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■ 伝説の通学路

プレイ後の、まごう事無き感想です。
作者 [ 月星人 さま ]
ジャンル [ ややタイピング ]
容量・圧縮形式 [ 4.1MB・ZIP ]
使用ツール [ RPGツクールXP ]
必須ソフト [ 最新のRPGツクールXP RTP (Ver.1.03)
(旧バージョンでは動作しません!!) ]
ダウンロード ダウンロード不可

(補足)
2016.04.17:本作は、現在DLできません。
レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 9 /10 7 /10 105/150 B
ckck 7 /10 9 /10 8 /10
或野 吟山 5 /10 7 /10 6 /10
銅たぬき 5 /10 9 /10 5 /10
赤松 弥太郎 6 /10 8 /10 6 /10

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:7

エタァァァァナル・フォォォォォス・ブリザァァァドォォォォォ!!

■ 序文っぷり

私がこのゲームをプレイして何故かよぎった言葉がコレでした。あまりに、このゲームを的確に表した言葉だったので、そのままコンテントに使用させていただきました。
そう、このゲームは、なぜ伝説なのかは限りなく不明だが、伝説であること自体は納得せざるを得ない…そんな作品なのです。

■ 伝説っぷり

主人公「静奈」が潜り抜けねばならない伝説は、計5つ。その全貌を公開しましょう!

伝説その1

伝説その1:見るのではなく 感じて避けろ

最初の数秒間だけ表示されるキーを頼りに、上中下に障害物を避ける。
万が一避け損なったら、自分は死ぬ。

伝説その2

伝説その2:ジャンプ・シャンク・シャンプー

迫り来る裂け目のほんの直前で表示されるキーを頼りに、ジャンプで飛び越える。
キー操作が間に合わなかったり、キーを押し間違えたりしたら、自分は死ぬ。

伝説その3

伝説その3:世紀末なキャッチボール

仮面のナイスガイたちが投げるドクロマークの爆発性硬球を、上手く引き寄せて打ち返す。
打ち返すタイミングが少しでも外れたら、自分は死ぬ。

伝説その4

伝説その4:ピッとキュッとググッと回避

画面内に次々と現れるキーを、制限時間内に正確に打ち込んでいく。
一度でもキー操作を間違えたり、時間切れになった瞬間、自分は死ぬ。

伝説その5

伝説その5:超ボーナスステージ

二つの箱から、当たりの一つをカンだけを頼りに引き当てる。
ハズレを引いたら、ドクロマークの爆発性硬球により、自分は死ぬ。

■ 殺しっぷり

そんな「伝説」からも分かる通り、このゲームは3分ゲーにありがちな「初心者を殺すゲーム」です。
初めてプレイされた方は、なす術も無いまま衝突死・落下死・爆死・轢死してしまったと思われます。
しかし、そこからすぐに立ち直れる辺りも、また3分ゲーらしい作品です。
プレイ時間が短く、F12で捨てゲーも簡単なので、しくじったら即リセットして次に備えるのが、「伝説の通学路」の正しい遊び方でしょう。

■ まとめっぷり

手堅いシステムでまとまった第2位「ナンピク」とは異なり、「伝説の通学路」は、荒削りながらも、イラストやストーリーのインパクトが強い作品です。その点は、「印象に残った票」の差で、接戦を制した今回の結果からも明らかでしょう。
月星人さまは、イラストの質も、ゲーム作りのスキルも、これから益々上がっていく人物であると私は断言します。「第14回 3分ゲーコンテスト 優勝」を機に、これからもより面白い作品で、我々フリーゲーマーを楽しませて欲しいと思います。
しかし、次回作はもう少し易しいゲームにするよう、お願いします。

 《 ckck 》  ハマリ度:7 グラフィック:9 サウンド:8

押すなよ!押すなよ!絶対に押すなよ!(枠を)

ハマリ度7/10
油断していると、その足元にローキックをぶちかますような仕様がこの作品最大の特徴。
その辺りを笑いながら楽しめるか、それとも理不尽だと感じるかが評価の分かれ目だろうか。
グラフィック9/10
グラフィックの質もさもさることながら、「萌え」「コミカル」「グロ」などの配合具合も見事。
タイピングという単調になりやすいジャンルを、効果的に盛り上げている。
サウンド8/10
クラシック系ながらもノリの良いBGMが、ゲームのシュールさを上手く引き出すことに成功。
効果音の明るさから、爆破・転落・ひき逃げなどのマイナス要素が明るく処理されることにも好印象がもてる。

