■ 魔壊屋姉妹。

(決まらない)名乗りシーン
作者 [ higa さま (ヒガガガ本舗) ]
ジャンル [ ドタバタRPG ]
容量・圧縮形式 [ 22.3MB・LZH ]
製作ツール [ RPGツクールXP ]
備考 [ 2006年秋・コンテストパーク金賞受賞作 ]
ダウンロード 作者様HPへ

フィールド画面 1面ボス・ワークイン(ポチ子) 金+パンダ=大魔神 受けよ!我が必殺奥義!(ダメージ1)

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 10/10 10/10 8 /10 140/150
A
ckck 10/10 10/10 10/10
赤松 弥太郎 9 /10 10/10 8 /10
或野 吟山 8 /10 10/10 9 /10
銅たぬき 9 /10 10/10 9 /10

(補足)
2006.12.13:DL先をVectorに変更。(或野 吟山 さま、情報ありがとうございます。)
2011.08.21:DL先を変更。(DECOすけ野郎 さま、情報ありがとうございます。)
2023.07.04:リンク先を代理アップロードサイトに変更

 《 ES 》  ハマリ度:10 グラフィック:10 サウンド:8

宴:受けよ!我が必殺のぉ~でこピン!
沙:何でそんなのしか残してないのよー!お姉ちゃ~ん!

ハマリ度:10/10
最近珍しい「考えないと進めない」「ヤリコミ度が高い」RPGである。
陰謀・策略大好き人間(管理人大いに含む)に、オススメのゲームである。
グラフィック:10/10
640×480の画面を埋め尽くす美麗なイベント絵と、ちょっぴり脱力系のバトラーのコントラストが見事。
「でこピン」中の宴馬アネキの表情は、色んな意味で見ものである。
サウンド:8/10
RTPとフリー素材のコンパチだが、雰囲気に合わせたチョイスは好感触である。
コメディからシリアスまで、様々なシーンのある本作には、まさに打ってつけである。

■ ストーリー

「魔壊屋姉妹。」は、ええ年こいた無気力ニート・宴馬(姉)と、それを支えるけなげな女子高生・沙魔(妹)の、愛と勇気と生活を賭けた、壮絶なサバイバル物語である!

はいウソです。

■ システム

この「魔壊屋姉妹。」、わが激辛で初イチオシとなる、RPGツクールXP製のゲームです。
本来のツクXPの戦闘システムは、フロントビューのターン制ですが、そこはRGSSで自由にいじくれるツクXP、「魔壊屋姉妹。」の戦闘システムは、サイドビューのリアルタイム性を重視した戦闘システムになっています。
最近のRPGでは、戦闘部分はあまり重要視されず、イベントのグラフィック、および電p…ゲフンッ…ストーリー性の向上に重きを置いていますが、この「魔壊屋姉妹。」では全く逆を行っています。
そう、このゲームは、野郎がほとんど登場しないにも関わらず、ガチンコバトルRPGなのです。
…ここら辺、RPGと言うよりもSTG(例:虫姫さまエクゼリカラジルギ)や格闘ゲーム(例:メルブラアルカナハート)に近い物があります。

ガチンコと言っても、決して理不尽さはありません。基本的に、こまめに回復しつつレベルを上げていけば、誰でもクリアできる難易度になっています。
しかし、そんなヌルプレイでは、決して「魔壊屋姉妹。」の楽しさを味わったとは言えません。「魔壊屋姉妹。」は、ガチンコバトルであるが故のヤリコミの楽しさを追求したゲームなのです。

■ ヤリコミのススメ

このゲームの説明書には、こんな一文があります。

「BOSSレベル」を超えないレベルでボスを倒す事が出来れば、何か良いもの貰えるかもです。(笑

…どうですか?この説明に反応しないようでは、ゲーマーではありません!
とは言っても、BOSSレベルよりも1~2レベルほど下で倒すのは、それほど難しいことではありません。基本的に欠員が生じないよう回復や能力強化に気を配っていれば、昔のRPGが苦手な方でも、運がよければ勝てるレベルになります。
ただし、3レベル以上少ないレベルで挑戦しようとなると、別の意味で難しくなります。「魔壊屋姉妹。」のザコ敵は、意外とエンカウント率が高く、普通に戦っていると、すぐにBOSSレベル近くまでレベルアップしてしまいます。
レベルを小さいままにするには、並み居るザコ敵から脱兎のように逃げ続けなければいけません。その戦法を推奨するかのように、ザコ戦は100%逃げられる仕様になっています。

こういった「低レベルプレイ」は、FC, SFC全盛期では少なからず流行っていましたが、最近の次世代機ではほとんど出てきていません。
「女の子バトル」と言う時代の最先端(ごく一部)に、あえて「やりこみプレイ」という時代を逆行する要素を付け加え、higa氏オリジナルのアレ(グラフィック)やコレ(脱力系)を掛け合わせてできたのが、「魔壊屋姉妹。」と言う傑作なのです。

このゲームは、EDを見たら終わりではありません。むしろ、二週目からが本番です。より効率の高い戦術、妹の符術コンボ、姉貴の気分調整を追究し、低レベルクリアを目指すことこそ、「魔壊屋姉妹。」の神の楽しみ方なのです。

…えっ、「じゃあ、アンタはどれだけ進んだのか」って?
坊主、嬢ちゃん、ヤボな事を聞いちゃいけねえぜ。

 《 ckck 》  ハマリ度:10 グラフィック:10 サウンド:10

お前ら皆大好きだ!

