■ 投稿レビュー RPG 7
グージーグージー
ダンジョン
プリズンナイトmore おっさんor die ばとね!! マリモパンツ
雪道 フェイレンワールド アールエス 魔族の大地 TDQ2 T DRAGON QUEST

【 グージーグージーダンジョン 】

試しのタイマン勝負!
レビュワー [ N ]
ジャンル [ シミュレーションRPG ]
作者 [ 泉 和良 さま ]
容量・圧縮形式 [ 3.2MB・LZH ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 [ グージーグージーダンジョン1 ]
[ グージーグージーダンジョン2 ]

チャットやメッセンジャーなどを利用して数字をやり取りすることで
1~4人でプレイすることができるシミュレーションRPG
ゲームの内容はキャラクターを作成して
ダンジョンにもぐって敵を倒していくゲーム。
キャラクターを作成するときの注意ですが、
名前と職業は変更できません。


 管理人コメント

ローグライクRPGのシステムと「アールエス」の雰囲気を融合させた、戦略性の高いRPGです。
Nさまが「シミュレーションRPG」と言ったように、ターン内の移動力を上手く考え、効率よい駒運びをしないと、勝ち抜くことは到底できません。
ただ、このゲームで一番引っかかったことは、ゲーム自身の難易度よりも、攻撃範囲の「前方」の意味です。
リードミーを見る限り、「スターダンスを上下方向にした感じ」とあるので、前方=主人公側:↑・敵側:↓と考えられるのですが、方向転換という操作が無いのが少々気がかりです。
ローグライクRPGでは、その場振り向きは必須なので、方向固定と言うのは、少々なじみにくいです。


(補足)
2012.02.19:リンク先を変更

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【 プリズンナイトmore 】

ゲームバランスを始め、各種システムが兎角良い、秀作短編。四の五の言わずに是非遊んで欲しい!!!
レビュワー [ 或野 吟山 ]
ジャンル [ 特濃短編RPG ]
作者 [ 西瓜 さま (Space not far さま) ]
容量・圧縮形式 [ 解凍前10.5MB(解凍後12.4MB)・LZH形式 ]
製作ツール [ RPGツクールXP ]
必須ソフト [ RPGツクール2000RTP ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

ハマリ度:8 グラフィック:8 サウンド:8

短いのに、濃いぜ!!!

 この作品は、パラ犬氏との「ひゃうんサイト」論争 も記憶に新しい西瓜氏の手による、ツクール製自作戦闘RPGです。(さらに言えば、2005年8月に初版が公開された作品のリメイク) それだけなら割とある手の作品ですが、そういった他作品の多くからこの作品を分かつ要素が色々とあり、それらが今回私がこの作品をお勧めしようと考えた理由になっております。では、それらの要素を順に見ていきましょう(なお、これでもまだ一部分です)。

1 戦闘バランスは随一だ!

 この作品、ゲームバランスが実に良くとれています。戦闘難易度を「EASY」「NORMAL」「HARD」の3段階から選ぶことが出来るのですが、あなたがRPG狂の猛者ならば迷わずHARDでプレイしましょう。 ちょっと油断すれば、雑魚相手でもすぐに戦闘不能になるシビアさがここにはあります。 しかしそれでも、きちんとやりさえすれば、一度も戦闘不能にならずにラスボスまで倒せてしまえることが確認済みです。 そこまでやれば、こうした戦略性を要求される、その一方で装備品などの選択に自由性の高い、素晴らしいバランスがこの中にあることがきっとご理解頂ける事でしょう。 なお、私などよりもやり込むタイプの方なら、もっとシビアなやり込みもできるのではないでしょうか? 是非、この夏休みにでも挑んでみてください。

2 レアアイテムを探せ!

 この作品の敵キャラは、ほぼ全員多少低めの確率でアイテムを落とします。その中には一風変わった効果の武器や防具、あるいは使える技能(スキル。このゲームでは一人に同時に2種までしかセットできません)もあるのですが、これがなかなか落としてくれないもので・・・。 しかも全部で結構な数あるようなので、難しいのですが是非コンプリートしてみたいものです。(評者はまだ出来ていません、今後の課題)

3 すべての称号を集めろ!

 この作品の旧版を御存知の方には、旧版からの一番の変更点に感じることであろう、そうでない人にとっても割と珍しい「称号システム」について説明します。 これは、ある条件を満たしその上でラスボスを倒せば、その後で、条件に応じた称号(全10種以上)を得ることが出来るシステムです。 その条件についてここで詳細を書くことは無論しませんが、あれこれ試しながら作品をしゃぶり尽くせる面白い趣向になっております。 また、腕に自身のある御尽には、是非そのすべてを難易度HARDで取るなどの無茶に挑んで下さい! それだけの無茶が報われるだけのゲームバランスが、ここにはある・・・はず。 (評者には多分無理、ムネンアトヲタノム、ということで先生お願いします。)

 どうでしょう? 他にも、「隠しダンジョン」「たまに読みにくい漢字が出る」「ストーリーが若干鬱」などの西瓜氏製作作品らしい特長(特徴ではなく)があるのですが・・・。 とにかく今後のツクール作品の手本になるべきこの完成度、是非皆さんにもご堪能頂きたい! 今すぐダウンロード!!!


 管理人コメント

はーい、皆さん目を閉じてー。タイトルだけでこのゲームをエロゲーと思った人は、素直に手を上げましょー。
 )ノシ
実際のゲーム内容は、1つのダンジョンを、特殊攻撃や挑発と言った戦略を使って潜り抜けていく、シリアスな短編RPGです。
自作戦闘の良さを決めるのは、(コマンド入力の)レスポンスと(戦闘展開の)テンポです。その点において、この作品はかなり優秀な線をいっております。
プレイ時間は短いですが、レアアイテムや称号のコレクションなど、ヤリコミ要素は充実しており、長く遊べる作品です。
特にレアアイテムはマジ強力ですので、手にしたらすぐに装備することをお勧めします。


(補足)
2008.02.02:作者様HPが移転。現在、旧バージョン「プリズンナイト」はDLできません。

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【 おっさん or die 】

RPGの主人公として、最低の描写(ほめ言葉)
レビュワー [ 大輔 ]
ジャンル [ 鬱RPG(だと思う) ]
作者 [ 青木 さま ]
容量・圧縮形式 [ 33MB・LZH ]
製作ツール [ RPGツクールXP ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先
(「おっさん」をクリック)