・問題です

あなたは親しい友人の家まで、スケボーにのって遊びに行くことになりました。その間に何か障害が待ち構えているとすれば、それはどのようなものでしょう。
バカゲーという前提をもって答えなさい。

  1. 悪質な違法駐車や乱立する看板でのスラローム
  2. 連続する地割れで命懸けオーリー(前上げジャンプのこと)
  3. 不思議原住民との爆弾キャッチボール
  4. 全力でひき逃げしてくる車を颯爽と回避
  5. 危険物入りプレゼントボックス
  6. 全部

勿論正解は6番!

といった具合で襲い掛かってくる愛の試練を、精密かつ正確なキー入力で華麗に乗り越えていくタイピングゲームが今月のイチオシ作品、伝説の通学路です。

・それでは解説です

ジャンルの表記が「ややタイピング」となっていることからも分かる通り、本格的な指使いが求められることは少なく、ベースとなる部分はアクションとバカゲー的要素で構成されているため、キーボードとあまり仲がよくない方でも楽しめる安心設計となっています。
それでいて、タイピング部分では(ゲームの仕様上)Q・X・Cというローマ字とあまり縁がないキー入力を頻繁に要求してくるため、普段からチャットや掲示板などで指を慣らしている方でも、なかなかの遊び応えがあること請け合いです。

また、ミニゲームの結果によって分岐するエンディングは、S~Cと4段階の用意が。
こちらはコミカルなゲーム内容と少し趣が違い、エロかったりグロかったりするのですが、それが返ってプレイヤーの意欲を高めるというナイスな結果に。

最高評価であるSランクは中々の高難度ですが、別に他がバッドエンドということもありませんし、ゲームの面白さを損なうレベルでもありません。
まあ、いざとなったら窓枠クリックで

・最後は無理矢理まとめます

勢いでつっ走りつつも、要所要所をきちんと押さえ、ユーザーのニーズに応えた名作といえる一本でしょう。
3分ゲー優勝は伊達じゃない!

 《 或野 吟山 》  ハマリ度:5 グラフィック:7 サウンド:6

♪ブレザー服を 遮らないで
(本当は、『つっきれ!ブレザーふく』とやりたかったけど、誰かと被りそうで・・・)

 最近リアル事情が忙しいことこの上ない激辛レビュワーの一角、吟山のレビューが今月も(来なくていいのに)始まっちゃいましたよ。
 リアと言えば、最近よくやってるテレビCMでこりん星のお姫様がグラビア界の黒船と着物着て仲良く雪見だいふく食べてるのを見て、我が美しい国の大和撫子のたおやかさ的な物は何処行ったと嘆き悲しむ安倍晋三以下約7000万日本男児諸君!女子高生(女子校生?)と共にスケボーで通学路を駆け、近隣諸国に末継や室伏やイケクミの分まで大和魂を見せ付けてやろうではないか!

 というわけで、レビューやります(素)。
 私の採点を見れば分かるでしょうが、今回も厳し目です。あらかじめご了承下さい。
(余談ですが、レビュワーやってて読者から文句言われたことは度々ありますが、『ゲームを遊ぶ参考になった。感動した!』みたいな褒められ方をされたことはありません。そりゃあ、レビューの質も落ちるでしょうよ。)

ゲーム性について

 私のこのゲームのハマり度は5点です。これは私自身の素直な感想です。
 いや、私もこのゲームを面白く遊ばせてもらいました。しかし、私にはこのゲームが「ハマる」タイプの作品には思えなかったのです。正直、熱中するようなものではなくて、どちらかと言うと、「息抜きにちょっとだけ遊んで楽しい」タイプに思えました。
 何と言いますか、これは「ハマり度」と言う名称が適切で無いのです。「小島よしおの『オッパッピー』にはウケてしまったけど、長期的なファンにはならないよなぁ」と言うのに類似した感じでして、「一発度」なんてのがあれば8点か9点は付けたのですが・・・。
 ともかく、私は余りこのゲームを末永くは遊べなかったと言うことです。