ハマリ度10/10
油断すると雑魚戦で全滅するが、戦術次第では低レベルでもボスに勝てる素晴らしいバランス。
且つ、随所で笑いを取ることも忘れていないのは驚嘆に値する。
グラフィック10/10
参った、新しい価値観に目覚めてしまいそうだ。敵グラフィックの脱力具合にも完敗。
フリーゲームでこの水準はある意味異常。
サウンド10/10
BGMの曲数、及び選曲が素晴らしい。
ただでさえテンポの良い戦闘やゲームの進行に、一層拍車を掛けている。

30点満点

記憶を辿ってみますと、私が今までこの点数を付けたのは、イチオシ初参加の「レミュオールの錬金術師」の一度きり。以降は29点が最高で、どこか粗を探して減点していました。
この点数にふさわしい作品がイチオシに上がらなかったのが最大の理由でしょうが、もしかしたら、満点を付けたくなかったという可能性も。読み手から手抜きに見えたり、(するつもりは無くとも)得点操作を疑われたくなかったのかもしれません。
それでもやはり、良いものは良い。素晴らしいものは素晴らしい。
私はこの作品に30点満点の太鼓判を押します。

テンションが上がってきました

ってな訳で今月のレビューに参りましょう。
「魔壊屋姉妹。」でまず目を引くのがなんと言ってもグラフィック面。同人作家でもあるhiga様に絵で手を抜くという概念が存在しないのか、それとも趣味を全開にした結果なのか、私には分かりません。が、このグラフィックはフリーRPG史上最高の出来と言っても差し支えないでしょう。
ADVパートでは商業作品並みに豊富な立ち絵でキャラが生き生きと話す!
戦闘パートでも味方キャラがガシガシ動く!ボスにカットインが入る!
しかも表面的な絵で終わらず、それを生かして各キャラごとの個性が生きている!
ロリキャラが強烈!ショタキャラはもっと強烈!!

ハッ!私は何を?

次に注目されるのが独特な戦闘システムですが、それは他のレビュワーの皆様に任せまして、私は敢えてゲームの快適さの方を紹介したい。
戦闘は高速で展開されるATBタイプとなっており、待ち時間は殆ど無し。さらに前述のグラフィック面の助けによって、その僅かな待ち時間も上手に消化。戦術を重視する戦闘でありながら、速度もきちんと両立しています。
移動画面ではランダムエンカウントなら確実に逃走可能な親切仕様となっており、無理矢理戦わされることも有りません。また、マップ画面からいつでもショップを利用することが出来る為、ボスを目前に来た道を引き返す必要も無し。
これに加え、「決定+↓」押し続けでADVの会話をスキップすることが可能となっており、イベント戦での全滅後や2週目以降もストレスを感じずにプレイを続けられる嬉しい心遣い。ついでに言っとくと、説明書には載っていませんがQとWで会話のバックログまで読める始末。
枚挙に遑がないとは正にこれ。凄いね作者様。手加減無しだ。

呼びかけ

「RPG好きならやるべきだ」とか、「絵が気に入ったならDL」なんてケチなこと言いません。
お前ら全員、プレイ必須!

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度 : 9 グラフィック : 10 サウンド : 8

天道の決めポーズ おばあちゃんは言っていた。
「考えなければゲームじゃない。
 萌えなければ戦う意味がない」
ってな。

 ツクールXPファンの皆様、お待たせしました。ツクールXP製ゲーム、イチオシ初登場です。
 何? 「プレイしようとしたけど、強制終了する」? ……悪いことは言いません、諦めた方がいいです。いや、手段がないわけではないが……確かに、クリアまで3時間というのはネット喫茶プレイに最適なボリュームではあるが……決してオススメできません。
 恐らくは、ハマって追徴金取られますから。

天道 おばあちゃんは言っていた。
「戦いは一期一会、毎回毎回を大切にしろ」ってな。

 さて、超絶戦闘がキャッチコピーの本作は、RPGの「戦闘」に特化したゲームです。既にマニュアルから、戦略性の高さだけが売りと公言してはばかりません。
 ここで注意してほしいのは、戦略性の高さ難易度の高さは、似てるようでかなり違う、ということです。確かに本作、決して難易度も低くはありません。しかし、出会ったザコをすべて倒していけば、大体提示される目安レベルくらいでラスボスまで戦えます。ラスボスもずば抜けて強くはないのです。
 ヤリコミを始めた時から、本作は真の姿を見せはじめます。
 鍵を握るのは2週目以降の沙魔です。2週目以降、それ以前に入手したアイテムが引き継がれていくのですが、本作の場合、アイテム装備で強化される部分はたかが知れています。そう、沙魔以外は。
 沙魔は、専用装備「符」の組み合わせで性質が激変するキャラです。符は主にイベントで入手するのですが、到達時のメンバーによって入手できる符が変わるという素敵仕様。つまり、式神3体に「姉妹だけ」も加えた4パターン、コンプするには4週必要って計算ですね。しかも移動中は式神召喚も封印もできないので、ころころコマンドを変えるバカ姉が戦闘中に調整するしかない、というわけ。
 しかし、符の中には場面限定で恐ろしい威力を発揮するものも多く、一度集めておけば一気に低レベルクリアへの道が開けます。ランダムエンカウントのザコ敵は戦わずに逃げられる、強制的に経験値が入るのは1回だけ、という仕様がさらに追い打ちをかけます。これはもう、初期レベルクリアしろと言ってるようなものですね。
 まずレアアイテムコンプをして、式神のレベルを一度極限まで上げてから、目標レベル-3クリア、そして極限低レベルへと進むのがセオリーでしょうか。3つの符の組み合わせに悩み、式神と戦法の相性に悩み、そしてバカ姉のコマンド調整に悩む……極めた時には、難解なパズルを解いた後のような爽快感が待っているに違いありません。

 ……え? 私ですか?
 私には、残念ながら極めるほどの時間がありませんでした。私が試したのは、Moon Goddessでも試した、ともかく素早さだけを上げる戦法ですが……炎陣の連符、燃費悪すぎ! あっという間にクロックオーバーしてしまい、ボロボロに……くそう、ハイパークロックアップだ!! [F12] ってそれ、ただのリセットボタンでしょうがっ!

天道 おばあちゃんは言っていた。
「人は幼女に萌えると弱くなる……
 けど、恥ずかしがることはない」ってな。

 続いて、ストーリーについて、ですが……
 本作は、ストーリーにおいては王道まっしぐらです。次々と現れる強敵を薙ぎ倒しつつ、敵の拠点に踏み込み、ボスを倒して世界を救う。一言で言って、これだけです。実にさっぱりしています。ギャグも、かなりテンションは高いですが、直球勝負の王道ギャグが基本、あまりひねったりはしてません。
 それが悪いことなのかって? いや、全然。
 だってこのゲーム、萌えゲーでしょ?

