■ 投稿レビュー アドベンチャー 56
誰そ彼の腕 禍代の神子-勿忘草- 純正優男 シノビハリセンボ Astraea
ママにあいたい SALVATION
月影に灯る光
夏祭りとおばけやしき 七ツ怪 (2) 霧雨が降る森 (2)

【 誰そ彼の腕 】

誰そ彼の腕
レビュワー [ シュン ]
ジャンル [ 神霊奇譚アドベンチャー ]
作者 [ sinononn さま ]
容量・圧縮形式 [ 227MB・ZIP ]
制作ツール [ RPGツクールMV ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

その出会いと契約は、少女と護法童子の未来を変えることができるでしょうか?

 ここのサイトの作品ももう3つ目になりました。魅力はストーリーとキャラクターにあると思います。
「1つの出会いが主人公を変えるきっかけになる」という作品も色々と見てきましたが、この作品もそのような要素があります。
鍵となるのは・・・やはり「自分自身に向き合う」ことですかね。その過程にも・・・注目していきましょう。

 いつの間にか知らない道に迷い込んでしまったカノ。更に異形に迫られピンチになってしまいます。
ピンチになった彼女を助けてくれたのは護法童子のナキ。彼に勝手に契約を結ばされた挙句、「カイナ」として鬼を封印するため色々な試練を受けることになります。
ひねくれ者で素直じゃないナキに渋々従うことになったカノに待っているものとは・・・?

 謎解きがメインの探索ADVです。謎解きの他にもアクション要素もあり、最後のアクション部分は難易度設定も出来ます。
謎解きの失敗などでゲームオーバーになってしまう場合、一部ではショッキングなSEが鳴ったり衝撃の展開が発生することもあるのでご注意ください。
分岐は無く一本道です。一部選択肢では展開が変わることもありますが・・・。
難易度もそれほどでは無いので苦労しないでしょう。「readme」に攻略ヒントもあります。

誰そ彼の腕

 正解とは思えない選択肢が正解だったり、制限時間があったり、一本道から色々会話が出てきたりと飽きさせない要素があちこちにあり、話を盛り上げてくれます。
話を進めていくと分かるカノの悩み。女子中学生としてちょっと複雑な事情があり、色々悩んでいるようです。特に将来について深刻に悩んでいる模様です。
ナキの方も過去に何かあったようです。腕が無い(!)のは一体何故なのでしょうか?お布施に対する反応も注目です。菓子パンにそんな反応を・・・。
様々な苦難を乗り越えていったその先に待つものは一体何なのでしょうか?


 管理人コメント

本作の主たるものはカノとナキの掛け合いを中心としたストーリーですが、それを読み進めるために、間違えるとゲームオーバーとなる謎解きを乗り越える必要があります。
readmeや作者様HPにあるヘルプには、すべての謎解きについての答えが記載されていません。実をいうと、私は中盤辺りで、謎が解けないまま「まぁ、総当たりで解けるからいいや」で進んでしまった箇所があります。
キモいクリーチャーは少なめなので、ホラー要素は薄めですが、それでもゲームオーバーの演出の中にはホラー表現が含まれます。苦手な方は、決して好奇心でゲームオーバーに挑むことの無きよう。

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【 禍代の神子-勿忘草- 】

禍代の神子-勿忘草-
レビュワー [ シュン ]
ジャンル [ 探索ホラーアドベンチャー ]
作者 [ 戸塚 さま ]
容量・圧縮形式 [ 38.0MB・ZIP ]
制作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ 15歳以上推奨 ]
配布元 ダウンロード先

過去は明かされる。しかし根幹の部分はまだ明かされない。

『禍代の神子-灰桜-』の続編です。前作のプレイが前提となっているので必ず見ておきましょう。
前作では分からなかった主人公の過去や守護霊の過去、新たな人間関係などが分かるようになります。
まだ明かされない部分も多いですが・・・前作よりも深いところにまで触れていることは分かるはずです。

