■ 三代目レビュー RPG 4
夢見ヶ森狂詩曲 鍵の廃道

【 夢見ヶ森狂詩曲 】

夢見ヶ森狂詩曲
ジャンル [ 戦闘中心の短編RPG ]
作者 [ クリムS さま ]
容量・圧縮形式 [ 108MB・ZIP ]
製作ツール [ WOLF RPGエディター ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

夢の世界は何でもあり! もちろん悪意も…。

「あなた」は見知らぬ森を彷徨っていた。訳も分からず辿り着いた泉には、これまた少女か少年かすら分からない子供が溺れていた。
子供を救い上げ、辿り着いた先には、「長老」を名乗る女性が立っていた。「長老」いわく、ここは「夢の力で作られた世界」、そして「悪夢」によって夢の力が砕け、滅亡の危機に瀕している…と。
何故か戦える力を持っていた「あなた」と「相棒」は、悪夢が跋扈する世界へ冒険に旅立つ。すでに多数の犠牲者が出ているこの戦い、果たして「あなた」と「相棒」は勝利できるのであろうか。

夢見ヶ森狂詩曲 夢見ヶ森狂詩曲

…と言うストーリー要素は、「長老」の言にある通り脇に置かれ、戦闘と強化を中心に据えたRPGとなっています。
本作の戦闘難易度は「難しめ」。ザコ・ボス共に純粋火力が高く、ボスはその上で搦め手も使ってきます。
特に序盤は、魔法型の「相棒」に集中放火されるとHP満タンでも戦闘不能になりかねません。「あなた」は「カバーリング」でサポートに回り、「相棒」の攻撃魔法で一気に殲滅しましょう。「短期決戦」は、ゲーム内情報にもある通り、本作の戦闘シーンで常に求められる作戦です。
少しレベルが上がれば、「あなた」は「ガードアップ(味方全体の防御力アップ)」、「相棒」は「散滅の腕(敵全体の攻撃力ダウン)」「雲散霧消(敵全体の防御力ダウン)」を覚えます。覚えたバフ・デバフは惜しみなく使いましょう。
同梱テキストにもある通り、本作のバフ・デバフ倍率はかなり高めに設定されています。バフ・デバフなしで喰らうと半壊級のダメージが来る攻撃も、「散滅の腕」を掛けるだけで1桁ダメージとなる例も多くあります。

そして、本作のボス戦闘も後半では、バフをしっかり掛けている状況でも辛くなります。ボスもまた主人公と同レベルで強力なバフ・デバフ・状態異常を使ってくるためです。
そのための対処法も様々存在します。

さて、先述に「第一部」とありましたが、実は本作内に「第二部」が存在します。それは作者自ら「遊びやすさの調整を放棄した『制作者好みのなんか』」と称するレベルに極まった難易度になっています。
第二部への行き方も「隠しEND」として秘匿されているため、同梱の「こーりゃくぼん」を閲覧しない限り、そのまま第一部完で円満終了してしまうものです。
「こーりゃくぼん」として秘匿された内部仕様の奥の奥まで探らないと辿り着けない第二部、我こそはという方、特に本作や「My Sweet Blossom」でクリムS氏の作風に共鳴した方にのみ体験していただきたいと思います。

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【 鍵の廃道 】

鍵の廃道
ジャンル [ 探索RPG ]
作者 [ kou さま ]
容量・圧縮形式 [ 16MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクールVX Ace ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 配布元

物理的な「鍵」、真相としての「鍵」、全ては掘り起こさねば手に入らない。

彫金師・ミラは、街はずれの墓標の前で目覚める。自らの名が刻まれた墓標の前で。
街へと通じる道は厳重な施錠がされていたが、彫金師であるミラは、落ちていた宝玉・モンスターから剥ぎ取った素材・宝箱に安置されていたシンボルを組み合わせ、鍵を作って難なく脱出したのであった。
しかし、ようやく辿り着いた街も、まるで人々が突然消えたかのようにゴーストタウンと化していた。町の人々は皆、この「サンターニュ島」を離れていたのだ。
人の消えたこの島で、ミラは独り彷徨う。全ての「鍵」を集め、彼女もまたこの島から脱出するため…なのだろうか? 彼女は何も語ってはくれない。

