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■ 帽子世界

タイトル
作者 [ えぬ さま ]
ジャンル [ 帽子収集RPG ]
容量・圧縮形式 [ 332MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールVX ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

(補足)
2013.03.10:現在の最新版は、ver112です。

プレイヤーセレクト ジャニス メル ドーラ ナタリー シキ ラヴィ

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 9 /10 10/10 9 /10 140/150 A
9 /10 10/10 8 /10
牛人 10/10 10/10 9 /10
アンサンブル 9 /10 10/10 9 /10
赤松弥太郎 9 /10 10/10 9 /10

 《 ES 》  ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:9

どこから始め、どこへ行き着くか。それが問題だ。

今回取り上げる「帽子世界」は、(いつものことながら)当サイトが注目する前から大きく話題を呼んでいる作品です。
作者である えぬ 氏は、「王女様と薔薇の騎士」「吸血少女」など、RPGツクールVXの機能を使い尽くしたシステムと、独特のお手製グラフィックを持つ実力派の作家です。
前作の2つは、数時間程度でコンプリートできる短編でしたが、今回のストーリーはそれよりも長め。しかも、6名のキャラクターに応じて(最初の)難度や攻略手順も変わるため、極めようと思えばいくらでもプレイできます。

基本的には、戦闘を繰り返して能力を上げることが攻略の手順になります。「帽子世界」での成長は、ステータスをあげるのも、スキルを覚えるのも、全て戦闘中の1行動でランダムに発生します。基本的に、戦闘経験を積むほどダイレクトに強さが変わってきます。
フリーシナリオRPGでは、「戦闘するたびに敵が強くなる」のが定番ですが、「帽子世界」では敵の強さも自分で設定できます。後回しにしたダンジョンほど、ランクの最小限も大きくなりますが、以前のダンジョンをランクを下げてプレイして、主人公たちを鍛えると言う道もあります。

手ごろな手ごたえがあり、また、プレイヤーの好みに応じた豊富な攻略法ができる作品なのですが、一つ不満に思うことがあります。
「チュートリアルでゲームシステムを学べるのが、最初のステージをクリアした後」という点です。
たとえステージ1であっても、装備…特に魔法などを覚える「ジェム」の装備を整えないと、回復手段も乏しいわ、火力も低いわで歯が立ちません。
全滅しても、ホームに強制帰還する以外のペナルティは無いのですが、初めの内に「ジェムの装備」に気づいておかないと、割と詰みます。
ステージ1と言えどもボスの攻撃力は強く、スキルやコンボを知らなければ、無駄に大きな犠牲を払うことになります。
この点、やはりステージ1からホームに帰還する機能、チュートリアルを閲覧できる機能が欲しかった所です。

しかし、システムへの理解が深まれば、「帽子世界」を大きく楽しめることは保障します。
6名のキャラクターの誰を選んでも、ストーリーはほぼ同じ。パートナーでさえ、最初のステージをクリアすれば自由に編集できます。
(最初はユノー・メリッサ・ショコラ・ヨウコ+初期パートナーの中から2名、メシュレイアやツバメもさほど時間をかけずに仲間にできます)
しかし、重要なのは、6人の主人公が持つ帽子能力。最初にどれを選択したかにより、(序盤の)難易度が大きく変わってきます。

一番楽なのは、シキが持つ「戦闘時の攻撃順番が見れる」という能力。コンボを組むにも、敵の攻撃を防ぐのにも、アリとナシとでは大違いの能力です。
次いでは、ナタリーが持つ「敵の詳細が見れる」と言う能力。能力値・弱点・抵抗だけではなく、大体の攻撃傾向まで分かるという優れものです。
それ以外にも、ドーラの帽子が無いと、せっかく手に入れたオーパーツも装備品に装着できず、アイテム欄の肥やしになるだけです。
「マナ8払えばいいじゃん」と敬遠されがちな、ラヴィの持つ「戦闘後にライフが全快」も、そのマナの消耗を抑えたい場合は意外と役立ちます。
ジャニスの「先制攻撃能力」は、「ジャンプ中に↓」と少々複雑な操作が必要ですが、「ザコの手数を減らせる」と言う点が効果を表す場面も出てきます。意外と攻撃範囲は広いため、複数の敵を一掃できる場面もあります。
メルの「OS時のコンボの組みやすさ+コンボフィニッシュ」は、強敵相手では役立つ能力ですが、手数の多いザコ戦では生かせる機会が少ない能力です。プレイヤー側の行動に割り込まれる場合が多いので。