 妖怪って、モチーフとして最強なんですよ。何せ、誰も見たことが無いから、好き放題描ける。ネタ切れになることが絶対に無いんです。水木しげるがあれほどの大家になったのも、このおかげです。
 だから、鎌鼬がつるぺた裸マントだろうと、野襖がつるぺた裸マントだろうと、刀の霊がつるぺた裸マントだろうと、文句を言う奴は、誰もいないな?
 ここまでにとどめておけばhigaさんも、いやあこれはバカ姉宴魔の趣味でしてハハハと言い訳しつつ、普通の生活を送ることもできたでしょう。しかし。

最初のボスが獣っ娘でつるぺた。

次のボスがおっきなおうまさんにまたがったボク属性ゴスロリ。

敵役の式神使いが天才少女、当然貧乳。

その式神が、塗り壁も、おいてけ堀も、全員メイド服でロリっ娘。

気付いたら、バカ姉以外全員ナイチチ娘。

 つまり、higaさんは俺たちの同胞……そういう解釈で、いいのかな?
 よかろう。この点においては、上橋軍曹の後継者を自任するこの赤松弥太郎、この勝負受けて立とう! 私は戦隊ジャケットCMの女の子を毎年品評し(アバレイエロージャケットが個人的に最高峰)、「メルちゃんのりんごのおふろセット」のCMで鼻血を吹きつつ卒倒し、(株)大盛産業では初回プレイでロリコン怪獣を製造、世界を制した男だ! (ESさんのロリコン大帝には負けるけどな!) ネタかぶりに怯む私ではないぞ!!
 さあ、ロリ職人higaよ! その実力、私に見せてみろ!
 そして、無謀にもロリ野郎の牙城たるこの激辛に挑んだこと、悔やむがいいわぁ!!

お題その1 : ラスボス
※諸事情により、画像掲載は見送らせて頂きます。ご了承下さい。  ……素晴らしい!
 序盤の段階で、私の目は既に彼女の登場から物語の結末に至る筋道を捉えてはいた。だがしかし、実際に戦う彼女は、想像していたそれを遙かに上回っている。露出度の高さはエロチシズムを超え、発せられる清冽なる輝きはビーナスの誕生を世に知らせているのか。その健気さ、可憐さ、アウル氏が萌え尽きたのも納得の出来映え。そしてそれを引き立てる戦闘の妙味。我々が辛酸を舐め、地べたに這いつくばっても戦い続けたのは、ただ彼女に出会うためだったのだ。予定調和のハーモニー、まさに、ロリのオーケストラ!

お題その2 : ザコ敵
するめ  びっ…くりっ!!
 本筋では怪談の雰囲気を保ちつつ、ザコ敵がカオスという本作の二律背反。まったく意味不明な魑魅魍魎の跋扈する世界の中に降り立った彼女が、どれほどの安らぎを与えてくれることか。敢えて付けられたするめという名前。まったく無駄のないフォルムに合わせて設計された、ネコ耳、スクール水着、そして尻尾。その全身から、その全存在から、麗らかなる冬の陽射しと、森を抜け川を渡ったそよ風が、心の中を吹き抜けていく……
 私は誰? ここはどこ? そう、天国だ! 私は今、天国にいるのだ!!
 ロリペドが創ったキャラにロリペドが群がり、一介のザコ敵をトップクラスのアイドルに持ち上げる。この「踊るロリペド見るロリペド」の構図を、ただその魅力だけで現世に創り出した彼女は、まさに芸術!

 higaよ、私を萌死させるつもりか!? ……それでは、判定を言い渡す。

 どっちもダメ。メガネがいなきゃダメ!

 無礼千万にも、メガネ萌えについて、「スイカはそのままでも甘かったけど、塩をふったらもっといけた」などと解説した愚か者がいる。地獄の業火に投げ入れられる者である! 水着そのものや、ネコ耳そのものへのフェティシズムは存在するが、メガネそのものへのフェティシズムは例がきわめて少ない。中身がどんな女の子でも合うメガネも、どんなメガネでも似合う女の子も存在しない。つまりメガネ萌えとは一種の化学反応であって、ある女の子と、あるメガネ、両者が適合して初めて生まれるドラマなのだ。メガネっ娘の萌えは、天国のに位置している。私に言えることはただ一つ。メガネっ娘のいない萌えゲーなど、はい、豚の餌ぁ~~~~~~!!

 残念だよ、higaさん……君と仲良くできなくて……評点!

ハマリ度 : 9 / 10
 RPGの1つの極地に近づいていると言える。ヤリコミ度を上げる観点から、細かい要望だけ下に列挙する。
  • 周回数表示は絶対必須。
  • プレイ時間と歩数は周回ごとにリセットしてほしい。これだけはお願いします。
  • 全滅後、即ゲームオーバーではなく、その戦闘からやり直せると嬉しい。セーブした時点まで戻されるのは正直しんどく、セーブが作業化してしまっている。
  • 戦闘回数、撤退回数、全滅回数、キャラ別の死亡回数、行動別統計といったどうでもいい要素も、データとして見られると嬉しい……って、これってまんまCresteajuじゃん。
 ……お粗末様でした。
 ここまで極まると、マップ移動に意義が見いだせなくなっている点も、気になるところではある。
グラフィック : 10 / 10
 単純化された線と色遣いで、敵味方すべてのキャラに生命を吹き込む、その構成力の高さに脱帽。
 この絵無くしてこのゲームは成り立たない。グラフィックが構成要素を超え、ゲームそのものと一体になっている。
 それを活かす演出、特にADVパートの芸の細かさにも注目してほしい。
サウンド : 8 / 10
 あまりに似たような印象の曲が集まってしまったように感じる。ぬっぺほふのテーマだけは聞かせどころが用意されているが、それ以外は、使われた場面を思い出すのが難しい曲が多い。本作のテーマである「燃え」や「萌え」に、楽曲からもっと援護があれば、と惜しまれる。
 ボス戦の曲は2つ程度にまとめてしまった方がインパクトは増しただろうと思う。イベント曲も同様、ここぞというポイントを決めて使ったほうが印象に残ったはずだ。作風の統一感にこだわって、一つのサイトだけで素材を調達しようとする方は注意すべきだろう。

天道 おばあちゃんは言っていた。
「手の込んだ料理ほどまずい。
 不具合は隠そうとして隠しきれるものじゃない」ってな。

 さて。ここまで書き進めると、どうしても触れなくてはならない話があります。動作環境についてです。
 いろいろと悩みましたが、私は今回、動作環境については減点対象としないことにしました。一つに、作者の努力不足が原因と言えないからであり、また一つに、影響を被っているプレイヤーがどれほどいるのかはっきりしないからです。
 しかし、本作を自宅でプレイすることができないプレイヤーが存在しているという事実は、本作をネットカフェでクリアした一人として、述べる必要があると思います。