ゲーム自体のレビューの前に、作者の青木様についてのお話をします。

作者・青木様は、その独特の「非モテ(=モテない男)系テキスト」で一世を風靡し、今尚かなりのファン(但しナオンはいないことになっている)を持つお方です。
また、やり込みゲーマーでもあり、このFF4レビューとか俺屍レビューとかを見る限り、ドロップアイテムを根こそぎ収集するのに無上の喜びを感じるタイプと思われます。

で、そんな人が自らゲームを作るとどうなるか?答えは簡単。

ドロップアイテムを鬼のように収集しまくるゲームになるのです。

とにかく序盤から武器防具食品合成素材と敵がアイテムを落としまくり。 まあ店がないんで当たり前と言えば当たり前ですが、この大盤振る舞いっぷりは斬新です。 その種類も100や200では利かず、俺も30時間以上やってますが未だにフルコンプが見えてきません。
(つうか武器70%、防具に至ってはたったの65%です)
それに加えて各ダンジョンにおいて一定の条件を満たすことで得られるアイテムや、揃えて装備すると追加効果がウッハウハなセットアイテム、ごくまれに出現し、レアかつ強力なアイテムを放出する「引きこもりモンスター」等々、「青木様は俺らにやり込ます気マンマン」というのはもはや疑いがありません。

そしてこのゲームのもうひとつの肝は出来合いの敵ですら笑いの対象になりうる独特のネーミングセンス。
武器も防具も敵も、ついでに言いますとスキルの名前もいい感じに青木ワールドが入っており、「暇人の剣」だの「出前のアレ」だの「ナオンの幻」だの「ズギャアアアアァァァ(スキル名)」だのを見てると、「次はどんなのが…」と不本意ながら思わされて敵を殺す手も弾みます。
まあ慣れて中毒になってしまうと、目が徐々にあさっての方向を向いてきますので注意は必要ですが。

ストーリーは「モテによって隔離された非モテ達がナオンとイチャイチャするためにモテどもを倒していく」という、ぶっちゃけた話あってなきが如しな感じですが、モンスターやモテ男どもを殺して殺して殺してアイテムを集めつつやっと到達したエンディングはまさに鬱RPGに相応しい一品になっています。蝶オススメです(藁)。

以上でレビューは終わりますが最後にもう一つ。このゲームはツクールXP用なんで、ない方はまずランタイムを自分で落としましょう。青木様はめんどくさがってリンクしてくれてませんので。


 管理人コメント

作者・青木さまのゲームレビューは、私も何度か見たことがあります。そのハイテンション具合に、感服すると同時に「この人大丈夫かいな」(ほめ言葉)という感慨が浮かんできました。
そんな方が開発されたゲームなのですから、色んな意味で一般常識で推し量れるゲームにはならないことは、なんとなく予想がつきます。その実、題材のあんまり具合とは裏腹に、かなり質の高いヤリコミRPGです。
自動生成されるダンジョンはバリエーションに富んでおり、一度部屋から出ると、二度と同じ部屋は現れないと感じるほどです。
もちろん、その中で発見するアイテムも、序盤レベルには過ぎるくらい強力なモノが手に入ったりすることもあり、ヤリコミの楽しさを倍増させます。
プレイを進めるごとに、非モテの中年である主人公が、徐々にかっこよく見えてくるから不思議です。ちょっと目があさっての方向を向いていないか確認しなくてはいけませんね。

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【 ばとね!!~ばとる ねこみみさん~ 】

初期装備:ワンピース一枚
レビュワー [ K’(カズ・ダッシュ) ]
ジャンル [ RPG ]
作者 [ 木下 英一 さま ]
容量・圧縮形式 [ 5.97MB・LZH ]
製作ツール [ RPGツクール2000 ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

ねこみみもーど&きせかえもーど♪(何)

という訳で、きのえ~こと木下英一さまの最新作「ばとね!~ばとるねこみみさん」でございます。
今回もまた、ゆるゆるな台詞回しと何か重いモノを感じさせるストーリー展開は健在。
どちらかと言えば、「フェイレンアナザーせかんど」の系譜を引き継いだ作品になっています。

で、やっぱり今回の最大の売りは……リミュレの着せ替えでしょう。
ゲーム中で入手した服を着せ替える事で、魔法を使い、超長時間潜水もOK、刀やブレードさえ振り回す
しかも服を着続けて習得するコマンドを、1つだけ(初期装備(ワンピース)は2つ)他の服を着ている状態でも使う事が可能。
……って、まんまFF5じゃねーかと無粋なツッコミをする行為は慎みましょう。それが礼儀というものです。
(ちなみに、服は9種類。個人的にはアレックスの服で戦うリミュレが見たかったなぁ……)
とりあえず、水着の「旧型」と「新型」には吹きましたが。

前述の通り、アナザーせかんどの系譜を引き継いでおり、2000系でありながらのサイドビューバトルは健在。
PPを振り分ける事で攻撃力や効果の増強を図る事もでき、より戦略的なバトルが可能
後に突っ立っている主人公・可憐は主に支援担当(オートアイテム)ですが、前衛(リミュレ)が倒れたら出番。
やけくそで殴るも良し、ぶっ倒れているリミュレを強引に叩き起こすも良し、引き摺って逃げるも良し
……ま、ボス戦ならやけくそで殴って絶望を味わうのもまた一興。(というか、ボス戦でやけくそ起こしても焼け石に水。)
また、レベルアップの概念がなく、能力別に経験点を振り分けるタイプなので、自由な成長が可能です。
その為か、経験値稼ぎが苦になり難いという、RPG嫌いにも優しいシステムになってます。

そして、思わずニヤニヤしてしまったフェイレンシリーズのゲストメンバー……といっても、みんな別の名前ですが。
シリーズ皆勤賞にあきたらず、別の作品にまで出没した(しかもメインキャスト)リッシア(りえ)は神。
しかも、フェイレン3のあの人まで……(3のネタバレなのでスルーしますが)。

フェイレン4無期限停止という、そしてこの諦念……(メスト世代にしか分からんネタ)な出来事もありましたし、
ラストの展開に一瞬唖然としましたが、名作の太鼓判を押せる作品です(コンパク金賞受賞作だし)。
私自身も、作品の楽しさにうっかり「ツァイ」並の長文レビューをしてしまいました。オススメです。