「帽子世界」の中心は、こう言う戦闘面でのタクティクスや装備のカスタマイズであり、ストーリーに関しては「会話イベントの中で若干匂わせる程度」に収まっています。
管理人同士のしがらみ、パートナーとの関係、ヨウコの秘密、そして各キャラの過去など、語るべきエピソードは数多くありますが、ゲーム内ではあまり語ってくれません。
そこらへんは「ゲームのテンポを損ねないように」あえて抑えたものと思われます。
やはり、こういう深いストーリーは、作者自らベラベラと語るよりも、読者が行間を読み取るほうが盛り上がりますね。薄い本文化と言ってしまうと身も蓋も無いですが。

 《 祈 》  ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:8

自由度が高いのが特徴だな

6人の主人公から一人選んで、他のキャラから帽子を収集して話進めるRPG
どの主人公選んでも、話の展開に仲間キャラは変わらない(人物関係のちょっとした細かい違いはある)
帽子世界の最大の特徴は、攻略手順が自由ってとこだな。
何処から攻略を開始しても、話の展開は同じだ。
レベルの概念がないようで、戦闘中に勝手に戦闘力が上がったり、技を勝手に覚えたりするのが戦闘面の特徴だな。

ゲーム起動直後

 《 牛人 》  ハマリ度:10 グラフィック:10 サウンド:9

このロリコンどもめ!(性格:おっぱい星人:胸の大きいキャラを狙う)

 サイドビューでシームレスバトルのフリーシナリオなRPGです。
 アイテム作成、ステータス上限上昇等やり込み要素も十分です。
 また、某RPGのシステムが取り入れられおり、ゲームとして非常に高い完成度を誇ります。

 ゲームシステムと絡む、ワンダーな世界観。
 どんでん返しのあるストーリー。
 感情移入しやすい(ちょっと脳筋な)ヒロイン、その他の個性的なキャラクター。

 しかし、この作品の魅力は何と言っても、そこらじゅうから溢れ出る作者の遊び心というか悪ノリです!
 あえて例を出すまでもなく、そこら中にこだわられたネタがちりばめられています。
 神は細部に宿るといいますが、その細部まで再現されていればそれはただのパクリではないんですよね。
 この作品に練り込まれたものはそんな安っぽいものではないことは明白であり、元ネタに対するリスペクトがビシビシと感じられます。

ハマリ度:10/10
ゲーム性、物語性、そしてネタ、すべてに夢中になれました。
おっぱい値とか感動物!!
グラフィック:10/10
可愛らしいグラフィックが動く動く。
戦闘中のエフェクトも美麗です。
サウンド:9/10
ゲームの雰囲気、世界観に良く合った曲です。

欲情したあのコの完全にゾクゾクしちゃう夜の5コンボ!
そこの目玉、ちょっと代われ。想像力を刺激される良作と言えるでしょう。

 《 アンサンブル 》  ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:9

紹介
「サッカーやろうぜ。お前ボールな」
「もう俺以外見えないようにたっぷり躾てやるよ」
などの定番とも言える台詞が霞んでしまうほど鬼畜なゲーム

内容紹介
あなたの選んだ帽子管理人が他の管理人が持つ帽子を暴力をもって略奪します
略奪しても帽子の能力に納得できない場合返還し再度暴力によって略奪
返還略奪返還略奪返還略奪返還略奪返還略奪返還略奪返還略奪
もう、何回やったか忘れるほどwww
ここまでいくと相手にとって帽子を返してもらう=暴力を行使されるの式が成り立つ
あなたは帽子を略奪、返還する側です
さあ帽子を奪い取りに行きましょう