 本作は、間違いなくイチオシ史上最重ゲームです。何度か公表しているとおり、私の環境はグラフィックボード以外は2世代以上古いものでしたが、今まで、騙し騙しではあっても、大概のフリゲはプレイできていました。しかし本作は、ゲーム開始一秒で強制終了。
 ついに来るべき時が来た、そう感じた私は、アップグレードに走りました。今後もっと重い作品がイチオシされても、レビューできるレビュワーになるために。その結果、グラフィックボードの性能も上がり、CPUのスピードは4倍以上、メモリは6倍にまで増強されました。しかし、それでもゲーム開始一秒で強制終了。
 仕方なくネットカフェに行ってプレイしたら、それより低い環境で快適に動くじゃありませんか!
 持ち帰ったセーブデータで検証したところ、過激に動き回る戦闘シーンはOKなのに、ADVパートに入ると強制終了するようです。作者サイトに同様の書き込みが何件かありましたが、原因は未だに不明です。天は俺を見放したか……

 本作をプレイするためにン万円使って思ったのは、ツクールXPも問題じゃない?ということ。
 ツクールXPでは1.5GHz以上のCPUが推奨されていますが、現在どの程度普及した環境なのでしょうか? オフィスソフト動かすなら500MHzでいい状況で、そこまでのCPUを要求していない人も多いのではないでしょうか。我々フリーゲーマーもです。現在、ツクールXP製以外で1GHz以上のCPUを要求するフリーゲームは、ほとんど存在しません。
 先頃或野さんがおっしゃっていたこととまったく逆のことを言いますが、私にはツクール200xからツクールXPに乗り換えるメリットは、まったく考えつきません。ツクール2000は、DirectX7が動く環境なら、ほぼ間違いなく動作するという、奇跡の軽さを備えていました。その点、XPと200xはまったく性質の異なるものです。私には、手軽さを失ったツクールが、プログラミング言語とやり合って生き延びる道は、あまり広いものとは考えられないんですが……ツクールXPで凝ったことしてるゲームを見るたび、C++で作れば何倍速いだろうと思ってしまいます。

 しかし、言い古されていますが、ツールの優劣でゲームの優劣は決まらないのも事実です。例えば、16色のFMサウンドでなければ、コープス・パーティの恐怖は出せなかったように。悪名高いツクール95でも、名作名作として語り継がれていくでしょう。まあツクール95の場合ツール自体に欠陥があるのですが、道具ではなく、仕様も含めて作品を評するという姿勢は堅持したいと思っています。
 そんな私のお薦めツールですが、HSPとか吉里吉里とかNScripterとか言ってもありきたりでつまらないので、アリスソフトのSystem 4.0をオススメします。知名度は若干低いかもしれませんが、RPGならツクールXPより速く、ADVなら吉里吉里より軽い、脅威の開発環境です。さすがプロ仕様。普通にJavaライクなスクリプトなので、吉里吉里などに慣れている人でも取っつきやすくできています。18歳未満の方も心配ご無用、検索すれば再配布先から気軽に無料(タダ)でダウンロードできますよ。

 脱線しまくりましたが、本作の不具合がいつか改善する日が来ることを願い、筆を置きます。
 なんと言ってもツクールの強みはユーザーの結びつきの強さなのですから、きっといい知恵もあるかと期待しています。

天道の妹 みなさん、がんばるですよー。

 《 或野 吟山 》  ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:9

また、河童無視かい!!!(無論阿部サ○ヲ口調で)
宴馬姐さんの特技に因み、「3つの家来に命令だ」などと言った方は-10億ポイント。

姉が楽して妹が苦労するのが世の習い! 目次
  1. レビュー本編へ
  2. 「おまけその1 次回作にはこんな式神」へ
  3. 「おまけその2 メイキング・オブ・超激辛レビュー」へ
  4. 「おまけその3 吟山名物美少女的四駒漫画」へ

 最近両腕の痛い或野吟山(27)ですこんにちは。ここ1ヶ月ほど、原因不明の痛みのある両腕で、コンパク受賞作とか3分ゲー応募作とか遊んでいて大変だったんですよ、ホントに。今は「嘘つけロートルの癖に」とか私のことを馬鹿にしていても、20代後半になれば徐々にこの痛みが分かるようになるのでお楽しみに!!!(楽しくねえよ)
 ともかく、妖怪大好きわたくしめが、痛い両腕にサロンパスはりながら必死でチンタラ遊んで何とかマッタリ書き上げた「魔壊屋姉妹。」のレビュー、どうぞ読んでくれい。

ハマリ度について

 安田祥子と由紀さおり、叶恭子と叶美香、倖田來未とmisono、浅田舞とまおまお(順不同・敬称略、御容赦下さい。あと余談ですが最近、伊藤ハムの『朝だっ!真央のモーニンググッズプレゼント』キャンペーンに当選しました)といった具合に、姉妹で同じ路線で活躍する有名人は多いのですが、やはり姉妹なるものには特殊な魅力があると思うのは私だけでしょうか。ああ、私だけですかそうですか失礼しました。ともかく、姉妹というのは対比されてしまいがちなので、性格付けをつけるのが色々と面白く(正反対にしてしまいたくなる)、よくあるパターンですね。かつてあのDAN岩本様自作ゲームの中で、自分に眼鏡っ娘男装学ランの、双子の姉妹がいるという設定を作ってしまったものですし。DAN様が実際に結婚なさった今、実際に双子の姉妹が産まれて来ることを祈らずにはいられません。
 ただ、キャラクターの魅力については、多分、赤松様が例の調子で徹底的に書いて下さっていることだろうと勝手に期待して、私はゲーム性について語ることにします

 このゲームは、他のRPGにありがちなものを思い切って削り、徹底してゲームのストーリーと戦闘が楽しめるように設計されています。例えば、よくあるRPGのフィールドマップと、本作のそれとを比較してみましょう。

higa様の前作「小さな試練 ~Mayoezu No MORI~」より。皆さん、私のレビュー読んで遊んで下さいましたか? 「魔壊屋姉妹。」ではこうなります。シンプル・イズ・ベストということです。