 私がこのゲームを末永く楽しめそうに無い最大の理由、それは「タイピングゲームとしてもアクションゲームとしても中途半端」と感じたことにあります。
 タイピングゲームとして中途半端な理由は、言うまでも無く使うキーが少ないため、そして難しいのに難易度設定が出来ないためです。まあ、3分ゲーとして作られたこのゲームに「Ozawa-Ken」や「ココルの森のフィーナ」並みのクオリティを求めるべきでは無いのでしょうが、それでも難易度設定とか、ステージセレクトによるステージの個別練習などはさせて欲しかったものです。
 ・・・でないと私、崖が越せないんですよ・・・。
 一方、アクションゲームとして中途半端に感じた訳は、「何で、ゲームパッドに対応してないの?」という、タイピングゲームという前提を全く無視した疑問が浮かんでしまったからです。私にはこのゲームは、キーでの操作とは別に、ゲームパッドの方向キー(4方向)と4ボタンの8ボタンで遊びたいものだと感じたのでした。その方が、私には馴染み深いですもん。
(この場合、『JoyToKey』を使うのでは、上手くパッドで遊べるようにはなりません。何故なら、ゲーム中の表示がキーのままで、パッドに対応してくれないからです。ちぇっ。)

 というわけで、私にはこのゲームは、いまいちプレイに入り込めない作品だったのでした。元々私はブラインドタッチできないしネ!ナンピク面白かったなぁ・・・。

演出について

 グラフィックは7点です。きちんと遠近法とか、人体のバランスとか、アニメ塗りとか基礎をきちんと踏まえた及第点のイラストが用いられています。
 しかし、それだけ。
 逆に言ってしまえば、基礎しかないんですね。なんか、イラストレイターの癖とか個性とかが出ていないように感じられ、それ故、没個性的で印象の薄いイラストに対し8点以上を付ける気になりませんでした。
 これ以上に自分の価値を高めるために、作者の月星人様には、是非、自分だけの特色をもったイラストが描けるようになって欲しいと思います。ちょうど、higa様のレベルを目指すのが良いのでは無いでしょうか?

 サウンドは6点です。何も考えずに遊ぶ分には違和感を感じることは無いのですが、どうも凡人の妥当な選択という感じがして、好きになれませんでした。何かね、ゲームにおけるBGMの役割というものに対し、あまり作者がこだわってない感じを受けたのです。
(もっとも、『何とかの大冒険』みたいにネタが面白いからと言って音質の悪い音楽ファイルを用いているのに『サウンド10点!』などと言うレビュワーが多数いるような現状では、音楽にこだわらない作者がいても不思議ではありません。私にはそれが嫌なので、敢えて自分に正直に厳しい評価を付けさせてもらいます。)
 それでも敢えて一つだけ意見するのなら、ゲーム中の楽曲は全てオリジナルのもので揃えるか、あるいは「クシコスポスト」に合わせて版権の切れた名曲で統一するか、いずれかにするのが良かったように思います。

萌えに走ることの問題点について

(この節で述べることは、一切評価とは関係しません。評価に対しての説明はもう前節までで言い切りました。よって、この節は興味のある方のみどうぞ。
 ついでに言えば、この節は徹夜して半ばトランス状態のまま書いたものであり、文意不明朗な部分があるかもしれませんが、読者様にも徹夜のトランス状態で読んで頂けたなら、と思いそのままにしておきます。)

 私は今まで、「萌え」という概念について自分の態度をはっきりさせたことは無かったと感じます。しかし今回、どうしても語りたくなってしまいました。と言うのも、このゲームが魅力的に感じられている理由の一つに、この「萌え」というのが確実にあると思われたからです。
 でもまあ、「萌え」を普通に語ってもらうのであれば、私などより赤松様の方が適任でしょうし。そこで私は、「萌え」の功罪の内「罪」について、このゲームにみてとってみようと思います。

 まず、このゲームの全体の雰囲気があのストーリー展開に大きく依存しているため、例えばステージのタイトルのいまいち感が目に付いてしまう、という点です。
 このゲームのストーリーは単純です。学生である静奈が、学校の放課後に親友の千夏の家まで遊びに行く途中の珍騒動、それだけ。それを、及第点のアニメ絵が盛り立てているという単純な演出が盛り立てているのです。
 すると、ここで浮いて感じられてくるのがあのステージのタイトル。プレイした方はすでに御存知でしょうが、ここに再掲します。

