしまうゾフィに、ジャンプの代わりに与えられた武器があります。
 掴み技です。
 敵を振り回して盾にしつつ、周囲を巻き込み、なぎ倒す。実にファイナルファイト的な爽快感があります。
 しかし、ゾフィが掴めるのは、敵の兵士や、小石やナイフや、そんなケチなものだけではないのです。

巨人岩を投げ飛ばすゾフィ Q.
 勇者の手は、迫り来る銃弾を掴み、撃ち返すことが出来るのか?
 数トンにも及ぶ象を、投げ飛ばすことが出来るのか?
 迫り来るジープを掴み、叩きつけることが出来るのか?

A.
 出来る。出来るのだ。

 この後もゾフィは、到底掴めそうもないものを次から次へと掴み、投げつけます。
 プレイヤーに対して、固定観念を投げ捨てろ、と言わんがばかりに。
 そしてプレイヤーは確信するのです。ゾフィが掴んでいるのは、未来であり、希望だ、と。

 素早さと高いコンボ火力を持つものの、防御に不安があり、殺られる前に殺るしかない喧嘩屋ウルフ。
 あふれ出る才能ゆえ、できることが多すぎて、プレイヤーへの負荷が高いブラックベリー。
 3人を比較すれば、ゾフィの強さがどれほど単純明快か、わかるというものです。
 ゾフィの肉体は、ひたすら、己の信じる正義を貫くための道具。進むべき方向に向かって、ただ制圧前進するのみ。
 真に「退かぬ、媚びぬ、顧みぬ」を実践するなら、その信念に耐えられる堅牢な防御が必要だとわかりましたかそこのやわらか聖帝!

◆ブラックベリーと1-2

 操作さえわかっていれば、1-1はクリアできるでしょう。もしリトライしたとしても、恥ずかしくはありません。
 「凶暴化した動物は投げずに鎮めるだけ」と思いきや、中ボスとボスは普通に投げられるというミスリードがありますが……きっと、ゾフィも力加減しなくていい相手だと信頼してるんですよ、きっと!
 そして、問題の1-2です。
 初見殺しと名高いこのステージで、多くの人が初コンティニュー、あるいは初ゲームオーバーを体験したことでしょう。

 上下段の揺さぶりとか、無印スト2ならラスボスレベルの課題をふっかけてきて、しかもこちらから攻撃できない相手をどうするかって話ですが。
 結論から言いますと、ガードで固まらない方がいいんですよ。

    旧世界の支配者の足を踏むゾフィ
  1. このステージは、右端まで辿り着いて、ブラックベリーの召喚するゴーレムを倒せばクリアできる、という特殊ステージです。説明ありませんが。
    そう気付いたら、誰だってダッシュします。ボクだってそうします。
  2. ダッシュしてれば、「イービルソウル(地面の骸骨)」は、ガードしなくても避けられちゃいます。
    ただし、「魔法剣」や「悪夢の嘶き(馬)」で足止めされることもあるでしょう。その時は下段ガードで。
  3. その前のショップで、「鋼鉄の巨鳥(フライングボディプレス)」と「直下踏撃(踏みつけ)」を習得しておきます。
    鋼鉄の巨鳥→直下踏撃は、ダッシュから直接つなげられる上、ボクのようなレバガチャ勢でも簡単に使えるお手軽火力コンボです。
    「悪夢の嘶き」や「深淵からの呼び声(タコ足)」やゴーレムに、積極的に使って破壊していきましょう。
  4. 問題の魔法剣ですが、正直、終始ダッシュし続けていれば、1~2回程度しか召喚してこないはずです。
    間合いを取って下段ガード固定というのが、ボクの結論でした。多少はくらいますが、あまり気にしないようにしましょう。

 以上のやり方で、簡単にクリアできる、のはいいんですけど。
 やっぱりこのステージ、なんか間違ってると思うんだよなぁ……あんまり楽しくないし。
 このままでは、初見の人のブラックベリーに対する心証が、とっても悪くなりそうな気がします。
 軽く人物紹介して、みなさんにも彼女の魅力を知ってもらいましょう。それはもう是非に。

ブラックベリー  ブラックベリー、本名アニエス=ブラック。魔法都市イスパレス出身、EXTRAPOWERを代表するメガネっ娘なのでぜひ覚えておきましょう。
 普段は故郷をはるか離れ、エジプトのピラミッドを拠点にしています。そこに眠るかつての魔王・ダイヤモンドマインを蘇らせることが、彼女の子供の頃からの夢、大目標です。
 魔王復活を企む魔女なので、勇者としては絶対に放ってはおけない相手です。
 ことある毎に反目し、対立し、小競り合いを繰り返す関係ですが、だからこそ、お互いのことはよくわかっています。
 今回のことにしても、用意周到な彼女が、殺気を溢れさせるなんてミスをするわけがない。しかし彼女が現れた以上、きっと別になんらかの企みがある。
 そこまでゾフィは瞬時に見抜いているはずです。