 一目瞭然でしょうが、本作のマップなら絶対迷いようがありません。その為、常に最短距離で目的地を目指してしまい、マップの隅にあるかも知れない宝箱をわざわざ探しに行くという楽しみ(面倒?)や、迷路の中で彷徨う困難が無いのは、賛否両論でしょうが。イベントの起こる場所も明示されていますし、お店はいつでも(ラスボスの手前でも)呼び出せると、マップについては極端なまでに楽です。まあ、こんなのもアリなんだ、という感じで遊べばよいことでしょう。お話とバトルに集中して欲しいと考えたのであろうhiga様の思い切りを、私は大きく評価します。
 唯一つ難点を言わせてもらいますと、ストーリーが完全に一本道であり、その為「ただのお使いじゃん」と評されてしまいかねない点が挙げられます。個人的には「お使いの何が悪い」と思うのですが(こと、このゲームに関しては、後述するバトルの自由性が、ストーリーが一本道であることを余り気にさせなくしています)、それでも少々のストーリー分岐はあっても良かったのでは。例えば、このゲームのストーリー上では、ラスボスの居座る場所に行くために商店街や公園を抜けて行くのですが、そこに別ルートとして、高速道路の上をひたすら駆け抜けるルートや、下水道の中をこっそり汚水にまみれながら進むルートなどを用意して、周回しないと全てのルートを進めない様にする(そして、全てのアイテムが集まらないようにする)など、時間と余裕がおありなら是非検討して欲しかったものです。前作にはちょっとした分岐があったのですから、こちらにも期待していたのですが・・・。

 一方のバトルについては、次に示すように、見かけ上単純ながら自由度の高いものとなっております(良作の必要条件)。
 とりあえず、次のスクリーンショットをご覧下さい。

普通の横視点の戦闘シーンです。一見すると。

 これは、宴馬姐さんのスキルを表示したところです。しかし、このスキル欄に表示されるスキルは、次のようにコロコロ変わっていきます。

まあ、これは普通です。しかし・・・。 「でこピン」だの、 「やけど」だのも使う羽目になるのが魔壊屋の醍醐味。

 飽きっぽいという宴馬姐さんの性格に即した、特定のスキル群がローテーションを組んで使用可能になるというこの「魔壊屋システム」は、使うのに考え無しには使えそうもない代物です。これを上手く御せるようになるかどうかが、このゲームを面白いと感じるかどうかに大きく関わってくることになります。とは言え、レベルさえ上げてしまえばいい加減な戦い方でも何とかなるのですが。
 それでも、安易なレベル上げに走らせないために、面白い趣向がなされています。
 ゲーム中、合間合間に、ボスのレベルが表示されます。すると、普通の人ならこれを見て「このレベルより高ければ、楽にボスを倒せるのか」と判断してレベルを意図的に上げた上でボス戦に臨むことでしょう。石橋は、叩いて渡るべきですからね。それでも、もし、取扱説明書に次のように書かれていたならどうしますか?

「※第~話の時に表示される「BOSSレベル」を超えないレベルでボスを倒す事が出来れば、
 何か良いもの貰えるかもです。(笑」

 欲しいでしょう(笑)?
 実際、条件を満たしてボスを倒す度に、結構面白く割と役に立つ武器(詳細は、私からは明かしません)が貰えます。しかし、このゲームのバトルの自由度を面白く思えるプレイヤーでないと、ちっとも嬉しくないかもしれません。更に言えば、ボスのレベルより3も低いレベルでボスを倒すと、もう一種、普通なら使い道に困るであろうアイテムが手に入ります。多分これは、バトルの癖とか自由性を思う存分楽しんでくれるプレイヤーへの、作者からの御褒美ということなのでしょう。
 もし、本作にキャラクターの魅力から入ってきて、レベル上げまくって難易度ゆるゆるでクリアした方がおられるのなら、是非この御褒美を入手できるようにプレイしてみて欲しいものです。2周目以降ならアイテムも軍資金も整っているので、様々な作戦を立てる余裕があります。きっと、新しい魅力に気付けることでしょう。無論、嫌なら構わないのですが、様々なプレイスタイルがこのゲームの中で許容されていることは知っておいて欲しい。これが核にあるからこそ、このゲームは評価されるのです。

グラフィックについて

 私、超激辛メンバーに入れてもらって初めて、10点満点を付けさせてもらいます。
 作者のhiga様はもともと同人誌製作を嗜んでおられるようで、ホームページの方に「ひぐらしのく頃に」の同人誌などの発刊情報などが掲載されております。
 ・・・是非、大阪在住の私でも入手し易いように、とらのあななどに置いてもらって下さい。梅田で買います。
 それはともかく、ともすれば(りゅう)騎士(きし)07(れな)氏に勝るとも劣らない画力をお持ちのhiga様の、特徴的な画風のイラストが大変よろしい。デザインも言うことなし! 漫画家になって、「電撃なんとか」に連載を持っててもおかしくないレベル。上橋様もこれ位ならばなぁ・・・。あと私も。
 さて、この特色が一番思いっきり出ているところを、私なりに選ばせてもらうとすれば、第4話のボス・日織影踏戦で、ボスの下僕として順繰りに現れる7体の式神でしょう。全員同じような服装(詳しくは見てのお楽しみ)なのに、きちんと特徴が書き分けられているんですよ。個人的には、雷神たんが好みです。まあhiga様にはそんなことにはこだわらずに、日織っちとあの7体で魔壊屋の外伝的作品を作って欲しいところなんですが。(さっきから、要望ばっかだな。)

サウンドについて

 まず、RPGでは一番聞くことになるザコ戦のテーマが気に入ってしまいました。higa様は、戦闘時にプレイヤーが頭を使いまくって知恵熱出すことを予測していたのでしょう、頭のほぐれるノリの良い曲を選曲しておりGJ。
 他にも、基本的にこのゲームの曲は、余りシリアスではありません。どこかコミカルと言うか、higa様のイラストや世界観に上手く沿った選曲に好感が持てます。「対自的ユートピア」様の裏拳様、良い曲を有難うございました。