 さて、ざっと並べたところ、「何て芸の無いタイトルなんでしょう!」と思ってしまいました。タイトルにセンスも統一感もありません!しかも、タイトルからはゲーム内容が読み取りにくいという。
 私見ですが、この傾向はしばしばつまらない萌えアニメなどに見られるものです。芸の無いアニメの制作会社が、萌えが流行りとばかり、萌え要素を適当に組み込んだ他愛も無い話を書いて垂れ流しているよう感じることがたまにあるのですが(ファンを不用意に傷付けたくないので、タイトルの明示はしないでおきます)、それと同じ感覚を覚えてしまいました。
 萌えの悪いところ、それは制作者が安易に萌えに走る余り、作品のクオリティが低いのを平気でリリースしてしまう点だ、と私は思っており、このゲームにおいてもそれが、特にこのタイトルに顕著に現れていると感じました。
 さて、セガがかつて「タントアール」というミニゲームを集めたゲームを出したことがありますが(Wiiのバーチャルコンソールにもあります)、このミニゲームのタイトルは、もっとしっかり練られた、ウィットとパロディに満ち満ちたものでした(Wikipediaに書いてるので、是が非でもご覧下さい)。まあ、私としてはこれ位のタイトルをつけて欲しいと感じたものです。

 そしてもう一つ、私が悲しくさえ感じたのが、「世紀末なキャッチボール」中の「貴族」の扱いです。
 あれは、萌えにしか目のない人には何とも思わないのでしょう。しかし、私のような民俗学好きな諸星大二郎ファンからすると、「おのれ神聖なる土着の民を、下賎な文明国の間違った文明観で野蛮であるかのように見下しおって、このracistが!」と感じてしまいます。
 あれが上腕部に何の疑いもためらいも無く星条旗を刺青しちゃうようなU.S.Armyの兵士で、迷彩服着て爆弾投げてきたのなら、私は何とも言いません。それがU.S.Armyの(100%事実ではないでしょうが)本質を突いているからです。しかし、誇り高き森の民は、か弱い女学生にいきなり爆弾で死亡遊戯を押し付けたりなどしません。
 ここに萌えに関する問題点の2つ目が現れています。つまり、何かに萌える人は時として、他者の文化に無頓着・無関心であり、その結果思わぬ大ポカをしでかしてしまうということです。
 作者の月星人様がそういう方かどうかは、はっきり断定することは私めには不可能です。しかし、先ほど月星人様のサイトのトップ(ドラ○もん批判を匂わせるものでした)を見て、どうもそんな気がしてならなくなったのです。
(『ドラ○もん』の漫画を出版する小○館の商品展開、例えばこちらも、あるいはアニメを放送するテ○ビ○日の方針も、古参のファンにはちょっと戸惑う部分があるのは事実です。しかし、あの漫画の主なターゲットはリアル小学生なわけですし、リアル小学生からの評判が良ければそれで良いのではないでしょうか?
 そして私の経験則ですが、こんな子ども相手の作品に、あまりに色々批判する大人や10代の年長者にはロクなのがいないようです。子どもには子どもの楽しさがあるのに、自分の郷愁だけで『ドラ○もん』を評し主ターゲットのことは考えもしない、そんな年長者が立派か?と思っています。)
 萌えにばかり執心して、マッドメンを暴力的に扱うような人間は、所詮その程度の世界観しか持ち得ない2流制作者にしかなれないのでは、と危惧します。次回以降ゲームを作る際(あるかな?)は、どうかその点をご留意願いたいと思います。

全体について(総括)

 作者様のサイトでは作者様はまだ10代かそこらのようで、青春の炎を燃え滾らせて頑張って結果を出しちゃう10代は佐賀北高校野球部の部員さんたちだけじゃなかったのですね。
 レビュー文中では好き放題言わせてもらいましたが、まあ、自分の消化できるところは消化して、「俺の考えとは相容れない!」というような所は切り捨てて、今後の活動の肥やしにして下さればと思います。評点こそ低いですが、楽しんだのは事実です。
 面白い作品を有難うございました。今後にも期待させて頂きます。

 最後に、恒例の奴を張っておきます。タイピングが下手でも、何とかここまではスコアが出せたということで、プレイの際はご参考までにどうぞ。

いまいち。どうしてもSが取れなかった・・・。

 《 銅たぬき 》  ハマリ度:5 グラフィック:9 サウンド:5

下校するのも命がけ

やあ,お嬢さん.
どこにいくのかな? え? 友達の家?
でもこの先は結構危険だよ.よかったらオオカミさんがこの先の道筋のことを案内してあげよう.
え? お前はたぬきだろうって? あははは…お嬢さんツッコミ厳しいなー.オオカミってことにしてよ.お願いだから.