 父親と共に芝居を見に来た入柄 ほたる。本人は気づいていませんが守護霊の千歳も一緒です。
帰るための車を手配するまでの間、ほたるは蔵書室で調べ物をしていました。しかし突然怪奇に巻き込まれ、建物に閉じ込められてしまいます。
怪奇に巻き込まれたとも知らないほたるは建物を探索していくことになりますが・・・。

 今回もほたると千歳を操作しながら探索していきます。今回はそれに加えて露(つゆ)を操作する場面もあります。
大まかな所(マウス操作やアクション要素など)は前作と同じなのでここでは割愛します。
難易度はそれほどでもないですが、紹介ページに攻略ヒントもあるので問題ないはずです。
エンドは3つ。特定の行動をしていないときはバッドエンドと思しき結末になってしまうので何かやり残したことはないか確認しましょう。

禍代の神子-勿忘草- 禍代の神子-勿忘草-

 相変わらずほたるは怪奇に巻き込まれています。どうやらほたるの父親が霊やオカルトの類を信じていないようで、ほたるもその影響を受けているようです。
もし守護霊がいることを知ったらどんな反応を見せるのでしょうか?
探索の途中で登場するある人物は何か知っている模様で、おかしな状況になっているのに動じないなど、どこか謎の多い人物です。
そもそもほたるの行く先々で怪奇が起こるのも何かありそうですね。千歳が守護霊になっていなかったらどうなっていたのでしょうか。
実は1箇所だけ「え?もしかして声が届いてる?」という出来事があります。もしかしたら・・・奇跡は起こるのでしょうか?
今作でもほたるが怪奇に巻き込まれる理由や千歳がほたるの守護霊になった理由は明かされません。ここまで来てもまだ明かされないとはですね・・・。
キャラの過去など、前作よりは謎も解明されてきましたがまだまだ分からないことだらけです。果たして全ての謎は明かされるのでしょうか?
過去に辛い出来事があったようですしほたるには幸せになって欲しいですけどね・・・。


 管理人コメント

(2018.09時点の)3作全てが独立した話になっている「天蓋奇譚」シリーズに比べ、本作「禍代の神子」シリーズは、連載物として「ほたると千歳の秘密」に踏み込んできました。
正直、こんなに早くほたるの母の話が出てくるとは思っていませんでした。同時に、ほたるが母の生家を探ろうとする理由も同時に分かってしまいました。
ENDまで行ったとしても敵か味方か分からない「探索の途中で登場するある人物」、序盤で「滅亡した」と無情な事実が明らかになる母の生家、ほたるのみならず千歳にまである秘密…今回の話を解決しても、残る謎の方が増えていきます。次回は、どの謎が解き明かされるのでしょうか。はたまた、新たな謎が出てくるのでしょうか。


(補足)
2018.11.11:リンクを変更

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【 純正優男-ジュンセイヤサオトコ 】

純正優男
レビュワー [ シュン ]
ジャンル [ 現代ラブコメ短編AVG ]
作者 [ 華里 さま ]
容量・圧縮形式 [ 26.6MB・ZIP ]
制作ツール [ 吉里吉里2/KAG3 ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

どんな優しい人間でも裏の顔はあるとは思うけれど。

 「優男」、つまり優しいキャラの男性。こういう属性のみを対象にした作品・・・確かにありそうでなかったですね。
何か裏があるということはあっても本当は優しくない・・・といったことは一切ありません。本当に「優しい」ことに注目した作品と言えます。

 最上織音(名前変更可)は強く正しく美しく、最強のヒロインを目指す女子高生。
最近では恋愛にも興味を持ち始め、乙女ゲーにも力を入れている日々です。
しかし最近の流行はヤンデレや腹黒ばかり。主人公のタイプである優しい男はいないのだろうかと知っている人物に目を向けてみると・・・。