とりあえず、さくらさん最高。やっぱりメイドは日本刀振り回さないとね!(え)

(補足事項)
このレビューはコンパクVerでのレビューです。
既にHPで、一般配布Verに追加シナリオ&新コスチューム(ゴスロリ&みこみこ(ぇ))が追加予定との事。

 管理人コメント

トェェェェイ!(と言いたくなる)

主人公・リュミレ(ネコ耳)ばかりではなく、登場人物の全てがハッチャケまくっている、まさに木下英一氏らしいコメディRPGです。
このゲーム最大のウリである「着せ替え」システムは、ただ単にコスプレさせて楽しむだけではありません。衣装には、それぞれ異なるステータス修正があり、「ジョブチェンジ」要素だけでなく「アクセサリ」要素も重要となります。
ひそかに攻略の自由度が高いのもミソです。私なんかそれに任せてわき道のダンジョンに行ったら…

ショッケル2006 SUMMER! (メスト世代にしか分からんネタ・その2)

な目に会いましたからね。



(補足)
2007.05.22:「ばとね!!」のバージョンアップ版、「ばとね!! Plus」が配布開始されました。
2007.07.08:イチオシレビューは、こちら。

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【 マリモパンツ 】

レビュワー [ ケイミー ]
ジャンル [ RPG ]
作者 [ こじ さま ]
容量・圧縮形式 [ 19MB・自己解凍EXE ]
製作ツール [ RPGツクール2000 ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

ハマリ度:10 グラフィック:5 サウンド:10

ああ、これが青春なんだ!

突然ですが、クイズです。

ここに三枚の画像があります…それぞれ、どのゲームのシーンか、答えなさい。

血塗られた歴史 私の居場所 ゴーーーーーーーーーーーーーール!!!

…。
……………。
……………………………………………………………………………………………ハイ、正解は全部「マリモパンツ」でした。

「おもしろい!?わたしにとったらこんなの悲劇の体質でしかないもん!」

興奮するとオナラプー。特に深い理由も無く、悲劇の特異体質を持って生まれた少女まりも。
近所の子供達に迫害されながら、三匹のペットとひっそり暮らす毎日…。
そして今日も、いじめっこにお花畑を踏み荒らされてメソメソと泣いていました。
しかしその時、少女の前に不思議な男が現れました。

彼は言いました。

「自分の境遇をどう捉えるかで人生はどれだけでも楽しくなると思うんや」と。

…これは、自分の人生に悲観する少女と、少女を元気づけようと奮闘する男のやりとりを描いた。

そんな心温まる物語…。

と、

思いきや!?

「そっかぁ…嬢ちゃんはソッカーを知らんのかぁそっかぁ、そっかぁ」

ある程度ゲームを進めると登場する、謎の単語「ソッカー」。
要はサッカーの亜種のようなモンですが、実はコレがとんでもない作りこみよう

簡単に特徴を挙げますと、

と、ここまでは普通のサッカーですが、ソッカーでは更に必殺技観客パワーというキテレツな概念があります。

必殺技はキャラクターごとに超超超超個性的なものが用意されており、
手品で敵を翻弄しつつパスだとか、
ふんどしで敵の視界を遮ってドリブルとか、
眼鏡っ子萌えパワーを炸裂させてセービングとか、

もう、何でもアリです。

そういったド派手な技の数々で観客を沸かせる。コレ重要。

その場が盛り上がれば盛り上がるほど観客パワーは増大し、駆け引きにおける勝率がアップするなど、色々とイイコトがおきます。
「観客を制す者はゲームを制す」…気がつけば、このゲームの世界観にどっぷりハマッてしまいました。

・難易度について
本当に良くできてるなぁと思ったのは、なんと言っても難易度のバランス。
相手チームがなかなか強いため、楽に勝たせてもらえることは無く、
大抵の試合ではギリギリの攻防戦を強いられて汗びっしょりになりました。
例え負けたとしても、その試合で得た経験値で自キャラを成長させた上で再挑戦できるので、ハマリもナシ。

また、どうしても勝てない人のために、"難易度を下げる"という手段も用意されていますが、
難易度を一段階下げただけでエラく歯ごたえが無くなってしまうのでオススメできません。

・重箱の隅をつつく
「マリモパンツ」はストーリー面、ゲーム面など、あらゆる角度から見て、フリーソフト界まれに見る大傑作です。それだけは間違いない。
しかし、だからこそ、気になる点が出てくるのも事実です。
例えば、章扉ごとに用意されているオープニングムービー。イベント画像を、サブリミナル効果を狙ってるがごとく使い回すのは頂けません。
他にも色々と細かい点が目につきましたが、全部オレの独り善がりのような気もしたので削除しました。

・採点

ハマリ度10/10
文句無しで満点。作者の怒涛の職人魂が垣間見えます。
ほんの短時間のイベントのためにわざわざちっちゃい画像(イエローカードとか)を用意するところにも作者のこだわりが見られます。
グラフィック5/10
試合で使われる微妙に雑な絵がかえってマッチしています。が、サオリの立ち絵とのギャップがちょっとなぁ…。
サウンド10/10
BGMや効果音の使い方が上手いのが最大のポイント。
用意されたキャラクターのボイスも豊富かつハイテンション。「音声無し」モードにするなんてもったいない!

このゲーム最大の謎!?


 管理人コメント

こじ氏の作品は、この「マリモパンツ」の他、「ラブレジェンド」など、かなりの評価を得ている作品を製作されています。…ですが、どうも管理人とは相性がよくありません。
この「マリモパンツ」も、コンパク受賞時にプレイだけはしたのですが、冒頭の

「せぇーのぉ、へんな顔~~!」

を聴いた瞬間、反射的にF12を押してしまいました。
しかし、ケイミーさまのレビューを見る限り、話が進むに連れて、どんどんネタまみれで面白くなっていくみたいです。
冒頭のグダグダを辛抱すれば、私もケイミーさまのように「マリモパンツ」の世界にハマることができるのでしょうか?(疑問系)

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【 雪道 】

こわい。でも、ちょっとかわいい。
レビュワー [ N@GI ]
ジャンル [ 孤独RPG ]
作者 [ ポーン さま ]
容量・圧縮形式 [ 1.41MB・ZIP ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

雪の中、一人歩く少女。

 それがあなたです。

 そこにはなにもなく、

 ただ一面、白い世界。

 手にしているのは、数本のマッチ。

 こすると、わずかながらの暖をとる。

 ただ、ひたすらに歩く。

 目的は、その先にある。

 ただ、歩く。歩く。

 宿屋がある。今日はここに泊まろう。
「マッチ50本で泊めてあげよう」
 そんなにありません。
 しばらく歩くと、また宿屋がある。
「マッチ2本で泊めてあげよう」
 採算が合うんですか?