 彼女もまた、己の信念を貫こうとする人間ですから、油断ならない相手です。よくあるライバルキャラみたいな間抜けさは、彼女には一切ありません。
 しかし、彼女とゾフィの違いを挙げるとしたら。
 ボクなら次のように答えますし、AODや本作をクリアした方なら、きっと賛同してもらえると思います。

 彼女は、ドMである、と。

 ゾフィにある、自分の身体から出てくる信念に従う自然さが、彼女にはまったく無いのですよ。
 オウゴンムシたち、ピラミッドの亡者どもをいくら従えていても、彼女は寂しくて仕方ないんだと思います。
 勇者は独りでも勇者ですが、魔王はそうはいきません。
 魔王を蘇らせたところで、彼を理解し、信奉する生者がブラックベリーしかいないのなら、それは王国にならないんですから。
 その矛盾をわかっていながら、誰にも理解されない信念を抱き続け、それを捨てることもできない。緊縛プレイもいいところですよ。

 泣き虫アニエスと呼ばれていた少女時代から、根本的なところは何も変わっていないじゃありませんか。
 しかしそれは、とても一貫性があるとも言えます。イスパレスの旧友たちが、生温かい目で彼女を見ているのも、なんとなくわかるなあ。
 ボクも、既に勇者であるゾフィより、これから魔王になろうとするブラックベリーの方が人間味を感じて好きです。
 彼女はこれから、自らのありようを変えることなく、魔王にも、人間にも、何者にでも成れる可能性を残しているんです。

 はい、メガネだからって長々語りすぎました!!
 改めてこのステージを振り返ってみると、やっぱりブラックベリーらしくないんですよね。わざわざ喧嘩を買う道理がない。
 浮遊機が不調、原因を調べている最中にゾフィがやって来たからひとまず飛び去り、置き土産に大量の召喚トラップを仕掛ける。それでも不調なせいで追いつかれてしまい、究極魔法を使おうとするが不発に終わり、退散……
 みたいなシナリオの方が、彼女の動機としても納得がいくし、特徴あるトラップを規定数設置すれば、ガードのチュートリアルとしてもその方が適切だったのかなあ、とも思います。

 本作でガードのチュートリアルを務めるのは、実際にはその後登場する喧嘩屋ウルフの方です。
 彼の必殺・ウルフパンチは、まともに食らうと大ダメージですが、防御されると絶大な隙を晒す、というわかりやすい突進技です。
 加えて彼には、投げられても空中復帰して跳び蹴りしてくるため、安易な投げは厳禁です。
 投げに頼らず、きっちりガードしてコンボを決める、という基礎を痛快に叩き込んでくれるのです。

◆ラスボスについて

 1-3に入れば、ゾフィは人間相手に容赦ない拳を振るい、ボクたちに本作本来の痛快さを味わわせてくれます。
 武装組織のアジトやピラミッドなど、楽しい探索面も待っています。
 難度の上昇も段階的に、順を追って進んでいきますし、何をすればいいのかわかりやすい場面がほとんどです。
 終盤の火山は、ザコ敵の攻撃が激しすぎてうんざりする、という意見も多い場所ですが、体力回復アイテムは要所に落ちていますし、焦らず体力を温存する立ち回りを徹底すれば、なんとかなるはずです。

 ただ、ラスボスだけはね……。
 相手のHPが減る毎に、どんどん攻撃は激しさを増し、逆にこちらの攻撃機会がどんどん減っていきます。時間がかかるのが最大の問題です。
 長い戦いの末力尽きてしまうと、苦労して削った時間がパアになり、制限時間がどんどん減っていきます。
 数回もコンティニューすれば、残り時間は最低保障の2分まで減少、エイハブの秘薬もキングレオのサポートもなしで戦う、とってもキツい状況に追い込まれます。詰んだ気分になるでしょう。
 かといって、ステージセレクト解放には、エース銀行への多額の融資が必要です。おそらくこの段階ではまだ解放できていないと思います。
 いくら楽しい本作でも、数時間かけてラストステージまで来て、また最初からやり直すのか、という精神的ダメージは大きいものがあります。