 作品としてはキャラを選んで話を進めていく・・・のですが、最初に設定できる項目に「NG機能」というものがあります。
最初から始めると出てくる画面に存在し、NGにすると見られるエンドに制限がかかったり、他にも変更点が・・・?
ちょっと長くなるのでこの機能について詳しいことは後で説明します。
攻略できるのは生徒会長の鯉川皐月、幼馴染の優木涼介、実弟の織人、計3名です。
「エクストラ」にはスチルやEDリスト、キャラクター紹介などがあります。こちらも見に行ってください。

 攻略対象たちは単純に優しいわけではありません。裏の顔もあります。しかし一貫した優しさがあるとは思いましたね。
どんな人物なのかは・・・是非自分の目でお確かめください。ここでは説明しづらいというのもありますが・・・。
主人公に関しては「強くなりすぎて女らしくなかった」という過去があったことが分かり、最初から完璧なわけでは無かったようです。
そこからたゆまない努力でここまで来れたのは凄いですね・・・。乙女ゲーの主人公が色々と強いのは良いことです。
NG機能の詳しいことについてですが、まず「ヒロイン攻め」をNGにすると特定の場面で選択肢が無くなります。
主人公が押せ押せになる展開がばっさりカットされますが・・・そこにこそ醍醐味があるので抵抗が無い人はNGは辞めておくべきかもしれません。
次に「ヤンデレ」をNGにすると冒頭にある主人公がプレイ中の乙女ゲーの攻略対象の性格が変化します。
意外な性格にチェンジするので興味があるのならNGを試してみるのもありでしょう。
最後に「近親愛」をNGにすると攻略対象の一人である織人が攻略不可能になります。
流石に過剰な表現はありませんが・・・。このNGについては個人差があると思います。


 管理人コメント

プレイ開始していきなり「ヤンデレ」「近親愛」「ヒロイン攻め」という(1つを除いて)この作者らしくない属性のON/OFFオプションが提示され、ついつい身構えてしまいました。
実際にゲームを進めると、冒頭の「織音が現在ハマっている乙女ゲーの話」で「ヤンデレ」の部分は消化されてしまいました。残りの「近親愛」と「ヒロイン攻め」も、思った通りには出てこないな…という覚悟を、この時点で心に決めました。
実際のストーリーは、攻略対象3名の話が完全に独立した短編オムニバスになっています。果たして「ヤンデレ」「近親愛」「ヒロイン攻め」がどんな形で出てくるのか、三者三様の話を見てみましょう。


(補足)
2023.06.28:リンク先を「ノベルゲームコレクション」に変更。

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【 シノビハリセンボ 】

シノビハリセンボ
レビュワー [ シュン ]
ジャンル [ 姫と忍の和風ほろ苦ぐだぐだAVG ]
作者 [ 華里 さま ]
容量・圧縮形式 [ 13.3MB・ZIP ]
制作ツール [ 吉里吉里2/KAG3 ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

確かに嘘を吐かなければならない時もあるだろうけど。

 大分遅れてしまいましたが2018年のエイプリルフールゲーです。そしてここの作者初の吉里吉里製作品です。
確かにそんな理由では嘘も吐きたくなるかもしれません・・・が、もしそれが相手のためになっていないとしたら・・・どうなるのでしょうか?

 時は戦国。四月朔日(わたぬき) ほむら(名前変更可)は何故か3度も他国に嫁いでは出戻りに遭うという災難に見舞われています。
そんな主人公を幼いときから支えているのは狐蛇(こだ)という忍でした。
ある日突然主人公の元に現れた妖、ハリセンボ。嘘を吐き続ける者に姿を見せるとのことです。
どうやら全ての嘘とその真意を話さなければ消えないようです。主人公は嘘を白状することになりましたが・・・。

 嘘がテーマの作品で、それがエンドの内容にも影響されます。まあエイプリルフールゲーなので・・・。
エンドは2つ。特定の選択肢を選ぶと自動的に分岐し、そうでなければ最後の選択肢で分岐します。
最終的には「画」からEDスチルやキャラクター紹介などを見られるのでぜひ見に行ってください。