 まっすぐな道には、さまざまなものが落ちている。

 しばらく歩くと、熊が出てくる。
 殴ります。
 攻撃力0だと失敗します。
 攻撃を受けます。
 防御力が0だと素通りです。
 HPが0になりました。
 死にました。

 あなたは一人です。

 誰も助けてはくれません。

「かみさま」

「はー」

「寒い・・・」

 あなたにできるのは、歩き続けることだけ。

 その足を止めるときは、白い世界を、赤い血で汚すときだけ。

 レベルアップにより、HPは上昇します。
 しかし、攻撃力、防御力や、魔法を覚えるときには、そのHP を消費しなければなりません。
 そのぎりぎりのバランスをみきわめて、あなたは歩き続けてください。


 管理人コメント

最近ハヤり…と言うか、当サイトでも短期間で連続レビューされている「進む・戻る」タイプのシンプルなRPGです。
ただし、この「雪道」には、戻ると言う選択肢はありません。

この果ての無い雪道の中で、安全な場所などありません。
今ある装備では決して勝てない敵にバッタリと出会って、なすすべも無く雪を染める赤いシミになる場合もあります。

襲ってくるのは、雪男やクマばかりではありません。
斧やマントといった装備品まで、主人公の行く手を阻みます。
上手く屈服させれば、主人公の手となり皮膚となり、心強い味方となってくれます。
最も、装備品は、かなりの強敵です。
中途半端な攻撃力・防御力で挑むと、無駄に赤いシミを増やすハメになるだけです。

難易度は高く、複数セーブも無いため、ハマる確率はかなり高いです。
ストーリー自体は短めであるため、「ハマった」と感じた場合は、いっその事セーブファイルを廃棄して最初からやり直すのも一つの手段です。


(補足)
2012.02.19:リンク先を変更

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【 フェイレンワールド2リファイン 】
【 フェイレンワールド3 】

そして、キャプは何故か「1」
レビュワー [ K’(カズ・ダッシュ) ]
ジャンル [ シナリオ型RPG ]
作者 [ 木下 英一 さま ]
容量・圧縮形式 1:[ 2.18MB・LZH ]
2:[ 4.27MB・LZH ]
3:[ 3.88MB・LZH ]
製作ツール [ RPGツクール2000 ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

■ フェイレンワールド2リファイン

『フェイレンワールドアナザーせかんど』の木下英一様の代表作……の2作目。
緩いセリフとギャグ&コメディ、ちょっぴりシリアスの冒険物語です。
この独自の世界観を飲み込めれば、テンポ良く進む物語で十分楽しめるでしょう。
実際には中身は結構正統派のRPGなので、万人にオススメできる作品。

なお、6章構成となっている作品ですが、実は元々5章までバラバラにDL出来る、
いわゆる連載型だった作品を一つにまとめた為、このような構成に。
(ちなみに、私は連載版もプレイ済みです)
その為か、決まり文句(プレイすれば分かります)が飛ばせなかったり、局地戦状況のマップとか、
ちょっとテンポが悪いところがちらほら見え隠れしているのが欠点。

■ フェイレンワールド3

『フェイレンワールド2リファイン』の続きで、フェイレン・シリーズの3作目。
ちょっと毛色が1・2作目と異なっており、正統派・王道派タイプな作品に仕上がってます。(DQ4チック)
まぁ、緩いセリフとギャグ&コメディは変わりませんが。
話自体も(若干話の節々に登場するとはいえ)1・2の未プレイ者でも、十分話に入っていけます。
キャラクターも魅力的で且つ多種多様。個人的にはスウィンさんがGOOD。メイド萌え~。(ぇ)
なお、『アナザーせかんど』はこの話の後の作品となってます。

密かに、作者様製作のキャラクターが素晴らしい。
(EDなどで分かりますが、キャラクターグラフィック関連は殆ど自作)
ここまでマルチに活躍できる人はそうは居ないでしょう。
……欠点と言えば、「4はマダー?」な位。(ぇ)


 管理人コメント

時系列が繋がっている作品であることと、あとメンドいので、変則的に2作まとめて掲載しました。
フェイレンシリーズのキャラ造形は、「1」の頃から素晴らしいものでした。「いただこう。」が決めゼリフの主人公・ライと、天然ボケ+記憶喪失の自称・トレジャーハンター、実質・トラブルメーカーのヒロイン・シミュウとが織り成すドタバタ劇は、非常に楽しめるものでした。
シリーズを通して登場する若作り猫耳神官・リッシアなど、シニカルなツッコミを得意としたキャラもおり、登場人物は一度見たら忘れられないヤツらばかりです。
しかし、本質的にはスタンダードなRPGです。所々にシリアスな展開も入り、ボケボケの主人公たちもかっこいいシーンを見せ始めます。1のTRUE ENDは、結末の意外性と演出の見事さに本気で感動した思い出があります。


(補足)
2005.06.11:作者・木下英一さまの最新作「ばとね!! ~ばとる ねこみみさん~」が、2006年6月度のコンテストパークにて、金賞を受賞。
2007.07.08:イチオシレビューは、こちら。

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【 アールエス 】

背景に、歴史が刻まれる。
レビュワー [ N ]
ジャンル [ やりこみ型ダンジョン探索RPG ]
作者 [ 泉 和良 さま ]
容量・圧縮形式 [ 10MB・LZH ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 ダウンロード先

このゲームのダンジョンはシンプルで
進むや戻るなどのコマンドで移動していくシステムです。
このゲームの売りはなんといっても
60種類以上の職業に1000をこえるアイテム
お店の経営と建築、星の育成やアイテム合成
などなどたくさんのやりこみ要素で
簡単にコンプリートできないほどのボリュームがあります。
やりこみがメインのゲームなのであわない人にはつまらないかも
しれませんが、好みがあえばとても楽しめます。


