■ 三代目レビュー アクション 3 | ||||
Depth Survivor | 赤いギャリートロット | 異界遺物のブロック崩し | ||
DORONKO WANKO | Rising Up | ALUCARD |
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ジャンル [ 海底探索アクション ] 作者 [ SinclairStrange さま ] 容量・圧縮形式 [ 12MB・ZIP ] 言語 [ 英語 ] 備考 [ Global Game Jam 2025 出展作品 ] 配布元 ![]()
深淵より生還せよ
海底洞窟を探査する一隻の潜水艦。しかし、突然の落盤によって轟沈してしまう。潜水服を身に着ける余裕すらなく、命からがら脱出した生き残り、それが貴方である。
一丁の水中銃と己の肉体のみを頼りに、貴方はこの危険な海底洞窟を脱出しなくてはならない。
正体不明の怪物たち、何故か仕掛けられた鍵付きの扉…空気と脱出口を求めながら、貴方のSurviveは始まるのだ。本作は短編かつシンプルな水中アクション。itch.ioの公式動画では難なくクリアしていますが、そこに至るまでに要求される技量は、当然のごとく高くなります。
まず、本作はキーボード操作オンリーとなります。最も、本作はそこまで素早い操作はいらず、むしろ正確な位置合わせの方が重要になります。ゲームパッドの恩恵は「慣れ親しんだ操作」程度です。
より警戒すべきは、本作の舞台が水中であること。そう、「マリオ」や「ロックマン」でも鬼門と言われた、水中のフワフワした操作感が、終始貴方を苦しめてきます。
数々陣取る敵を、避けるにしろ倒すにしろ、フワフワした操作はかなりの邪魔となります。とにかく「軸」を合わせにくい操作なのです。
ステージ1から、上手くジャンプを調整しないと針山や敵に自らぶつかって余計なダメージを喰らいます。
ステージ2になると、自分の身長分の隙間しかないレーザー網をホバリングしながら回避することを求められます。
ステージ3は「(周囲2~3キャラ分近寄らないと)見えない壁と棘」が常にあなたの周りを覆ってきます。
いずれも、潜り抜けるためには「死に覚え」しかありません。ライフと時間制限を兼ねた画面左上の泡ゲージ、見た目はかなり余裕がありますが、「時間」と「ダメージ」の両方で減るため、タイミングを損ねると一気にピンチとなります。スムーズな操作を実現するためには、どうしても経験…トライ&エラーの「エラー」が必要となります。
それ故、チェックポイントは細かく取られており、回復ポイントとなる「泡の湧きどころ」も点在します。そんな「立て直しやすい」レベルデザインでも、かなりの「溺死」を積むのが本作なのです。
果たして、公式動画のプレイヤー、この動画の撮影前にどれほどの「溺死」を積んでいたのでしょうか…。
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ジャンル [ 簡易アクション探索ゲーム ] 作者 [ アワラギ さま(あ行。) ] 容量・圧縮形式 [ 154MB(圧縮版)・ZIP, ブラウザゲーム ] 製作ツール [ RPGツクールMZ ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ R-15指定(バイオレンス表現を含む) ] 配布元 ![]()
赤き番犬が暴く暗黒時代
ここは英国のさびれた片田舎。しかし、その共同墓地の地下には古代遺跡が眠っているという噂があり、観光地化をもくろんだ再開発が行われていた。
しかし、作業員は次々と赤き魔物「ギャリートロット」の犠牲となった。墓所を守るように暴れ回っていた魔物だったが、一人のハンターの前に首を取られることとなる。
…物語はここから始まる。
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赤き魔物が倒れたその夕方、共同墓地に突如、一人の少年「ロビン」、そして赤い犬が現れた。
行くあてもないロビンは、作業員の一人として雇われ、日常に戻ろうとしていた。しかし、日常は早速にも奪われる。
その夜半、ロビンの目の前に、首の無い赤き魔物が姿を現した。赤き魔物は村中を脅かし、遂には犠牲者まで出てしまう。
魔物を制御するといわれる「首輪」を求める少女・トラシュと共に、ロビンは墓所の探索を進める。人を襲う「ブラックドッグ」がひしめく危険な墓所。しかし、ロビンは果敢に戦う。「赤い犬」をその身に宿し。
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本作は、イギリスに伝わる伝承「ギャリートロット」を基にしたアクション性の高い探索ゲーム。
「コドクノクツ」など前作までのクトゥルフモチーフな探索ADVとは異なり、本作はアクションRPG的な戦闘が多いゲームとなっています。
