■ 三代目レビュー RPG 4
FRANKEN ひたすらドラゴンを倒すだけ うってかわって 夢見ヶ森狂詩曲 鍵の廃道

【 FRANKEN 】

FRANKEN
ジャンル [ レトロ風短編RPG ]
作者 [ samanthuel louise gillson さま (splendidland) ]
容量・圧縮形式 [ 49MB・ZIP ]
言語 [ 英語 ]
備考 [ Mac版, Linux版あり ]
配布元 配布元

愛だけが地球を救う。バトルはオマケ。

大地が生命を生み出し、太陽が生命を育み、そして月が生命を導く、ここはそんなファンタジー世界。
様々なモンスターたちが平和に暮らすこの大地だったが、「HELL'S NIGHT」と呼ばれる無法者が降臨した瞬間、その平和は露と消えた。
理不尽に街や人々を蹂躙するHELL'S NIGHT一派の暴虐に、「あなた」が立ち向かう! しかし、健闘する間もなく、「あなた」もまたHELL'S NIGHTの足元に倒れ伏す。
実力不足を痛感した「あなた」は、HELL'S NIGHTにリベンジするため、そしてHELL'S NIGHTに蹂躙された人々の勇気を取り戻すため、世界を回る冒険に出るのであった。

FRANKEN FRANKEN

本作は、戦闘とレベルアップが存在するため【RPG】に分類しましたが、どちらかというとフラグ立てが重視されるADVの方が近い作品です。
戦闘は数に限りがあり、1戦闘ごとにレベルアップ。戦闘にランダム要素はなく、それまでのレベルや装備でほぼ勝敗が決まる。勝利のためにレベル上げだけでなく別ルートでアイテム・フラグを手に入れる必要がある…攻略手順が最重要となるゲームです。
それを彩るのがシュールなドットグラフィックとシュールなストーリー。釣りで遠出している最中に故郷が滅ぼされ、呆然と立ち尽くすNPC。その滅ぼされた村の住民は、知らない間に全員避難済み。仲間になった瞬間の中ボスで死ぬ唯一のパーティメンバー。そして、大ボスであるHELL'S NIGHTの正体と、彼を操るラスボスの存在…。シュールなストーリーとシュールな世界観は、最後まであなたを楽しませてくれます。

そんなシュールなストーリーでも、きちんとラストはシリアスに、そして更にシュールに盛り上げてくれるのは、流石の実力です。最終戦BGMのささきいさお(っぽい?)の歌声は、ぜひ皆様もご拝聴いただきたいと思います。
そして、本作タイトル「FRANKEN」の意味を知るためにも、皆様には本作を最後までプレイしていただきたいと思います。心配せずとも、攻略手順さえ分かればだれでもクリアできますし、シナリオ全体の時間も30分程度と短編です。
貴方も、「FRANKEN」の真相を知り、私と同じように満面の笑みで笑い飛ばせる30分を過ごしてみてください。

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【 ひたすらドラゴンを倒すだけ 】

ひたすらドラゴンを倒すだけ
ジャンル [ ドラゴン討伐RPG ]
作者 [ ud部渡邊 さま ]
容量・圧縮形式 [ 6MB・ZIP ]
製作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

男の攻撃! ダメージ1! ドラゴンの攻撃! 一撃KO!

…そんなオープニングからこの物語は始まる。
1ターンキルされた男は、リスポーン地点の教会で目を覚ます。(蘇生が面倒くさいから)男に生きてほしいと願うシスターの制止も振り切り、男は何度もドラゴンに挑み続け、そしてリスポーンする。
脇目も振らずに返り討ちを繰り返す男に、ついにシスター、キレる!!! 「せめて視野を広く持ってください!」と説き伏せる。
そして、やっと男は周りに目を向ける。そこには、激つよ装備が勢揃いの商店街、「勇者」と呼ばれる生意気な男、今まで自分を応援してくれていた老夫婦…様々な人々が暮らしていた。
男が挑戦とリスポーンを繰り返すたび、街の様子も変わっていく。果たして、男の夢が叶う時、街はどうなっているのだろうか。