 さて、主人公は今までどんな嘘を吐いてきたのでしょうか。
2つのエンドのうち、「真」が真実も判明してハッピーエンドで終わるのですが、「偽」でも悪いエンドではありません。
戦国という時代の中でこの2人の関係はいつ崩れていってもおかしくない状況です。
まあ主人公も素直になれないだけですし、狐蛇も色々と強いので問題は無いと思います。どんなことでも乗り越えられるでしょう。


 管理人コメント

エイプリルフールらしい短編で、選択肢2, 3個でコンプリート出来る作品です。
ただし、その中には、「999, Victory」などの作者らしい強烈な女主人公像や、戦国という世の中で翻弄されてきたほむらと狐蛇の「本来の」強さが描かれた、ギャグとシリアスがコロコロと襲い来る作品になっています。
「真」によって暴かれる真実とは…「偽」によって現れたものとは…数十分もあれば、どちらも見ることができるでしょう。


(補足)
2023.06.28:リンク先を「ノベルゲームコレクション」に変更。

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【 Astraea 】

Astraea
レビュワー [ りなしゃん ]
ジャンル [ 雰囲気ホラーアドベンチャー ]
作者 [ じゃむさんっぽいど さま ]
容量・圧縮形式 [ 100MB・ZIP ]
製作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ 12歳以上推奨・バイオレンス ]
配布元 ダウンロード先

ハマリ度:9 グラフィック:8 サウンド:7

少年と共に塔の最上階を目指し、広い大空へ…

禍々しい姿をしたその怪物は半身に火傷を負い、片翼も焼け落ち空を飛ぶことができなくなった。
しかし、空を飛ぶことを諦めきれなかった彼は風に身を任せて飛ぶことを決意し、できるだけ高い場所へ目指す。
するとそこに辿りついたのは雲まで届くほど高い塔。
彼はその塔に誘われるように入ったが、一瞬のうちに閉じ込められてしまった。
そしてその一室で無口美しい中性的な少年と出会う。
彼はその少年を連れて、塔の最上階へと目指すのであった。

【システム】
塔の中にあるすべての謎を解くことが基本的な流れとなっています。
不正解または誤った選択肢を選ぶと即死してしまうため要注意。
また、マップ移動時は決定キーもしくは触れるだけで移動することがあります。
マルチエンディング式となっており、エンドの数は全て4種類存在します。
突然敵が襲い掛かり、追いかけてくると同時にマップも見にくくなるため焦らず慎重に回避しましょう。

【見どころ】
悍ましい姿をしているにもかかわらず少年を気遣う優しさを持つ怪物と、
無口だが怪物になつく少年の愛らしさが伝わり、
怪物が少しツンデレな態度をとったりすることから二人の個性が豊かに感じます。
その他登場するキャラや周りの雰囲気やグラフィックからオリジナル性が感じられ、
重要となる探索もまた楽しみの一つだと思います。
そしてエンディングも最大の見どころだと思います。
そして鍵を握るのは、一緒にいる少年となるでしょう。

Astraea Astraea
Astraea Astraea

 管理人コメント

本作は、謎解きもストーリーも「優しくない」作りになっています。謎解きは、最新バージョンになって「ヒントを教えてくれるキャラが出てくるモード」が追加されましたが、ストーリーの優しくなさは、OPの時点で警告が出るほどのものになっています。
配布開始されたころならいざ知らず、次回作の「メビウスの選択」も発表された現在は、本作の攻略はホームページに行けばかなり親切に教えてくれます。ただし、分かるのは謎解きの攻略法のみ。ストーリーについては、自らの手で開いていくほかありません。ご覚悟のほどを。

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【 ママにあいたい 】

ママにあいたい
レビュワー [ りなしゃん ]
ジャンル [ 探索アドベンチャー ]
作者 [ 野乃ノ之 さま ]
容量・圧縮形式 [ 68MB・ZIP ]
製作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ 12歳以上推奨・バイオレンス ]
配布元 ダウンロード先

ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:7

何としてでも僕はママに会わなきゃいけない…。

両腕がない状態で目覚めた主人公は見覚えのない部屋にいた。
記憶に残っているのは「ママに会いたい」という思いだけ。
モノクロと赤という不気味な配色の中、主人公は「足りないもの」を探しにいきます。
そして、途中で出会う兄弟たちの力を借りながらママの元へ向かう探索ADV作品です。

【システム】
主人公は記憶がないため、メニュー画面は全て「???」になっております。
探索し、これらを埋めることで主人公がその後どうなるのかを見ることができます。
丸い球体状のものがセーブポイントとなるため、見つけたらこまめにセーブするといいでしょう。
両腕以外に脳がないため、所々壁にある唇の声を理解することができないため、最初は脳探しから始まります。
脳を手に入れることで声の内容を聞くことができるため、ママの心境を伺うことができます。
カンシという大きな奇形に遭遇し(最初のカンシは苦戦します)、追いかけてくるため、捕まれば即死です。
移動速度も遅く、ダッシュ機能がない点でも苦戦すると思います。
ストーリーを進めていくには探索が重要になります。

【見どころ】
モノクロと赤の手書きマップが独特な不気味さが表現できていると思います。
スチル一つ一つにも瞬きなど表現やキャラの可愛らしいドット絵の動きといった演出にもこだわりを感じます。
途中で出会う兄弟たちとかくれんぼなどのホッコリする場面や、
彼らとの会話から素敵な兄弟想いも見ることができるのもこの作品の特徴の一つです。
ストーリーを進めていくうちに目玉さんやカンシの存在も徐々に分かるようになると思います。
主人公は無事にママの元へ行けたのか…。
そして「ママに会いたい」という本当の目的も明らかになるでしょう。

ママにあいたい ママにあいたい
ママにあいたい ママにあいたい

 管理人コメント

見ればすぐ分かるマップとモブが表す「なにか」、それを踏まえてみる「カンシ」の本当の意味とは…。本作は、「生命」を真摯なまなざしと強烈な皮肉をもって描いた作品です。
序盤の主人公がもつ欠損、マップの「なにか」故の不思議な構造、それが謎解きのカギとなったり邪魔になったりする構成も、かなり作りこまれたものです。
察しのいい人は序盤ですぐに分かる主人公や兄弟たちの「秘密」ですが、それが分かったうえでなお、終盤で枝分かれする結末は予想を超えて皮肉で悲しいものです。この血みどろの作品に手を出す人は、その点覚悟して来ているとみなされているのです。

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【 SALVATION 月影に灯る光 】

SALVATION
レビュワー [ ぬい ]
ジャンル [ シネマティックアドベンチャー ]
作者 [ LIKEMAD_GAMES/ツシマユキヒロ さま ]
容量・圧縮形式 [ 79.4MB・自己解凍EXE ]
製作ツール [ RPGツクールVX ACE ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ 対象年齢12歳以上 ]
配布元 ダウンロード先

月明かりの下に散りばめられた謎

みなさん、突然ですが映画は好きですか?
今回は見て楽しむ映画と動かして楽しむゲーム、二つのエンターテインメント性が合体した作品を紹介します!

【作り込まれた世界観】

SALVATION

物語の舞台となるのは、ある凄惨な事件によって周囲の都市から孤立した街“ムーンライトシティー”。
楽園とも牢獄とも言われているこの街には、特殊能力を持ったムーンチャイルドと呼ばれる子供達。
それから、彼らが能力を使って悪事を働かないように監視する組織・S.C.I.S(スクイス)が存在します。
どれもオリジナリティ溢れる設定ですが、簡潔で分かりやすい説明がキャラクター達の会話に盛り込まれている為、 すぐに親しむ事が出来ました。
はじめのうちは主人公の職場であるS.C.I.Sのオフィス、彼がいつも食事をとるカフェ&ダイナーといった身近な場所だけが行き先に表示されますが、
ストーリーを進めることで他にもさまざまな所へ行けるようになります。
ぜひ、オシャレでかっこいいグラフィック・効果音に至るまでこだわりを感じる音楽で創り上げられた街を歩き回ってみてください。

【大ボリュームの三日間】

SALVATION

収録エピソード全10話、プレイ時間約3時間。長編映画級のボリュームに満足できること間違いなしです!