主人公とも言える管理人と帽子と特徴の紹介

シキ&イリバルデュシャス
着物を着た女性
帽子効果は戦闘における行動順がわかる
コンボが大事なため一番にとっておきたい(簪(かんざし)を帽子ってwww)
リンゴをご馳走させてくれる方www

ドーラ&カテジサスタリム
羞恥心はどこ行った?下着じゃないから恥ずかしくないのか?帽子の目玉が目立つ女性
装備品の改造や強化、武器にオプションがつけられるようになる
中盤ぐらいにほしい能力

ナタリー&ワドラボヤンティ
すそを踏みかねない服装の女性
相手の詳細な情報がわかる
中盤ぐらいにとっておきたい

ジャニス&クオストワット
露出度が高くビキニアーマーを思わせる女性
二刀流を解禁&マップでいろいろな動きができる
二刀流はアクセサリーを装備できないためなんともいえない
慣れればマップで色々な動きを必要としないため重要度が割りと低い
雑魚に確実に先制が取れる(ライダー)キックは人によっては取得

ラヴィ&アキュリメルフ
ナースっぽい女性
戦闘終了時に完全回復、正直一番いらない(いつでもノーペナで回復できるから)
敵の場合戦闘において回復させてはならない

メル&ドリスティーメア
だぼだぼな服を着た黒魔導師を思わせる女性
強制コンボにフィニッシュができるようになる効果
シキの帽子とあわせて活用したい、重要な帽子の一つ
衛星軌道まで行くガラス張りエレベータの所持者

手抜き攻略
縛りをしない場合価値観を限界可能値まで下げれば序盤は難しくないと思います
帽子が大事なためなんともいえませんができる限り相手を開放させないようにしましょう

感想
はまり度9
中々バランスもよく面白くストーリーもいいが
ある程度攻略パターンを作るとそればかりになってしまうために9

グラ度10
女性しか出てきませんがドット絵が良く動く
絵の方もこの世界を良く現している
何より全員ENDが微妙に違うのに驚いた(注意 ストーリーは同じです)

音楽9
場に合った曲が多く特にボス戦が盛り上がる
ただ、一部の曲を聞き飽きてしまったため9

感想
少し後味が悪いですがストーリーが良い好みの作品です
所々にネタが仕込んでありギミックも完成度が高いです 最強コックネタは笑った
「キッチンで負けたこたぁ ねぇんだよ」原作ではキッチン以外でも負けたこたぁありませんでしたね
ところで二度目以降のEDはメタルギアのオマージュでしょうか ねえBIGBOSS
などなど楽しませていただきました

最後に鬼畜な何度言わせたかわからない処刑開始5秒前の会話で閉めさせていただきます
「どうして帽子を返してくれたんだい?」
「プライドの問題よ 弱い状態のあんたを倒しても何の自慢にもならないからね」

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:9

照準合わせた Treasures 僕の願いはブレない

主人公選択画面

 優柔不断なボクにとって、この画面はわりと緊張の一瞬だったりします。
 「攻略はシキが一番簡単」なんてことが聞きたいワケじゃないんですよボクは。帽子特権とか、ぶっちゃけどうでもいいんです。
 足りない……お近づきになるには情報が足りなすぎる……ッ!
 どんな子なのか、なぜ闘うのか、この画面からでは外見しか読み取れないじゃありませんか。人間大事なのは中身なんですよ!
 「全員10分くらい試しにプレイしてみる」という考えもあるでしょうが、却下です。ボクの純情はそんなに安くはないです。それに、最初の10分だとほとんど差がないからね……。

 今回はそんな、主人公選びで迷っているみなさんのために、キャラクターのさわりのところを紹介していこう、という主旨です。
 順不同、気の向くままに、パートナーも含めて書いていきます。残念ながら〆切までに2人しかクリアできなかったので、ピントがずれてたり、煽った割には肩すかしだったりすることも多々あると思いますが、どうかご容赦ください。
 まあ実は、未練がましく書きながらプレイしたりしてますが。もう少し時間が欲しかったです、はい。