その戦闘システムは「敵に隣接して決定キーで攻撃、無防備に敵のいる方向に移動するとダメージ」というシンプルなもの。基本的に敵はプレイヤーを狙って移動するため、「待ち伏せて叩く」と言う戦法で十分に戦えます。
最後の戦闘のみ、敵の動きにランダム性が追加されます(数歩分を一気に飛び越えたり、距離を取ったりなど)。「隣接した敵にしか攻撃できない」と言う本作の仕様上、最後の戦闘だけはかなりの死闘となります。「決定キー押しっぱなしでの回復」は忘れないようにしてください。
本作にも、数々のEND分岐と日数制限(5日間)があります。どちらも条件は厳しくはありませんが、「優しい村人たちとスローライフを送るシミュレーション」するつもりで過ごすとあっという間に過ぎてしまいます。
もっとも、「首なしケモノの出現」が1日目の強制イベント。以降は作業員宿舎は使えなくなる(毎日の昼食だけ拾える)ため、「スローライフ」は1日午前だけで終了してしまいます。
以降は、トラシュと共に村や墓地・遺跡の探索に奔走することになります。探索シーンも、「戦闘モード(赤いロビン)になれる時間が意外と短い(17時まで)」「17時以降は首なしケモノが遺跡を徘徊しだすので、その前に遺跡を脱出しておくこと」と、意外と時間制限が厳しめです。
その厳しい時間制限の中で、ロビンは様々な謎を解き明かす必要があります。「首なしケモノの正体」「村人を襲った『下手人』」「遺跡に眠る宝」「村の秘密」そして「ロビンは何者なのか」…様々な情報を、足と好奇心で探り出す…「探索アドベンチャー」と言う意味では、今までの「あ行。」作品と同じく、本作もあなたの好奇心と決定キーに十二分に答えてくれます。
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ジャンル [ ブロック崩し+謎解きホラー ] 作者 [ 作っちゃうおじさん さま ] 容量・圧縮形式 [ DL不要・ブラウザゲーム(HTML5) ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 ![]()
崩しまくれ! そして…
「異界遺物のブロック崩し」は、簡単に楽しめるブロック崩しです。操作は画面下中央の黄色い三角ボタンをクリックするだけ。
とは言っても、連打は効きません。ボタンの上にあるゲージが右側の黄色い枠に入ったタイミングでないと、クリックしても何も起こりません。
その中でも、青い枠、赤い(と言うよりオレンジの)枠に入ったときにクリックすると、発射される弾に特殊な効果が発動します。
青い枠でクリックすると拡散弾。1発で10個近くの弾を一度に発射し、広域破壊が狙えます。
赤い枠でクリックすると貫通弾。拡散弾よりも弾数は落ちるものの、その全てに貫通能力が付与されます。総合的な破壊力は、拡散弾を優に超えます。
即ち、拡散弾・貫通弾を狙うタイミングゲーム、そして、ゲームで溜めたスコアを使用した成長ゲーム、それが「異界遺物のブロック崩し」本編の内容です。
バックグラウンドに燃える般若面が映っている以外、ゲーム本編にホラー要素はほぼありません。
しかし、ある程度成長を進めると、何やらステータス画面に怪しい項目が…。
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「異界遺物のブロック崩し」のもう一つのゲーム…それは、このゲームのストーリーを解き明かす謎解きです。
以前に紹介した「PuzzleRPG JS」などと同様、本作には裏技的操作で解き明かす謎解きが存在します。
「神隠し事件の調査資料閲覧申請」をクリックすると、成長項目「調査資料解放」が増えます。このレベルを増やすためのスコア稼ぎが若干必要ですが、そのスコアはたったの3,500点。「ブロック増加」をいじらずとも1~2プレイすれば十分に溜まるスコアです。
本作の謎解き要素は、解放した4つの資料に隠された謎を解くこと。「隠されたメッセージ」を見つけるのはそれほど難しくないでしょう。そのメッセージに従ってオプションなどを切り替えることで発生する隠し画面…そこからの謎解きはかなりの変化球となります。
詳しいネタバレは、コメント欄などを見れば分かるでしょう。特に、コメント欄はアップデートで隠す措置を入れた通り、直接的なネタバレが含まれています。「どうしても分からない」と言う場合のみ参考にしましょう。ちなみに、「調査資料解放」が無くとも、本作は無限にインフレするブロック崩しゲームとしても楽しめます。
ただし、「ブロック増加」の上げすぎにはご注意を。これはレベルが上がるほど画面内のブロックが多く細かくなるアップデートです。1ステージ当たりの獲得スコアを増やすために無くてはならないアップデートですが、他の「クリアしやすくなる」アップデートを優先させてください。
本作のブロック崩しは、1ステージ当たりのブロックを少なくとも90%以上破壊して「Clear」にならないとスコアが獲得できません。「ブロック増加」レベルが10以上になると、クリアにかかる時間がかなり増えることになり、スコア稼ぎの効率が悪くなります。