 管理人コメント

「すすむ」「もどる」方式・探索RPGの元祖、「ライヂング★スター」シリーズの最新作です。
数々作成されているこのシリーズだけに、今回は演出面でも3D描写が見られたり、出てきた文章がメイン画面の背景を流れるなど、かなり魅せるものがあります。
しかし、基本的なシステムは全く変わりありません。数多あるアイテムを探索し、敵から奪い取り、徐々に強くなっていくヤリコミの楽しさは、アンディー・メンテ作品全体に通じる通好みの楽しさです。


(補足)
2012.02.19:リンク先を変更

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【 魔族の大地 TDQ2 】

オープニング
レビュワー [ 赤松弥太郎 ]
ジャンル [ ドラクエを超えたRPG ]
作者 [ 田圃 さま ]
備考 [ X68000用・エミュ必須 ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 [ 現在入手困難
 (まずTDQ情報集積所でも読め) ]

ハマリ度:9 グラフィック:7 サウンド:7 <世界遺産認定>

そして伝説へ…

 このゲームをプレイした人はほぼ例外なくこう思います。「なんでみんなプレイしないの?」と。
 ドラクエクローンという表現方法がアングラ臭いため、敬遠する人も多いのでしょう。また発表が1992年と古く、X68000用でエミュレーターが必要な点も、プレイヤーを遠ざけます。さらに公開が停止されているため、入手にはかなりの手間が必要です。
 しかし、このゲームの知名度が低い責任は、少なからず紹介方法にもあったのではないかとも思うのです。ドラクエクローンという表現方法のため、本作は今までほとんど本家ドラゴンクエストとの比較で語られてきました。「DQ4.5」「DQのほんとうの嫡流」という評価は、確かにこの作品の一面を語るものではあります。しかし私は、これでは不十分だと思うのです。
 反発も多いでしょうが、私はこう言いたい、「このゲームこそ、現在のフリーRPGの元祖だ」と。
 確かにそれ以前からフリーRPGは存在していました。折しも1992年にはRPGツクールの元祖、チャイムズクエストが発売されていますが、当時は制作に非常に手間がかかることもあって、RPGを作るということ自体が目的化していたように思います。 作者田圃さんも、TDQ1ではプログラムでこんなことが出来るというところで自己満足していた、と振り返っています。
 現在はツクールとインターネットの普及により、作るだけなら誰でもフリーRPGを公開できるようになりました。 フリーRPGの存在が当たり前のことになってしまった現在、作品の色がなければ埋もれてしまいます。独自のメッセージ性とも言い換えられるでしょう。 このサイトでAクラスの評価を受けているRPGのどれもが、システム・演出・ストーリー、多くの分野にわたって、このゲームならではの要素に溢れていることは、皆さん了解頂けるかと思います。
 前作TDQ1でドラクエクローンの一つの完成形を示した田圃さんが作った本作は、まさにその境地に達したRPGでした。そのことを以下で詳細に検証しましょう。
 お約束ですが、入手法、起動や操作にわたる一切について、当方は説明責任を負いません。関係情報を扱うサイトなどに迷惑をかけないよう厳にお願いいたします。

・システムと演出:DQを超えた使い勝手

ステータス画面

 TDQ1はシステム的にはまったくDQのコピーでした。ウィンドウが半透明だったのが最大の変更点と言われるほどで、しかもかえって読みにくくなったためか、本作では黒バックに戻されています。DQのシステムの良い点も、使いにくい点もそのままコピーされていました。
 本作では、当時開発中だったDQ5のシステムも参考に、さらに独自の改良が加えられました。 そのため、一部ではDQを上回る使い勝手の実装に成功したのです。便利ボタン(A+B)やアイテムの順序変更、ルイーダの酒場での味方への道具の受け渡しなど、かゆいところに手の届くような改良が随所に加えられました。 特に独自に開発されたステータス画面の使い勝手は革命的で、現在見ても最高クラスの完成度を誇ります。
戦闘画面  戦闘画面、見た目ではわかりませんがとても賢いAIを搭載しています。 DQ4のザキ唱えまくりAIからの反省で、DQ5は自動戦闘を強化したのですが、初見の敵のHPや弱点まで知っているというインチキAIで、学習能力もありません。 TDQ2のAIは、戦った敵の外見やHP、弱点を記憶し、初見の敵の弱点を今までの敵から類推したり、有利な武器があれば持ち替えまで行ったりと、かなり人間的な作戦行動をします。 直接攻撃で倒せるところでわざわざメラを唱えたり、以前倒された敵だからと言ってザコにイオナズンぶっ放したりといった妙に無駄な行動はしません。 「めいれいさせろ」も実装されていますが、AIしか使えない特技を持つキャラもいるので、バカにせず、一度体験してみてください。きっと発見があるはずです。
氷面への写り込み  演出では、前作同様、いくつか独自の音楽やグラフィックもありますが、メインは作曲:すぎやまこういち、デザイン:鳥山明です。しかし、鏡や氷に姿が写り込む(→)など、細かな部分で独自の改良が加えられています。 戦闘画面、一番右のスライムが少し前に出ていますね。DQでは7でポリゴン化されるまで敵は横一線に並べられていましたが、本作ではかなりダイナミックな配置になっています。またオープニングなど、随所のイベントの演出も高水準です。
 さて、格段の進化を遂げ、非常に使いやすくなったシステムですが、欠点(欠陥)もあります。
 1つは移動速度の遅さです。今のツクールなどのスピードに慣れていると、DQはかなり移動速度が遅く見えます。1と比べキーレスポンスも向上したTDQ2ですが、移動速度はDQに合わせ遅めに設定されています。しかし変更は可能でして、Shift+Ctrlを押しながら「さくせん」を選ぶことで、隠しオプション(※1)が設定できます。そこで移動速度を速くすれば、今のツクールに近い、快適なスピードで操作できます。
 もう1つは、バージョンによっては存在する、致命的なバグです。
 当初田圃さんは本作を公開する予定がありませんでした。デバッガの1人がネット上にデータを流し、広まってしてしまい、公開せざるをえなくなったという経緯があります。 最初に流出したのは当然バグが取れていないバージョンで、まれに宝箱消失という、場合によってはストーリーが進まなくなるとんでもないバグが発生します。 後に修正パッチが公開されたのですが、修正されていないバージョンがかなり広く出回っています。これから入手される皆さんは、くれぐれもバージョンが最新のものか確認してください。自分の不注意でアイテムを紛失した時に、バグだと言い張るトラブルが頻発しています。
 その点にさえ気を付ければ、全体として見ると非常に完成度の高いシステムです。裏技(※2)も多数存在しており、最近になって発見された裏技もあります。やりこみ甲斐のある、奥の深いシステムと言えます。