シキ 時の世界管理人 シキ
帽子名 イリバルデュシャス
モットー 「過去へは戻れない」

 まずは、攻略情報的にオススメされてるこの方から。
 ホームである時の列車・ユグドラシルが何しろ楽しい。ガタンゴトンと揺れ、攻略が進むにつれて新しい行き先(背景)が追加されるのは、他の管理人にはない面白味です。
 ただ、帽子特権とか、時の列車とか、パートナーだとかのオプションが豪華すぎて本人の影が薄い節がありますね……ユグドラシルも正直設定負けで、ストーリー上活かされてないです。
 本人について特筆すべきは……うーん。よくあんな下駄履いてジャンプできるな、とか。
 ちょいとズボラなところがあり、生活能力が低いです。ツバメがいないと多分生きていけません。
 未来を見通す能力は相当なものらしく、その能力を使って、ツバメと共に世界を救う可能性を探していました。

ツバメ  シキのパートナーこと、みんなの嫁ツバメさんについて。
 帽子を持っていない一般人のハズなんですが、察知する力が強く、なんでかいろんな事を知ってます。ナタリーの千里眼とはまた違う能力みたいですけど、得体のしれない能力で、シキにとっては切り札です。
 これで不敵な性格をしていたら、みんなから危険人物としてマークされるでしょうが。油断も隙もありまくり、控えめでかわいい性格をしているおかげで、みんなと友だちです。
 この上家事も万能、毎朝味噌汁に焼き魚付きとくれば、これはもうチートでしょう。
 しっかりとした考えを持っていますが、どうも押しに弱く、押されると押し倒される傾向があるため、ヨウコに虎視眈々と貞操を狙われています。ツバメ本人も嫌がるでもなく、結構仲良くやってるみたいです。

ジャニス 戦の世界管理人 ジャニス
帽子名 クオストワット
モットー 「敗者は何も得られない」

 お次はみんなの旦那、ジャニスに行ってみましょう。
 なんでか自明わかりませんが、女の子ばかりの帽子世界。そこでブッチぎりの人気を誇る麗人です。なんたって強い、そしてカッコいい! 告白されることもしょっちゅうとか。
 特に決戦の世界の管理人・ケリーは熱心で、(少年漫画的な意味で)しょっちゅう迫っています。が、ジャニスは色恋沙汰に興味が無く、鬱陶しいとバッサリ。報われませんねえ。

 かといって、バトルジャンキーかと言えばそうでもない様子で。
 言動を見てると、ちょっと口べたなだけで、普通に面倒見のいい姉御なんですよね。そりゃモテるはずです。
 実は昔ジャニスはプロバイダー、帽子世界の警察に所属していました。
 それをどうして辞めてしまったのか、「敗者は何も得られない」というモットーを掲げるまでには、色々とあったに違いないのです。

メリッサ  パートナー・メリッサも、そんな彼女の過去を知る人間です。
 彼女は昔、色恋の世界の管理人をやっていました。帽子世界のありとあらゆるゴシップを集め、それをネタにゆすっては、相手を意のままに……かつては最強の管理人などと呼ばれていたそうな。
 ジャニスが当時どんなひどい目に遭っていたか、想像に難くないところです。今でも帽子世界をガチユリ世界にしようと企んでいるご様子、ゴシップの匂いを嗅ぎつけてはみんなを焚き付けています。

 しかしきっと、彼女の胸の中には今でも、かつての恋人・エリスが居るのでしょうね。
 帽子世界全体を巻き込んだ、帽子戦争勃発のきっかけを作った張本人。今は史上最悪と呼ばれている管理人。
 でも、周りの人がどう言おうが、自分の帽子を奪われようが、それでもメリッサはエリスのことが大好きだったんです。
 未だに彼女は、どうしてエリスが死んでしまったのかがわからない。
 そんな傷心のメリッサを支えてやれるのは、ジャニスや他の主人公たちだけだと思うんですけどねえ。