 褒めてばっかりではアレなので、少々批判を。これだけセンスいい曲を揃えたのだから、是非サウンドテストをつけて欲しかった。これは全てのゲームに言える事なのですが、特にいい曲揃いの本作だからこそ、特に付いていないことが惜しいと思うのです。夏のコンパクで金賞受賞したタクミ様「黒魔剣士アース 英雄伝」(誰もレビューしないのなら、私がレビューしちゃいますよ)には付いており、シリアスな曲やネタに走った曲が聞きたい放題なので、有難かったものです。いや、ゲームファイルの中を覗けばいいのですが、出来ればゲーム内のサウンドテストで聞けた方が便利ですよ。これ、次回作への要望ということでお願いします。(また要望だ・・・。)

全体について(総括)

 かつて、「スター・ウォーズ」の1作目(『エピソード4/新たなる希望』ですね)が公開されたとき、この様な旨のレビューを書いた方がいたと聞いたことがあります。

「この映画の唯一の欠点は、映画が始まってから1時間と数十分後に、スタッフの名が流れた後スクリーンの幕が閉まってしまうことだ」

 なんて贅沢言うのでしょう。映画が終わって欲しくないなんて!
 でも、私にも分かりますその気持ち。今でこそ「スター・ウォーズ」は6部作として揃っており、全部ぶっ続けで10時間ほどかけて観れば、27歳の私なんざ完全にグロッキーになり3日は寝たきりです(やったこと無いけど)。でも、やってみたい。それだけあの世界は魅力的なのです。

 さて、同じ事をこのゲームでも感じてしまったのですよ。続きが観たい、もっとキャラクターの掛け合いが観たいという衝動に駆られたのです。多分大抵の人が思うでしょうが、あのエンディングの後ランダがどうなったか気になるのではありませんか? というわけで、あの天道姉妹とランダの大暴れする続編を希望します。日織っち対魔壊屋協会でもいいですよ。遂に、最後まで要望で終わってしまいましたね。

 最後に一言。
 レビューは、極力じっくりゆっくり書きましょうね(泣)!!!

注釈

 今回、後が詰まっているのと、レビューが度々冗長になる事を鑑み、試しに一切注釈を付けないことにしてみました。まあ実際は、面倒だっただけなのですがそれは言わない約束。
 なおソースの方には、この後に色々書いておきました。読みたい方は、Internet Explorerならヘッドラインの「表示」から「ソース」を選んで、出てきたドキュメントの該当部分にある注釈の中をご覧下さい。私、今までにも注釈に色々書いてきたのですが・・・多分誰も読んでないでしょうね

おまけその1 次回作にはこんな式神

 次回作に出して欲しい式神召喚獣等有肖無肖を、期待もこめて大予想。

河童
 川辺に住んでる、胡瓜と尻子玉の好きな、緑色のあんちくしょう・・・なのですが、黄桜の宣伝でお馴染み小島功の描く艶っぽいトップレスの雌河童なら大歓迎でしょう!!! でも、萌えとはちょっと違うか・・・ってなおも言うなら、緑髪・緑スク水の娘を河童と言い張っても可!!!
猫又
 言うと思っただろう、ここの最後の漫画を読んだ人は。さっさと言っておくけど、詳細は、まあ、大方の予想通りです。
ろくろ首
 奇病に罹り、首が出鱈目に長く延びるようになってしまった娘・・・なのですが、余り病弱属性を感じないのは何故でしょう? 通常病弱には付き物の死の匂いが、不死身の化け物には存在しないからでしょうか? そうか、このシリーズには病弱はありえないのか・・・。「小さな試練」やってさっさと寝るか。
飛縁魔(ひのえんま)
 (ひのえ)(うま)(これを『へいご』としか読めない人も多くなりました。いい時代です。ゆとり教育万歳!)生まれの女性は自分の旦那を喰い殺すというトンデモない迷信より生まれた、放火魔の女の化け物。とりあえず名前がよろしいですね、宴馬姐さん大喜びです。ただ、顔を熊田曜子似にしたりなんかするとシャレになりませんが(もう誰も覚えてないか)。
細木○子
 隠し技で相手を後はご想像にお任せしましょう。




おまけその2 メイキング・オブ・超激辛レビュー

 ここでは、「魔壊屋姉妹。」のレビューのおまけにかこつけた、完全に内輪ネタの、超激辛ゲームレビュー執筆の(私の個人的な)内情について語ることにします。なお、これらの記述は全て私の主観に基づくものであり、ネタとして許されるであろう程度の脚色・改変・誇張等がなされていることをお含みおき下さい。ただ、これでも概ね事実なのですが・・・。
 それは、去る2006年7月に遡ります・・・。

7月9日 イチオシレビュー「愛と勇気とかしわもち」掲載

 第8回3分ゲーコンテスト優勝作のレビュー。このゲームの主人公(?)である「あいちゃん」が実は病弱少女であり、私はそこで、「病弱」が萌え属性としてはちょっとマイナーであることを、同様の属性を持つ 「シルフェイド見聞録」のヒロイン(?)「シーナ・セフライト」が他の女性キャラクターに比べていまいち目立たないことと併せて指摘しました。しかし、これがレビュワー約一名からのあらぬ誤解を生むことに・・・

8月20日 イチオシレビュー「鴉の断音符」掲載

 私が窓の杜社サイトにて見つけ、イチオシに推薦したアドベンチャーゲームのレビュー。このゲームには長期入院している作家志望の「堂口早苗」という少女が出てきます。そこで、ゲームの進め方によっては、彼女との心の触れ合いが物語の主軸になることに関連して、このレビューの中でckck様が、「先月病弱・・・或野吟山様はどうなのでしょうか」とお書きになりました。一方で、この後にレビューが載った当の或野吟山様(つまり、私)はまんまと「『俺のヒロインは早苗ちゃんだ!』」などと書いてしまっていたのでした・・・。
 他にも、赤松弥太郎様のボク少女口調レビューなど、色々その後に影響を与えるようなネタが多かったように思います(赤松様に『しぇいむ☆おん』を勧めたのも、私なんです・・・)。

8月21日 レビュー投稿宣言

 上記レビュー掲載後、引くに引けなくなった私はckck様のブログ「多分毎日更新する日記」への書き込みで「次の投稿レビューでは病弱ネタに走る予定」と宣言しました。
 さあ大変。病弱少女の出るフリーゲームを探さなくてはならなくなりました!