「爆弾マス追加」「爆弾威力増加」は、一度に破壊できるブロック数を増やす分かりやすいアップデートです。
「連打速度増加」は説明・効果ともに少々分かりにくいアップデートですが、ゲージ速度が上昇=ある程度以上に上げることで拡散弾・貫通弾が連発できるようになります。より肝心なホラー演出に関してですが、それも本作では控えめです。「画面背景の般若面」が最大のジャンプスケア要素と言えます。
しかしその分、「真相」の切なさはより高くなっています。一体このゲームは何のために作られたのか、何がこのゲームを作らせたのか、切ない「真相」を解き明かしてください。
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ジャンル [ 箱庭塗りつぶし3Dアクション ] 作者 [ 株式会社Phoenixx さま (バンダイナムコ さま) ] 容量・圧縮形式 [ 349MB(解凍後)・Steamから直接ダウンロード ] 製作ツール [ Unity, CRIWARE ] 言語 [ 日本語、英語 ] 備考 [ 要:Steamクライアント ] 配布元 ![]()
とぎすませ野性!! ほとばしれ泥水!!!
あなたは可愛いポメラニアン。セレブで仲睦まじい4人家族に可愛がられ、幸せに暮らしていた。
折しも、今日は家族みんながパーティの準備に大わらわ。
しかし、あなたはそのことを知らない。いつも通りに野を駆け、泥にまみれ、そして餌をねだりに家に帰る。
その野性は、家を帰っても留まることを知らない。あなたは野性のままに泥を払い、邪魔するものを蹴散らすのだ!
今、貴方を止める家族は、ここにはいない…。本作は、バンダイナムコの新人研修プロジェクトの1つ。パズルアクションRPGである「BOOMEROAD」「NOTTOLOT」と併せて先月末(2024.03.26)に無料配信されたばかりのゲームです。
その中で、マスメディアからも配信者からも最注目された作品が、この「DORONKO WANKO」でした。その理由は明白。キャッチーさ・分かりやすさ・手軽さを兼ね備えた作品が、この「DORONKO WANKO」だったのです。
- 「部屋を汚すことでスコアを稼ぎ、ステージ展開を進める」分かりやすいルール
- 「ゲームオーバーは無く、『部屋を汚す』さえ遂行していればいつかはクリアできる」難易度の低さ
- 「部屋を汚す」ことで解放されていくアクセサリー要素。時にはより効率的に「部屋を汚せる」装備も
- ワインやトマトなど、「汚れ」の色が変わるヤクモノがそこかしこに。「くわえる」でカラフルな汚れをまき散らせるように
…と言う、分かりやすさに注力したゲーム性が、本作を注目させた理由でしょう。
操作もシンプルかつ3Dアクションの基本通り。
- 左クリック(マウス)、RTボタン(パッド)による「ぷるぷる」=汚れをまき散らす
- 右クリック(マウス)、LTボタン(パッド)による「すりすり」=地面の汚れを吸収して「弾」を補給
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という2つの操作を基本に、家中を駆け回り、汚れを広げていくのです。
…妙だな…この「汚れ」、「増殖」しているっ…!?
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もちろん、本作も「完成されたアクション」である以上、明白なクリア条件があります。「家に隠された12個のマークを、周囲を塗りつぶして発見する」ことです。
小規模なテーマパークぐらいには広い本作の箱庭舞台。その上で2階+地下+ロフトという階層構造に加え、隠し通路・隠し部屋・ちょっとした謎解き要素(機関車の車輪集め)も存在します。
スコアを稼ぐごとに開放されるヤクモノの中には、自動的に汚れをまき散らす装備、小型犬では届かない場所に汚れを届けるサーキュレータやロボット掃除機などの仕掛けも存在します。攻略的な意味でも「スコアを稼ぐ」は重要になるのです。初見でも小1時間でクリアできるステージ容量ですが、極めようと思えばスピードクリア、ハイスコアクリアも目指せるアクションです。
幼い頃に泥遊びをして叱られた人、昨今では少ないと思われますが、現在では「スプラトゥーン」と本作があります。
可愛いから許される「いけない遊び」、ゲーム内だけでも楽しんでみてください。
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ジャンル [ ベルトアクション ] 作者 [ ERIK HØYRUP JØRGENSEN さま ] 容量・圧縮形式 [ 100MB・ZIP, ブラウザゲーム ] 製作ツール [ Unity ] 言語 [ 英語 ] 配布元 ![]()
リーマンはShock!