 ストーリーのネタバレにならない範囲で攻略を書きましたので、読みたい方は下のボタンをクリックしてください。

  1. さしものゾフィも、ラスボス本人を投げることはできない。ただし、ラスボスの攻撃を投げ返すことは可能。
    頭上から降らせる落石以外にもう1つ、ゾフィが投げ返せるものがある。勇者を信じろ。
  2. ラスボスの攻撃は、HPに応じて3段階に変化する。
    1段階目、直接攻撃は、下パンチ以外は上段ガードで、振り下ろしパンチ以外は下段ガードで防げる。
    下パンチの使用頻度がかなり高いので下段ガードで固定した方がダメージは少ない。
    攻撃頻度が低いので、鋼鉄の巨鳥→直下踏撃のコンボや超絶技で、まとまったダメージを取っていきたい。
  3. 壁になるのが第2段階。
    攻撃頻度が上がり、懐に入ることがほとんど不可能。投げ返しやキングレオで、地道にダメージを稼ぐ踏ん張りどころ。
    しかし、キングレオのいない2分間攻略では、超絶能力を使わざるを得ない。
  4. 一気に削って第3段階まで進めれば、ラスボスは隙だらけの超絶能力を乱射する、ただのカカシと化す。
    しゃがみからの前転を使って懐に入り、勝負をつけよう。この時はキーボードプレイだととても楽。

 ラスボスについても、せめて時間制限があと1分でも長ければ、ショップ地点からコンティニューできれば、こんなに苦しまないのですが。
 本作は、全般的に見れば、とても骨太なBeat'em upで、殴る、蹴散らすという楽しみの詰まった作品なんですよ。
 だからこそその分、こうしたほんの少しの掛け違いが、大きく違和感として残ってしまうので、とても残念なんです。
 まとめましょう。

ハマリ度 : 8 / 10
 Beat'em upの魅力が余すところなく詰まっている。敵陣に突っ込んで、殴ったり投げたりするだけでも存分に楽しい。
 レベルデザインのせいで、その魅力が伝わりにくいのが最大の難点。槍玉に挙がる1-2について、ガード操作を習得してほしいという狙いはわかるが、「ガードをするとこんなに楽しい」という見返りを提示していないせいでプレイヤーのモチベーションが低下してしまう。振り返って、ガードの楽しみを教えてくれたのはウルフだったと思う。
 また、投げこそが魅力のゾフィなのに、1-1では「野生動物は投げられない」という仕様のせいでスッキリしない、1-1で投げ返しの魅力を伝えておきながら1-2では一切使えない、など、序盤は本来の爽快感を殺している場面が散見する。
 ステージの隠し要素も多数あり、キャラ毎の操作感やステージ構成もだいぶ変わるのでヤリコミ甲斐もあるのだが、コイン稼ぎのノルマが多すぎる。かといってアクションを避け、コイン稼ぎ効率がいいハイ & ローをやり続けるのは、完全に作業。
 効率が落ちても他キャラでプレイした方が面白いのだが、ウルフ編の序盤だけプレイして、「どうせキャラが変わってもステージ構成は変わらないのか」と誤解してしまったのはボクだけではないと思う。
 不具合としては、突然床が抜けたことが1回、壁にハマって抜けられなくなったことが1回、ピラミッドで壁にめり込み、ステージ終盤まで一気に進んでしまったことが1回、オウゴンムシがボスステージの外に行ってしまって、コンティニューしても倒せなくなったことが1回。バラクーダのアジトではエース教授が天井に出現すること多数。低頻度ではあるし、壁や床の判定は難しい部分もあるだろうが、基本となる部分で不具合が出るのは印象が良くない。
グラフィック : 10 / 10
 今まで押し出していたニードルさんの絵は、遠景や立ち絵などピンポイントで使い、ドット絵をメインに据えた構成。そのバランスは今までになく良好。ドット絵もクオリティは高く、アニメーションパターンが非常に豊富で操作していてとても楽しい。
 画面がごちゃごちゃしがちなジャンルだが、その中でも画面の情報量を絞ろうとする姿勢が窺える。拾えるアイテムは回復とコインだけ、しかもコインは自動収集だから気にする必要なし、敵弾も回復もつかめるので判別する必要なし、と、システムが見間違えても問題ない状況を作っている。これは他の作品では見られない長所。
 HPバーをわかりにくくしているのは、おそらくその延長線上で意図的にやったことだろう。格ゲーだったら大問題だが、本作ではピンチかどうか程度の判断にしか使わないので、これでも不都合はない。
サウンド : 9 / 10
 ワーグマンさんのサウンドは相変わらずの安定感。明瞭なメロディーがバラエティ豊かなステージを彩る。3人で回す自炊ボイスも手慣れた感じが出てきている。
 デフォルトでは音楽の音量が小さめで、ガンガン鳴り響くヒット音にかき消されがちなので、コンフィグで各人に合った調整をすることをオススメする。
 ノックバックしないシステムのため、当たったかガードしたか、即座に判断する手段が音しかないのに、その役割を果たせていないのが不満点。特に爆発系の攻撃は、ガードできたのか食らったのかがあやふやになりがち。

 しかし、〆切当日になって、まさかあのもぐら博士と再会するなんて、夢にも思いませんでしたよ。
 作者さん同士仲が良いのは知ってましたが、いやはや。本作のヤリコミ要素をまったく甘く見ていたと、反省しきりです。
 だからと言って〆切をぶっちぎった言い訳にはなりませんが。はい。

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