・キャラクター:更に磨きのかかった個性

 TDQ1のレビューでは、個性溢れるキャラについて存分に語りました。本作でもこのキャラ立ちのすばらしさは健在です。 23人にも及ぶパーティメンバーは設定だけでなく、戦闘上でもキャラごとに個性がはっきり出ています。あまつさえ立っているキャラに、モシャス用の全身絵とステータス画面用のアップ絵まで設定されているという大盤振る舞い。(※3) 何人かのキャラをピックアップし、アップ絵とともに紹介します。

タルス  まず、ぶっちぎりの人気No.1タルスたんから紹介しましょう。
 見ての通りのロリっ娘であります。こんないたいけな少女に「勇者様ぁ」と言われて、「タルスは、待っています」なんて言われて、放っておくなんて男、いや人間じゃありません。 TDQ2最強の萌え担当です。
 見た目こそ高学年な彼女ですが、実はTDQ1のゼルク(300歳)の愛弟子であり、実力はお墨付きです。 ゼルクばあちゃんに男のだまし方まで教わったのか、レベル1からの参加ですが、瞬く間に上級回復呪文をマスター、パーティの救急箱として大活躍します。 この歳で軽めの鎧や剣を使いこなしてしまう点は、ゼルクばあちゃんの上を行ってます。 きっとゼルクばあちゃんは自分の根城で「あたしの若い頃にそっくりだよ」とか言ってスライム肉のハムを丸飲みしてるに違いない。末恐ろしい小学生です。
フアッス  続いては職業:おさななじみファッスです。
 主人公とは丸1日分だけ年下という間柄、いつも一緒に遊んでいたのですが、1日だけ早く徴兵された主人公が遭難、1人イカダで旅に出ます。 幼なじみを捜して三千里、しかし2人はすれ違いを続け、2人が再会するのは1年後、ストーリーも終盤になってからでした。一途で情熱的な女性です。
 しかし彼女のルックスをよく見て頂きたい。エアロビじゃありません、くノ一です。 重装備可能な上に素早さもトップクラス、終盤の主力として活躍する彼女ですが、急所斬り(※4)という物騒な技能を持っており、直接攻撃でたまに即死させます。 これを聞くと、彼女の情熱の裏側になにかどす黒いものを感じてしまうのは私だけでしょうか。 狭い村の1日違い、何かと比較されたことでしょう。身に覚えのない恨みを買ってるかもしれない。まさかこいつ、主人公の寝首を……?おちおち背中を預けられません。
アン&ムンムン  次なるはアン、スライムナイトの女の子です。モンスターを女の子にするあたり、田圃さんはよくわかってますね。
 体があまりに小さく、装備変更もアイテムの受け渡しも出来ないのですが、そこはスライムの守り神と恐れられた実力の持ち主です。 HPは最低クラスですが、呪文も状態異常もほとんど効かないという優れた防御性能があります。といっても、アンの攻撃力は大したことがありません。 彼女の強さは相棒のスライム・ムンムンの存在にあります。体当たりの他、雄叫び、甘い息、ガスといった超強力なサポートアタックは、TDQ2最強とも言われます。メタル系キラーです。
 なお、彼女の育ての親は、TDQ1の愛玩スライムムルイ君です。300歳を迎えてなお元気な彼、300年の間には色々なことがあったでしょうが、
ムルイ300歳 ←どうやらダイエットには失敗したみたいです。

 その他にも、浪速の姉御商人巨乳横乳の魔女っ娘じゃじゃ馬姫ぱふぱふのお姉さんといったメンバーがあなたを悩殺しにかかります。 でも男だって負けてません。自分で「かいしんの いちげき!」と叫ぶバカとか、かばう技能保持者とか、利益の75%かすめ取るヤツとか…… 何?パッとしない?もっと面白いヤツ出せ?……仕方ない。

アウカク  紹介しましょう。恐慌の魔神アウカクです。
 魔物の手下になった盗賊団に嫌気がさして辞めたと本人は言ってますが、きっと辞めさせられたんですよ。 こいつの言動は魔物のはるか上を行ってるんですから。 第一口調からして人間の使う言葉と思えないじゃあーりませんか!
 一度AIに任せたら最後、魔物をも震撼させる脅威の行動の数々。見てみまほ。

 ……コイツ、一体何でしょう。シナリオ上でもDQの道化師に相当する役回りですが、行動の成功率は100%に近く、実際役に立ってしまう点、非常に厄介です。「めいれいさせろ」にしておけば指示通り動いてくれるので、計画的に使えちゃうんですよね。
 このくらいで、だいたいTDQ2のキャラの強烈さはご理解頂けたかと思います。

・ストーリー:RPGで伝えたいこと

 どんなバカゲーかと身構えている皆さん、本作は到って真面目です。期待させてごめんなさい。
 しかしストーリー重視なんてキャッチコピー、もういいかげん食傷ですよね。 そう謳うRPGって下手をすると、ミッションが面倒くさかったり、イベントが無闇に長かったりして、作者の作ったレールの上を歩かされてるって感覚になることがあります。そうなると感情移入もできないし、モチベーション保てませんよね。
 前作TDQ1は、ストーリーは有って無いようなものでした。「父親を捜す」というミッションはあるのですが、手がかりは全く無し。むしろそれを口実に世界を旅するという色が強かったのです。 筋は一本道でしたがかなり自由度が高く、多少攻略が前後しても構わない作りになってました。 しかし自由には危険も伴うわけで、右も左も分からないまま、レベルも上がってないのに先に進んで瞬殺ということもよくあったのです。
 適切な自由度設定ストーリー性の両立。 難しい課題ですが、1を超えるためには避けられない要素です。
 本作では、序盤はかなり明確なミッションが与えられます。いわゆるお使いイベントで、王様の都合に振り回されているだけの場合も多いのですが、その分イベントをこなせばレベルも自然と上がるようにできています。 そして中盤、だんだんと仲間も増え、魔法の鍵を手に入れた時点で、ひとまずお使いは完遂します。あとは自由に散策できるわけです。 直後に船を手に入れ、世界の大概の場所に行けるようになります。本当に広い世界です。 あてもなく遠洋にこぎ出せば、迷子になってしまうでしょう。強敵が出る地帯に迷い込んでしまうかもしれません。 でも大丈夫、そういう時のためのルーラなんです。 引き返してもよし、少し無理してでも次の町をマークしておくもよし。攻略情報なんか見ずに、まずはこの冒険感覚を味わってください。
 そしてクライマックス、冒険の末に見えてきた真実は非常に重い物でした。