スーツがひしめくビジネス街。しかし、その実態はかなりの野蛮。今日もまた大通りでストリートファイトが繰り広げられていた。
危険なビジネスストリートから遥か上のビル、ここでもまた、バイオレンスが発生しようとしていた。
コピー機の前に立つ中年男性。しかし、あえなくコピー機は故障。よほどの重要書類だったのか、それとも、過重労働によるストレスか、中年男性はコピー機に殴る蹴るの暴行!
コピー機の爆発四散だけでは収まらないのか、中年男性は動くもの無差別にその拳を叩きつけるのであった。
歯止めの効かない殺戮の果てに、彼が見たものは…。本作は、リリースからかなりの話題を呼んだ作品です。その理由は、スラップスティックでシュールなバイオレンス。そして、短編で簡単な、誰でも遊べるアクションゲームだからです。
システムは単純なベルトアクション。方向キーで移動、Zキーでジャンプ、Xキーで殴る蹴る、Cキーで防御という単純な操作で楽しめます。
その上で、本作は体力無限。実をいうと、私は「Cキーで防御」を知らないままにクリアしています。「Cキーの防御」が無いと、終盤の戦いに(転がされて立ち上がる分の)時間が掛かりますが、それでも数十分でクリアが可能なくらい短編の作品です。
同僚や警備員の死体を積み上げて「昇りつめた(Rising Up)」先、そこに待ち構える「ラスボス」は誰なのでしょう。そして、あらゆる意味で「行きつくところまで行きついた」主人公の行く先は…ぜひ、あなたの目でも確かめてください。
ちなみに、END後もジャンルを変えたアクションがあります。最初から最後まで、皮肉と暴力に満ち満ちた本作、笑って楽しめる方こそプレイしてください。
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ジャンル [ 短編ジャンプアクション ] 作者 [ KENTO OKAYAMA さま(竜の騎士団) ] 容量・圧縮形式 [ 35MB・ZIP ] 製作ツール [ Unity ] 言語 [ 日本語・英語 ] 備考 [ Xboxコントローラ推奨 ] 配布元 ![]()
吸血鬼は鏡に映らない。そして、鏡の中にも世界がある。
人間とヴァンパイアのハーフ・ブラドは旅をしていた。妹を生き返らせるために。
ヴァンパイアの父曰く、「この世界にある魂の欠片を3つ集めれば、妹を生き返らせることができる。」
「魂の欠片」の在処…そこは、何者の刃も通さぬ魔物が跳梁跋扈する危険な場所であった。ヴァンパイアの力を使いこなせるブラドにとっても。
しかし、彼は恐れず歩みを進める。ヴァンパイアの力で障害を「乗り越える」ために。
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本作は、人間モード・ヴァンパイアモードをボタンで切り替えながら、障害を飛び越え潜り抜けていくジャンプアクションです。
ヴァンパイアモードの特徴は、「ジャンプ力が大幅に上がる」「鏡に映らない=鏡の中にある障害物の影響を受けない」の2点。
特に、「鏡の中にある障害物の影響を受けない」が、本作の大きな特徴になります。背景に鏡のある場所では、「鏡像」にも攻撃判定があります。鎮座しているトゲ山・突進してくる敵をY軸移動で避けようとしても、人間モードでは「鏡像に当たってダメージ」となります。鏡のある場所で回避する場合には、ヴァンパイアモードになって鏡像のダメージ判定をなくす必要があるのです。
逆に、「鏡像の障害物に引っかかる」人間モードが助けとなる場面もあります。「鏡内にのみ存在するブロック」に乗ることができるのです。
中盤辺りになると、ヴァンパイアモードで大ジャンプ→ジャンプ中に人間モードに戻って鏡内のブロックに乗るという素早い操作が当たり前のように求められます。しかし、本作は短編の物語です。ステージは3つのみ。慣れた方なら5分も掛からず、慣れてない方でも20分も掛ければ全クリできる長さです。
しかし、そんな短いストーリーでも「牽引力」は大きくなっています。「『お前の』魂」と言われる魂の欠片、徐々に怪しさを見せる父親、果たしてこの「魂」は取り戻してよいものなのか…。
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