本作は、宣伝文句およびスタート時の様子から見ると、いわゆる「初めて作ったRPG」を想像しがちです。しかし、本作の作者・ud部渡 氏は、「鍋谷まいこ」「うどんのたまご」など様々な名義でウディタ作品を作り上げている実力派です。当然、本作「ひたすらドラゴンを倒すだけ」にも、一見では分からない仕掛けが多数盛り込まれており、それが本作の楽しさとなっています。
本作「ひたすらドラゴンを倒すだけ」は、グラフィックこそウディタ標準素材のみ利用したシンプルなものですが、その特徴として「街の人々の成長ぶりを時系列に沿って味わえる」楽しさがあるのです。
ある人は愛に生き、ある人はささやかに街の発展を願い、ある人は純粋に主人公を応援し、ある人は悩みに悩みに悩みぬいて少しだけ成長する…そんな人々の移り変わりを楽しむ作品なのです。

もちろん、街が発展するたびに、主人公も強くなっていきます。しかもかなり極端に。
最初の印象では「ドラゴンのHPが1万、主人公が与えるダメージは1、つまり1万回のリスポーンが必要なのか!?」と思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、その疑問は作者自ら「さすがにそんな無茶なやり込みは想定してないんだぜ。」と切り捨てています。
主人公は、街の人々と話し、彼らの好意を受け取ることで強化されていきます。そのため、リスポーンするたびに街の全住民に話しかけるのが本作の基本攻略法となります。
人々との触れ合いは、主人公の強化だけに留まりません。実は本作、かなり充実したアチーブメントが実装されています。新しいイベントを見るたびに、アチーブメントが開放されていきます。アチーブメントの開放前にも「開放するためのヒント」は表示されるため、様々なパターンを試していきましょう。
最も、アチーブメントの全開放はかなりの難易度です。1回クリアするだけでは開放されないアチーブメント、発生しないイベントがあるためです。実は本作、周回ゲーでもあるのです。周回プレイで初めて表示されるヒント、新アイテムを使わないと見れないイベントも存在するのです。

本作単体は1~2時間程度でコンプリート出来る短編ですが、作者様の他作品「君はヒの魔法使い」「見よ、天を衝くインの塔」と世界観の繋がった作品でもあります。
本作で作者様の世界観に興味を持った皆様は、ぜひ他の作品もプレイしてみてください。

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【 うってかわって 】

うってかわって
ジャンル [ 暖かい愛とうどんの物語 ]
作者 [ 和と仁 さま ]
容量・圧縮形式 [ 204MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールMZ ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

ソバもいいけど うどんもね。

うってかわって うってかわって

とある製薬会社のエージェントにして人造人間・キツネ(♀)とタヌキ(♂)。2人は今、ゴーストタウンと化した村の前にいた。
ヒトの身体から抜け出した「憂い」が人格を持ち、このゴーストタウンに棲みついてしまったのだ。
2人の目的は、世界中に散らばった「憂い」の回収。感情が薄い人造人間である2人は、一般人には抱えきれないほどの「憂い」をその身体に吸収できるのだ。
しかし、時を置いて強く賢くなった「憂い」は、流石の人造人間にも抱えきれるものではなかった…。回収任務を完遂し、帰還を目前としたところで、2人は倒れてしまう。

うってかわって うってかわって

そんな彼らを救ったのは、1杯のうどんであった。村はずれに住むうどん職人・伊勢(いせ) 三重(みつしげ)が、倒れた2人を救ってくれたのだ。
限界まで溜まった「憂い」から2人を救ったうどんのパワー。キツネとタヌキは、その料理パワーに注目する。「憂い」たちにもうどんを与え、その悲しみから救い上げようとする作戦である。
キツネとタヌキ、そして伊勢は、再び村の探索に入る。「憂い」を閉じ込めるのではなく、幸せを思い出させ、自らの闇から解き放つために。

本作はプレイ時間1時間にも及ばぬ短編ですが、2部構成になっているゲームです。
第一部は「逃げ惑う『憂い』の捕獲」。前作「かいてはけして」と同じく、高速でランダム移動する「憂い」に近寄って決定キーでダメージを与えるアクションとなります。
今回は、試合前の選択肢による難易度調整も追加され、よりプレイしやすくなりました。

そして、第二部は「憂い」に幸せをぶつけていくRPG戦闘となります。…とは言っても、そこは「かいてはけして」の和と仁 さま。一筋縄ではクリアできません。
「憂い」への攻撃方法は、村人が置いていった「想い出」を利用します。ゴーストタウンと化した家屋に散りばめられた本やチラシなどから、その家に棲む「憂い」に有効な「想い出」を習得していくのです。
これが「どの想い出が有効なのか」が使用するまで類推する他ないのが難点。しかし、「類推」だけでも様々なことが分かり、有効な「想い出」を見つけ出す楽しみとなります。