8月下旬 「小さな試練 ~Mayoezu No MORI~」ダウンロード&プレイ

 私は急いで(急ぐ必要は全く無いのですが)、Vector社のサイトに向かいました。そして、病弱」でサイト内検索をかけたところ、運悪く見事に一つのゲームに行き当たりました。
 それが、「小さな試練 ~Mayoezu No MORI~」だったのでした。このゲームの感想については、こちらのレビューを読めばすぐ分かることなので、ここでは繰り返しません。
 ここで私は、higa様のサイトに「『魔壊屋姉妹。』コンテストパーク審査中」との旨の記述があることに気付きました。どうやら、この「魔壊屋姉妹。」とかいうゲームを、コンパクに応募したらしい。が、「小さな試練 ~Mayoezu No MORI~」のシステムの厳しさや、何よりハナちゃんのセリフの痛さを考えると、あさソン様剣舞~極める~」と西瓜様プリズンナイトmore」もレビューしている私は「『宇宙一決定戦』や『ムスペル』は上位入賞するだろうけど、これは良くて敢闘賞止まりだな・・・」と判断してしまったのでした。多分、多くの人にとっても、この時点でhiga様はノーマークだったと推察します。なお、最近惜しまれつつ終了した(はずであって欲しい)偽ツクール新聞様に「higa様という人もコンパクに応募したそうな」とタレこんだのは私。
 ともかく、私は中辛でも厳しい難易度に腹立てながらクリアし(辛口の難易度は問題外でした)、投稿レビューを送りつけたのでした。ES様も、私がckck様のブログへ書き込んだのを見たのか、「病弱レビュー、期待しています」とメールに書いてきましたことですしね。

9月3日 投稿レビュー「小さな試練 ~Mayoezu No MORI~」掲載

 もう読みましたね? まだ読んでいない人は是非読みましょう。
 もう遊びましたね? まだ遊んでいない人は是非遊びましょう。

9月8日 コンテストパーク審査結果発表日

 当日は朝から、本業が手につかないまま、コンパクWebのサイトを10分置きにチェックしておりました(なお、周囲の人たちに言わせると、本業がいつでも手についていないと言う噂)。
 午後4時半。コンパクの結果がアップされました。早速審査結果を確認すると、そこには驚愕の結果が・・・!!!

プラチナ賞 なし

   金賞 魔壊屋姉妹。(higa 様)
      クリエイティブストーリー(リィ 様)

   銀賞 ムスペル(西瓜 様)
      宇宙一決定戦(あさソン 様)
      他2作

   銅賞 物欲の猛者たち(下東 様)
      他数作

「金賞 魔壊屋姉妹。(higa 様)」!!!

なんてこった!!!!!!!!!

 そして強い衝撃を受けたまま、「魔壊屋姉妹。」と他数本をダウンロードし、ついでに重陽(ちようよう)生まれのES様への一日早い誕生日祝いをBBSに書き込んで(ちなみに私は上巳(じようし)生まれ、よろしく!)、とっとと家に帰・・・らず、宴馬姐さんよろしく赤提灯で銚子一本を冷で引っ掛けて帰りました(私は下戸なもので、一本だけ)。あの時は「何でやねん!!!」とばかり気が動転し(私は今大阪在住)、一杯やらないとおかしくなってしまいそうな気分だったような気がします(なお、周囲の人たちに言わせると、いつでもおかしくなってしまいそうな気分に見えると言う噂)。

9月9日~ 「魔壊屋姉妹。」プレイ

 やけに時間がかかっているように見えるでしょうが、大人には時間が無いということでご理解願います。もっとも、いずれも劣らぬ秀作ばかりの他の作品も並行してプレイしていて、1本当たりにかける時間が短くなってしまったということもありますが。
 しかし、まったりだらだら遊んでいる間に・・・。

9月17日 投稿レビュー「魔壊屋姉妹。」掲載

 アウル様、仕事が速過ぎます!!!
 まあ、割と忙しめ、と言うかダラダラしてすぐ時間を無駄にする私なんか気にせず、レビューを書いて下さるなら私からは何も言いません(と言うか、初めから言う権利がありません)。それならそれで、他のゲームのレビューを書きたいですしね。と言うわけで、

9月25日 投稿レビュー「クリエイティブストーリー」掲載
10月1日 投稿レビュー「あさソンオールスターズ 宇宙一決定戦」掲載

 もう読みましたね? まだ読んでいない人は是非読みましょう。
 もう遊びましたね? まだ遊んでいない人は是非遊びましょう。

10月9日 11月のイチオシレビューが「魔壊屋姉妹。」に決定

10月22日 「魔壊屋姉妹。」やっと初クリア

 なんでこんなに遅くなったかと(言い訳カッコ悪いと思いながら)説明しますと、「腕が痛い+あさスタにハマる」と言うことです御免なさい。私、RPGを遊ぶときに大抵こんなに時間がかかってしまう性格なんです。でも、ランダのあの展開には笑わせてもらいましたよ。RPGの常識を覆しかねない、「魔壊屋システム」を生かしたあの戦い方にも。

11月5日 「魔壊屋姉妹。」2周目に挑戦

 この日、遅ばせながら2周目で「レベル-3クリア」を目指し、敵パーティの行動の悪さや、スクリーンショットのシャッターチャンスを逃したとかに泣いてF12キーに手を伸ばしながら、実プレイ時間3時間強(データ上は2時間半程度)で達成。しんどかった。結構歳のレビュワー(27)には。
 しかし、その前日のckck様(20)のブログには、「初期レベルクリア」を目指したとの記述が・・・。ラスボス手前までは行けたらしいのですが、クリアできたのかどうかは、ckck様のレビューに書かれてあることでしょう。ともかく、頭が上がりません、ckck様にもhiga様にも。

11月10日 「魔壊屋姉妹。」レビュー投稿

 なんだかんだで、ようやく投稿です。
 疲れた。でも、読者の皆様が楽しんでくださるならそれで結構です。いや、楽しんで下されば良いのですが・・・。その判断は、読者の皆様にお任せしましょう(決まり文句)。

 おしまい。レビュワー人生は、当面続けますが。
 とりあえず、私は腕を休めます





おまけその3 吟山名物美少女的四駒漫画

(読む前に注意)本漫画中に現われるキャラクターは、ゲーム中の同名のキャラクターとは性格・言動等一切関係ありません。また、この漫画に対する批判や苦情を受ける責任の一切合切は、或野吟山に帰属します。
 あと、ヒガガガ本舗様、勝手なことをして本当に失礼しました。
 なお、スクリーンショット中のメッセージウィンドウは見ない振りする方向で。