まず,最初の道だけど,ここはゴミの不法投棄が多くてねー.さらに違法駐車も多くて.それを防ごうと標識を立てまくったんだけど.
さらにカオスに拍車をかけただけだったねー.最初に表示される3つのキーをタイミングよく叩いてかわしていってね.
あ,3つのキーは毎回変わる上に,途中で消えるからちゃんと覚えていこうねー.

次は,森を抜けるんだけど,ここは国土交○省の管轄じゃないのか,舗装されてない上に地割れが放置されてて.
ま,直前に表示されるキーを素早く叩いてかわして行ってね.
一応,8つぐらいのキーの中から選ばれるはずだから,全部のキーに指を置いておけば大丈夫なんじゃない?
「なんだその投げやりな態度は」だって? オオカミさんはぜんぜん反応できないんだよ.アドバイスのしようがないもん.

その奥にはマッドな人たちが住んでいてね,誰彼問わず爆弾を投げつけてくるんだ.
こんなのが放置されているなんて警○の怠慢だね.だからお嬢さんがやっつけてくれると助かるなー.
もうわかっていると思うけど,タイミングよくキーを押して爆弾をはね返してね.

森を抜けた先にある道路は速度の無法地帯になってる.どこのアウトバーンだって感じだけど.
ネズミ捕りでも仕掛ければ大漁なのにねー.
ただし,表示されるキーを時間内に押している間は大丈夫.ま,間違えるとあっつー間に轢かれるがね

その先が友達の家だよ.
ま,死なない程度にかんばってね.
とりあえず,使うキーの位置を把握して反応速度を上げればなんとかなるんじゃない?
毎回,叩くキーがランダムに変わるからただのタイミングゲーではなくなっているし,飽きにくい.
ただ,4つ(本当は5つ)すべてやらなくちゃいけないのが難かな.このミニゲームを集中的にやりたいって気になったときに面倒だった.お嬢さんはそんな発作に襲われることは… あ,ない,そうですか,はい,すいません.

最後にこれだけ言ってオオカミさんは行くね.いろいろとやることがあるから.
先回りしたり,友達の変装をしたりね
あと,「どうしてそんなにお口が大きいの?」とか,「どうしてそんなにお耳が大きいの?」とか聞かないように.

ハマリ度:5/10
「かしわもち」ライクに絵で釣って,難易度でハメるタイプのゲームである.しかも頑張ればもう少し高得点が狙えそうという難易度が絶妙.
グラフィック:9/10
上手でかわいらしい絵柄である上に,おそらく一回しか見ないだろうOPとEDにも立ち絵を用意してあるのはさすが.
サウンド:5/10
バリエーションが少ないのと,どうしても運動会を思い出してしまう楽曲はいかがなものかと.

うーん, オオカミさんにはちょっと合わないゲームだったかな?
じゃあ,お嬢さん,今度この道を通るときは赤いものをかぶってきてね.その方が,気分出るから

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度 : 6 グラフィック : 8 サウンド : 6

もっと俺を楽しませろよォォッ !

 今回のイチオシは三分ゲーコンテスト優勝作です。
 つかみが良く、プレイを始めてすぐにどんなゲームかはっきりする、わかりやすさが売りです。軸がぶれず、はっきりしていて、良くまとまっています。エンディングを含む全てのイベントシーンがスキップ可能になっており、ゲームに集中してもらおうという姿勢が感じられました。

 ……なのですが。
 はっきり言って、私は本作をあまり楽しめませんでした。
 まったく楽しめない、とは申しませんが、なんとも物足りない。
 一言で言えば、調整不足、作り込み不足。痒いところに手が届かないようなもどかしさがあります。ヤリコミ度も低く、あまりに小さくまとまりすぎているという印象。かといって、それだけで目を引くような斬新なアイディアがあるわけでもない。
 以下、私が気付いた点をまとめました。