友人がいる建物に隕石が落ち、安否を確認する為に相手の元へ向かう主人公。けれども、着いた先で不思議な光に包まれて……?!
――という展開から広がっていく謎が謎を呼ぶストーリーに冒頭から引き込まれます。

冷静な判断力と落ち着いた言動が大人の魅力を醸し出す主人公。研究に目がなくて度々ぶっ飛んだ発言をする博士。
特殊能力を手放して街の外で暮らす事を夢見る少女。
更に、ムーンライトシティー史上最凶の犯罪者など、登場するキャラクター達も個性的!

性格も、立場も、能力も違う彼らが互いに関係し合う事で次第に明らかになっていく過去。その意外性も本作の見どころの一つになります。

【夢と現実を行き来する捜査】

SALVATION

真相に辿り着くために行う捜査。なんと、このゲームは現実だけでなく夢の中まで調査する事が出来ます。
方法は大きく分けて2つ。一つは武器と道具を駆使して化け物を倒すバトル、もう一つはマップ上を探索して得た情報を元に考えをめぐらせる謎解きです。
どちらも色々なギミックが用意されていて、難易度もやさしい~答えを閃くまでに少し時間が必要なレベルへと変化していきます。
ちなみに、ここまでで「アクション? 謎解き? うまく出来るか不安……」と感じた方も、どうかご安心ください。
バトルは選択肢で戦えるタイプの物なので複雑な操作はなく、また、謎解きも攻略法が同梱されているので詰んでしまう事はないと思います。

真相を解き明かし、エピローグを見終えた後も、タイトルに戻る事を躊躇してしまったぐらい世界観・ストーリー・キャラクター・グラフィック・音楽、全てが心に残る素敵な作品でした。
本当に面白かったので、ここまで読んでくださった方にもぜひ遊んで頂きたいです!


 管理人コメント

本作のストーリーの進め方は、「関門の謎解きを解く」「障害を戦闘で排除」よりも「足でフラグを集める」が主要になっています。次のフラグが手に入る場所はセリフで都度言及されますし、それを忘れてしまってもメニューの「捜査」から「ストーリー解決に何が足りないか」を教えてくれる仕組みになっています。
それもこれも、「ストーリーに集中すること」を目的としているためです。次のフラグがある場所に足を運ぶたび、事件の真相、登場人物の真相、果てには舞台そのものの真相までが次々と明かされていく仕掛けになっているのです。
能力者が集う舞台にしては、派手さよりもシックな印象が際立つグラフィックになっていますが、これももちろん意図したものです。このハードボイルドな世界に浸りましょう。

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【 夏祭りとおばけやしき 】

夏祭りとおばけやしき
レビュワー [ りなしゃん ]
ジャンル [ 探索ホラー脱出ゲーム ]
作者 [ moge-moge-kun さま ]
容量・圧縮形式 [ 187MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールVX Ace ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

ハマリ度:7 グラフィック:8 サウンド:9

お祭りの先に待っていたのは、謎に包まれたお化け屋敷…

家族とともに遊びに来た夏祭りは屋台や多くに人で賑わい、おいしいものを食べ、金魚すくいをし、そしてお参りをし…。
そんな楽しい日々w過ごしている間、導かれるように奥へ進むと、そこにはお化け屋敷があった。
奇妙な妖怪と不気味な蜘蛛たちが巣喰うその屋敷で、閉じ込められ彷徨う灯花と霧と出会う。
トラップや襲い掛かるお化けたちから逃げた途中で見つける新聞記事の内容。
そして灯花と霧が一体何者なのか…。
進んでいくうちに隠された謎が徐々に明らかになってくるホラーアドベンチャーです。