そして、今回もまた、美味しそうなうどんに舌鼓を打ちながら攻略が楽しめます。主人公2人ともお気楽な所があった「かいてはけして」とは異なり、今回の「うってかわって」の主人公・キツネとタヌキは「幸せ」を知らない人造人間。そんな2人が、美味しいうどんを味わうことでどのように「かわって」行くのか、オマケ要素として得られるうどんと共にお楽しみください。

年越しそばの時期…その上、本日朝の戦隊が「うどん VS そば」の物語というタイムリーなレビューとなりました。

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【 夢見ヶ森狂詩曲 】

夢見ヶ森狂詩曲
ジャンル [ 戦闘中心の短編RPG ]
作者 [ クリムS さま ]
容量・圧縮形式 [ 108MB・ZIP ]
製作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

夢の世界は何でもあり! もちろん悪意も…。

「あなた」は見知らぬ森を彷徨っていた。訳も分からず辿り着いた泉には、これまた少女か少年かすら分からない子供が溺れていた。
子供を救い上げ、辿り着いた先には、「長老」を名乗る女性が立っていた。「長老」いわく、ここは「夢の力で作られた世界」、そして「悪夢」によって夢の力が砕け、滅亡の危機に瀕している…と。
何故か戦える力を持っていた「あなた」と「相棒」は、悪夢が跋扈する世界へ冒険に旅立つ。すでに多数の犠牲者が出ているこの戦い、果たして「あなた」と「相棒」は勝利できるのであろうか。

夢見ヶ森狂詩曲 夢見ヶ森狂詩曲

…と言うストーリー要素は、「長老」の言にある通り脇に置かれ、戦闘と強化を中心に据えたRPGとなっています。
本作の戦闘難易度は「難しめ」。ザコ・ボス共に純粋火力が高く、ボスはその上で搦め手も使ってきます。
特に序盤は、魔法型の「相棒」に集中放火されるとHP満タンでも戦闘不能になりかねません。「あなた」は「カバーリング」でサポートに回り、「相棒」の攻撃魔法で一気に殲滅しましょう。「短期決戦」は、ゲーム内情報にもある通り、本作の戦闘シーンで常に求められる作戦です。
少しレベルが上がれば、「あなた」は「ガードアップ(味方全体の防御力アップ)」、「相棒」は「散滅の腕(敵全体の攻撃力ダウン)」「雲散霧消(敵全体の防御力ダウン)」を覚えます。覚えたバフ・デバフは惜しみなく使いましょう。
同梱テキストにもある通り、本作のバフ・デバフ倍率はかなり高めに設定されています。バフ・デバフなしで喰らうと半壊級のダメージが来る攻撃も、「散滅の腕」を掛けるだけで1桁ダメージとなる例も多くあります。

そして、本作のボス戦闘も後半では、バフをしっかり掛けている状況でも辛くなります。ボスもまた主人公と同レベルで強力なバフ・デバフ・状態異常を使ってくるためです。
そのための対処法も様々存在します。

さて、先述に「第一部」とありましたが、実は本作内に「第二部」が存在します。それは作者自ら「遊びやすさの調整を放棄した『制作者好みのなんか』」と称するレベルに極まった難易度になっています。
第二部への行き方も「隠しEND」として秘匿されているため、同梱の「こーりゃくぼん」を閲覧しない限り、そのまま第一部完で円満終了してしまうものです。
「こーりゃくぼん」として秘匿された内部仕様の奥の奥まで探らないと辿り着けない第二部、我こそはという方、特に本作や「My Sweet Blossom」でクリムS氏の作風に共鳴した方にのみ体験していただきたいと思います。

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【 鍵の廃道 】

鍵の廃道
ジャンル [ 探索RPG ]
作者 [ kou さま ]
容量・圧縮形式 [ 16MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールVX Ace ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