ドーラ 玩具の世界管理人 ドーラ
帽子名 カテジサスタリム
モットー 「世界はすべて作り物」

 みんな喜べ! 純正ボクっ娘だぞ!
 人造人間を作ることが目標と聞くと、ほんのりマッドな感じがしますが、気のせいです。ボクっ娘は正義だからね。
 妹とものすごく折り合いが悪くて、まともに口もきいてくれませんが、悪いのは妹の方です。ボクっ娘は正義だからね。
 基本素直でいい子なんですが、ちょっと視野が狭いというか、のめりがちな部分がありますがいいんです。ボクっ娘は正義だからね。
 魔トリョーシカといい、メシュレイアといい、作品のオパイを盛る傾向が見えますが、邪推は禁止です。ボクっ娘は正義だからね。

メシュレイア  そんなドーラの弛まぬ研究の結果、生まれたのがメシュレイアです。
 女の子だらけの帽子世界で、本当に久々の新顔です。なにせ帽子世界の全住民1000人弱、みんなが顔見知りになるくらいの期間、新顔がいなかったんです。
 実に素直で、いつもドーラのためを思って行動してますが、ちゃんと自我を持っていて、ロボットとは違います。
 まだまだできたてホヤホヤなので、帽子世界の常識がまだよくわかっておらず、各ルートで主人公に教えてもらっています。プレイヤーのナビゲーター役とも言えますね。

 じゃあ、他の住人はいったいどこから来たのか、と言うと……よく覚えてないらしいんですよね。
 いつの間にかベッドに寝ていて、本人もそれ以前の記憶が全くない、とのこと。
 帽子世界の創造主・ビッグママが作ったのだろうと言われてますから、ある意味みんな人造人間と言えるかもしれません。

メル 夢の世界管理人 メル
帽子名 ドリスティーメア
モットー 「感覚こそが世界の全て」

 そして、帽子世界最古参、最長老がこのメル様です。いわゆるロリバb……なんか言い方無いんですか他に。
 帽子世界は最初、夢の世界しかなく、メシュレイアとメル以外の住民はみんな、最初は夢の世界で眠っていました。
 メルはその昔から夢の世界の管理人をやっていたわけです。生まれながらにして帽子を持っていた、唯一の管理人です。
 寄る年波のせいか、少し物覚えが悪いようです。まあ、細かいことは気にしない、もともとの性格のせいかもしれません。

 残念ながらのじゃロリではありません。かなり口が悪く、敵に回すととっても口汚く罵ってくれます。
 一人称が「メル様」、とっても尊大な態度をとってますが、他のみんなの反応はいろいろ。様付けで敬意を表する人もいれば、完全にタメ口で対等に振る舞う人もいるあたり、帽子世界は健全ですね。
 そんなメルの口調がひときわ険しく汚くなるのが、ビッグママの話をするとき。
 ビッグママはとても優しく素晴らしい方で、慕わない人なんて誰もいない、あとメガネ、というのが他のみんなの一致した意見なんですが。
 どういうワケか、メルだけは彼女のことをものすごく悪し様に言います。そして絡みます。世界七大迷惑に数えられる程延々くどくどと。
 なにやら因縁浅からぬ関係みたいですよ。

ショコラ  メルのパートナーを任されているのが、ショコラ。前述のドーラの妹です。
 ドーラの方では全く心当たりがないらしいんですが、すっかり毛嫌いしてます。メル以外のルートでも、なんか意固地みたいになって、ドーラの邪魔をするのが目的みたいな感じで仲間になります。ドーラ主人公でも仲間にはできますが、ほんっっっとに話してくれません。
 それ以外のところでは素直なんですけどね。肉親の情というのは、すんなりとはいかないものです。

 帽子を持って、自分の世界を作るのが夢、とのこと。
 実際なかなか厳しいみたいなんですけどね。これだけは誰にも負けない、という得意分野と、曲がらないモットーが必要なので。
 管理人はみんな、努力なんかしてないって言うんですが、好きこそものの上手なれ、没頭してて気づいたら管理人になってたような人達の言うことです。額面通りには受け取れません。
 ハッキリしてるのは、「なんの世界を作ろうか」とか言ってる段階では、まだまだ早い、ということです。
 優柔不断で移り気な彼女、はたして帽子を得られるのはいつの日のことでしょうか。