【システム】
お化け屋敷という事で基本的には一本道で進んでいくようになっていますが、思わぬところに仕掛けがあり、即死なものもあるため注意が必要です。
謎解きも様々で簡単なものが多いが、間違えば即死につながることも多いため、謎解きも慎重に解かなければなりません。
追いかけ要素や隠れるイベントも存在しますが、思わぬトラブル(?)が生じたときは正直驚きです。
進行していく度に表示される一枚絵はギャラリーとして収集できるというのも楽しみの一つとなっています。
エンドは合計4つとなっており、最終的にどういう結果で終わるかはあなた次第です。

【見どころ】
明るい夏祭りから暗いお化け屋敷にいくという温度の変化から、ほどよい不気味さが表現できており、絵本の読み聞かせなどで残虐な表現もされていますが、
出会ったキャラクターとの掛け合いからどことなく愛らしさが伝わるような感じがする作品となっております。
所々に手の影が伸び縮みしたり、目が動いていたり、窓の向こうの提灯や天井の蜘蛛が歩いていたりなど、マップの表現にもこだわりがあるようにも感じられました。
また、夏祭りで購入したアイテムがどういう結果で彼らを導くのか…。そこも大きな見どころの一つとなっています。

夏祭りとおばけやしき 夏祭りとおばけやしき
夏祭りとおばけやしき 夏祭りとおばけやしき

 管理人コメント

本作で特徴すべきは、序章の朗らかな夏祭りのシーンと、本番のお化け屋敷の落差にあります。
道中のホラー演出も…時には主人公の命に関わるものも…さることながら、このお化け屋敷を生み出したものの正体が更にホラーを強めてくれます。
END分岐はほぼ終盤の選択肢のみですが、道中の隠し要素をコンプリートするとなると、序章の夏祭りのシーンからかなりのやり込みを要求されます。

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【 七ツ怪 】

七ツ怪
レビュワー [ シュン ]
ジャンル [ 学校探索ホラーADV ]
作者 [ 戸塚 さま ]
容量・圧縮形式 [ 32.3MB・ZIP ]
制作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ 12歳以上推奨 ]
配布元 ダウンロード先

三度怪異に巻き込まれる少女・・・ってこれシリーズ物だったんですか?

 ここのサイトの作品をレビューしないわけにもいかないのでこちらもレビューします。作者さんがちゃんと見ていてくれるのかは分かりません。
この主人公の作品はシリーズになっていたのですね。同じ主人公ということ以外に共通点はほとんどないですが
「どこからでも楽しめるように」ということらしいので好きな順番で見ていけばいいと思いますね。

 相沢ひよりが通う天蓋高校。ある日、ひよりは用具室で少女が倒れているのを見つけます。
そこにあったのは黄色と赤の2つの箱。少女に頼まれ一方の箱に触れた途端少女がひよりを突き飛ばし、箱は破損してしまいます。
(どちらの箱を選ぶかはプレイヤーが決めます)
破損した箱から出てきたのは学校の護り神である「狛黄(こまき)」or「稲紅(いなこ)」でした。
それと同時に学校は怪異に巻き込まれることとなります。しかも欠片を取り返さなければならず、その欠片がひよりの中にもあることが分かります。
こうしてひよりは護り神と一緒に怪異を解決するための探索をすることになるのでした。

七ツ怪 七ツ怪

 怪異だらけになってしまった学校を探索していきます。そこには謎解きが色々な所に用意されています。
対処を誤るとゲームオーバーになる箇所があり、何も知らないと簡単に終わってしまいます。
ヒントはあちこちに存在します。一見関係無さそうな資料でもヒントになっていることがあります。
紹介ページにもヒントがあるのでそちらも参考にしてみましょう。
エンドは5つあり、ほとんどは選択ミスで起こるもの。一番良いエンドを見るにはあるアイテムを残すこととある場所に辿りつくことが必要になります。