鍵の廃道 鍵の廃道 鍵の廃道

本作のジャンルで一番近いものは「脱出ゲーム」。「鍵」を集め「扉」を開くという意味では、純粋な脱出ゲームです。
ただし、本作は【ADV】ではなく【RPG】に分類されます。「鍵」を作る「マテリアル」を集めるため、道中に潜む障害を排除するため、RPG的な戦闘とレベル上げも要求されるのです。
そして、本作はストーリー要素を最低限にして、アイテム集めを中心に据えたシンプルな展開ながら、そのアイテム集め自体が高難易度となっています。
何しろ、集めるアイテムは鍵本体ではなく、シンボル・マテリアル・ストーンに分かれた「素材」。特定の素材を集めてから、各地に点在する焚火で錬金することによって、初めて「鍵」となるのです。
脱出ゲームとしては、あまりにも舞台は広く、生活感にあふれています。そのため、マップには様々なオブジェクトがひしめき合っています。マップ全てを虱潰しに調べようと考えただけで気が遠くなるでしょう。
しかし、本作の重要アイテムは決して壺や樽の中には隠れていません。シンボルは宝箱の中に、マテリアルは徘徊するモンスターとして、ストーンは円い宝石の形で、ちゃんとマップ上に表示されています。

ただし、箱の中に隠れていないからと言って「分かりやすい」とは限りません。むしろ、隠し場所の分かりにくさは、数多ある脱出ゲームの中でも至難…と言っても過言ではありません。
それというのも、本作のマップには隠し通路が多い上、肝心のアイテムの視認性が悪い例さえあります。柱や木が手前にあって見えづらいのは序の口。青い水中にある青いストーンに、実況動画を見て初めて気付いたときには、「保護色使うのは、流石にズルじゃないか!?」とさえ思いました。
むしろ、本作は脱出ゲームの常識を超えたレベルでの「虱潰し」が要求されます。隠し部屋どころか通常の通路ですら、常に体を壁にこすりつけながら進まないと分からないレベルの隠されっぷりなのです。

私のプレイでは、とりあえずのクリアである「島からの脱出」まではノーヒントで到達できました。しかし、TRUE ENDの条件である「全ての鍵を集め、全ての扉を開ける」のクリアは、攻略情報なしではどうしてもクリアできませんでした。
先述の「水没している青いストーン」が何故か見つからなかったのもありますが、もう一つの隠し通路がどうしても見つからなかったのです。洞窟も街中も全て身体を壁にこすりつけながら探索したというのに。
…「森や山の中でも、壁に体をこすりつけないと見つからない隠し通路がある」ということが、攻略情報を見るまで頭の中から抜け落ちていたのです。
本当にノーヒントで右往左往していた時は、この隠し通路が、水没していた青いストーンが、全く見えなかったのです。TRUE ENDを見た今現在ならば、「何故こんな単純なことに数時間も気づかなかったんだ!!」という後悔まで感じているというのに。
マップが広大で、移動だけで時間が費やされる本作は、それ故に思わぬ形で集中力が削がれていく短所もあります。作者のkou氏はホームページを持っておらず、攻略情報を探るためには他のプレイヤーの実況動画や攻略サイトを見る他ないのも、クリアに苦労する一因です。
ゲーム面のみならず、ストーリー面でも「謎を己の手で解く」ことが重要な本作ですが、正直言って私がそれを強要することはできませんし、私自身がそれを完遂できていません。謎が解決できずに無為な数時間を過ごすよりは、おとなしく攻略情報に頼った方が、健全にこのゲームをプレイできるでしょう。
また、TRUE ENDを見てオマケルームに行けたとしても、本作の謎は全て明言されたとは言えません。考察の余地が所々に存在する、本作はそう言う面での「謎」も所々に散りばめられた作品です。

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