人間はどこから来てどこへ行くのか。
なぜ魔物と人間は戦うのか。
主人公とは、勇者とは、与えられた使命とは一体なんなのか。

 TDQの、DQの、いや全RPGの根源に迫るテーマに、本作は直球で勝負を挑みます。 説教するでもなく、おちゃらかすでもなく、ただひたむきに、真剣に。 本作ならではのこの姿勢自体、問いへの1つの答えになっていると、私はそんな気がするのです。
 感動という安直な言葉で片付けたくない、田圃さん渾身の芸術作です。フリーRPGの北極星TDQ1と一緒にどうぞ。


<ESさん風味蛇足>
(※1)隠しオプション
DQ1モード  TDQ1でも同様の操作で歩行速度が調整できますが、速くすると速くなりすぎてしまうのでお勧めできません。1の場合は、エミュから速度を調整した方がいいと思います。
 ちなみにそれ以外に、音楽テストなども実行できます。特にお遊びのドラクエ1モードのスイッチをオンにすると、右の通り衝撃的な状態になります。1度お試しあれ。
(※2)裏技について
 TDQは裏技の宝庫です。多刀流という、DQ2のはかぶさの剣を超えうる危険技や、棺桶様ご一行というベタなネタ、勇者イケタ増殖などバグ技。最近、TDQ2で主人公抹消法が発見されました。まともにやると非常に手間がかかりますけど。
 DQ4の有名な8逃げ会心などの裏技が再現されているところから見て、田圃さんはかなり意識的に裏技を作ってる気がします。しかし○○○の服や某ダンジョンの隠し通路はともかく、多刀流はどうだったのかな……
(※3)とはいえ、全員分じゃありません。
 ステータス画面ではモシャス用の全身絵とアップ絵がランダムでどちらか表示されるのですが、主人公以外にも何人かアップ絵がない人がいます。時間と気力がなかったのでしょう、アップ絵が無いのは野郎キャラばかりで、なるほどなあ、と思います。
 やはりプレイヤーキャラ24人はちょっと多すぎるんですよね。特に某トワラール。田圃さんには申し訳ないけど、ジハトとどっちかだけで良かった。ストーリー的に不都合ないし、個性も近いし。
(※4)DQ6がTDQ2からパクっと似ている点
 TDQ2もDQ6開発以前に発表されてます。そして、田圃さんはエニックスにTDQ2を送っています。 この状況で、DQ6とTDQ2のサブタイトルが酷似しているのは、ただの偶然です。ええ、ただの偶然なんですよ。
 パラディンという正統派職業がなぜか急所斬りなんて物騒な技能を持っているのも、「追いつめられると魔王が逃げる」という根幹設定の類似も、ただの偶然なんですよ、 たぶん絶対きっと
 ……真相はわかりませんが、ともあれDQ6はDQ6として、TDQ2はTDQ2として評価しようじゃありませんか。

 管理人コメント

このゲームも、前作と一緒にDLしたのですが、序盤をプレイしただけで、前作と同じく行方不明になり、現在また新しく始めている最中です。
そのため、主人公に顔グラがあるという本家でもないシステムや、24人という本家では(おそらく)やってくれない多彩なキャラクターなどは、いまだ拝んだことがありません。
特に、アウカク氏のざわ…ざわ…するくらいセクスィーなアゴを見た瞬間、

「こいつは…ぜひナマで見たい…いや、見なければ…!」

という思いに駆られたから困る。

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【 T・DRAGON QUEST -序章- 】

タイトル画面
レビュワー [ 赤松弥太郎 ]
ジャンル [ ドラクエクローン ]
作者 [ 田圃 さま ]
備考 [ X68000用・エミュ必須 ]
言語 [ 日本語 ]
配布元 [ 現在入手困難
 (まずTDQ情報集積所でも読め) ]

ハマリ度:7 グラフィック:6 サウンド:6

偉大なるドラクエクローン

 1990年代初頭、インターネットがまだこの世になかった当時、個人のプログラマが自作ゲームを公開する機会はほとんどありませんでした。パソコン通信の普及により、ようやくフリーゲームという概念が生まれましたが、パソコン通信の存在自体知っている人は希少でした。それ以外にはコンテストもなく、コミケで売るといった選択肢しかなかったのです。
 今回のT・DRAGON QUESTは1991年に発表されました。自分で楽しむために開発していたところ、ピンチヒッターとしてコミケに登用、間もなくネット上に流出してコピーと転売が繰り返され、事態を重く見た作者がエニックスに問い合わせるも、エニックスはこれを黙認、晴れてフリーソフトとして公開される、という数奇な運命をたどったこのゲームですが、2001年、「著作権協会」(※1)の圧力を受けたとのことで、公開を終了しました。 しかしその後も細々と愛され続けています。2005年に未発表のドラクエと偽ってオークションにかけた不埒者が晒されたという事件は、まだ記憶に新しいところです。
 現在入手困難な本作をあえて取り上げるのは、かつての懐ゲーを讃えるためではありません。今に通じる名作としてレビューさせて頂きます。なお、入手法、起動や操作にわたる一切について、当方は説明責任を負いません。上述のサイトなどで自己責任で勉強して下さい。

はじめてのおつかい  ここは辺境の小さな村、主人公はある朝母親に呼ばれます。
←どうやら父親の帰りをすっかり忘れていたようです。
 まるで雨の日に駅まで父親を迎えに行くようなノリでこの物語は始まります。魔王を倒して世界を救うような展開になる気配がまったくしません。
 登場する人々も勇者の血筋がうんたらとかまったく関係ない、普通の人々です。だって主人公の職業からして、
主人公 初期ステータス !!?!