 ひよりの衣装を着せ替え出来る要素もあり、衣装はエンドを見るたびに追加されていきます。
どちらの護り神を選んだかで会話や謎解きの一部も変化します。ストーリーに変化はありませんが両方見るのが良いでしょう。
それにしてもこれほど怪異に巻き込まれる辺りひよりに何かありそうだというのは自分も思いました。
もしかしたら何か特別な力があるのかもしれませんね・・・。そういった点は果たして明かされるのでしょうか。


 管理人コメント

コメントすべき点は、すべて私自身のレビューで語りつくしてしまったので、こちらでは軽く触れるだけに留めておきます。
現在は、「禍代の神子」シリーズの続編「禍代の神子-勿忘草-」を製作中で、こちらの「天蓋奇譚」シリーズもまだまだ続きそうです。


(補足)
2018.11.11:リンクを変更

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【 霧雨が降る森 】

霧雨が降る森
レビュワー [ シュン ]
ジャンル [ 探索型ホラーゲーム ]
作者 [ 真田まこと さま ]
容量・圧縮形式 [ 88.1MB・ZIP ]
制作ツール [ RPGツクールVX Ace ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ 12歳以上推奨 ]
配布元 ダウンロード先

その約束は叶えて良いものなのか。叶えてはいけないのか。

 随分と前の作品ですがこちらもレビューさせてもらいたいと思います。
ホラー要素は少なめで、話を追うことが重視されています。主人公たちはどんな思いを持って行動するのでしょうか。
ちなみに、全てのエンドに「約束」という言葉が付けられています。その通りに約束が重要になってくる話です。

事故で両親を亡くし天涯孤独になってしまった主人公。
ある日、彼女は両親の部屋から『阿座河村』と書かれた一枚の写真を見つける。
写真には父と母、幼いころの自分……そしてまったく覚えのない祖父が写っていた。
(――もしかして、両親の故郷なのだろうか?)
主人公は寂しさと期待を胸に、両親の面影を探すため『阿座河村』へと向う。

だがそこは、主人公が決して行ってはいけない――“約束の場所”だった。
(作品紹介ページより抜粋)

 主人公の神崎シオリを操作し、自分や故郷に関する謎を解き明かします。
それほど難しくは無いですが、目印になるものが少なめで、次に何をすれば良いかわからなくなる可能性があります。
中盤に追いかけられ要素がありますが、その状態でとあるアイテムを探さなければならない箇所があるため、ここが一番難しいでしょう。
捕まっても何回かは防いでくれるので一発でアウトにはならないのは幸いです。
エンドは5つあります。しかしバッドエンドばかりで完全に救われるエンドは1つしかありません。
生きて帰ってきても救いが無いと言う展開が多く、それ故に全員救われる結末もあるのは嬉しい限りです。
後日談とかもあれば更に面白くなれたでしょうね・・・。折角救われたのならばその先も見てみたい気がします。

 キャラについては前回のレビューで触れられた通りなのですが、自分から言えることはやはり須賀にあると思いますね。
何故か会話をすることが出来ず(というより喋ることが出来ない、声は聞こえている)、筆談でコミュニケーションをとっています。
シオリとはまったくの無関係に思えた人もいるでしょう。しかし実際には・・・ここは自分で確認してみると良いと思います。
一番良いエンドにおける須賀の表情にも注目してください。
それにしてもそんな約束をしていたとは思いもしなかったですね・・・。相当重い運命なのに乗り越えられたことが素晴らしいくらいです。


 管理人コメント

本作のリリースから5年近くが経ち、1stレビューからも4年以上が経ちました。そんな現在、同作者の次回作「殺戮の天使」のアニメ化を機に、本作もスマフォでプレイできるようになりました。
「ニコニコゲームマガジン」からアプリをダウンロードすれば、すぐさまプレイできます。
改めてプレイしてみても、雰囲気とストーリーには圧倒されます。ただ、その雰囲気のために画面が暗くて見づらいシーンが多いのも相変わらずでした。
ダウンロード版でもMV移植版をプレイしたいところなのですが、「殺戮の天使」のアニメ化とSwitch移植でご多忙の現在ではやはり難しいのでしょう。

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