ラヴィ 命の世界管理人 ラヴィ
帽子名 アキュリメルフ
モットー 「生と死はみな対等」

 帽子世界一番の頑固者。それは多分、ラヴィのことです。
 医療関係者っぽい出で立ちですが、普通の医者とはちょっと違います。ラヴィが研究しているのは、帽子世界固有の難病・過帽子症候群です。
 帽子を被ったら最後、死に至るまで治ることはない、という恐ろしい病。ショコラは「みんな被ってるし、大丈夫」なんて言ってますが、甘いです。
 帽子を脱いだ程度では治らず、帽子を消滅させなければ治りません。しかしこの帽子、どんな攻撃を加えてもびくともしない。
 研究の末編み出された唯一の治療法、それが帽子取り
 かつて戦争を巻き起こし、そして今ふたたび騒動を起こそうとしている禁術です。

 その危険性を重々承知した上で、彼女もまた、帽子取りの戦いに挑みます。
 ですがラヴィさん、みんなから戦い向きじゃない性格と言われてまして。無理なキャラ作りをしてヤバい感じになっちゃってます。
 ただ、弱いかというと、全然そんなことはなく。
 むしろプレイヤー評価で、敵に回したくない管理人としてトップクラスだったりするのも、頑固者ゆえなのでしょう。

ユノー  ラヴィのパートナーはユノー……と書いてあるんですが、これですよね。
 本来、ラヴィのパートナーはナタリーなんです。
 ただ、ナタリーも帽子取りの対象になってるので、仲間にするわけにいかないんですね。なので、他のキャラだと3番目に仲間になるユノーが、繰り上がりで1番目になっている、というだけの話。
 つまりメガネの有無は、主人公選びの決定的差ではないということです。なぜえぬさんは次々とメガネスキーに試練を与え給うのか!!

 ユノーについてですが、彼女はプロバイダー、ビッグママ側の人間でして、帽子取りには反対すべき立場です。
 それがどのルートでも、主人公側に入り込んで、帽子取りを推進してるわけで、どう見ても黒幕です。
 何を考えてるのか、人となりをあまり出さない人ですが、地が出るイベントがひとつだけあります。海水浴イベントが、それ。
 間違えずに、彼女の分の水着も用意してくださいね。3着だけじゃダメですからね!

ナタリー 法の世界管理人 ナタリー
帽子名 ワドラボヤンティ
モットー 「決まりと調和」

 ラヴィの真の意味でのパートナー、唯一無二の親友がナタリーです。
 ですがまあ、性格はまったく反対というか、何というか……物腰は慇懃ですが、言ってることはめちゃくちゃ刺々しいです。だいぶ屈折してます。
 モットーの「決まりと調和」ですが、彼女に言わせれば「わたくしこそ法律、わたくしこそ世界」という意味でして。
 6万5千冊の法律全書を覚えるところから始まり、覚えきる前に終わる、というすさまじい世界。あのメルが閉口するほどです。

 かつてはラヴィと共に過帽子症候群の研究を行い、帽子取りの技術を確立させた一人でもあります。
 しかしその後、帽子戦争を機に、ナタリーは研究から手を引くことになりました。
 ……エリスという犠牲者が出てしまいましたからね。
 ナタリーはこのことを結構引きずっている様子で、自分の罪だと思っている節があります。
 今回の帽子争奪戦、変な気を起こしてなきゃいいんですが……。

 ナタリーのパートナーはユノーと書いてあるんですが、以下略。

白坂洋子  そして最後、どのルートでも2番目に仲間になるのが本作の真の主役、ヨウコです。
 通りすがりの女子高生、遠足のバスでうとうと居眠りをしていて、気づいたら異世界に飛ばされてました。
 ……バスの中から異世界とか、どう考えても死亡フラグです。本当にありがとうございました。