 しょうねん、ですって。(※2)
 幼なじみの尻に敷かれてたり、吹奏楽部で補欠でホイッスル吹いてたり、親切な鬼さんに迷惑かけ通しだったり、いかにもヘタレっぽい職業ですが、事実その通りで、村を出てすぐはスライムとタイマン張って苦戦するほど弱いです。いくら13歳とは言え、これでは世間の荒波に堪えられそうもありません。
 でも大丈夫、主人公の面倒は双子の妹 ミルルがしっかり見てくれます。 ここで問題です。

お兄ちゃん、おはよ!  Q.職業:しょうねん職業:いもうと、強いのはどっち?
 A.少年<<<<<<(越えられない壁)<<<<<<<<<< だ!

 呪文が唱えられない以外、妹のステータスは当然のように同レベルの兄を常に凌駕しています。 開始早々金槌ぶん回して敵陣に突っ込む妹に、兄はホイミを唱えるばかり。主人公の面目丸つぶれです。
 しかしいくら妹が強いと言っても、結局は13歳の少年少女、レベル1ではスライム3匹に苦戦するほどです。母親が「寄り道するな、魔物を見たら逃げろ」と口を酸っぱくするのも納得です。 特に、村人が東はヤバいと言っているのを無視すると、

旅立つのなら晴れた日に 死亡確定です。合掌。

 こんな事態を打開するため、父親は秘密兵器を用意していました。紹介しましょう。
どうして町にいられるのか不思議 ←ただのスライム ムルイ君です。
 父親がおみやげとして連れ帰ったこのスライム、職業:おみやげだけはなんとか避けられたものの、所詮はただのペットです。 しかもスライムなので、人間用の装備を受けつけません。裸一貫です。世界に散らばる専用装備を探せばそこそこ強くなりますが、仲間にしなくてもストーリーは進行します。 仲間にしなければ、いつまでも町の片隅でいじけていることでしょう。哀れです。

魔法使い+母親=弱い  母親 セシランも中盤で仲間に加わります。 職業:ははは攻撃系の呪文をマスターしますが、歩くと勝手にHPが減るくらい病弱で、途中で倒れて子ども達に背負われて帰ることまであります。 おとなしく寝ていてほしいところです。
少女です、念のため  あとはラストダンジョン直前で仲間にできる引きこもり少女 ゼルク。 引きこもりなので当然実戦経験は無く、レベルは1からで使い物になりません。 しかし素質は一流で、鍛えるとたちまち主人公を回復役の座から追い落とします。

 そんなこんなで、ミルルの足を引っ張ってばかりの仲間たちです。 こんな奴らが仲間でいる限り、ミルルは勇者になれそうもありません。そして、彼女が勇者になることを阻む最大の壁が登場します。

勇者(主にファッションが) ほんものの勇者です。

 見ての通り、シナリオは全くのオリジナルですが、それ以外はほとんどドラクエです。 作曲:すぎやまこういち、デザイン:鳥山明、システムも呪文も本家と同じです。「さくせん」と出てますが、これはAIではなく、ステータスの確認をするコマンドです。 最大の変更点は、ウィンドウが半透明ということでしょうか。(※3)

 戦え主人公(ミルル)!勇者の座をイケタから奪うのだ!

……ん?誰か忘れてるような……ま、いっか。


<ESさん風味蛇足>
(※1)どこの「著作権協会」?
 この問題に関係しそうな著作権協会は2つ、日本音楽著作権協会(JASRAC)とソフトウェア著作権協会(ACCS)です。
 一度エニックスに黙認されている二次創作に圧力をかけるとは、著作権者の意見を無視した横暴な振る舞いで知られるJASRACの仕業だと言われてきましたが、もしACCSだとすれば、エニックスは役員を出しており、エニックスの意志である可能性が高いです。いずれにせよ詳細は不明です。以上で述べたのは、あくまで風説に過ぎません。
 個人的な見解を申しますと、このような良質な二次創作がどのように著作権者の利益を損ねているのか、理解しかねるところです。フリーソフトを転売するバカがいなければ、ね。
(※2)主人公の職業が「しょうねん」
 「DQ6だって主人公の職業は最初「むらのしょうねん」だ」という指摘、鋭いです。 思い出して下さい。DQ6発売は1995年。TDQ発表は1991年。TDQはDQ5発売より前、DQ6開発以前に発表されているのです!
 妹と一緒に暮らしていたりするところも、DQ6はTDQからパクっ……げふんげふん、刺激を受けたのではないか、と邪推されるゆえんです。
 DQ5の「こども」にしろ、「むらのしょうねん」にしろ、かなり速い段階で別の肩書きになりますが、彼はラストバトルまでずっと「しょうねん」です。気合いの入り方が違います。
(※3)その他の大きな変更点
どこかは秘密
  • 爆弾岩がすぐにメガンテを使ってくる。大変危険。要注意。
  • 敵の呪文を味方が回避する。しかも結構確率が高い。敵ばかり呪文を回避するという不公平感がない。
  • オリジナル呪文「デロハ」追加。いわゆる「いてつく波動」効果。これまた味方も使えるので不公平感がない。
  • メタルスライムがなかなか逃げない。このおかげで、ある場所で経験値ががっぽり稼げる(右図)。
どうして今更響○ネタ?あんた特ヲタ?
 カッとなって勢いでやってしまった。今は反省している。特撮ならなんでも良かった。


 管理人コメント

とあるレビューサイトで絶賛されているのを見て、必死こいて検索し、サポートサイトと首っ引きになりながら設定しつつプレイした、まさに思い出の作品です。その感動は、初めて父親のMACに触った思い出や、バイト代をはたいて自作マシンを作った思い出に匹敵するくらいです。
メタル狩りで荒稼ぎした時間も、お母さんが一緒に冒険に出ると聞いて、「おとなしく寝てろよ病人!」とディスプレイにツッコんだのも、どこと無く懐かしい思い出です。

実を言うと、未だ全クリはしておりません。今回のレビューを受けてHDDの中を漁ってみたものの見つからず、泣く泣く再インストールして、序盤から出直している最中です。
インストールの場所、やり方については、私からもコメントは差し控えさせていただきます。
このゲームの面白さは、自ら探り当て、自らの手で構築してこそ享受できるものです。

DLページ自体は、検索すればすぐ見つかりますし。

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