◆スクロールが逆向き

 ゲーマーの皆さんならまず気になるところだと思います。本作の自機は左向き。そう、なんですよ、逆。
 シューティングだろうと、アクションだろうと、格闘だろうと、ほとんど自機は右向きです。電光掲示板まで右から左に流れている中、本作は見事に左から右。世の流れに逆行してるのですよ。
 しかし、逆行していいことなんてあるでしょうか ? Webデザインでは「F字の法則」、テレビ業界では「逆ヨの字」と呼ばれる、画面配置の鉄則があるのですが……
鏡に映してプレイする・図解  と、いうことで、早速実験してみます。
 まあ簡単な話で、画面を鏡で見ながらプレイするってことです。本作の操作は原則左手だけで行うので、右手で鏡を持ちながらプレイできるんですね(右図参照)。
 当然のように、数値や統計といった客観的資料は一切無し ! 単なる私の操作感で結果を見ますので、悪しからずご了承下さい。
 それでは、れでぃー☆ごー !

 うぉぉぉ~~右腕がぁ~~ぁ~~っ。
 意外なことがわかりました。本作って、実はあんまりスクロールの向きと関係なかったんですね。
 第4ゲームとボーナスステージは見ての通り、全く向きとは関係ありません。
 第2ステージは絶対左向きが有利だと思ってたんですが、キーガイダンスはスクロールしない点がミソでした。つまり、自機も崖も関係なく、左端だけを見ていれば良かったのです。
 でもやっぱり、第1ステージと第3ステージは、逆向きの方がやりやすかったと思います。キーガイダンスが鏡像になってもあまり不利にならない分、違いがより出たのかもしれません。
 以上はあくまで私の感想なので、興味がありましたら是非お試しを。

 左から右の流れといっても、単に習慣の問題ではあります。縦書きの文章を見たら、普通に右から左に読むわけですし。
 でも、習慣だからこそ、無闇に変えることは避けてほしかったと思うんです。

◆減点方式スコア

 スコアには2つの考え方があります。加点方式と減点方式です。
 ゲームでメジャーなのは加点方式です。「Every Extend」「愛と勇気とかしわもち」、「日記のネタがないときの逃げ道6」なんかもそうです。スコアの上限は決められておらず、多少ミスしても挽回可能ですし、完璧でなくともエンディングまでたどり着けます。
 一方、本作は減点方式です(激辛もそうですね)。あらかじめ最高点が決まっていて、1つミスする毎に点数が減っていくタイプです。

 もちろん、減点方式でも傑作は多く出ています。
 「ぱるメロ ! 」をはじめ、音ゲーでは減点方式がメジャーですが、パーフェクトなんて大概無理なレベルです。こまめなランクアップによって、加点方式と同様の、スコアが上がっていく過程の楽しみを提供しています。
 しかし本作はそれほどスコアがきめ細かくないため、バランスが非常に取りづらくなっているのです。
 難しくしすぎれば、スコアが上がる悦びが薄まり、易しくしすぎれば、ゲームとして成立しなくなってしまう。
 その中で、本作のSランクの条件、37500 / 40000+α点は、高すぎると思う人が大半でしょう。
 (40000点ではありませんので、念のため。Bランクが20000点、Aランクが30000点なので、誤解を招きやすいです。もうちょっとフォローが欲しかったところです。)
 減点方式は、パーフェクト近くなると点数の伸びが鈍る傾向があります(最近の激辛を見ればわかるとおり、です)。それに加え本作は、1ミスで1ゲームまるまる落としてしまうという、過剰な厳しさが加わります。2500点の余裕と言っても本作の場合、1ミスだって許されない程の状況なのです。
 ボーナスステージで挽回の可能性も残されてはいますが、全くの運任せで、点数も偏りやすいため全くあてにできません。モチベーションも上がりにくく、Sランクを見ないまま投げ出してしまう人も増えるのではないでしょうか。