 ちょっと、色々と、面倒くさい子です。
 まず、ガチユリです。主人公のふとした優しさに、なんか顔赤らめちゃったりしてます。
 おしとやかな女の子が好きらしく、ジャニスやドーラには「もうちょっと女の子らしくなさい」などと注文を付けます。まるでわかってない。
 大好物はツバメ。シキルート以外ではすっかり仲良くなっちゃって、主人公がツバメを連れ出すと妨害してくる有様です。

 死亡フラグ云々はともかく、いきなり異世界に飛ばされたことには、かなりショックを受けてる様子。
 だからと言って、主人公に個室を要求するのは、かなり厚かましい印象があります。
 その上、渡してもらった部屋で盗撮カメラを探し始めるとか、イタ過ぎます。命の恩人である主人公を、当初まるで信用してないんです。

 本人曰く文系、ですが、むしろ体育会系と言った方が頷けます。
 しかし、遠足に金属バット持ってきてるのはどうなのよ、と。
 「磯野ー野球しようぜー」ってノリなんでしょうが、金属はいかん。なぜプラスチックにしなかったのか。
 ……色々と不安になってくる子ですが、はたして彼女はこの冒険を通じて、何を得るのでしょうか。

 色々書いたんですが、本作のストーリーは主人公が誰でも同一です。
 差異が出るのは細かい台詞の差異や、攻略順による管理人ごとの対応の変化といったところ。しかし細かい部分は非常によく作り込んであって、同じ主人公でプレイしてもまた新しい発見があったりします。
 そこまで雄弁にストーリーを語る作品ではありません。雰囲気で力押しする部分もあります。
 そうした行間の部分を自分で埋めるタイプの人に、本作のストーリーをオススメします。

ハマリ度 : 9 / 10
 ロマサガ・サガフロへのリスペクトに溢れた本作の場合、戦闘が大味になってしまうのは致し方ないところか。終盤になるほど、コンボの大ダメージで力押し、1~2ターンでOSゲージ回収→OSで全快を繰り返すゲームになっていく。それが非常に爽快ではあるのだが。
 また難度設定も大味。シキとメルの帽子を両方手に入れると、上記のコンボゲーへと変貌するのだが、それ以前はかなりきつい。初回プレイでは実質攻略順が固定されていると考えていい気がする。
 操作性も所々に穴がある。特にコマンドリピート機能の操作性は最悪。キャンセル以外のキーを使うべきだった。また椅子コマンドが結構扱いづらく、メニューと椅子を行ったり来たりするのが地味にストレス。
グラフィック : 10 / 10
 5年間描きためた質と量は圧巻と言うより他ない。一方で絵柄の変化はまったく気にならなかった。
 特に注目すべきは視認性の良さ。背景とキャラクターの描き分けが明瞭で迷わない。階段が多少見づらくとも、全体マップとガイドで十分にカバーされている。
 戦闘時も画面が見やすく、わかりやすい。オプションで戦闘配置を固定しておくことをオススメする。
サウンド : 9 / 10
 一部マップ曲がかもかてと被ってしまい、印象が引きずられたのは残念。雰囲気には統一感があって聞きやすい。
 音量設定ができるのは嬉しいポイント。曲毎の音量のバラツキはほとんど気にならなかったが、戦闘曲や一部のイベント曲は小さいと思う人もいるだろう。MIDIのファンファーレは小さすぎ。

 ボクが「帽子世界」をプレイして思ったのは、好きなことをためらってはいけない、ということです。
 ロマサガが好きで、女の子が好きで、近未来的SFが好きで、みんな好きだから全部一緒に入れちゃった、というのが本作です。
 まあ、やり過ぎの部類に入るでしょう。5年にも及ぶ制作期間、挫折しかけたことも度々あったはずです。
 しかし、諦めずにちゃんと完成させたから、本作はこれだけの評価を得ることになりました。

 妥協できずに、ハイクオリティを目指していくのも致し方ないし、当然です。
 しかし、一番大切なことは、なんとしても形にして、世に出すということです。
 あなたが好きだと思うことをためらわず、そのままみんなに見せるということです。
 その瞬間、あなたが好きだと思うことが、みんなが好きなことに変わっていく、素敵な奇跡は必ず起きるのですから。

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