「ドロロン宴馬さん」
スクリーンショット中のメッセージウィンドウは見ない振りする方向で。
沙魔「おねーちゃん、遅刻ですよー」

宴馬「実はな、沙魔。六道町の位置が分からなくて、ネットで地図見てたらな、」
宇都宮の六道町
宴「栃木県は宇都宮市と、」
京都の六道町
宴「京都市右京区に六道町って地名があって、」
スクリーンショット中のメッセージウィンドウは見ない振りする方向で。
宴「どっちの六道町か分からなくて・・・」

沙「下手な嘘はやめるですー!
  うちの近所の六道町に決まってますよー・・・(呆然)」


或野吟山「higa様、このゲームの舞台は、一体どちらの六道町なのですか?」

(補足)2コマ目、3コマ目は、テキサス大学図書館が所有し、サイト内で無償公開している著作権の切れた地図の一部を使用したものです。日本に同様のサイトが無くて・・・。

 《銅たぬき》  ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:9

これでとどめだぁ!!
なにぃぃー!ここで「でこピンとやけど」だとぉぉーっ!!

ハマリ度:9/10
さまざまな効果を持つ符と宴馬姐さんの気まぐれ行動により難易度の高い戦闘が楽しめる。
仲間と敵の状況をにらみつつ、最適な行動を導き出す緊張感はパズルものが好きな方にはたまらないだろう。
欲を言えば、もう少し符とシナリオにボリュームがあると良かったなぁ。
グラフィック:10/10
コミカルな登場人物に多くの立ち絵が用意されている。それがキャラの魅力を引き出すのに大きく貢献している。
サウンド:9/10
ヒーローっぽいものから和風、ホラーもの、コミカルと幅広いBGMが揃っており、場を良く盛り上げている。

■ レビューの前に

えっ、「空気」の読みだって?「からけ」でしょっ、それくらい読めるって。バカにしないでよ!

どうも。初レビュー 「鴉の断音符」 ではネタっぽいレビューが多い中でバリバリに硬派なレビューをし、
次の 「Quantized Blaze」 では硬派レビューが多いにもかかわらずスチャラカレビューを書き、
早くもエアーの読めない子認定を受けてしまいそうな 銅たぬき です。
今回のお題 「魔壊屋姉妹。」 では リアルけもの耳少女だの、 ゴスロリボクっ子だの、7人のメイドさんだの、横暴姐御と薄幸妹だの、多彩すぎる登場人物から「これはオモシロレビューが多いに違いない!」

と確信した私は何のためらいもなく硬派レビューを展開するのでした。
いや、だから「からけ」だって。

■ 怒られないうちに本題に

さて、戦闘難易度の高さを謳う本作ですが、なにゆえにムズイのか。それは以下の点によると考えます。

この中でも特に問題なのが宴馬さん、アンタだよ、アンタ。このヒト、コマンドを選ぶたびにコマンドが変わります。こんな感じ。

このうち、「でこピン」と「やけど」は完全なスカです。でこピンはまだ1ダメージ出ますが、やけどに至っては自分にダメージですよ?
デメリットしかない技なんてRPG史上初なんじゃないでしょうか。

私も初プレイの際に1話のボスのHPをなんとか100まで削り 「あと一撃で!」という時に、よりにもよってこのヒトにターンが回ってきて「でこピン」と「やけど」しかコマンドがないという冒頭の言葉のような状況に遭遇しました(泣)。
「でこピン」をうってるうちに沙魔嬢がやられて戦線崩壊。そのままゲームオーバーに直行しました(大泣)。

このような状況にならないためには、3人に攻撃・回復・支援の役割を設定し、状況によってはそれを臨機応変に変更するマネジメント能力、ピンチに陥る前に対応策を用意しておくリスク管理能力が求められます。どちらも管理職として必須の能力であり、その意味ではこのゲームは管理職養成ゲームといえるでしょう(大嘘)。

まぁ、簡単に言えばHPが赤くなる前にHP回復技を持つ鎌鼬を召喚しSPが尽きる前にSP回復ができる野襖を召喚しろ、ということなんですが。

■ じゃあ、どうすりゃいいのよ

以上のことを考慮して私が取った戦術は名づけて『水牢の鉄壁陣』 『ハイパー姐御の一撃』

1ターンだけほとんどのダメージをゼロにする「水牢の鋼符」を連続使用してダメージを最小限にしつつ、宴馬姐御のコマンドが「業炎闘舞」と「旋風脚」になるまで粘ります。そして、「業炎闘舞」でハイパー化した姐御で「旋風脚」をかまします。あたれば700~1000ぐらい出るので、ボスを怒りモード化させることなく沈められますぜ。これでラスボス以外はあらかたいけます。さすが姐御。ちょっと「業炎闘舞」の攻撃力上昇効果はデカすぎなんじゃないでしょうかねー。
他にも取説で紹介されているような様々な戦術が存在します。ただ、戦術の要である沙魔嬢の「符」の種類が少ないので、戦術のバリエーションが限られてしまうのが残念なところです。

■ RPGというよりは…

実際のところ、MAPの全景が見えておりイベントが起きる場所もわかっているので、RPGの基本的な楽しみであるダンジョンで迷う楽しみや落ちているアイテムを拾ってニヤリとする愉悦はありません。戦闘もレベルや事前準備よりは戦闘中にいかに行動するかが重要なファクターを占めるので、レベルが上がり装備を整えることで倒せなかった敵が倒せるようになる、という成長の楽しみも基本的にはないです。そういう意味ではRPGというよりは、RPGの体裁をしたパズルという趣ですが、面白いのでオールオッケー。

■ 総評

コミカルなシナリオながらも戦闘の難易度は高め。このゲームはキャラクターのレベルの高さよりも危機的状況でいかに行動すべきかというプレイヤーのレベルを試しているといえるでしょう。私としては、こういう歯ごたえのあるゲームは大好きです。その割にハマリ度が満点ではないのですが(汗)。黙っててもクリアできるようなヌルゲー好きな方にはちょっと辛いかもしれません。しかし、考えることが好きな方にはプレイして損はないゲームです。


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