◆牽引力

 もう一つ、減点方式で成功した3分ゲー「もしくはタッフロール」を見てみましょう。
 この作品も、見た目の桁数こそ多いですが、あまりスコアは細かくありません。決まった手順から1つのミスでハイスコアが絶望的になるのも、本作と同様です。
 最大の違いは、クリア後のフォローにあるかと思います。
 「タッフロール」の場合、パーフェクトの方法は巧妙に隠されており、初見でパーフェクトを出すことがまず不可能です。エンディング後のオマケでヒントを貰い、パーフェクトへの手順を見つけ出す過程にむしろ主題が置かれていた、と言ってもいいでしょう。オマケの多彩さこそ、この作品の魅力であり、ともすれば単調になりがちなスコアアタックを牽引していたのです。
 スコアアタックへの牽引力という点で見ると、「逃げ道6」にはトイプードルを飼うというドッキドキの最終目標が設定されていますし、「Every Extend」には高スコアでのみ現れる隠しボスが存在します。「かしわもち」のストーリーが持つ恐ろしい魅力については、イチオシが語り尽くしてますので、是非ご一読お願いします。

 対して本作、オープニングはとても良くできていると思うのです。
 「友達の家へ遊びに行く」というごく日常的な風景が、一転して狂気のデスマッチと化す、その展開のスピード感は、相当レベルが高いものです。
 一方、エンディングは、なんとも物足りない。
 特に、Cランク、Bランク、Aランクと同じ落とし方をしてしまっている点がよろしくない。「なあんだ、結局同じじゃないか。じゃあ、Sランクはもういいな」という気になってしまうのです。
 実際のところ、Sランクはノリがだいぶ変わり、というよりSランクは普通にハッピーエンドなんですが、それはそれで普通で、あまり意外性がない。バカゲーに餓えている私としては、もっとひねりを利かせてほしいんですよ。

 そして、スコアアタックゲームとして致命的な欠点、ハイスコアが保存できないことについて。これがあるとないとでは大違いです。
 加えて言うなら、ハイスコアの保存さえできれば、初めて到達したエンドは見る方をデフォにしておく等、うっかり初見エンドを飛ばすミスを防ぐ手段を講じられたと思うのですが、いかがでしょうか。

◆評点・総括

ハマリ度 : 6 / 10
 上に書いた以外にも、判定がいまいち甘かったり、ツクールXP特有のモタリがあったりというのも減点対象としている。
 ゲームとしてまとめる技術に関しては、バカゲーとしても優れたものがあると思うので、より奥の深い作りを期待したい。
グラフィック : 8 / 10
 一昔の画風なのかもしれないが、クォリティは十二分に高い。スケボーなどの演出も、過剰にならない程度、ツボを押さえて使われている。
 バカゲーとしてはヒキが弱いし、いまいち落差が足りないと思うが、このゲームには相応しいとも言える。第3ゲームの武器の変化には笑った。
サウンド : 6 / 10
 あまりに安直な選曲。いくら何でもクシコスポストはないでしょう。
 おもいっきり中毒性の高い曲を使うか、あるいは全く邪魔にならない曲を採用するか。バカゲーにしたいならより極端なネタが必要。敢えて使わないという手もある。

 以下は個人的な感想なのですが。
 このゲームの可能性としては、2つの方向があると思うのですよ。もっと真面目にミニゲーム集として充実させていくか、バカゲーとして開き直るか。現状、ちょっと中途半端な位置にある。
 真面目にタイピング風、あるいはリズムゲーム風目押しゲームとしての道を探るなら、まずツクールXPはやめるべきです。RGSSはよく知らないのですが、少なくとも本作の現状ではでは全てのキーが受け取れないし、キーの判別が不十分な上、本作には明らかにオーバースペックです。HSPが最適かと思います。
 その上で以上で指摘した点を改善すれば、十分良作に化ける可能性はあると思います。

 一方、バカゲーとしてやっていくなら、ツクールXPでも構いません。「ツクールでこんなゲーム作っちゃいました、てへ☆」というのは、バカゲーなら十分通用する理屈だからです。
 もちろん上記に挙げた改善点は、ほとんどそのままバカゲーにも当てはまるでしょう。むしろ、ストレスなく遊べるよう、より細心の注意を払った調整が必要かもしれない。
 本作、センスとしては悪くないものを持っていると思いますので、より磨き抜いて、ぶっちぎってしまえば、バカゲーとして一線級、あるいは一線既に越えちゃった級に大化けする可能性もあると思いますね、ぼかぁ。

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