物理的な「鍵」、真相としての「鍵」、全ては掘り起こさねば手に入らない。

彫金師・ミラは、街はずれの墓標の前で目覚める。自らの名が刻まれた墓標の前で。
街へと通じる道は厳重な施錠がされていたが、彫金師であるミラは、落ちていた宝玉・モンスターから剥ぎ取った素材・宝箱に安置されていたシンボルを組み合わせ、鍵を作って難なく脱出したのであった。
しかし、ようやく辿り着いた街も、まるで人々が突然消えたかのようにゴーストタウンと化していた。町の人々は皆、この「サンターニュ島」を離れていたのだ。
人の消えたこの島で、ミラは独り彷徨う。全ての「鍵」を集め、彼女もまたこの島から脱出するため…なのだろうか? 彼女は何も語ってはくれない。

鍵の廃道 鍵の廃道 鍵の廃道

本作のジャンルで一番近いものは「脱出ゲーム」。「鍵」を集め「扉」を開くという意味では、純粋な脱出ゲームです。
ただし、本作は【ADV】ではなく【RPG】に分類されます。「鍵」を作る「マテリアル」を集めるため、道中に潜む障害を排除するため、RPG的な戦闘とレベル上げも要求されるのです。
そして、本作はストーリー要素を最低限にして、アイテム集めを中心に据えたシンプルな展開ながら、そのアイテム集め自体が高難易度となっています。
何しろ、集めるアイテムは鍵本体ではなく、シンボル・マテリアル・ストーンに分かれた「素材」。特定の素材を集めてから、各地に点在する焚火で錬金することによって、初めて「鍵」となるのです。
脱出ゲームとしては、あまりにも舞台は広く、生活感にあふれています。そのため、マップには様々なオブジェクトがひしめき合っています。マップ全てを虱潰しに調べようと考えただけで気が遠くなるでしょう。
しかし、本作の重要アイテムは決して壺や樽の中には隠れていません。シンボルは宝箱の中に、マテリアルは徘徊するモンスターとして、ストーンは円い宝石の形で、ちゃんとマップ上に表示されています。

ただし、箱の中に隠れていないからと言って「分かりやすい」とは限りません。むしろ、隠し場所の分かりにくさは、数多ある脱出ゲームの中でも至難…と言っても過言ではありません。
それというのも、本作のマップには隠し通路が多い上、肝心のアイテムの視認性が悪い例さえあります。柱や木が手前にあって見えづらいのは序の口。青い水中にある青いストーンに、実況動画を見て初めて気付いたときには、「保護色使うのは、流石にズルじゃないか!?」とさえ思いました。
むしろ、本作は脱出ゲームの常識を超えたレベルでの「虱潰し」が要求されます。隠し部屋どころか通常の通路ですら、常に体を壁にこすりつけながら進まないと分からないレベルの隠されっぷりなのです。

私のプレイでは、とりあえずのクリアである「島からの脱出」まではノーヒントで到達できました。しかし、TRUE ENDの条件である「全ての鍵を集め、全ての扉を開ける」のクリアは、攻略情報なしではどうしてもクリアできませんでした。
先述の「水没している青いストーン」が何故か見つからなかったのもありますが、もう一つの隠し通路がどうしても見つからなかったのです。洞窟も街中も全て身体を壁にこすりつけながら探索したというのに。
…「森や山の中でも、壁に体をこすりつけないと見つからない隠し通路がある」ということが、攻略情報を見るまで頭の中から抜け落ちていたのです。
本当にノーヒントで右往左往していた時は、この隠し通路が、水没していた青いストーンが、全く見えなかったのです。TRUE ENDを見た今現在ならば、「何故こんな単純なことに数時間も気づかなかったんだ!!」という後悔まで感じているというのに。
マップが広大で、移動だけで時間が費やされる本作は、それ故に思わぬ形で集中力が削がれていく短所もあります。作者のkou氏はホームページを持っておらず、攻略情報を探るためには他のプレイヤーの実況動画や攻略サイトを見る他ないのも、クリアに苦労する一因です。
ゲーム面のみならず、ストーリー面でも「謎を己の手で解く」ことが重要な本作ですが、正直言って私がそれを強要することはできませんし、私自身がそれを完遂できていません。謎が解決できずに無為な数時間を過ごすよりは、おとなしく攻略情報に頼った方が、健全にこのゲームをプレイできるでしょう。
また、TRUE ENDを見てオマケルームに行けたとしても、本作の謎は全て明言されたとは言えません。考察の余地が所々に存在する、本作はそう言う面での「謎」も所々に散りばめられた作品です。

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